事故後に寝たきりとなった親の通院、家族だけで抱えないために
事故のあとに寝たきりになると、通院のたびに家族の付き添い、移乗、車の手配、受診先との連絡が重なり、想像以上に負担が大きくなります。まずは「今の方法で続ける」ことだけにこだわらず、介護タクシーや在宅医療も含めて整理してみましょう。
事故後に寝たきりになったとき、まず押さえたいこと
事故後の寝たきりは、骨折や脊髄損傷、脳のけが、長期の安静など背景がさまざまです。大切なのは、「自力で通院できない状態」になったら、通院方法そのものを見直してよいということです。
親の通院が難しくなったら|受診をあきらめる前に知っておきたい選択肢 では全体像をまとめていますが、本記事では「事故後に寝たきり」という場面に絞って、家族が考えやすい順に整理します。
事故のあとに家族が調べ始めるきっかけ
よくあるのは、次のような場面です。
- 退院は決まったが、次の受診日にどう連れて行くか分からない
- 車椅子での移動はできても、乗り降りや院内移動が難しい
- 病院から「自宅か施設か」を急いで決めるよう言われた
- 家族の仕事や体力の都合で、毎回の付き添いが続けられない
- 事故の後遺症で、痛みやしびれ、疲れやすさが強い
「まだ早いのでは」と様子を見る方も多いのですが、退院前から情報を集めるほど選択肢は保ちやすくなります。とくに退院支援では、在宅医が早く関わるほど引き継ぎが整いやすくなります。
事故後の寝たきりを見分けるときの目安
寝たきりかどうかは、見た目だけではなく「生活の動作がどれだけ保てるか」で考えます。
| 見るポイント | 目安 |
|---|---|
| 移動 | ベッドから車椅子への移乗に介助が必要 |
| 受診 | 玄関まで出る、車に乗る、院内を移動するのが難しい |
| 体調管理 | 痛み、しびれ、呼吸、食事、排泄の変化が出やすい |
| 家族負担 | 1回の通院で複数人の手助けが必要 |
寝たきりは「動けない」だけでなく、通院の準備に家族の負担が集中している状態でもあります。訪問診療は、こうした生活全体を支える選択肢のひとつです。
制度の考え方は、厚生労働省の在宅医療の推進 と介護保険制度 が参考になります。
介護タクシーだけでよい場合と、在宅医療を考える場合
介護タクシーは、車椅子のまま移動しやすい点が利点です。ただし、「乗れること」と「通院を続けられること」は別です。痛みが強い、疲労で受診後にぐったりする、診察のたびに家族の休みが必要、という場合は負担が積み重なります。
| 方法 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 介護タクシー | 定期受診が少なく、状態が比較的安定 | 乗降介助や費用の確認が必要 |
| 家族の送迎 | 近距離で短時間の通院 | 付き添いが継続できるかが課題 |
| 在宅医療・訪問診療 | 通院そのものが負担になってきた | 必要時は入院や専門受診につなぐことがある |
通院の限界を感じたら、訪問診療・在宅医療を知る|相談・依頼するためのまとめ を確認しつつ、相談先を増やしておくと安心です。
また、がんや慢性疾患のケースでは、訪問診療・在宅医療とは|対象・費用・依頼の流れを医師が解説する完全ガイド も役立ちます。
家族が見落としやすい、退院後の通院の落とし穴
事故後は「退院できれば一段落」と思いやすいのですが、実際には退院後に調整が始まります。見落としやすい点は次のとおりです。
- 受診日が急に決まることがある
- 病院での診療は続いても、通院の手段が途切れる
- 薬の管理、食事、排泄、褥瘡(じょくそう:床ずれ)のケアが同時に必要になる
- 生活環境の調整に時間がかかる
退院支援では、地域包括ケア病棟など入院期間に上限がある病床もあります。一般に地域包括ケア病棟は、原則60日を目安に退院支援が進むため、早めの準備が重要です(厚生労働省資料・診療報酬改定の考え方を参照)。
この時期は、在宅医・病院・訪問看護・ケアマネジャーがつながると、退院後の混乱を減らしやすくなります。
在宅医療は、通院をあきらめる前の選択肢です
在宅医療は、通院の代わりに自宅で診療や療養支援を受ける方法です。かかりつけ医をやめる必要はなく、併診や引き継ぎも可能です。
たとえば、退院前カンファレンスに在宅医が参加すると、処方、点滴の可否、栄養管理、急変時の連絡先をそろえやすくなります。これは、家族だけで抱え込まないために有効です。
本人が来院できなくても、家族のみの相談から始めることもできます。
当院の在宅診療の現場から
