在宅医療・介護の費用と保険のしくみ|自己負担の目安と軽減制度
ホーム > 在宅医療・介護 > 費用と保険のしくみ
「親の医療費や介護費が、これからいくらかかるのか見当もつかない」——そうした不安を抱えながら検索されている方に向けて、在宅医療・介護にかかる費用の構造から、自己負担を軽くする制度まで、医師監修のもとで体系的にまとめました。
費用の全体像を知ることは、在宅・施設・入院のどれを選ぶかを判断するための土台になります。まず構造を把握し、次に使える制度を確認する——この順で読んでいただけると、整理しやすいと思います。
本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個々の診断・治療を代替するものではありません。制度・費用は改定される場合があります。詳細は必ず各自治体・保険者の窓口でご確認ください。
在宅医療・介護にかかる費用は何で決まる?
医療保険と介護保険の違い
在宅で受けるサービスは「医療保険」と「介護保険」のどちらに基づくかで、費用の計算方法や窓口負担割合が変わります。
| 区分 | 医療保険 | 介護保険 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 病気・けがの診療・処置 | 日常生活の支援・介護 |
| 保険者 | 健康保険組合・後期高齢者医療広域連合など | 市区町村 |
| 自己負担割合 | 1〜3割(年齢・所得による) | 1〜3割(所得による) |
| 上限制度 | 高額療養費制度 | 高額介護サービス費 |
(出典:厚生労働省 介護保険制度)
年齢・状態・利用内容で自己負担が変わる仕組み
自己負担割合は年齢と所得によって異なります。
- 70歳未満:原則3割
- 70〜74歳:原則2割(一定所得以上は3割)
- 75歳以上(後期高齢者):原則1割(一定所得以上は2割または3割)
介護保険は要介護認定の「要介護度」によって、使えるサービスと支給限度額(1か月に保険が適用される上限額)が変わります。要介護度が高いほど上限額が大きくなり、より多くのサービスを保険内で利用できます。
記載時点の目安と、実際の確認先
本記事の費用・制度情報は2025年7月時点の公的情報に基づく目安です。診療報酬・介護報酬は定期的に改定されます。正確な金額は以下で確認してください。
- 医療費:加入する健康保険組合・後期高齢者医療広域連合
- 介護費:お住まいの市区町村の介護保険担当窓口
- 横浜市の場合:横浜市 介護・高齢者福祉
在宅医療の費用の内訳
訪問診療の費用
訪問診療(医師が定期的に自宅を訪問して診療を行うこと)は、医療保険が適用されます。主な費用項目は以下のとおりです。
| 費用項目 | 内容(目安) |
|---|---|
| 在宅患者訪問診療料 | 医師が訪問するたびに発生(月2回程度が多い) |
| 在宅時医学総合管理料 | 月1回算定。病態管理・連絡体制を含む包括的な費用 |
自己負担の目安(月額):1割負担で数千円〜1万円台前半、3割負担でその3倍程度が多く見られますが、病態の複雑さや使用する医療材料によって変わります。
訪問診療の全体像については、訪問診療・在宅医療とは|対象・費用・依頼の流れを医師が解説する完全ガイドもあわせてご参照ください。
訪問看護の費用
訪問看護(看護師が自宅を訪問して療養上の世話や診療の補助を行うこと)は、状態によって医療保険か介護保険のどちらを使うかが変わります。
- 医療保険が優先される場合:厚生労働大臣が定める疾病(難病・末期がんなど)、急性増悪時、週4日以上の訪問が必要な場合など
- 介護保険が適用される場合:上記以外で要介護認定を受けている場合
費用の目安(1回あたり):介護保険の場合、20分未満から1時間以上まで区分があり、自己負担は数百円〜千数百円程度(1割負担の場合)が目安です。
訪問薬剤管理指導・薬代の考え方
