要介護5のデメリットと、利用前に知っておきたい点
要介護5は介護保険で受けられる支援が最も手厚い区分ですが、同時に「介護の手間が非常に大きい」「家族だけでは支えきれないことがある」といった現実もあります。 この記事では、要介護5のデメリットを中心に、費用や在宅・施設の違い、相談先の考え方まで整理します。制度は便利ですが、受けられる支援と家庭の負担は別問題です。
要介護5でまず整理したいこと
要介護5は、日常生活のほとんどで全面的な介助が必要な状態を指します。介護保険ではサービス量が増えますが、自己負担がゼロになるわけではなく、家族の負担も残ります。介護保険制度の基本は厚生労働省の案内で確認できます。 制度全体の流れはこちら
要介護5のデメリットを比較して考える
要介護5の主なデメリットは、次のように整理できます。
| 観点 | 要介護5で起こりやすいこと | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 生活面 | ほぼ全面介助が必要 | 家族の介護量が増えやすい |
| 体調面 | 複数の病気や合併症を抱えやすい | 通院や移動が負担になる |
| 住まい | 自宅での対応が難しくなることがある | 住宅改修や福祉用具だけでは足りない場合がある |
| 家族 | 付き添い、見守り、夜間対応が重なる | 仕事との両立が難しくなりやすい |
特に見落としやすいのは、介護保険を使えても、家族の時間的・身体的負担はかなり残ることです。 なお、要介護認定は状態に応じて見直されますが、「認定の取り消し」よりも、状態変化に合わせて区分変更や更新を考えるのが一般的です。詳しくは親サブハブのまとめも参考になります。
要介護5でかかる費用と対応範囲の違い
費用は、利用するサービスの組み合わせや自己負担割合で変わります。以下はあくまで2026年時点の制度上の目安で、詳細は自治体や保険者で確認が必要です。
| 項目 | 自宅で介護 | 施設で介護 |
|---|---|---|
| 介護サービス | 訪問介護、訪問看護、福祉用具など | 施設内サービスが中心 |
| 医療連携 | 通院または訪問診療を組み合わせる | 施設の体制に依存する |
| 家族負担 | 介護の継続支援が必要 | 付き添い負担は軽くなることがある |
| 費用感 | サービスの組み合わせで変動 | 居住費・食費などが加わる |
「介護保険は掛け捨てなのか」という疑問を持つ方もいますが、保険料は制度を支えるためのもので、使う・使わないで損得を単純に比べにくい仕組みです。 費用や制度の考え方を広く比べたい方は、介護保険のデメリットを整理した記事もご覧ください。
どういう場合に在宅と施設のどちらが向くか
要介護5だから必ず施設、ということではありません。大切なのは、医療の必要度と家族の支え方です。
- 在宅が向きやすい例
- 家族の協力が得られる
- 訪問診療や訪問看護を入れられる
- 住環境を整えられる
- 施設や入院の検討が必要になりやすい例
- 夜間の見守りが難しい
- 吸引や栄養管理など医療的ケアが多い
- 介護する家族が限界に近い
退院後の療養先を急いで決める場面では、病院側が「自宅か施設か」の二択で示すことがありますが、在宅医療を加えると自宅療養の見通しが変わることがあります。 在宅医療の考え方は訪問診療・在宅医療の相談窓口や、訪問診療・在宅医療の基本ガイドも参考になります。
自宅で続けるという選択肢の現実味
要介護5の方でも、自宅での療養がまったく不可能というわけではありません。ただし、実際には訪問診療・訪問看護・ヘルパー・福祉用具などを早めに組み合わせる必要があります。 厚生労働省も在宅医療の推進を示しており、人生の最終段階を含めて、本人と家族が話し合っておくことが大切としています(ACP=人生会議)。
在宅医療は「もう遅い」と考えられがちですが、状態が悪化してからでは選択肢が狭まりやすいため、早い段階の情報収集が役立ちます。 家族だけで判断しづらいときは、在宅医療を相談する窓口に早めにつなぐと、通院継続や退院後の生活像を整理しやすくなります。
判断に迷ったときの相談先
要介護5のデメリットを前にすると、「何を優先すべきか」が見えにくくなります。そんなときは、医療と介護を分けずに相談するのが近道です。
- かかりつけ医
- 地域包括支援センター
- ケアマネジャー
- 病院の地域連携室・医療ソーシャルワーカー