病院の地域連携室や医療ソーシャルワーカーからご紹介いただき、退院前カンファレンスに参加することが多くあります。退院日が急に決まり、数日で療養先を整えるケースも少なくありません。当院では退院当日からの訪問診療開始にも対応し、24時間の連絡体制で夜間・休日の急変に備えています。消化器内視鏡やエコーの経験を活かし、在宅での栄養管理、嚥下評価、胃ろう管理、在宅酸素にも対応します。たまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心に、隣接する都筑区・川崎市宮前区もご相談に応じます。
事故後の通院で、いつ相談すべきか
次のような状態なら、在宅医療や受診調整を早めに相談してよいタイミングです。
- 週に1回以上の通院が家族だけでは難しい
- 介護タクシーを使っても移乗や待ち時間が大きな負担になっている
- 退院後の療養先がまだ決まっていない
- 痛み、しびれ、体位変換のたびの負担が強い
- 家族の付き添いが仕事や体力の面で限界に近い
この段階では「まだ相談するほどでは」と感じる方が多いのですが、在宅医療は状態が悪化してからでは選択肢が狭まります。情報だけ聞いてみる、という使い方で構いません。
まずは通院が難しくなったときの相談窓口 を見て、必要なら ご予約・お問い合わせ からご連絡ください。
よくある質問
Q. 介護タクシーだけで通院を続けてもよいですか?
状態が安定していて、移乗や待機の負担が少なければ選択肢になります。ただ、通院のたびに疲れ切る、家族の付き添いが続かない場合は、在宅医療も含めて見直すとよいです。
Q. 本人が来院できなくても家族だけで相談できますか?
はい、可能です。退院前の段階や、通院方法の相談だけでも受け付けている医療機関があります。まずは家族が状況を整理して相談すると進めやすくなります。
Q. かかりつけ医があっても訪問診療は使えますか?
使えることがあります。現在のかかりつけ医との関係を切る必要はなく、併診や引き継ぎという形で進めることもあります。
Q. 施設入居や転院を考えてもよいのでしょうか?
もちろんです。自宅、施設、転院はどれか一つが正解というものではありません。ご本人の状態、家族の介護力、医療の必要度を並べて考えることが大切です。
Q. 坐骨神経痛のような痛みでも寝たきりになることはありますか?
高齢の方では、痛みやしびれで動く機会が減り、結果として寝たきりに近い状態になることがあります。原因はさまざまなので、まずは医師の診察で確認してください。
受診・相談の目安
次のような状況があれば、在宅医療という選択肢を一度ご検討ください。
- 通院のたびにご家族の付き添いが必要で、負担が大きくなっている
- 通院そのものが体力的に難しくなってきた
- 退院後の療養先が決まっていない、在宅で医療的ケアが続けられるか不安
- 認知症などにより、外来での受診が難しくなっている
- ご家族の介護が限界に近いと感じている
この段階では「まだ相談するほどでは」と感じる方が多いのですが、在宅医療は状態が悪化してからでは選択肢が狭まります。情報だけ聞いてみる、という使い方で構いません。
ご予約・お問い合わせ(TEL 045-909-0117/たまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心とした地域)
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本記事の監修医師
佐藤 靖郎(さとう やすお)/医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医/専門: 消化器外科・消化器内視鏡/一般内科/在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全。略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。 公的役割: 厚生労働省『地域連携クリティカルパスモデルの開発』班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。
AIプラスクリニックたまプラーザのご案内
ご家族の通院が難しくなってきた、退院後の療養先に迷っている、自宅でどこまで医療が受けられるか知りたい——そうしたご相談を、たまプラーザで承っています。 ご予約・お問い合わせ からご連絡いただけます。TEL 045-909-0117(横浜市青葉区)。ご相談の際は、お薬手帳または薬剤情報提供書/医療保険証・各種受給者証/介護保険証・介護保険負担割合証/(お持ちであれば)診療情報提供書(紹介状)や退院時サマリーをご用意いただくとスムーズです。ご本人が来院できない場合のご相談も承ります。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の患者さんの診断・治療を代替するものではありません。症状や治療方針の判断は、必ず主治医にご相談ください。制度・費用は改定される場合があります。最新の情報は各自治体・保険者の窓口でご確認ください。