薬剤師が自宅を訪問して服薬状況を確認する「訪問薬剤管理指導」は、医療保険または介護保険が適用されます。薬代(調剤費)は別途かかります。
お薬手帳を毎回持参・提示することで、調剤報酬上の加算が適用されない形になり、薬代が若干安くなる場合があります。また、後発医薬品(ジェネリック医薬品)への切り替えで薬代を抑えられることがあります(詳しくは後述の「費用負担を軽くする制度」の章をご参照ください)。
検査・処置・点滴などが必要な場合
在宅での採血・尿検査・超音波(エコー)検査・点滴・注射なども医療保険の対象です。それぞれ費用が加算されます。在宅での処置内容と費用の全体については、自宅でできる医療処置のすべて|胃ろう・在宅酸素・褥瘡ケアと管理の実際に詳しくまとめています。
緊急往診や夜間対応で費用が変わること
夜間・休日・深夜の往診(緊急往診)は、通常の訪問診療とは別の加算が発生します。ただし、在宅療養支援診療所(在支診)として届け出をしているクリニックでは、24時間の連絡体制・往診体制の整備が要件とされており、その維持コストが月額の管理料に含まれている形になります。緊急往診の自己負担は1割負担で数千円程度加算されることが多いですが、クリニックや状況によって異なります。
介護保険で利用できるサービスと自己負担
訪問介護・訪問看護・通所サービスの位置づけ
介護保険で利用できる主なサービスと、その位置づけを整理します。
| サービス | 内容 | 保険区分 |
|---|---|---|
| 訪問介護 | 身体介護・生活援助(ヘルパー) | 介護保険 |
| 訪問看護 | 看護師による医療的ケア・療養支援 | 介護 or 医療 |
| 通所介護(デイサービス) | 施設に通っての介護・機能訓練 | 介護保険 |
| 通所リハビリ(デイケア) | 医療機関・老健での機能訓練 | 介護保険 |
| 短期入所(ショートステイ) | 施設での一時的な宿泊ケア | 介護保険 |
要介護度と支給限度額の考え方
介護保険の支給限度額(1か月に保険が使える上限額)は要介護度によって異なります(2025年7月時点の参考値)。
| 要介護度 | 支給限度基準額(月額) |
|---|---|
| 要支援1 | 約50,320円 |
| 要支援2 | 約105,310円 |
| 要介護1 | 約167,650円 |
| 要介護2 | 約197,050円 |
| 要介護3 | 約270,480円 |
| 要介護4 | 約309,380円 |
| 要介護5 | 約362,170円 |
この限度額内であれば1〜3割の自己負担で済みますが、限度額を超えた部分は全額自己負担となります。
住宅改修・福祉用具の自己負担
- 住宅改修(手すり設置・段差解消など):上限20万円まで保険対象、自己負担1〜3割
- 福祉用具貸与(車椅子・歩行器・特殊寝台など):月額レンタル料の1〜3割
- 特定福祉用具販売(ポータブルトイレ・入浴補助用具など):年間10万円まで保険対象
医療保険で使うもの、介護保険で使うものの整理
両保険の対象が重なる場合、原則として介護保険が優先されます(訪問看護の一部は例外)。ケアマネジャー(介護支援専門員)と担当医が連携して、どちらの保険で対応するかを整理します。費用の仕組み全体については、費用と保険のしくみ|気づく・見極めるためのまとめにも詳しくまとめています。
在宅医療・介護の自己負担の目安
1か月あたりの費用イメージの見方
在宅医療・介護にかかる費用は、利用するサービスの組み合わせと自己負担割合によって大きく異なります。あくまで参考として、典型的な例を示します。
| 状況の例 | 月額自己負担の目安(1割負担) |
|---|---|
| 訪問診療のみ(月2回) | 約5,000〜15,000円 |
| 訪問診療+訪問看護週1回 | 約10,000〜25,000円 |
| 訪問診療+訪問看護+ヘルパー週数回 | 約20,000〜40,000円 |
| 医療的ケアが多い場合(酸素・点滴・胃ろうなど) | 個別差が大きく要相談 |
