老人ホームの床ずれ対応|入居前の確認と発生時の対処法
老人ホームの床ずれは、入居前に「予防体制」を確認することがとても大切です。
起きてしまった後は、早めの連絡・記録・見直しで悪化を防ぐことが重要です。
家族だけで抱え込まず、施設・訪問診療・訪問看護を一緒に使う考え方が安心につながります。
老人ホームで床ずれが起きる理由
床ずれ(褥瘡)は、同じ場所が長く圧迫され、皮ふへの血流が悪くなることで起こります。高齢の方は皮ふが弱く、動く力も落ちやすいため、老人ホームや特養でも起こりえます。
また、食事量の低下、やせ、脱水、失禁による皮ふのふやけもリスクになります。褥瘡の全体像は、褥瘡(床ずれ)とは|原因・ステージ・治療・予防・在宅ケアまで医師が解説する総合ガイド も参考になります。
入居前に確認したいこと
老人ホーム 床ずれへの対応は、施設ごとに差があります。見学時は、次の点を確認すると安心です。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 体位変換の考え方 | 何時間ごとに姿勢を変えるか、記録があるか |
| 皮ふ観察 | 赤み・ただれを誰が、いつ確認するか |
| 福祉用具 | 体圧分散マットレス、クッションの使い方 |
| 食事・栄養 | 低栄養の人への対応、体重変化の確認 |
| 医療連携 | 協力医療機関、訪問看護との連携 |
| 連絡体制 | 変化があった時に家族へいつ連絡するか |
特養 褥瘡 受け入れの場面では、「床ずれがあるから入れない」とは限りません。大切なのは、入居前に状態を共有し、対応可能な体制があるかを確認することです。
介護施設 褥瘡対策として、日本褥瘡学会の考え方を踏まえた予防と観察が基本になります。
施設で床ずれが見つかった時の対応
褥瘡らしい赤みや傷が見つかったら、次の順で動くと混乱しにくいです。
- 施設から家族へ状況説明を受ける
- いつから、どこに、どのような変化があるかを記録する
- 圧迫を減らす工夫を始める
- 必要なら医師へ相談し、処置や薬を見直す
- 体位変換、マットレス、栄養状態も合わせて確認する
施設の看護師や介護職だけで対応が難しい場合は、訪問診療・在宅医療を使って医師が傷の状態を確認できます。
自宅でできる医療処置のすべて|胃ろう・在宅酸素・褥瘡ケアと管理の実際 では、在宅での医療処置の考え方をまとめています。
また、訪問診療・在宅医療とは|対象・費用・依頼の流れを医師が解説する完全ガイド も参考になります。
介護施設褥瘡の法的責任
介護施設 褥瘡 裁判という言葉を見て不安になる方もいますが、法的責任は「床ずれができた事実だけ」で決まるものではありません。
重要なのは、施設が予防・観察・報告・記録を適切に行っていたかです。たとえば、赤みの段階で気づけたか、体位変換やマットレス調整をしたか、家族や医師に連絡したかが見られます。
介護施設 褥瘡 マニュアルがあっても、実際に現場で使われていなければ意味が薄くなります。
日本褥瘡学会や厚生労働省の考え方でも、褥瘡は予防と早期対応が基本です。記録が残っていない、説明が不十分、悪化後の対応が遅い場合は、家族として状況確認と第三者医療機関への相談が必要です。
家族ができること
家族ができるのは、責めることではなく「見逃さない仕組み」を作ることです。
施設に対しては、次の3点を伝えるとよいでしょう。
- どの部位に赤みが出やすいか
- 以前に床ずれができたことがあるか
- 痛み、食欲低下、寝返りのしにくさがあるか
高齢者・寝たきりの褥瘡ケアの考え方は、高齢者・寝たきりの褥瘡ケア|在宅介護で家族ができること も参考になります。
また、通院が大変なときは、訪問診療・在宅医療を知る|相談・依頼するためのまとめ を見ると、相談の流れがわかりやすいです。
当院の在宅褥瘡診療の現場から
当院の在宅褥瘡診療の現場から
AIプラスクリニックたまプラーザでは、在宅療養支援診療所として、訪問診療で褥瘡の状態を見て、必要に応じてDESIGN-R®2020で評価します。処置だけでなく、外用薬やドレッシング材の選び方、体圧分散用具の見直しも行います。訪問看護ステーション、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員と連携し、在宅で続けやすい治療計画を一緒に考えます。悪化が強い場合は、連携病院へ紹介することもあります。
受診・相談の目安
次のようなときは、早めに医師へ相談してください。
- 赤みが押しても消えない状態が続く
- 傷が深くなる、黒っぽい、臭う、膿が出る
- 発熱や元気のなさがある
- どの処置を続けるべきか迷う
- 通院が難しく、施設や家族だけで対応しきれない
床ずれは、ご家族だけで判断・処置を続けると悪化に気づきにくいものです。訪問診療では医師がご自宅で傷を診て、処置の方法・薬・マットレスまで一緒に見直します。ご本人が通院できない場合も、ご家族だけでのご相談から承っています。
ご予約・お問い合わせ
よくある質問
Q. 老人ホームで床ずれができたら、まず何を確認すればよいですか?
まずは、いつから・どこに・どんな変化があるかを確認します。赤みなのか、皮ふが破れているのか、痛みや発熱があるのかも大切です。
Q. 施設に責任はありますか?
施設の責任は、床ずれができたかどうかだけでは判断できません。予防、観察、連絡、記録、医療連携が適切だったかが重要です。
Q. 特養は床ずれがあっても入居できますか?
状態や施設の受け入れ体制によります。入居前に傷の状態を伝え、医療連携が可能か確認することが大切です。
Q. 家族が市販薬を使ってよいですか?
軽い皮ふトラブルなら使うこともありますが、床ずれが疑われる場合は自己判断で続けず、医師に相談してください。
Q. 在宅医療は、老人ホームに入っていても使えますか?
施設のルールや契約内容によりますが、訪問診療や訪問看護が利用できる場合があります。まずは施設と相談し、必要なら医師に確認してください。
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参考文献・出典
- 日本褥瘡学会(褥瘡予防・管理ガイドライン/DESIGN-R®2020): https://www.jspu.org/
- 日本創傷・オストミー・失禁管理学会(スキンテア・IAD): https://www.jwocm.org/
- 厚生労働省 在宅医療の推進: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061944.html
- 厚生労働省 介護保険制度(福祉用具貸与): https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/
本記事の監修医師
佐藤 靖郎(さとう やすお)/医師(医学博士)/専門: 消化器外科・消化器内視鏡/一般内科/在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全。略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。
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褥瘡の在宅治療に対応。ご予約・お問い合わせ、TEL 045-909-0117、対応エリア: たまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心とした地域
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の患者さんの診断・治療を代替するものではありません。褥瘡の状態や処置・薬の選択は、必ず医師・看護師の判断のもとで行ってください。医療用医薬品・医療機器の使用は処方・指示に従ってください。制度・費用は改定される場合があります。