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仙骨部褥瘡のポジショニング|臥位・座位の実践ガイド

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仙骨部褥瘡のポジショニング|臥位・座位の実践ガイド

仙骨部褥瘡は、体重が尾骨・仙骨に集まりやすく、仰向けや長時間の座位で悪化しやすい褥瘡です。
ポジショニングの基本は「圧を分散し、ずれを減らし、同じ姿勢を続けない」ことです。
臥位では30度側臥位、座位では骨盤を安定させる除圧が重要で、在宅でも実践できます。

仙骨部褥瘡のポジショニングの基本

仙骨部の褥瘡は、仙骨・尾骨の骨突出部に圧が集中しやすく、寝返りが少ない方、低栄養、失禁、発汗がある方で悪化しやすくなります。
褥瘡の全体像は褥瘡(床ずれ)とは|原因・ステージ・治療・予防・在宅ケアまで医師が解説する総合ガイドも合わせて確認すると整理しやすいです。

目的 ポイント 具体例
圧を逃がす 骨の真上に体重をかけ続けない 仰臥位を続けすぎない
ずれを減らす 体を引きずらない 移乗時はリフトやシーツを活用
湿気を防ぐ 皮膚を清潔・乾燥に保つ 失禁後の皮膚保護
接触面を分散 枕・クッション・ウェッジを使う 体位保持具で支持点を増やす

ポジショニングだけで治療が完結するわけではありません。壊死や感染が疑われる場合は、外用薬やドレッシング材、体圧分散寝具の見直しが必要です。

臥位での実践手順

1. 仰臥位を続けすぎない

仰向けは仙骨部に圧が集中しやすいため、長時間連続しないよう調整します。
可能であれば左右どちらかの側臥位と組み合わせ、定期的に体位変換します。

2. 30度側臥位を基本にする

完全な横向きよりも、やや半側臥位にして仙骨への直接圧を軽くします。
背中側に大きめの枕やウェッジを入れ、体が仰臥位に戻りにくいように支えます。

3. 膝の間と足の位置を整える

  • 膝の間に枕を入れて骨盤のねじれを減らす
  • かかとや外果が当たりすぎないよう調整する
  • シーツのしわを伸ばし、摩擦を減らす

4. ずれを作らない

頭側を上げた仰臥位では、体が下方へ滑りやすく、仙骨部にずれが生じます。
背上げが必要な場合は、上体だけを上げすぎず、骨盤が滑らない角度を意識します。

座位での実践手順

仙骨部褥瘡では、車椅子や椅子での座位管理も重要です。座位では仙骨・尾骨への圧に加え、骨盤後傾によるずれが問題になります。

1. 座位時間を区切る

同じ姿勢を長く続けないことが基本です。
可能なら一定時間ごとに除圧し、立ち上がりや体重移動を入れます。

2. 骨盤を立てて座る

  • 深く座り、骨盤が後ろに倒れすぎないようにする
  • 背もたれと骨盤の位置を整える
  • 座面が硬すぎる場合は体圧分散クッションを検討する

3. クッションは「柔らかければよい」ではない

柔らかすぎると骨盤が沈み込み、かえって仙骨部に圧が集中することがあります。
座面の形状、姿勢保持、除圧性を総合的に見て選びます。

4. 介助時は引きずらない

車椅子への移乗や座り直しで皮膚がこすれると、褥瘡が悪化しやすくなります。
シートや移乗補助具を用いて、摩擦とずれを最小限にしてください。

尾骨部の褥瘡も一緒に見る

尾骨部の褥瘡は、仙骨部褥瘡と近接しており、境界がはっきりしないことがあります。
尾てい骨床ずれ、尾てい骨褥瘡、尾骨褥瘡などと呼ばれることもありますが、実際には「尾骨・仙骨周囲の褥瘡」としてまとめて評価する方が実務上わかりやすいです。

観察ポイント 見る内容
色 赤み、紫色、暗赤色、白っぽいふやけ
深さ 皮膚だけか、くぼみがあるか
形 点状か広がっているか
湿り 失禁や発汗で湿っていないか
痛み 触ると痛い、座ると痛い、しみる

画像で確認したい場合は、赤みが押しても消えないか、中心が黒っぽいか、皮膚が破れているか、周囲が白くふやけていないかを確認のポイントにしてください。

在宅で迷いやすい場面と相談先

在宅では「どこまで体位変換すべきか」「寝具を変えるべきか」「外用薬を続けてよいか」が迷いやすい場面です。
褥瘡ケアは在宅でも医師・看護師が診て進められます。自宅でできるケアの全体像は自宅でできる医療処置のすべて|胃ろう・在宅酸素・褥瘡ケアと管理の実際も参考になります。
また、訪問診療の依頼方法は訪問診療・在宅医療とは|対象・費用・依頼の流れを医師が解説する完全ガイドで確認できます。

当院の在宅褥瘡診療の現場から

AIプラスクリニックたまプラーザでは、在宅療養支援診療所として訪問診療の中で褥瘡を評価し、DESIGN-R®2020を参考に重症度や経過を確認します。必要に応じて処置、外用薬やドレッシング材の選択、体圧分散用具の見直しを行い、訪問看護ステーション、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員と連携して在宅での治療計画を組み立てます。難治化や外科的処置が必要な場合は、連携病院へ紹介しながら対応します。

受診・相談の目安

次のような場合は、早めに医療職へ相談してください。

  • 赤みが押しても消えない状態が続く
  • 傷が深くなる、臭う、膿が出る
  • 発熱や全身状態の悪化を伴う
  • 体位変換や処置方法に迷う
  • 通院が難しく、在宅での対応が必要

在宅で褥瘡の治療方針に迷う症例、特別訪問看護指示書が必要な症例など、訪問診療医との連携が必要な場合はお気軽にご相談ください(ケアマネジャー・訪問看護師からのご相談も承ります)。ご予約・お問い合わせ からご連絡ください。

よくある質問

Q. 仙骨部褥瘡では何時間ごとに体位変換すればよいですか?

患者さんの状態、皮膚の損傷、寝具、疼痛、耐久性で変わります。固定的な時間だけで決めず、皮膚所見と圧のかかり方を見ながら調整します。

Q. 座位が長い方は車椅子を使わない方がよいですか?

一律に禁止ではありません。座位時間の調整、体圧分散クッション、骨盤の安定、定期的な除圧を組み合わせます。

Q. ドーナツクッションは使ってもよいですか?

局所的に圧が集中することがあり、必ずしも推奨されません。使用可否は皮膚状態と姿勢で判断します。

Q. 赤いだけなら褥瘡ではないですか?

圧を除いても赤みが消えない、熱感や痛みがある、紫色に見える場合は初期の褥瘡の可能性があります。早めに評価が必要です。

Q. 市販薬を塗ればよいですか?

軽い皮膚トラブルなら保湿や皮膚保護が役立つこともありますが、褥瘡が疑われる場合は自己判断で市販薬を続けず、受診してください。医療用医薬品は医師の処方・指示のもとで使います。

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参考文献・出典

本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)/医師(医学博士)/専門: 消化器外科・消化器内視鏡/一般内科/在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全。
略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

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TEL 045-909-0117
対応エリア: たまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心とした地域

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の患者さんの診断・治療を代替するものではありません。褥瘡の状態や処置・薬の選択は、必ず医師・看護師の判断のもとで行ってください。医療用医薬品・医療機器の使用は処方・指示に従ってください。制度・費用は改定される場合があります。

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