※薬代・医療材料費は別途かかります。上記は概算であり、保証する金額ではありません。
医療費+介護費+薬代を合算して考える
在宅療養の総費用は「医療費+介護費+薬代」の合算です。それぞれ別の請求が来るため、月末になると合計額が想定より大きく感じられる場合があります。事前にケアマネジャーや医師と「月にどのくらいかかりそうか」を確認しておくことが大切です。費用と手続きの全体については、費用と保険のしくみ|費用と手続きを確認するためのまとめもご参照ください。
同じ内容でも負担額が変わる理由
同じサービスを使っていても、自己負担額が異なるのは以下の理由によります。
- 所得区分が異なる(自己負担割合1〜3割)
- 世帯の課税状況が変わった(住民税の課税・非課税が自己負担割合に影響)
- 世帯分離の有無(同居家族の収入が影響する場合がある)
世帯分離が医療・介護費用に与える影響については、世帯分離のデメリットを私が先に知っておきたい理由および世帯分離のデメリットと住民税への影響を私が確認するで詳しく解説しています。
施設入居や入院と比較するときの注意点
施設入居(特別養護老人ホーム・有料老人ホームなど)には、介護費用に加えて「居住費・食費・日常生活費」がかかります。老人ホームの費用の詳細については老人ホーム費用はいくら?私が見落としやすい内訳をご確認ください。在宅医療との費用比較は単純にはできませんが、選択肢を比べる視点として費用と保険のしくみ|選択肢を比べるためのまとめが参考になります。
費用負担を軽くする制度
費用の見当がついてきた段階で、次に知っておきたいのが「負担を軽くする制度」です。使える制度を把握しておくだけで、家計への影響をかなり抑えられる場合があります。
高額療養費制度
高額療養費制度とは、1か月に支払った医療費(自己負担分)が一定の上限額(自己負担限度額)を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です(出典:厚生労働省 高額療養費制度)。
自己負担限度額は所得区分によって異なります。
| 所得区分(70歳未満) | 自己負担限度額(月額・目安) |
|---|---|
| 年収約1,160万円〜 | 252,600円+α |
| 年収約770〜1,160万円 | 167,400円+α |
| 年収約370〜770万円 | 80,100円+α |
| 〜年収約370万円 | 57,600円 |
| 住民税非課税世帯 | 35,400円 |
70歳以上は別の区分が設定されており、一般的に上限額は低くなります。高額療養費制度の詳しい解説は高額療養費制度を知り、家計の不安を少し軽くするをご覧ください。
高額介護サービス費
介護保険の自己負担合計額が一定を超えた場合も、「高額介護サービス費」として払い戻しを受けられます。限度額は所得区分によって異なり、低所得者ほど上限が低く設定されています。
限度額適用認定証・限度額適用・標準負担額減額認定証
医療費の支払い時に高額療養費制度を事後申請ではなく窓口での支払い段階で上限に抑えたい場合は、加入する健康保険に「限度額適用認定証」を申請します。住民税非課税世帯の方は「限度額適用・標準負担額減額認定証」の交付を受けることで、食事代なども含めた負担が軽減されます。
自治体の助成制度・医療費助成
市区町村によっては、後期高齢者医療制度の自己負担割合に上乗せして助成する制度があります。横浜市の場合は横浜市の窓口または横浜市 介護・高齢者福祉のページでご確認ください。
難病・障害者医療費助成など対象がある場合
特定疾患(難病)の認定を受けている場合、特定医療費(指定難病)助成制度により医療費の自己負担が大幅に軽減されます。障害者手帳をお持ちの場合も、自治体の障害者医療費助成が適用されることがあります。在宅医療でも対象になる場合があるため、主治医やソーシャルワーカーに確認してください。
お薬手帳やジェネリックで費用を見直すポイント
