高齢者が転倒を繰り返すときに考えたい病気のサイン
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高齢の親御さんが何度も転ぶと、「年齢のせいだろうか」「様子を見てよいのか」と迷いやすいものです。実際には、筋力低下やふらつきだけでなく、病気や薬の影響が背景にあることもあります。まずは危険なサインを見分け、受診や相談のタイミングを整理しておくことが大切です。
高齢者が転倒を繰り返す前に知っておきたい基本
転倒は、骨折や頭部外傷につながるだけでなく、「また転ぶのが怖い」ことで活動量が落ち、さらに体力が低下する悪循環を招くことがあります。厚生労働省の在宅医療の推進でも、生活機能の低下が進む前の支援が重要とされています。
転倒の背景には、加齢による筋力低下に加えて、以下のような原因が隠れることがあります。
- パーキンソン病などの神経の病気
- 脳卒中後の麻痺や平衡感覚の障害
- 起立性低血圧(立ち上がったときに血圧が下がる状態)
- 脱水や低栄養
- 目の病気、耳の病気
- 服薬の影響
関連して、高齢者に多い病気と急変のサインの全体像もあわせて確認しておくと、急変時の見方が整理しやすくなります。
受診につながりやすい「転び方」のきっかけ
家族が相談を始めるきっかけは、たとえば次のような場面です。
- 立ち上がった直後にふらついて倒れる
- 何もないところでつまずく回数が増えた
- 歩幅が小さくなり、前かがみで歩く
- 片側の手足が動かしにくい
- 最近、食事量や水分摂取が減っている
- 退院後から急に転びやすくなった
特に、発熱や食欲低下、脱水症状で入院が必要になることがあるような状態の後は、転倒が増えやすくなります。退院支援や在宅療養の考え方は、訪問診療・在宅医療を知るための相談ガイドも参考になります。
転倒を繰り返すときの見分け方
見分けの目安は、「いつ、どこで、どのように転んだか」です。以下の表を参考にしてください。
| 状況 | 考えたい背景 | 受診の目安 |
|---|---|---|
| 立ち上がるときに毎回ふらつく | 起立性低血圧、脱水、薬の影響 | 早めに主治医へ相談 |
| 小刻み歩行、動作が遅い | パーキンソン病など | 外来受診を検討 |
| 片側の麻痺、ろれつ不良を伴う | 脳卒中の可能性 | すぐ受診、救急相談 |
| ぶつかった覚えがないのに転ぶ | 視力低下、認知機能低下、失神 | 評価が必要 |
| 骨折後から急に転倒が増えた | 痛み、筋力低下、活動性低下 | リハビリ含め相談 |
パーキンソン病が気になる場合は、症状の見方を整理した記事も役立ちます。
また、急な麻痺や言葉のもつれがある場合は、転倒そのものより脳の病気を優先して考える必要があります。
混同しやすい「加齢による転びやすさ」との違い
年を重ねると、筋力や反応速度はどうしても落ちます。ただし、「年齢のせい」で片付けてよい転倒ばかりではありません。
次のようなときは病気を疑いやすくなります。
- 以前はなかったのに、短期間で転倒が増えた
- 服薬内容が変わってからふらつく
- 体重減少、食欲低下、むくみがある
- 誤嚥性肺炎を繰り返し、体力が落ちている
- 夜間のトイレ動作で急に倒れる
むくみや心不全が関係する場合は、浮腫の確認ポイントも併せて確認するとよいでしょう。
家族が見落としがちなポイント
転倒の背景には、本人の体調だけでなく生活環境も関係します。
- 眼鏡が合っていない
- 室内の段差や照明不足
- 眠剤、降圧薬、利尿薬などの影響
- 水分不足と食事量低下
- 認知機能低下で危険認識が落ちている
「転ぶ=足腰だけの問題」と決めつけないことが大切です。薬の整理や生活環境の見直しは、介護保険や地域包括支援センターの活用につながることもあります。制度の基本は厚生労働省の介護保険制度の案内が参考になります。
在宅医療とどうつながるのか
転倒を繰り返すと、通院のたびに家族の付き添いが必要になり、受診自体が負担になることがあります。そんなとき、訪問診療は「状態が悪化してから」だけのものではなく、早めに情報収集しておく選択肢として役立ちます。
在宅医療のしくみや対象を先に知っておくと、退院後に慌てにくくなります。たとえば、訪問診療・在宅医療とは何かを整理した完全ガイドを読むと、外来通院との違いが分かりやすいです。
当院の在宅診療の現場から
当院では、病院の地域連携室や医療ソーシャルワーカーからの紹介を受け、退院前カンファレンスに参加して在宅への引き継ぎを行っています。退院当日から訪問診療を始めることもあり、24時間の連絡体制で退院直後の不安定な時期の急変に夜間・休日対応しています。消化器内視鏡やエコーの経験を生かし、栄養管理、嚥下評価、胃ろう管理、在宅酸素にも対応します。たまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心に、隣接する都筑区・川崎市宮前区のご相談も承っています。
受診・相談の目安
次のような場合は、早めに主治医や在宅医療の窓口へ相談してください。
- 転倒が月に何度も続いている
- 立ち上がりや歩行に介助が必要になってきた
- 退院後の療養先がまだ決まっていない
- 家族の付き添いだけでは通院が難しい
- 食事・水分量が落ち、体力低下も目立つ
この段階では「まだ相談するほどでは」と感じる方が多いのですが、在宅医療は状態が悪化してからでは選択肢が狭まります。情報だけ聞いてみる、という使い方で構いません。
必要に応じて、相談・依頼の窓口から確認してみてください。ご予約・お問い合わせはこちらです。
よくある質問
Q. 転んだあと痛がらなくても受診したほうがよいですか?
はい。痛みがなくても、頭部打撲や骨折、薬の影響が隠れていることがあります。特に同じような転倒を繰り返す場合は評価を受けたほうが安心です。
Q. 何科を受診すればよいですか?
まずはかかりつけ医に相談し、必要に応じて整形外科、脳神経内科、循環器内科などに紹介されます。急な麻痺や意識変化があれば救急受診が優先です。
Q. 施設入居を考える前に在宅医療を試せますか?
はい。施設入居を否定する必要はありませんが、在宅医療を併用すると自宅療養の負担が下がることがあります。病状や介護力に応じて一緒に整理していく形がよいでしょう。
Q. 家族だけで相談しても大丈夫ですか?
大丈夫です。ご本人が来院できない場合でも、家族のみの相談から始められることがあります。まず現状を整理するだけでも次の判断がしやすくなります。
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参考文献・出典
本記事の監修医師
佐藤 靖郎(さとう やすお)/医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医/専門: 消化器外科・消化器内視鏡/一般内科/在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全。略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。 公的役割: 厚生労働省『地域連携クリティカルパスモデルの開発』班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。
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ご相談の際は、お薬手帳または薬剤情報提供書/医療保険証・各種受給者証/介護保険証・介護保険負担割合証/(お持ちであれば)診療情報提供書(紹介状)や退院時サマリーをご用意いただくとスムーズです。ご本人が来院できない場合のご相談も承ります。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の患者さんの診断・治療を代替するものではありません。症状や治療方針の判断は、必ず主治医にご相談ください。制度・費用は改定される場合があります。最新の情報は各自治体・保険者の窓口でご確認ください。