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在宅・介護施設での褥瘡ケア完全ガイド

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在宅・介護施設での褥瘡ケア完全ガイド


この記事の3行まとめ

  • 褥瘡(床ずれ)は在宅・介護施設どちらでも起こりえますが、早期発見と適切な役割分担で悪化を防ぐことができます。
  • 家族・介護士・訪問看護師・医師がそれぞれ担える範囲を理解することが、安全なケアの第一歩です。
  • 通院が難しい場合でも、訪問診療を活用することで自宅にいながら医師の診察・治療を受けることができます。

褥瘡(床ずれ)とは|基本をおさらい

褥瘡とは、体の一部が長時間圧迫されることで、皮膚やその下の組織が傷んでしまう状態です。「床ずれ」とも呼ばれ、寝たきりや車いす生活の方に特に起こりやすい問題です。

褥瘡の基本(原因・ステージ・治療・予防の全体像)については、上位ガイドである褥瘡(床ずれ)とは|原因・ステージ・治療・予防・在宅ケアまで医師が解説する総合ガイドをあわせてご覧ください。

本記事では、在宅や介護施設という場面に絞って、誰がどこまでできるか・どこに相談すればよいか・法的な責任はどうなるか、という実際の疑問に答えていきます。


在宅での褥瘡ケア|家族ができることとできないこと

家族が日常的に行えるケア

在宅で介護をするご家族が担えるケアの中心は、予防と観察です。

行えること 具体的な内容
体位交換 2時間ごとを目安に寝る向きを変える(詳細は訪問看護師の指導に従う)
皮膚の観察 赤み・むくみ・傷の有無を毎日確認し、記録する
清潔の保持 皮膚を優しく洗い、蒸れや汚れを防ぐ
体圧分散用具の活用 介護保険で借りられるエアマットや体圧分散マットレスを正しく使う
栄養管理の補助 水分・たんぱく質をしっかり摂れるよう食事の工夫をする

高齢者・寝たきりの方の具体的な在宅ケア方法については、高齢者・寝たきりの褥瘡ケア|在宅介護で家族ができることで詳しく解説しています。

家族だけでは判断・処置が難しいこと

  • 傷の深さや感染の有無の評価
  • 医療用の軟膏・ドレッシング材(傷を保護するシート)の選択と交換
  • 壊死(皮膚や組織が死んでしまった状態)した組織の除去

これらは医師・看護師の判断と指示のもとで行う必要があります。市販の外用薬は、皮膚が赤くなった程度の軽い状態の一時的なケアには使えることもありますが、傷が開いている・深くなっている・膿や臭いがある場合には自己判断での使用は避け、速やかに受診してください。


介護施設での褥瘡ケア|介護士の役割と限界

介護施設で働く介護士は、医療行為を行うことができません。ただし、一定の範囲内でスキンケアや観察を担うことはできます。

介護士が行える範囲と、看護師・医師が行うべき処置の境界については、介護士が行える褥瘡処置の範囲|医療行為との境界を解説で詳しくまとめています。

施設の法的責任について

入居者に褥瘡が生じた場合、施設側には適切なケアを行う義務があります。予防策が不十分だったと判断される場合には、法的な責任が問われるケースもあります。詳しくは入院中の床ずれ責任|医療機関・施設への対応と裁判事例をご参照ください。

また、老人ホームへの入居を検討している場合や、すでに入居中で床ずれが生じてしまった場合の対処法は、老人ホームの床ずれ対応|入居前の確認と発生時の対処法で解説しています。


訪問診療・訪問看護の活用|在宅でも医師に診てもらえます

「通院できないから、褥瘡があっても仕方ない」と思っていませんか?

訪問診療・訪問看護を利用すれば、ご自宅や施設に医師・看護師が来て、褥瘡の診察・処置・薬の選択までを行うことができます。

自宅でできる医療処置のすべて|胃ろう・在宅酸素・褥瘡ケアと管理の実際でも紹介しているとおり、褥瘡のケアは在宅医療の重要な柱のひとつです。訪問診療の基本的な仕組みや対象・費用については、訪問診療・在宅医療とは|対象・費用・依頼の流れを医師が解説する完全ガイドをご覧ください。

訪問診療・訪問看護それぞれの役割

担い手 主な役割
訪問診療医(医師) 褥瘡の評価・診断、処方(外用薬・内服薬)、ドレッシング材の指示、体圧分散用具の見直し
訪問看護師 処置(洗浄・ドレッシング交換)、状態の経過観察・記録、家族への指導
ケアマネジャー ケアプランの調整、訪問診療・訪問看護の導入調整
福祉用具専門相談員 介護保険を使ったマットレス・クッションの選定・調整

費用や役割の詳細は訪問診療・訪問看護で受けられる褥瘡治療|役割分担と費用をご参照ください。

退院後・施設と在宅の選択|褥瘡がある場合の療養環境を整える

病院から退院するときに褥瘡がある場合、在宅療養の準備が特に重要になります。退院前に医療チームと連携して準備を整える方法については、退院後に褥瘡がある親の在宅療養|準備と相談窓口まとめで解説しています。

また、新石川・荏田で退院後の在宅療養を整えるには|退院前カンファレンスの活かし方では、退院前カンファレンスを上手に活かす方法を地域ごとの視点で紹介しています。

施設か在宅かの選択

褥瘡のリスクが高い方の場合、施設入居と在宅療養のどちらが適しているかは、体の状態・家族の介護力・医療体制の整備状況によって異なります。判断の参考として施設入居か在宅か|褥瘡リスクで考える介護環境の選び方をご覧ください。


何科を受診する?どこに相談する?