- お薬手帳を調剤薬局で毎回提示することで、「手帳の活用」として調剤報酬の加算が抑えられる場合があります
- 後発医薬品(ジェネリック医薬品)は先発医薬品と有効成分が同じでありながら、薬価が低く設定されています。主治医または薬剤師に相談のうえ検討できます
75歳以上・高齢の親の費用でよくある誤解
75歳以上の高額療養費は自動で済む場合と申請が必要な場合
75歳以上は後期高齢者医療制度の対象となり、一部のケースでは高額療養費が自動的に口座振込(自動償還)される仕組みが整っています。ただし、初回は申請が必要な場合や、複数の医療機関・薬局の合算手続きが必要な場合もあります。加入する後期高齢者医療広域連合に確認することをお勧めします。
年金収入だけで自己負担額を判断しにくい理由
自己負担割合(1〜3割)の区分は「年金収入」だけでなく、課税所得やその他の収入(不動産・株式など)、世帯の課税状況によって決まります。そのため「年金がこれくらいだから1割のはず」と思っていても、実際には2割になることがあります。
年金と費用計画の関係については国民年金と厚生年金の違いを知り、親の暮らしを見直すおよび厚生年金はいくらもらえる?私が費用計画を立てる前にも参考になります。
40歳以降の介護保険料と、使うときの負担は別であること
介護保険料は40歳から徴収が始まりますが、介護保険のサービスを使えるのは原則65歳以上(第1号被保険者)か、40〜64歳で特定疾病に該当する方(第2号被保険者)です。「保険料を払っているからすぐ使える」わけではなく、要介護認定の申請と認定が必要です。また、保険料を払ってきた額とサービス利用時の自己負担は別の計算です。
入院費用と在宅医療費用の違い
2週間入院した場合の費用の考え方
入院費用は「医療費(診療費・検査・処置)+食事代+差額ベッド代(個室の場合)」で構成されます。高額療養費制度が適用されるのは医療費の自己負担分であり、食事代・差額ベッド代・日用品費は対象外です。
目安として、一般病棟に2週間入院した場合、医療費の自己負担は高額療養費制度の適用で上限額まで抑えられますが、食事代(1食460円×3食)は約19,000〜20,000円(2025年7月時点)が別途かかります。
入院中にかかる医療費以外の負担
- 食事代(標準負担額)
- 差額ベッド代(同意のうえ個室・少人数部屋を選んだ場合)
- 日用品・衣類のクリーニング代
- 家族の交通費・付き添い費用
こうした「見えない費用」も含めて比較することが重要です。
退院後に在宅へ切り替えるときの費用設計
退院後に在宅医療を開始する場合、訪問診療・訪問看護の費用に加えて、在宅での介護サービスの費用が新たに発生します。一方で、入院中の食事代・差額ベッド代は不要になります。退院前に費用の全体像をケアマネジャー・退院支援看護師と確認しておくことで、退院後の家計が見通しやすくなります。
退院後の療養先の選び方については退院後の療養先はどう決める?在宅・施設・転院の選び方ガイドにまとめています。
入院の方がよい場面もあること
在宅医療は「自宅で過ごす選択肢を広げる」ものであり、すべての状態に対応できるわけではありません。病態が急速に悪化している場合、高度な処置・手術が必要な場合、在宅での管理が困難な場合には入院が適切です。在宅医療の適応と限界についても、担当医と率直に話し合うことが大切です。
退院支援と在宅医療の費用をどう考えるか
退院日が急に決まるときの準備
病院から「来週退院できそうです」と突然言われ、数日で療養先を決めなければならない——これは珍しいことではありません。退院支援は、在宅医療を始める最も多い入口の一つです。
急いで決める必要があるときこそ、費用の概算を早めに把握することが助けになります。費用と手続きを急いで確認したい場合は費用と保険のしくみ|費用と手続きを確認するためのまとめをご活用ください。
退院前カンファレンスで確認したい費用項目
