訪問医療とは?往診や歯科訪問診療との違いを確認
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訪問医療は、医療者がご自宅や施設に伺って行う医療の総称として使われることがあります。まずは、「往診」と「訪問診療」は同じではないこと、さらに歯科領域の訪問診療や歯科往診とも整理して考えると、必要な支援が見えやすくなります。この記事では、家族が混同しやすい点をやさしく整理します。
訪問医療の基本は「家で受ける医療」を広く指すことです
訪問医療という言葉は、厳密な制度名というより、医療者が患者さんのいる場所へ出向いて行う医療全般を指して使われることがあります。実際には、医師が定期的に診る「訪問診療」、急な体調変化に対応する「往診」、歯科医師が行う「歯科訪問診療」などに分かれます。
在宅医療の全体像は、まず こちらのまとめ も参考になります。
| 用語 | どういうものか | イメージ |
|---|---|---|
| 訪問診療 | 計画を立てて定期的に診る | 月2回など、あらかじめ日程を決めて訪問 |
| 往診 | 体調が悪い時に臨時で診る | 発熱、呼吸苦、強い痛みなどへの対応 |
| 歯科訪問診療 | 歯科医師や歯科衛生士が訪問して口腔ケアや治療を行う | 通院が難しい方の虫歯、入れ歯、口の清潔管理 |
厚生労働省でも在宅医療の推進が示されており、「通院が難しくなっても、在宅で受けられる医療がある」ことは、介護や療養を考える上で大切な視点です(厚生労働省 在宅医療の推進)。
こう調べ始める方が多い理由は、通院の負担が増えてくるからです
高齢の親御さんについて、次のようなきっかけで訪問医療を調べ始める方が多いです。
- 受診のたびに家族の付き添いが必要になった
- 退院日は決まったのに、家でどう療養するか決めきれない
- 病院から「自宅か施設か」と言われ、他の選択肢が見えない
- 認知症や足腰の衰えで、外来受診が現実的でなくなってきた
とくに退院支援では、退院日が急に決まることもあり、数日で療養先を決める場面があります。こうした時ほど、早めに情報を集めておくことが役立ちます。ご本人がまだ来院できない場合は、家族だけで相談を始めることもできます。詳しくは 相談の進め方 もご覧ください。
訪問医療を見分けるときは「定期か臨時か」で考えると整理しやすいです
訪問医療といっても、実際には役割が異なります。まずは「定期的に診てもらうのか」「急変時に来てもらうのか」で考えると整理しやすくなります。
| 見分ける視点 | 訪問診療 | 往診 |
|---|---|---|
| 予定 | あり | なし |
| 目的 | 継続的な療養管理 | 急な症状への対応 |
| 向いている方 | 通院が負担、慢性疾患の管理が必要 | 発熱、痛み、急な体調悪化 |
| 家族の安心材料 | 診療計画が立てやすい | 必要時の臨時対応がある |
制度上の算定や費用は、保険の種類や訪問回数、同日に行う検査内容などで変わります。「訪問診療 算定 わかりやすい」と検索される方も多いのですが、実際の費用は一律ではありません。目安はあっても、最終的には各医療機関や保険者への確認が必要です。
混同しやすいものとの違いを先に押さえておくと安心です
訪問医療と似た言葉は多く、家族が迷いやすいところです。違いを簡単に整理します。
| 項目 | 訪問診療 | 往診 | 歯科訪問診療 | 入院 |
|---|---|---|---|---|
| 主体 | 医師 | 医師 | 歯科医師 | 病院 |
| 頻度 | 定期的 | 必要時 | 定期的または必要時 | 連続的 |
| 目的 | 慢性疾患・全身管理 | 急変対応 | 口腔内の治療・ケア | 集中的治療 |
| 生活の場 | 自宅・施設 | 自宅・施設 | 自宅・施設 | 病院内 |
歯科往診や歯科訪問診療は、食べる力や誤嚥性肺炎の予防に関わることがあります。口の中の状態は全身状態ともつながるため、必要に応じて医科と歯科が連携します。口腔ケアの考え方は、厚生労働省の介護保険制度や日本在宅医療連合学会の情報も参考になります(厚生労働省 介護保険制度、日本在宅医療連合学会)。
家族が見落としがちなポイントは、主治医を変える必要がないことです
訪問医療を始めると、今のかかりつけ医との関係が途切れるのではと心配される方がいます。しかし、併診や引き継ぎは可能です。病状によっては、これまでの主治医と訪問医が役割分担することもあります。
また、状態が悪くなってから探すより、少し余裕がある段階で情報を集めたほうが選択肢は広がりやすいです。退院前カンファレンスに在宅医が加わると、薬、食事、酸素、点滴、看護の引き継ぎが整いやすくなります。家族が「まだ早いのでは」と感じている時こそ、まずは 受け方の基本 を知っておくと安心です。
