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在宅での看取り・終末期を考える|気づく・見極めるためのまとめ

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在宅での看取り・終末期を考える|気づく・見極めるためのまとめ


在宅での看取り・終末期を考える|気づく・見極めるためのまとめ


「そろそろ在宅での療養を考えた方がいいのかもしれない」と感じながら、何から調べればよいか分からないまま時間が過ぎている——そんな方のための特集ページです。

このページでは、ホスピスや在宅緩和ケアの基本から、訪問診療を検討するタイミング、家族と本人の希望を整理するための考え方まで、「気づく・見極める」段階で必要な情報を横断的にまとめています。個別の診断・治療方針は必ず主治医にご相談ください。本記事はその相談の前段として、方向性を整理していただくために書かれています。


ホスピスとは?在宅での看取り・終末期を考える前に知っておきたいこと

ホスピスと緩和ケア・訪問診療の違い

「ホスピス」という言葉は、治癒を目的とせず、苦痛の緩和と生活の質(QOL)の維持を優先した医療・ケアの考え方、あるいはそれを提供する場所を指します。日本では病院内の「緩和ケア病棟」がホスピスに相当することが多く、厚生労働省による施設基準が設けられています。

一方「緩和ケア」はより広い概念で、がんをはじめとする重篤な疾患の初期から行われる症状緩和の取り組みを意味します。訪問診療は、通院が困難な方の自宅や施設に医師が定期的に出向く医療提供の形式であり、緩和ケアの考え方を取り入れながら在宅で実践することができます。

詳しくはホスピスの基本と在宅でのホスピスケアを整理した解説もあわせてご覧ください。

「自宅」「病院」「施設」で受けられる医療の違い

療養の場 医療の提供方法 緩和ケアの対応 生活環境
自宅(在宅医療) 訪問診療・訪問看護 痛みや症状緩和に対応可能 本人にとって慣れた環境
病院(緩和ケア病棟等) 病棟での常時管理 専門チームによる集中的な対応 入院環境
有料老人ホーム・施設 配置医師+訪問診療の組み合わせが多い 施設によって差がある 生活支援が充実

どの場が「正解」ということはなく、本人の状態・希望・家族の状況によって変わります。ホスピス型有料老人ホームの特徴を整理した記事も参考になります。

この記事でわかることと、医師の診察が前提になること

本記事は、在宅での看取り・終末期ケアについて「気づく・見極める」段階の情報を整理したものです。症状の判断や治療方針の決定は必ず医師の診察が前提となります。記事内の情報は目安であり、個別の状況に当てはまらない場合があります。


在宅でホスピスケアを考える場面とは

病気の進行や体力低下で通院が難しくなってきたとき

がん・心不全・慢性呼吸器疾患・認知症などが進行し、外来への移動そのものが体の負担になってきた場合、在宅での医療提供を検討する時期です。終末期の概念と家族が知っておきたい基本を整理した記事もご参照ください。

退院後の療養先を早めに決める必要があるとき

入院中に主治医から「そろそろ退院の方向で」と言われたとき、自宅か施設か——という二択で考えがちですが、在宅医療を組み合わせることで、自宅療養の選択肢が現実的になる場合があります余命宣告を受けた後の終末期医療の選択肢を整理した記事も参考になります。

本人の希望と家族の負担の両方を整理したいとき

「自宅にいたい」という本人の希望と、「介護できるか不安」という家族の気持ちは、どちらも大切です。まずは在宅医療でどこまで支援できるかを把握することが、判断の助けになります。


「まだ早いのでは」と迷いやすいタイミングで見ておきたい変化

食事量の低下、息切れ、痛み、発熱が続く

食欲の低下や体重減少、動いたときの息苦しさ、慢性的な痛みや微熱の継続は、病状が変化しているサインであることがあります。高齢者が食事を食べない状態と余命について整理した記事も合わせてご覧ください。

体調悪化で受診や通院のたびに負担が大きい

外来受診のために起き上がること、車への乗り降り、待合室での待機——これらが本人にとって大きな消耗になっていると感じるなら、訪問診療への移行を相談する目安の一つです。

