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急変時の対応を家族が迷わないために知ること

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急変時の対応が迷わずできるように知っておくこと


急変時の対応が迷わずできるように知っておくこと

高齢の親が急に苦しそうになったり、いつもと様子が違ったりすると、家族は強い不安を感じます。急変時の対応は「何を優先するか」を決めておくと、落ち着いて行動しやすくなります。まずは危険な症状を見極め、必要なら119番や救急相談につなげることが大切です。あわせて、在宅医療という選択肢も知っておくと、退院後や体調変化時の迷いが少なくなります。

家族がまず戸惑いやすい急変の場面

高齢者の急変では、次のような場面で家族が特に迷いやすいです。

  • 呼吸が苦しそう、咳き込みが強い
  • いつもより反応が鈍い、会話がかみ合わない
  • 片側の手足が動きにくい、ろれつが回らない
  • 繰り返し吐く、食べ物や薬を飲み込めない
  • 転倒後に強い痛みがある、動けない

脳出血のように時間が重要な病気もあれば、誤嚥(ごえん:食べ物や唾液が気管に入ること)による肺炎、脱水、感染症など、家で見分けにくい原因もあります。全体像はこちらの総合ガイドも参考になります。

在宅で今日からできる急変時対応の基本

急変時の対応は、難しい医療行為より「安全確保」と「情報整理」が中心です。

まずやること 目安
体勢を整える 苦しそうなら上体を少し起こす
飲食を止める むせる、意識がぼんやりしている時は無理に食べさせない
連絡先を確認する かかりつけ医、訪問看護、救急相談、119番
変化をメモする いつから、何が、どの程度変わったか
お薬を確認する 血液をサラサラにする薬、糖尿病薬などは特に重要

誤嚥予防の基本は、食事を急がせない、姿勢を整える、むせた時は無理に飲み込ませないことです。食事形態の調整が必要か迷う時は、在宅医療の相談先を使うと、訪問診療や訪問看護につなげやすくなります。

やってはいけないことと注意したいこと

急いでいる時ほど、次の点に注意が必要です。

  • 水や食べ物を「元気づけるため」に勧めない
  • 意識がはっきりしない人に薬をまとめて飲ませない
  • 一人で移動させようとして転倒させない
  • 「もう少し様子を見る」を長引かせすぎない

間質性肺炎のように、ふだんの状態との差が大きい病気は、家族だけで判断しにくいことがあります。家族ができることは「急に悪くなった」という事実を早めに伝えることです。急変時の対応を考えるうえで、訪問診療・在宅医療とは何かを知っておくと、選択肢が整理しやすくなります。

専門職に任せた方がよい範囲

家族がすべてを抱え込む必要はありません。次のような場面は、医師・看護師・介護職の力を借りた方が安全です。

状況 任せたい役割
呼吸状態の悪化 酸素、吸引、薬の調整
飲み込みの低下 嚥下評価、食形態の相談
転倒や骨折の疑い 診察、画像検査、搬送判断
退院後の不安定期 訪問診療、訪問看護での見守り

「まだ早いのでは」と迷うご家族も多いのですが、状態が悪化してからでは選べる支援が少なくなることがあります。早めに情報収集をしておくことは、本人にも家族にも負担を減らす準備になります。

訪問診療や訪問看護で楽になる部分

在宅での急変時対応は、医療者が定期的に入ることでかなり整理しやすくなります。訪問診療では診察や薬の調整、訪問看護では日々の観察や処置の相談が可能です。

支援 期待できること
訪問診療 体調変化の評価、薬の調整、在宅での方針確認
訪問看護 呼吸・栄養・排泄・皮膚状態の観察、家族への助言
退院前カンファレンス 病院から在宅への引き継ぎの整理

退院が急に決まり、数日で療養先を決める場面も少なくありません。病院では「自宅か施設か」の二択で説明されがちですが、在宅医療を入れると自宅療養の難易度は下げやすくなります。退院支援では、退院前カンファレンスに在宅医が加わると引き継ぎが円滑です。制度の考え方は厚生労働省の在宅医療の推進介護保険制度も参考になります。

当院の在宅診療の現場から

病院の地域連携室や医療ソーシャルワーカーからご紹介を受け、退院前カンファレンスに参加して在宅へ引き継ぐことがあります。退院当日から訪問診療を開始するケースもあり、退院直後の不安定な時期は夜間・休日も含めて連絡体制を整えています。消化器内視鏡やエコーの経験を生かし、栄養管理、嚥下評価、胃ろう管理、在宅酸素にも対応しています。たまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心に、隣接する都筑区・川崎市宮前区もご相談に応じています。

家族の負担を減らすための準備

急変時の対応は、日頃の準備で迷いが減ります。

  • 連絡先を紙で1枚にまとめる
  • 服薬内容を最新にしておく
  • 延命や救急搬送の希望を家族で共有する
  • 介護保険の担当者を把握しておく
  • 退院予定が見えたら早めに相談する

人生会議(ACP:将来の医療やケアについて話し合うこと)も、落ち着いている時に少しずつ進めるとよいとされています。厚生労働省の人生会議も確認しておくと整理しやすいでしょう。

受診・相談の目安

次のような時は、訪問診療や在宅医療の相談を検討してください。

  • 通院が週1回以上でも負担になってきた
  • 退院後の療養先が決まらず不安が強い
  • むせ込みや食事量低下が続いている
  • 家族の付き添いが難しく、急変時の対応に不安がある
  • かかりつけ医はあるが、在宅での支援も必要か迷っている

在宅でのケアは、家族だけで抱えると限界が早く来ます。医師・看護師が定期的に自宅へ入ることで、対処の負担そのものを減らせます。まずは情報を集め、必要なら早めに相談してください。ご相談はご予約・お問い合わせから可能です。

よくある質問

Q. 急変時の対応で、まず何を優先すればよいですか?

呼吸、意識、出血の有無を優先して確認してください。苦しそう、反応が悪い、片側の麻痺がある場合は、119番や救急相談を考えます。

Q. 誤嚥予防は何から始めればよいですか?

食事を急がせず、姿勢を整え、むせたら無理に食べさせないことが基本です。繰り返す場合は嚥下機能の評価が必要です。

Q. まだ訪問診療は早い気がします。相談してもよいですか?

はい。状態が悪化する前の相談の方が、選べる支援が広がることがあります。ご本人が来院できなくても、家族のみの相談も可能です。

Q. かかりつけ医がいる場合、訪問診療を追加できますか?

状況によっては併診や引き継ぎが可能です。現在の関係を断つ必要はありません。

Q. 施設入居や転院を考えている場合も相談できますか?

はい。自宅、施設、入院はそれぞれ利点と限界があります。ご家族の事情を含めて一緒に整理できます。


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参考文献・出典

本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)/医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医/専門: 消化器外科・消化器内視鏡/一般内科/在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全。略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。 公的役割: 厚生労働省『地域連携クリティカルパスモデルの開発』班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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