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退院後に褥瘡がある親の在宅療養|準備と相談窓口まとめ

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退院後に褥瘡がある親の在宅療養|準備と相談窓口まとめ

この記事を読むとわかること(3行まとめ)
  1. 退院前に病院のスタッフと行う「退院前カンファレンス」で確認すべきことがわかります。
  2. 在宅で褥瘡ケアを続けるために必要なサービス・物品・サポートの整え方が把握できます。
  3. 家族だけで対応しきれないときの相談先・受診の目安がわかります。

褥瘡がある状態での退院――まず知っておいてほしいこと

親御さんが入院中に褥瘡(床ずれ)ができてしまい、「傷が残ったまま退院することになった」と告げられると、多くのご家族は「家でちゃんとケアできるだろうか」と不安になります。それは当然の気持ちです。

大切なのは、「退院前に準備を整えること」と「一人で抱え込まないこと」です。褥瘡は適切な医療・看護・福祉のサポートを組み合わせれば、自宅でも継続して治療できます。

褥瘡の原因・ステージ・治療の全体像については、まず褥瘡(床ずれ)とは|原因・ステージ・治療・予防・在宅ケアまで医師が解説する総合ガイドをご覧ください。本記事では「退院後の受け入れ準備」に絞って解説します。

また、在宅での褥瘡ケア全般については在宅・介護施設での褥瘡ケア完全ガイドも参考にしてください。

ステップ1|退院前カンファレンスを最大限に活用する

退院前カンファレンスとは

「退院前カンファレンス」とは、退院の数日〜1週間前を目安に病院が開いてくれる話し合いの場です。病棟看護師・医師・退院支援担当者(医療ソーシャルワーカー)が参加し、ご家族のほか、ケアマネジャーや訪問看護師が同席することもあります。

褥瘡がある場合は必ずこの場で情報を引き継いでもらいましょう。遠慮なく「具体的に何を教えてほしい」と伝えることが大切です。

カンファレンスで確認すべき7項目

確認したい項目 具体的に聞くこと
褥瘡の現在の状態 場所・大きさ・深さ・色・臭い・浸出液の量
処置の手順 洗浄方法・使っているガーゼ・ドレッシング材の種類と交換頻度
使用中の薬や材料 医師が処方している外用薬の名前・塗り方(医師の指示に従う)
体位変換の方法 何時間おきに・どの姿勢に・クッションの置き方
マットレス・クッション 入院中に使っていた種類・退院後に必要な用具の目安
悪化のサイン 「すぐ連絡が必要な状態」を具体的に教えてもらう
在宅での担当者 退院後に褥瘡を診てくれる訪問診療・訪問看護の手配状況

退院前カンファレンスの活用方法については、横浜市都筑区で退院後の在宅療養を整えるには|退院前カンファレンスの活かし方や横浜市青葉区で退院後の在宅療養を整えるには|退院前カンファレンスの活かし方でも地域別に詳しくまとめています。

ステップ2|在宅でのサポート体制を整える

訪問診療・訪問看護の手配

褥瘡がある状態での在宅療養では、医師と看護師が自宅を訪問してくれる体制を整えることが最優先です。

訪問診療では、医師が定期的に自宅を訪問し、褥瘡の状態評価・処置方針の決定・外用薬やドレッシング材の処方・指示を行います。日本褥瘡学会が策定した評価ツール「DESIGN-R®2020」を用いて褥瘡の深さ・大きさ・浸出液・感染の状態を数値化し、治癒の経過を客観的に確認します(参照:日本褥瘡学会)。

訪問看護では、看護師が医師の指示のもとで処置を行い、体位変換の指導や皮膚観察も担います。家族への処置の教え方も看護師の大切な役割です。

訪問診療・在宅医療の仕組みや費用・依頼の流れについては、訪問診療・在宅医療とは|対象・費用・依頼の流れを医師が解説する完全ガイドをご覧ください。

ケアマネジャーに早めに連絡する

要介護認定を受けている方であれば、ケアマネジャーが介護サービス全体をコーディネートしてくれます。「褥瘡のある状態で退院する」と伝えると、訪問看護・訪問介護・福祉用具の手配を一緒に進めてくれます。まだ介護保険を申請していない場合は、病院の退院支援担当者に相談しましょう。