入退院を繰り返している

肺炎や心不全の増悪で短期間に複数回の入退院が続く場合、在宅での予防的管理や症状緩和の体制を整えることが、本人の安定と家族の安心につながります。誤嚥性肺炎の終末期における支え方高齢者の肺炎が終末期に近い場合の変化も参考になります。

家での介護や服薬管理に不安がある

薬の種類が多い、飲み忘れが増えた、痛み止めの使い方が分からない——こうした不安も、在宅医療チームが支援できる場面です。


受診・相談の目安

こんなときは訪問診療や在宅緩和ケアを相談する

  • 週1回以上の外来通院が体力的に難しくなってきた
  • 退院後の療養先がまだ決まっていない
  • 本人が「できれば自宅にいたい」と話している
  • 家族の付き添いや介護が限界に近づいている
  • 痛み・息苦しさ・食欲低下が続いており、専門的な症状緩和を受けたい

こんな症状があるときは早めに医療機関へ連絡する

  • 急激な意識レベルの低下
  • 呼吸困難の急激な悪化
  • 激しい痛みや出血が続く
  • 発熱(38.5℃以上)が続き状態が悪化している

緊急入院が必要になる場合もあること

在宅医療を選択していても、状態によっては緊急入院が必要になることがあります。在宅医療は「一切の入院をしない」という意味ではなく、本人の状態や希望に合わせた医療を自宅で継続するための体制です。入院と在宅を状況に応じて組み合わせることも可能です。


「まだ相談するほどでは」と感じる方が多いのですが、在宅医療は状態が悪化してからでは選択肢が狭まります。情報だけ聞いてみる、という使い方で構いません。在宅での看取り・終末期についての相談窓口訪問診療・在宅医療の相談ページもご参照ください。


在宅でできる医療とケア

痛みや息苦しさなどの症状を和らげるための診療

緩和ケア(症状緩和)は在宅でも行うことができます。がんによる痛みの管理(医療用麻薬の処方・調整を含む)、呼吸困難の緩和、浮腫(むくみ)の管理などが含まれます。腹水が出る終末期の症状と在宅ケアの考え方もあわせてご覧ください。

点滴、酸素、医療機器の使い方の支援

在宅酸素療法(HOT)や皮下点滴、胃ろう(経管栄養)の管理なども訪問診療・訪問看護が連携して対応します。皮下点滴を続ける意味と在宅での見方肺に水がたまる場合の在宅ケアも参考になります。

薬の調整や副作用の確認

複数の薬を服用している場合、在宅医が定期的に処方内容を確認し、状態に合わせた調整を行います。終末期に向けて薬の種類を整理することも、本人の負担を軽減するうえで重要な視点です。

家族への介護方法の説明と相談

体位変換の仕方、口腔ケア、痰の吸引が必要な場合の対応など、訪問看護師が実際に家族に説明・指導します。痰吸引が必要な場合の見守り方もご参照ください。


ACPとは?本人の希望を早めに話し合う意味

ACP(人生会議)で決めておきたいこと

ACP(Advance Care Planning、アドバンス・ケア・プランニング)とは、将来の医療やケアについて、本人・家族・医療者が繰り返し話し合い、本人の希望を共有しておくプロセスを指します(厚生労働省「人生会議」として普及が推進されています)。

人生会議と延命治療を考える前の整理延命治療をしないという選択について整理した記事もあわせてご覧ください。

延命治療や救急搬送について話し合うポイント

心肺停止時に心臓マッサージや人工呼吸器を使用するかどうか、救急車を呼ぶかどうか——これらは、あらかじめ本人の意思が確認されていないと、家族が急場で判断を迫られます。「どこで最期を迎えたいか」「どの程度の医療を望むか」という希望を、状態が安定しているうちに話し合っておくことが重要です。

本人が話せるうちに始める意義

認知機能の低下が進んだり、意識状態が変化したりすると、本人の意思を確認することが難しくなります。話し合いは「決める」ためではなく、本人の価値観や希望を家族と共有するために始めるものです。