当院の在宅診療の現場から
病院の地域連携室や医療ソーシャルワーカーからご紹介を受け、退院前カンファレンスから参加することが多くあります。退院日が当日まで確定しないこともあり、必要に応じて退院当日から訪問診療を開始します。退院直後は体調が揺れやすいため、24時間の連絡体制を整え、夜間・休日の急変にも備えています。消化器内視鏡やエコーの経験を生かし、栄養管理、嚥下評価、胃ろう管理、在宅酸素まで地域の訪問看護ステーションや居宅介護支援事業所と連携して支えています。
在宅医療とのつながりを理解すると、選択肢が増えます
訪問医療は、在宅医療の一部として考えると理解しやすくなります。在宅医療は、診療だけでなく、看護、介護、リハビリ、薬の調整を含めて暮らしを支える考え方です。
人生の終わり方や療養の希望を考える「人生会議(ACP)」も、厚生労働省が情報提供しています。本人の希望、家族の負担、医療の実現可能性を早めにすり合わせておくと、急な退院や体調悪化の場面でも判断しやすくなります。
受診・相談の目安
次のような場合は、訪問医療や在宅医療の相談を考える目安になります。
- 週に1回以上の通院が家族の付き添いなしでは難しい
- 退院後の療養先が決まっていない
- 家族の付き添いが仕事や体力の面で限界に近い
- 認知症、足腰の衰え、息切れなどで外来受診が負担になっている
- 胃ろう、在宅酸素、褥瘡など、継続的な管理が必要になってきた
この段階では「まだ相談するほどでは」と感じる方が多いのですが、在宅医療は状態が悪化してからでは選択肢が狭まります。情報だけ聞いてみる、という使い方で構いません。たまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心とした地域でご相談があれば、ご予約・お問い合わせ からご連絡ください。
よくある質問
Q. 訪問医療と訪問診療は同じですか?
完全に同じ意味ではありません。訪問医療は広い言い方で、訪問診療はその中の「定期的に医師が訪問する診療」を指すことが多いです。
Q. 歯科往診とは何ですか?
歯科医師が自宅や施設に訪問して、歯の治療や入れ歯の調整、口腔ケアを行うことです。食べる力や口の清潔を保つうえで役立つことがあります。
Q. 訪問診療を始めると、今の病院には通えなくなりますか?
通えなくなるわけではありません。必要に応じて主治医と訪問医が併診したり、役割分担したりできます。診療情報の共有が大切です。
Q. 家族だけで相談してもよいですか?
はい、可能です。ご本人が受診できない場合でも、まず家族が状況を整理して相談することはあります。
Q. 施設入居を考えるべき時と迷っています。
自宅、施設、入院にはそれぞれ向き不向きがあります。どれが正しいというより、病状、介護力、本人の希望を並べて考えることが大切です。
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参考文献・出典
本記事の監修医師
佐藤 靖郎(さとう やすお)/医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門: 消化器外科・消化器内視鏡/一般内科/在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全
略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。
公的役割: 厚生労働省『地域連携クリティカルパスモデルの開発』班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。
AIプラスクリニックたまプラーザのご案内
ご家族の通院が難しくなってきた、退院後の療養先に迷っている、自宅でどこまで医療が受けられるか知りたい——そうしたご相談を、たまプラーザで承っています。
ご予約・お問い合わせ よりご連絡ください。TEL 045-909-0117(横浜市青葉区)。ご相談の際は、お薬手帳または薬剤情報提供書/医療保険証・各種受給者証/介護保険証・介護保険負担割合証/(お持ちであれば)診療情報提供書(紹介状)や退院時サマリーをご用意いただくとスムーズです。ご本人が来院できない場合のご相談も承ります。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の患者さんの診断・治療を代替するものではありません。症状や治療方針の判断は、必ず主治医にご相談ください。制度・費用は改定される場合があります。最新の情報は各自治体・保険者の窓口でご確認ください。