ステップ3|必要な物品・福祉用具を揃える

体圧分散用具(マットレス・クッション)

褥瘡の最大の原因は「同じ場所への長時間の圧迫」です。体圧を分散するマットレスやクッションは、治療の継続と再発予防のどちらにも欠かせません。

用具の種類 特徴と選び方の目安
エアマットレス(交互圧・圧切替) 動けない方・深い褥瘡がある方に向く。電動で空気圧が自動調整される
フォームマットレス(高密度ウレタン) 軽度の場合や補助的な使用に向く。操作が不要で扱いやすい
車いす用クッション 座位が多い方の座骨・尾骨部の圧分散に使う

マットレスは介護保険の「福祉用具貸与」制度を使えば、原則として1〜3割の自己負担でレンタルできます(2024年度現在。費用は改定される場合があります)。詳細は担当ケアマネジャーか厚生労働省の介護保険情報を参照してください。商品の種類・銘柄の選定は、福祉用具専門相談員や看護師に相談することをおすすめします。

処置に使う衛生材料

退院時に処方・指示されたものを正確に使い続けることが基本です。家族が自己判断で市販薬に切り替えることは避け、変更が必要な場合は必ず医師・看護師に確認してください。

在宅で行える医療処置の範囲については、自宅でできる医療処置のすべて|胃ろう・在宅酸素・褥瘡ケアと管理の実際で詳しく解説しています。

ステップ4|家族が担う日常ケアの基本

家族ができる観察のポイント

家族がすべての処置を行う必要はありませんが、毎日の観察は大切な役割です。以下を日課にしましょう。

  1. 皮膚の色の変化:赤み・紫色・黒ずみが出ていないか
  2. 傷の広がり・深さ:前日より大きくなっていないか
  3. 臭い・浸出液の量:嫌なにおい・黄色や緑色の液体が増えていないか
  4. 発熱・ぐったり感:37.5℃以上の発熱が続いていないか

変化に気づいたらすぐに訪問看護師か医師に連絡しましょう。

体位変換の目安

少なくとも2時間に1回の体位変換が、日本褥瘡学会の予防ガイドラインで推奨されています(参照:日本褥瘡学会 褥瘡予防・管理ガイドライン)。ただし体位変換の方法は、マットレスの種類や本人の状態によって異なります。入院中に指導を受けた方法を守り、不明点は訪問看護師に確認してください。

家族による在宅ケアの具体的な方法については、高齢者・寝たきりの褥瘡ケア|在宅介護で家族ができることもあわせてご覧ください。

当院の在宅褥瘡診療の現場から

AIプラスクリニックたまプラーザは、在宅療養支援診療所として訪問診療を行っています。褥瘡のケアでは、医師が直接ご自宅にうかがい、日本褥瘡学会が定めた評価ツール「DESIGN-R®2020」を用いて傷の状態を丁寧に評価します。その上で、外用薬やドレッシング材の選択・体圧分散マットレスの見直しを行い、訪問看護ステーション・ケアマネジャー・福祉用具専門相談員と連携して在宅での治療計画を立てています。

監修医の佐藤靖郎医師は消化器外科医として長年、術後の傷や治りにくい傷(難治性創傷)の管理に携わってきた経験を、在宅での褥瘡治療にも活かしています。傷が深くなっている場合や外科的な処置が必要と判断される場合には、連携病院へご紹介します。「家での処置に自信がない」「このまま続けていいのか不安」というご家族のご相談にも対応しています。