- 訪問診療のクリニック
退院支援では、退院前カンファレンスに在宅医が加わると引き継ぎが円滑になることがあります。とくに退院日が急に決まる場合は、数日で療養先を決めることもあり、準備の早さが重要です。 ご家族の状況によっては、介護保険の相談・依頼の流れを先に確認しておくと整理しやすいでしょう。
当院の在宅診療の現場から
当院では、病院の地域連携室や医療ソーシャルワーカーから紹介を受け、退院前カンファレンスに参加しています。退院当日から訪問診療を始めることもあり、退院直後の不安定な時期には24時間の連絡体制で急変に備えます。消化器内視鏡やエコーの経験を生かし、栄養管理、嚥下評価、胃ろう管理、在宅酸素にも対応しています。たまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心に、隣接する都筑区・川崎市宮前区もご相談を受けています。
受診・相談の目安
次のような場合は、早めに相談を考えてよいタイミングです。
- 週に1回以上の通院や付き添いが負担になってきた
- 退院後の療養先がまだ決まっていない
- 夜間の介護や急変対応に不安がある
- 食事、嚥下、服薬、排泄の介助が増えてきた
- 家族の仕事や体力だけでは支えにくい
選択肢を比べる段階では、「自宅で続ける」という選択肢の実現可能性を具体的に知っておくと判断がぶれません。施設入居や転院を急ぐ前に、在宅でどこまで支えられるかを一度整理してみてください。 ご相談はご予約・お問い合わせから承っています。
よくある質問
Q. 要介護5になると、在宅生活はもう難しいのでしょうか。
難しいことはありますが、すぐに不可能とは限りません。訪問診療や訪問看護、福祉用具を組み合わせることで続けられる場合があります。ただし、医療的ケアや夜間対応の量によっては施設の方が適することもあります。
Q. 要介護5のデメリットは何ですか。
大きな介護負担、通院の難しさ、夜間対応の負担、家族の疲弊が代表的です。制度上の支援はあっても、生活全体の負担が軽くなるとは限りません。
Q. 介護保険を使っても自己負担はありますか。
はい、あります。自己負担割合や利用サービス、所得区分などで変わります。制度は改定されることがあるため、最新情報は自治体や保険者で確認してください。
Q. 退院直後から訪問診療をお願いできますか。
状況によっては可能です。退院前カンファレンスの段階で相談すると、引き継ぎがスムーズになりやすいです。
Q. 家族だけで相談してもよいですか。
はい、可能です。ご本人が来院できない場合でも、家族のみで現在の状況を整理することはできます。
本記事の監修医師
佐藤 靖郎(さとう やすお)/医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医 専門: 消化器外科・消化器内視鏡/一般内科/在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全 略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。 公的役割: 厚生労働省『地域連携クリティカルパスモデルの開発』班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。
AIプラスクリニックたまプラーザのご案内
ご家族の通院が難しくなってきた、退院後の療養先に迷っている、自宅でどこまで医療が受けられるか知りたい——そうしたご相談を、たまプラーザで承っています。 ご予約・お問い合わせ からご連絡ください。TEL 045-909-0117(横浜市青葉区) ご相談の際は、お薬手帳または薬剤情報提供書/医療保険証・各種受給者証/介護保険証・介護保険負担割合証/(お持ちであれば)診療情報提供書(紹介状)や退院時サマリーをご用意いただくとスムーズです。ご本人が来院できない場合のご相談も承ります。
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免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の患者さんの診断・治療を代替するものではありません。症状や治療方針の判断は、必ず主治医にご相談ください。制度・費用は改定される場合があります。最新の情報は各自治体・保険者の窓口でご確認ください。