褥瘡が疑われるとき、どの診療科を受診すればよいか迷う方が多くいます。褥瘡は何科を受診?家族が知っておきたい受診先と入院の目安では、科の選び方・入院が必要な目安をわかりやすく整理しています。

治療が長引くときや、処置を続けても改善が見られないときは、褥瘡が治らないときの相談先|在宅での悪化サインと対応策を参考に、相談先を見直すタイミングを確認してください。


終末期の褥瘡ケア|看取りを意識した考え方

病状が進んだ終末期には、「褥瘡を治すこと」よりも「苦痛を和らげ、本人が穏やかに過ごせること」を中心にケアの目標を変える場合があります。ご家族が抱えやすい迷いや葛藤への向き合い方については、終末期の褥瘡ケアと看取り|家族が知っておきたい考え方で詳しく解説しています。

在宅での看取りや終末期の過ごし方全般については、在宅での看取り・終末期を考える|困りごとに対処するためのまとめもあわせてご覧ください。


当院の在宅褥瘡診療の現場から

AIプラスクリニックたまプラーザは、在宅療養支援診療所として訪問診療を行っています。褥瘡ケアにおいては、日本褥瘡学会が定めるDESIGN-R®2020という評価ツールを用いて、傷の深さ・滲出液の量・感染の有無・皮膚の状態などを総合的に評価し、外用薬やドレッシング材(傷を保護するシート)の選択、体圧分散用具の見直しをご自宅で行っています。

処置だけでなく、訪問看護ステーション・ケアマネジャー・福祉用具専門相談員と連携し、在宅での治療計画をチームとして立てることを大切にしています。

当院の監修医は、消化器外科医として長年にわたり術後の創傷管理や難治性創傷の治療に携わってきた経験を持ちます。悪化が見られる場合や、デブリードマン(壊死組織の除去)など外科的な処置が必要と判断した場合は、連携する医療機関へご紹介しています。


受診・相談の目安

以下のような状態があれば、早めに医師や訪問看護師へ相談してください。

  • 皮膚の赤みが、手で軽く押しても消えない状態が続いている
  • 傷が深くなっている・黒ずんでいる・膿や強い臭いがある
  • 発熱や食欲低下など、全身の状態が悪化している
  • 処置の方法がわからず、このまま続けてよいか不安がある
  • 本人が通院できず、受診先に困っている

床ずれは、ご家族だけで判断・処置を続けると悪化に気づきにくいものです。訪問診療では医師がご自宅で傷を診て、処置の方法・薬・マットレスまで一緒に見直します。ご本人が通院できない場合も、ご家族だけでのご相談から承っています。まずはお気軽にご連絡ください。

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よくある質問

Q. 褥瘡は家族だけで治せますか?

軽度の赤み(皮膚の表面だけが赤くなっている段階)であれば、体位交換やスキンケアを丁寧に行うことで改善する場合もあります。ただし、傷が開いている・深くなっている・感染が疑われるサインがある場合は、家族だけでの対応には限界があります。訪問看護師や医師に相談しながらケアを行うことが大切です。

Q. 介護士は褥瘡の処置をしてよいのですか?

介護士が行えるのは、体位交換・清潔保持・観察・記録などです。傷への薬の塗布・ドレッシング材の交換などは、原則として看護師または医師の指示のもとで行う必要があります。詳しくは介護士が行える褥瘡処置の範囲|医療行為との境界を解説をご参照ください。

Q. 施設で褥瘡ができた場合、施設の責任になりますか?

施設は入居者に適切なケアを提供する義務があります。予防措置が不十分だったと判断される場合には、責任が問われることがあります。一方、全身状態が著しく低下している場合など、適切なケアを行っても発生を防げないケースも存在します。状況によって判断は異なるため、気になる場合は専門家にご相談ください。

Q. 訪問診療で褥瘡の処置を受けるには、どうすればよいですか?

かかりつけ医や病院の地域連携室、ケアマネジャーを通じて訪問診療の依頼ができます。すでに訪問診療を受けている場合は、担当医に褥瘡のケアを依頼してください。初めて訪問診療を利用する場合は、訪問診療・在宅医療を知る|相談・依頼するためのまとめをご覧ください。

Q. 褥瘡の治療に使う薬やシートは、介護保険で賄えますか?

外用薬・ドレッシング材(傷を覆うシート)は、訪問診療を利用している場合、医療保険の範囲で処方・支給されることがあります。体圧分散マットレスや車いすクッションは、介護保険の福祉用具貸与として利用できる場合があります(2024年度時点の制度内容。改定される場合があります)。ケアマネジャーや担当医にご確認ください。

Q. 終末期に褥瘡が治らなくなってきました。どう考えればよいですか?

病状が進むにつれ、皮膚や体の組織を回復させる力が低下するため、褥瘡が治りにくくなることがあります。このような状況では、「治す」ことよりも「苦痛を最小限にする」ことにケアの目標を変えていく考え方があります。終末期の褥瘡ケアと看取り|家族が知っておきたい考え方で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

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参考文献・出典


本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)
専門:消化器外科・消化器内視鏡/一般内科/在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全

略歴

1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

AIプラスクリニックたまプラーザの訪問診療

褥瘡の在宅治療に対応しています。ご本人が通院できない場合も、ご家族からのご相談を承っています。

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TEL:045-909-0117
対応エリア:たまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心とした地域

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の患者さんの診断・治療を代替するものではありません。褥瘡の状態や処置・薬の選択は、必ず医師・看護師の判断のもとで行ってください。医療用医薬品・医療機器の使用は処方・指示に従ってください。制度・費用は改定される場合があります。

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