退院前カンファレンス(患者・家族・病院スタッフ・在宅チームが集まって退院後の方針を確認する会議)では、以下を確認しておくと費用の見通しが立ちやすくなります。
- 必要なサービスの種類と頻度(訪問診療・訪問看護・ヘルパーなど)
- 介護用品・医療材料の調達先と費用
- 要介護認定の有無・変更申請の必要性
- 医療保険と介護保険のどちらが適用されるか
在宅医師が退院前カンファレンスに参加することで、引き継ぎが円滑になり、退院当日からスムーズに在宅療養を開始できます。
地域包括ケア病棟の入院期間と逆算の準備
地域包括ケア病棟(急性期病院から転棟または転院して、在宅復帰を目指すための病棟)の入院期間は、原則60日が上限とされています(診療報酬上の規定)。限られた期間内に在宅療養の準備を整える必要があるため、入院中から在宅医療のチームを探し始めることが現実的です。
自宅・施設・転院を比較するときの視点
療養先を比べるときは「費用の多寡」だけでなく、本人の意向・家族の介護力・医療依存度・生活環境を総合的に考えます。施設の費用についてはケアハウスの費用を知り、入居後の生活を見通すやケアハウスの料金表で、月々の負担をイメージするが参考になります。施設・在宅・転院の多角的な比較については費用と保険のしくみ|選択肢を比べるためのまとめもご覧ください。
当院の在宅診療の現場から
AIプラスクリニックたまプラーザでは、病院の地域連携室・医療ソーシャルワーカーからのご紹介を受け、退院前カンファレンスに参加したうえで在宅療養の引き継ぎを行っています。退院当日から訪問診療を開始するケースにも対応しており、退院直後の不安定な時期の急変に備えて24時間の連絡体制を整えています。
費用面では、訪問診療・訪問看護・薬剤管理などのサービスを組み合わせた際の月額イメージを、ご本人・ご家族と一緒に整理することを大切にしています。消化器内視鏡・超音波(エコー)の経験を活かし、在宅での栄養管理・嚥下評価・胃ろう管理・在宅酸素にも対応しています。
地域の訪問看護ステーション・居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)と連携し、医療と介護の費用が重複・漏れなく設計されるよう努めています。対応エリアはたまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心とした地域です。
受診・相談の目安
費用と保険の仕組みを把握したうえで、次のような状況になっているご家族には、早めの相談をお勧めします。
- 週に1回以上の通院付き添いが家族の負担になってきた
- 退院の話が出ているが、在宅で続けられる医療の範囲がわからない
- 医療費・介護費の合計が毎月いくらかかるか把握できていない
- 高額療養費制度や介護サービス費の申請をまだしていない
- 施設か在宅かを判断したいが、費用の比較ができていない
「うちの親は訪問診療の対象になるのか」——その判断から一緒に整理します。費用の試算や制度の確認も含めて、まずはお気軽にご相談ください。ご予約・お問い合わせからお問い合わせいただくか、費用と手続きの相談は費用と保険のしくみ|相談・依頼するためのまとめもご活用ください。
よくある質問
Q. 在宅医療はどのくらい費用がかかりますか?
利用するサービスの内容・頻度と、ご本人の自己負担割合(1〜3割)によって異なります。訪問診療のみであれば月数千円〜1万円台前半(1割負担の場合)が目安になりますが、訪問看護・介護サービスが加わると合計が増えます。高額療養費制度や高額介護サービス費の上限があるため、青天井にはなりません。詳しい費用の構造は本記事の各章をご参照ください。
Q. 介護保険と医療保険は同時に使えますか?
基本的には介護保険が優先されますが、特定の疾患や状態(難病・末期がん・急性増悪など)では医療保険が優先されます。同じ訪問看護でも、保険の種類によって費用の計算方法が変わります。どちらが適用されるかは、主治医・ケアマネジャーと確認してください。