受診・相談の目安

以下の状態があれば、自己判断での対応を続けず、速やかに医師・訪問看護師に連絡してください。

  • 赤みが押しても消えない状態が1日以上続いている
  • 傷が前日より深く・広くなっている、または白・黒・黄色に変色している
  • 嫌なにおいがする、または黄色や緑色の液体(膿)が出ている
  • 37.5℃以上の発熱が続いている、または本人がぐったりしている
  • 処置の方法・薬の使い方・マットレスの選び方に迷っている

床ずれは、ご家族だけで判断・処置を続けると悪化に気づきにくいものです。訪問診療では医師がご自宅で傷を診て、処置の方法・薬・マットレスまで一緒に見直します。ご本人が通院できない場合も、ご家族だけでのご相談から承っています。まずはお気軽にご予約・お問い合わせください。

よくある質問

Q. 退院時に傷が完全に治っていない状態で受け入れても大丈夫ですか?

はい。褥瘡がある状態での退院は珍しくありません。大切なのは「退院後も医師・看護師が継続してかかわれる体制が整っているか」です。訪問診療・訪問看護の手配と、処置の引き継ぎが事前にできていれば、在宅でも治療を続けることができます。退院前に必ずサポート体制を確認しましょう。

Q. 訪問看護と訪問診療は別に頼む必要がありますか?

はい、別々のサービスです。訪問診療は医師が定期的に訪問して診察・処方・処置指示を行い、訪問看護は看護師が医師の指示のもとで処置や観察・家族指導を行います。二つを連携させることで、自宅での褥瘡治療がより安全に進められます。担当ケアマネジャーや病院の退院支援担当者に相談すると、まとめて手配を進めてもらえます。

Q. 介護保険でレンタルできるマットレスはどうやって選べばよいですか?

マットレスの種類(エア式・フォーム式など)は、褥瘡の深さや本人の体格・生活スタイルによって適したものが異なります。選定は訪問看護師・医師・福祉用具専門相談員と相談しながら決めることをおすすめします。カタログや商品名だけで家族が自己判断するよりも、専門家のアドバイスを受けたほうが適切なものを選びやすくなります。

Q. 褥瘡の処置は家族がやらなければいけませんか?

必ずしもそうではありません。訪問看護が入れる場合は、看護師が処置の主な部分を担います。ただし、訪問日以外に状態が変わることもあるため、観察の仕方と緊急時の連絡先は家族も把握しておくことが大切です。また、介護士が行える処置の範囲については介護士が行える褥瘡処置の範囲|医療行為との境界を解説で詳しくまとめています。

Q. 自宅に受け入れる前に、病院の退院支援の担当者に何を相談すればよいですか?

大きく3点を確認することをおすすめします。①「在宅で診てもらえる訪問診療・訪問看護の手配が整っているか」、②「介護保険の申請・ケアマネジャーのアサインが済んでいるか」、③「褥瘡の処置に必要な物品・薬の処方・手配はどうなっているか」。この3点が揃っていれば、退院後の第一歩をより安心して踏み出せます。

Q. 老人ホームへの入居も検討しています。施設での褥瘡ケアの確認ポイントを教えてください。

施設によって褥瘡対応の体制はさまざまです。入居前に「褥瘡の有無を記録しているか」「外部の訪問診療・訪問看護と連携しているか」「体圧分散マットレスの使用方針はどうか」を確認することが重要です。詳しくは老人ホームの床ずれ対応|入居前の確認と発生時の対処法をご覧ください。

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参考文献・出典

本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)
専門:消化器外科・消化器内視鏡/一般内科/在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全

1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

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褥瘡の在宅治療に対応しています。ご本人の通院が難しい場合も、ご家族だけでのご相談から承っています。

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TEL:045-909-0117

対応エリア:たまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心とした地域

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の患者さんの診断・治療を代替するものではありません。褥瘡の状態や処置・薬の選択は、必ず医師・看護師の判断のもとで行ってください。医療用医薬品・医療機器の使用は処方・指示に従ってください。制度・費用は改定される場合があります。

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