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右心不全と左心不全の違いを、親の症状から見分ける

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右心不全と左心不全の違いを、親の症状から見分ける

高齢者に多い病気と急変のサイン|受診の目安を医師が解説する総合ガイド
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親御さんの「息切れが増えた」「足がむくむ」「夜に苦しそう」が気になるとき、右心不全と左心不全の違いを知っておくと、受診の優先度を考えやすくなります。結論からいうと、左心不全は息切れや肺のうっ血が目立ちやすく、右心不全はむくみや腹部の張りが目立ちやすい傾向があります。ただし実際には両方が同時に起こることもあり、症状だけで断定はできません。迷うときは早めの相談が安心です。

まず押さえたい右心不全と左心不全の違い

心不全は「心臓が体に必要な血液を十分に送り出しにくくなった状態」の総称です。左心不全は左心室の働きが弱り、肺に血液がたまりやすくなります。右心不全は右心室の働きが弱り、全身の静脈側に血液がたまり、足や腹部に症状が出やすくなります。
なお、国が進める在宅医療の考え方は在宅医療の推進でも示されており、状態に応じた療養の組み立てが大切です。

みられやすい症状 左心不全で目立ちやすい所見 右心不全で目立ちやすい所見
息切れ ありやすい ありうる
横になると苦しい ありやすい ときにみられる
足のむくみ 進むとみられる 目立ちやすい
お腹の張り・食欲低下 進むとみられる 目立ちやすい
咳・痰 みられることがある 目立ちにくい

こう調べ始める方が多い、親の変化のきっかけ

多くの方は「年のせいかな」と思える変化から調べ始めます。たとえば、階段で息が上がる、夜中に咳が増える、靴下の跡が強い、体重が数日で増える、食欲が落ちた、という相談です。
こうした変化は心不全以外でも起こります。たとえば、むくみは浮腫とは何か、むくみが続く私のための確認ポイントでも整理していますが、腎臓や薬の影響でも見られます。原因を一つに決めつけないことが大切です。

見分け方・判断の目安

見分けのヒントは、「どこにうっ血が起きていそうか」です。左心不全では肺に水がたまりやすいため、息切れ、起座呼吸(横になると苦しい)、夜間の呼吸苦が出やすくなります。右心不全では体の静脈側に負担がかかり、足のむくみ、体重増加、腹部膨満、肝臓の張りが目立ちます。
ただし高齢の方では、症状がはっきりしないこともあります。食欲低下や元気がないだけで始まることもあるため、「いつもと違う」が続くかを見ます。

見るポイント 家族が確認しやすい点 受診を急ぎたい例
息切れ 歩く距離が短くなった 休んでも苦しい、会話がつらい
むくみ すね・足首・靴のきつさ 急に増えた、体重が短期間で増えた
夜の様子 枕を増やすようになった 寝ると苦しくて起きる
食欲・腹部 食べる量が減った お腹が張って食事が進まない

混同しやすいものとの違い

右心不全と左心不全の違いは、ほかの病気と混ざると分かりにくくなります。たとえば、パーキンソン病では動きが遅くなり、歩く量が減って「疲れやすい」と感じることがあります。これはパーキンソン病かもと思ったら、私が見ておきたい症状で確認できます。
また、脱水でもだるさや食欲低下が起きます。低張性脱水とは、体内の水分だけでなく塩分も不足している状態で、高齢者では食事量低下や利尿薬で起こることがあります。むくみがあるから脱水ではない、とは言い切れません。必要に応じて血液検査や心電図、胸部X線、心エコーで評価します。術後の発熱や感染でも心臓の負担が増えることがあり、急な悪化は別原因も考えます。

家族が見落としがちなポイント

息切れとむくみだけでなく、体重の変化は大切です。毎朝同じ条件で量ると、数日の増減が分かります。服薬の飲み忘れ、塩分の多い食事、下痢や発熱のあとも悪化のきっかけになります。
また、認知症や加齢で「苦しい」と言葉にしにくいことがあります。表情、会話量、食事量、トイレまでの歩き方も手がかりです。家での見守りに不安があるときは、訪問診療・在宅医療を知る|相談・依頼するためのまとめで、相談の入口を確認しておくと整理しやすくなります。

在宅医療とのつながり

心不全は、通院だけでなく在宅医療と相性のよい病気の一つです。状態が安定していれば、自宅での服薬管理、体重・血圧の確認、酸素療法の継続、むくみや食事量の変化の観察を組み合わせられます。全体像は訪問診療・在宅医療とはも参考になります。
退院後の療養先を迷う場面では、病院の地域連携室や医療ソーシャルワーカーと早めに話し、必要なら退院前カンファレンスに在宅医が入ると引き継ぎが円滑です。施設入居や転院が適している方もおり、選択肢を並べて考えることが大切です。

当院の在宅診療の現場から

当院では、病院の地域連携室や医療ソーシャルワーカーからの紹介で、退院前カンファレンスに参加し、在宅への引き継ぎを受けています。退院当日から訪問診療を始めることもあり、24時間の連絡体制で、退院直後の不安定な時期の急変にも夜間・休日対応を行っています。消化器内視鏡やエコーの経験を生かし、在宅での栄養管理、嚥下評価、胃ろう管理、在宅酸素にも対応します。たまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心に、隣接する都筑区・川崎市宮前区もご相談に応じています。

受診・相談の目安

次のようなときは、早めに主治医へ相談してください。

  • 以前より息切れが増え、歩く距離が短くなった
  • 足のむくみや体重増加が数日で進んだ
  • 横になると苦しく、寝る姿勢を工夫するようになった
  • 食欲低下やお腹の張りが続いている
  • 通院の付き添いが難しくなり、療養の組み立てを見直したい

この段階では「まだ相談するほどでは」と感じる方が多いのですが、在宅医療は状態が悪化してからでは選択肢が狭まります。情報だけ聞いてみる、という使い方で構いません。必要なら、ご予約・お問い合わせからご相談ください。

よくある質問

Q. 右心不全と左心不全は、症状だけで見分けられますか?

症状は手がかりになりますが、確定はできません。両方が同時に起こることも多く、診察や検査が必要です。

Q. むくみがあると、右心不全の可能性が高いですか?

可能性はありますが、腎臓病、薬、静脈の病気でもむくみます。足のむくみだけで判断しないことが大切です。

Q. 心不全が疑われたら、まず何科を受診すればよいですか?

まずはかかりつけ医、または内科・循環器内科が相談先になります。急な息苦しさがあれば救急受診を考えます。

Q. 通院が大変になったら、在宅医療は早すぎますか?

早すぎるということはありません。状態が安定している段階から準備すると、退院後や悪化時に落ち着いて対応しやすくなります。

Q. 家族だけで相談してもよいですか?

はい。ご本人が来院できない場合でも、家族のみの相談は可能です。状況整理だけでも役立つことがあります。


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参考文献・出典

本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)/医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医/専門: 消化器外科・消化器内視鏡/一般内科/在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全。
略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。
公的役割: 厚生労働省『地域連携クリティカルパスモデルの開発』班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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