途中で希望が変わることもある

ACPで一度決めたことが絶対ではありません。病状の変化や気持ちの変化によって、希望が変わることは自然なことです。繰り返し対話を重ねることがACPの本質です。


在宅での看取りを考えるときの判断材料

自宅療養が向いている場合

  • 本人が「自宅にいたい」という意思を示している
  • 家族が日中の見守りや一定の介護を担える環境がある
  • 在宅医・訪問看護・ケアマネジャーによる支援体制が整えられる
  • 急変時の方針(蘇生処置の有無など)について家族で合意がある

施設入居や病院療養が向いている場合

  • 家族の介護力が不十分で、24時間の見守りが難しい
  • 症状が重く、在宅での症状コントロールに限界がある
  • 本人が施設や病院での療養を希望している

施設や病院を選ぶことは、家族の愛情を欠くことではありません。医療療養型病院での看取りを考えるときの確認ポイントも判断の参考になります。

家族だけで抱え込まないための考え方

在宅療養を支えるためには、医師・看護師・介護士・ケアマネジャーなど複数の専門職が関わるチームが必要です。在宅看取りがしんどいと感じたときに支えを得る方法もあわせてご覧ください。

在宅療養には限界があり、入院が必要になることもある

在宅医療を選択しても、状態によっては入院が必要になる場合があります。これは「在宅での看取りに失敗した」ということではありません。状態に合わせて柔軟に対応することが、本人にとって最善の医療につながります。


退院後すぐに在宅医療を始めるときの流れ

退院日が急に決まることがある現実

病院のベッド事情や診療報酬制度の関係から、退院日が数日前に急に決まり、療養先を短期間で選ばなければならないケースは珍しくありません。退院前から在宅医療の情報を集めておくことが、こうした状況への備えになります。

病院・在宅医・ケアマネジャーとの連携

退院後の在宅医療は、病院の地域連携室(医療ソーシャルワーカー)が在宅医やケアマネジャーに橋渡しをするケースが多くあります。退院前に「在宅医療を使いたい」と病院側に伝えることで、連携が動き始めます。

退院前カンファレンスで確認したいこと

退院前カンファレンス(病院・在宅医・訪問看護・ケアマネジャーが集まる話し合いの場)に参加することで、医療情報の引き継ぎがより円滑になります。確認しておきたい項目の例を以下に示します。

確認事項 具体的な内容
医療管理の内容 投薬内容・処置・機器(酸素・胃ろう等)
急変時の方針 救急搬送の可否・蘇生処置の希望
サービスの開始日 訪問診療・訪問看護・介護サービスの開始予定
連絡体制 夜間・休日の連絡先

かかりつけ医と併診・引き継ぎができること

在宅医療を始めることは、これまでのかかりつけ医との関係を切ることではありません。かかりつけ医からの診療情報提供書をもとに在宅医が引き継ぐこともあれば、定期的に外来を継続しながら在宅医が補完する「併診」の形をとることもあります。


地域包括ケア病棟や退院支援で知っておきたいこと

入院期間に上限があること

地域包括ケア病棟(急性期治療後の回復や在宅復帰を支援する病棟)は、原則として入院期間の上限が60日とされています(診療報酬の規定による。改定の可能性があるため最新情報は医療機関または厚生労働省の情報をご確認ください)。そのため、入院当初から退院後の療養先を逆算して準備する必要があります。

退院後の療養先を逆算して準備する必要性

地域包括ケア病棟への入院が決まった時点から、在宅への移行を想定して情報収集を始めることをお勧めします。在宅医やケアマネジャーとの顔合わせを入院中に済ませておくと、退院後のスタートがスムーズになります。

自宅か施設かの二択だけではないこと

病院から提示される選択肢が「自宅か施設か」の二択に見えることがありますが、訪問診療・訪問看護・介護サービスを組み合わせることで、自宅療養が現実的になる場合があります。まず「在宅医療を入れる前提でどこまで対応できるか」を在宅医に相談してみることが一つの出発点です。


費用や制度を確認するときのポイント

在宅医療・ホスピスケアの費用は制度や改定で変わること

訪問診療の費用は医療保険が適用されますが、診療報酬の改定(原則2年ごと)によって点数・自己負担額が変わる場合があります。本記事では具体的な金額を明示せず、現時点での目安は医療機関または加入する保険者(健康保険組合・市区町村)に確認されることをお勧めします看取り加算の仕組みと施設・在宅の違いを整理した記事もご参照ください。

