高齢者・寝たきりの褥瘡ケア|在宅介護で家族ができること
寝たきりの高齢者では、床ずれは短時間でも進むことがあります。
在宅では「圧を減らすこと」「毎日皮膚を見ること」「悪化サインを早く見つけること」が大切です。
赤みが消えない、傷が広がる、臭いがする場合は、早めに医療者へ相談してください。
高齢者の褥瘡が起こりやすい理由
高齢者の皮膚は乾燥しやすく、やわらかいクッションのような働きが弱くなります。さらに、寝たきりになると同じ場所に体重がかかり続け、血のめぐりが悪くなって皮膚が傷みやすくなります。食事量が少ない、やせている、むくみがある、失禁がある場合も、褥瘡 高齢者のリスクが上がります。
よく圧がかかる場所
- かかと
- おしり
- 仙骨部(おしりの上の骨のあたり)
- ひじ、肩、耳
- 車いすではおしりの左右
在宅で家族ができる褥瘡ケアの基本
在宅での褥瘡 介護は、手順を決めて続けることが重要です。日本褥瘡学会の考え方でも、圧を減らすことと皮膚の観察が基本です。
| すること | 目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 体位交換 | 2時間ごとを目安に、本人の状態で調整 | ずれを少なくして向きを変える |
| 皮膚観察 | 毎日1回以上 | 赤み・熱感・むくみ・湿り気を見る |
| 清潔ケア | 汗や便尿のあと | やさしく洗い、こすらない |
| 体圧分散 | マットレス・クッションの見直し | 介護保険の福祉用具も活用する |
| 栄養・水分 | 食べられる範囲で継続 | 低栄養は悪化につながりやすい |
体位交換のコツ
- いきなり引きずらず、シーツを使って小さく動かします。
- 同じ姿勢を長く続けないようにします。
- かかとは浮かせる工夫をします。
- 骨が当たる部分の赤みを確認します。
褥瘡の全体像はこちらの総合ガイドも参考になります。
毎日のチェックポイント
| 見るところ | 変化の例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 色 | 赤い、紫っぽい、黒っぽい | 押しても赤みが消えないと要注意 |
| 形 | へこみ、ただれ、穴 | 見た目より深いことがあります |
| 触った感じ | 熱い、冷たい、かたい | 片側だけの変化は要注意 |
| におい | いつもと違う臭い | 感染の可能性があります |
| しみ出し | 透明、黄色、膿のような液 | ガーゼが汚れ続けるなら相談を |
画像で確認したい場合は、赤みの範囲、皮膚が破れているか、黒い部分があるか、周囲が腫れていないかを見ます。写真に撮る場合は、毎日同じ角度・同じ明るさで比べると変化が分かりやすくなります。
悪化させないために避けたいこと
- きついマッサージ
- 赤い部分をこすり続けること
- 乾燥しているからと強く拭くこと
- 自己判断で市販薬を塗り続けること
- 痛みがあるのに体位を変えないこと
市販薬は軽い皮膚トラブルに限って考え、褥瘡が疑われる場合は受診してください。医療用の外用薬や処置は、必ず医師の処方・指示のもとで使います。
家でどこまでできるか、誰に頼ればよいか
在宅では、家族だけで抱え込まずに訪問診療や訪問看護を組み合わせると続けやすくなります。訪問診療・在宅医療とは何かを知っておくと、相談先のイメージが持ちやすくなります。
訪問診療・在宅医療とは|対象・費用・依頼の流れを医師が解説する完全ガイド
自宅でできる医療処置のすべて|胃ろう・在宅酸素・褥瘡ケアと管理の実際
介護保険では、体圧分散用具などの福祉用具を検討できることがあります。必要に応じてケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談しましょう。厚生労働省の在宅医療・介護保険の情報も確認しておくと安心です。
当院の在宅褥瘡診療の現場から
AIプラスクリニックたまプラーザでは、在宅療養支援診療所として、訪問診療で褥瘡の状態を確認し、DESIGN-R®2020の考え方を参考に評価します。処置だけでなく、外用薬やドレッシング材の選び方、体圧分散用具の見直しまで一緒に考えます。訪問看護ステーション、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員と連携し、ご自宅で無理なく続けられる治療計画を立てます。悪化が進む場合や外科的な対応が必要な場合は、連携病院へつなぎます。
受診・相談の目安
次のようなときは、早めに相談してください。
- 赤みが押しても消えない
- 傷が深くなる、広がる、黒い部分がある
- 臭いが強い、膿のような液が出る
- 発熱、ぐったりする、痛みが強い
- 通院が難しく、家での処置方法に迷う
床ずれは、ご家族だけで判断・処置を続けると悪化に気づきにくいものです。訪問診療では医師がご自宅で傷を診て、処置の方法・薬・マットレスまで一緒に見直します。ご本人が通院できない場合も、ご家族だけでのご相談から承っています。ご予約・お問い合わせ
高齢者が寝たきりで通院できないときに考えたい在宅医療
褥瘡は何科を受診?家族が知っておきたい受診先と入院の目安
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よくある質問
Q. 体位交換は何時間ごとが目安ですか?
一般には2時間ごとが目安ですが、体調、痛み、寝具、皮膚の状態で調整します。無理に決め打ちせず、圧が集中しないようにすることが大切です。
Q. 赤いだけなら様子を見てもよいですか?
押しても赤みが消えない、熱っぽい、痛がる場合は要注意です。早めに医療者へ相談してください。
Q. 市販の軟膏を塗ってもよいですか?
軽い皮膚の乾燥やかぶれなら使うことがありますが、褥瘡が疑われる場合は自己判断で続けず受診してください。
Q. 在宅で褥瘡の処置はできますか?
可能です。訪問診療や訪問看護を使うと、ご自宅で傷の評価、処置、用具の見直しまで相談できます。
Q. 受診できないほど寝たきりでも相談できますか?
はい。通院が難しい方ほど在宅医療が役立ちます。ご家族からの相談も可能です。
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参考文献・出典
- 日本褥瘡学会 https://www.jspu.org/
- 日本創傷・オストミー・失禁管理学会 https://www.jwocm.org/
- 厚生労働省 在宅医療の推進 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061944.html
- 厚生労働省 介護保険制度(福祉用具貸与) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/
本記事の監修医師
佐藤 靖郎(さとう やすお)/医師(医学博士)/専門: 消化器外科・消化器内視鏡/一般内科/在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全。
略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。
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褥瘡の在宅治療に対応。ご予約・お問い合わせ、TEL 045-909-0117、対応エリア: たまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心とした地域
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の患者さんの診断・治療を代替するものではありません。褥瘡の状態や処置・薬の選択は、必ず医師・看護師の判断のもとで行ってください。医療用医薬品・医療機器の使用は処方・指示に従ってください。制度・費用は改定される場合があります。