Q. 高額療養費制度は75歳以上だと申請不要ですか?
75歳以上の後期高齢者医療制度では、一部のケースで自動還付(口座振込)の仕組みが整っています。ただし、初回申請や複数の医療機関の合算手続きが必要な場合もあります。加入する後期高齢者医療広域連合(都道府県単位で設置)に確認することをお勧めします。
Q. お薬手帳で薬代は安くなりますか?
お薬手帳を調剤薬局に毎回持参・提示することで、調剤報酬の「手帳管理料」が一部適用されない形となり、わずかながら薬代が安くなる場合があります。また、後発医薬品(ジェネリック医薬品)への切り替えで薬代を抑えられることもあります。主治医または薬剤師にご相談ください。
Q. 訪問診療を始めると今のかかりつけ医は変えないといけませんか?
必ずしもそうではありません。これまでのかかりつけ医と併診する形や、情報を引き継いで訪問診療に移行する形など、状況に応じた対応が可能です。通院が難しくなってきた背景や今後の療養方針を、現在の主治医・訪問診療のクリニック双方と相談しながら決めていくことができます。通院が難しくなった場合の選択肢については親の通院が難しくなったら|受診をあきらめる前に知っておきたい選択肢もご参照ください。
Q. 本人が来院できなくても家族だけで相談できますか?
はい、ご本人が来院できない場合でも、ご家族だけでのご相談をお受けしています。現在の状態・使っているサービス・費用の疑問などをお持ちいただければ、次のステップを一緒に整理します。訪問診療・在宅医療を知る|相談・依頼するためのまとめもご活用ください。
Q. 施設入居と在宅医療、どちらが費用を抑えやすいですか?
一概にはいえません。在宅医療は居住費・食費が別途かからない反面、介護の人手を外部サービスで補う費用が発生します。施設は居住費・食費を含めた月額費用がかかりますが、介護が一体化されています。所得区分・要介護度・施設の種類によっても大きく変わります。判断の材料をそろえる際は費用と保険のしくみ|選択肢を比べるためのまとめおよび世帯分離を断られたとき、高額療養費区分を見直したい私へもご参照ください。
このガイドの関連記事
- 費用と保険のしくみ|気づく・見極めるためのまとめ
- 費用と保険のしくみ|費用と手続きを確認するためのまとめ
- 費用と保険のしくみ|選択肢を比べるためのまとめ
- 費用と保険のしくみ|相談・依頼するためのまとめ
- 費用と保険のしくみ|困りごとに対処するためのまとめ
関連する状況ガイド
- 訪問診療・在宅医療とは|対象・費用・依頼の流れを医師が解説する完全ガイド
- 退院後の療養先はどう決める?在宅・施設・転院の選び方ガイド
- 親の通院が難しくなったら|受診をあきらめる前に知っておきたい選択肢
- 在宅での看取り・終末期ケア完全ガイド|家族が知っておきたい流れと備え
参考文献・出典
本記事の監修医師
佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器外科・消化器内視鏡/一般内科/在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全
略歴:1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。
公的役割:厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役
AIプラスクリニックたまプラーザのご案内
ご家族の通院が難しくなってきた、退院後の療養先に迷っている、自宅でどこまで医療が受けられるか知りたい——そうしたご相談を、たまプラーザで承っています。
対応エリアはたまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心とした地域です。隣接する都筑区・川崎市宮前区についてもお気軽にご相談ください。
ご予約・お問い合わせ / TEL:045-909-0117(横浜市青葉区)
ご相談の際は、以下をご用意いただくとスムーズです。
- お薬手帳または薬剤情報提供書
- 医療保険証・各種受給者証
- 介護保険証・介護保険負担割合証
- (お持ちであれば)診療情報提供書(紹介状)や退院時サマリー
ご本人が来院できない場合のご相談も承ります。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の患者さんの診断・治療を代替するものではありません。症状や治療方針の判断は、必ず主治医にご相談ください。制度・費用は改定される場合があります。最新の情報は各自治体・保険者の窓口でご確認ください。