公的制度・自治体の窓口・医療機関で確認すること

費用・給付内容については、横浜市の介護・高齢者福祉に関する情報厚生労働省の介護保険制度の情報をご確認ください。

介護保険や医療保険との関わり

訪問診療は医療保険、訪問介護・ケアマネジャーの費用は介護保険が主な財源となります。40歳以上の方が介護保険の被保険者となります。要介護認定を受けていない場合、まず地域包括支援センターへの相談が入口になります。


よくある質問

Q. ホスピスは自宅でも受けられますか?

ホスピスの考え方(苦痛の緩和と生活の質の維持を優先した医療・ケア)は、自宅でも実践することができます。訪問診療・訪問看護が連携して、痛みの管理や症状緩和を在宅で行う体制を「在宅ホスピスケア」と呼ぶことがあります。ただし、対応できる症状の種類や緊急性の高い処置には限界があり、状態によっては入院が必要になることもあります。

Q. 訪問診療を始めるのは「早すぎる」ことはありますか?

訪問診療を早めに始めることで、状態の変化をかかりつけの在宅医が継続して把握でき、急変時の対応がスムーズになります。「まだ在宅医が必要なほど重くない」と感じる段階から相談しておくことは、むしろ選択肢を広げることにつながります。

Q. 本人が外来受診できなくても家族だけで相談できますか?

はい、ご本人が来院できない場合でも、家族からのご相談をお受けすることができます。その際、お薬手帳や診療情報提供書があると状況の把握がしやすくなります。

Q. かかりつけ医がいても訪問診療を併用できますか?

可能です。かかりつけ医と在宅医が役割分担をしながら並行して診療を続ける「併診」の形は珍しくありません。かかりつけ医からの情報提供をもとに在宅医が補完する形をとることで、継続的な医療が維持されます。

Q. 自宅で看取ると決めたら、途中で入院や施設入居に変更できますか?

変更できます。在宅看取りの方針は固定されたものではなく、本人や家族の状況・希望の変化に合わせて見直すことができます。途中で入院や施設入居を選択することは、在宅での介護の否定ではありません。在宅看取りで後悔しないために準備しておきたいこともご参照ください。

Q. どの段階で相談すればよいですか?

「まだ在宅医が必要かどうか分からない」という段階が、相談のちょうど良いタイミングです。状態が悪化してから相談すると、準備に使える時間が限られます。情報収集として気軽にお問い合わせください。ご予約・お問い合わせはこちらからどうぞ。


当院の在宅診療の現場から

AIプラスクリニックたまプラーザでは、病院の地域連携室や医療ソーシャルワーカーからの紹介を通じて、退院前カンファレンスに参加し、病院から在宅への引き継ぎを行っています。退院当日から訪問診療を開始するケースも多く、退院直後の不安定な時期に24時間の連絡体制で対応しています。

監修医の消化器外科・内視鏡の経験を活かし、在宅での栄養管理・嚥下評価・胃ろう管理・在宅酸素療法にも対応しています。地域の訪問看護ステーション・居宅介護支援事業所と日常的に連携しており、「退院後すぐ」「夜間の急変」「症状の変化」といった場面でも、チームで対応する体制を整えています。

対応エリアはたまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心とした地域で、隣接する都筑区・川崎市宮前区についてもご相談ください。


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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)

医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医

専門:消化器外科・消化器内視鏡/一般内科/在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全

略歴:

1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:

厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役


AIプラスクリニックたまプラーザのご案内

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TEL 045-909-0117(横浜市青葉区)

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  • お薬手帳または薬剤情報提供書
  • 医療保険証・各種受給者証
  • 介護保険証・介護保険負担割合証
  • (お持ちであれば)診療情報提供書(紹介状)や退院時サマリー

ご本人が来院できない場合のご相談も承ります。


免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の患者さんの診断・治療を代替するものではありません。症状や治療方針の判断は、必ず主治医にご相談ください。制度・費用は改定される場合があります。最新の情報は各自治体・保険者の窓口でご確認ください。


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