急変時の対応フローチャートで確認したい流れ
高齢のご家族に「いつ救急要請するか」「まず誰に連絡するか」が曖昧だと、動きが遅れやすくなります。結論から言うと、①命に関わるサインを見分ける ②かかりつけ医や訪問看護に連絡する ③受診先を決める、という順で整理しておくと迷いにくくなります。
家族が困りやすい場面をフローチャートで整理する
急変時は、症状そのものより「どこまでなら様子見か」で迷いやすいものです。たとえば息苦しさ、むくみ、意識がぼんやりする、片側のまひ、強い胸痛などは、見逃したくない変化です。全体像はこちらの総合ガイドも参考になります。
| 観察した変化 | まず考えること | 家族の動き |
|---|---|---|
| 呼びかけに反応が悪い、片側の手足が動かしにくい | 脳卒中などの可能性 | 119番を含め救急相談 |
| 強い息苦しさ、横になると悪化 | 心不全や肺炎の悪化など | 受診先へ連絡、必要なら救急要請 |
| むくみが急に増えた、体重が短期間で増えた | 体液貯留の可能性 | 早めに主治医へ相談 |
| 食事や水分がとれない、ぐったりしている | 脱水や感染症の可能性 | 当日中の受診を検討 |
脳出血や脳梗塞は、発症予防として高血圧の管理、服薬の継続、急な血圧変動を避けることが大切です。むくみの見方は、足首の腫れだけでなく、体重変化・息切れ・尿量の減少も一緒に見ると判断しやすくなります。
在宅で今日からできる対応の流れ
まずは落ち着いて、次の順で確認します。
- 意識と呼吸を見る
- 顔色、片側の動き、胸痛の有無を確認する
- 体温・血圧・脈拍・体重が分かれば記録する
- 主治医、訪問看護、必要なら救急へ連絡する
心不全で息苦しいときは、無理に歩かせず、上半身を少し起こして安静にします。水分制限や利尿薬がある方は、自己判断で増減しないでください。
在宅医療の考え方を知っておくと、いざという時の相談先が整理しやすくなります。訪問診療・在宅医療の基本もあわせてご覧ください。
やってはいけないこと・注意点
急変時ほど、善意の対応がかえって負担になることがあります。
- 自己判断で薬を中止・追加する
- 食べられないのに無理に食事や水分を勧める
- 「少し寝れば治る」と決めつけて連絡を遅らせる
- 片側のまひやろれつ不良を様子見する
また、施設入居や入院が必要な場合もあります。在宅だけにこだわらず、状態に合った選択をすることが大切です。
専門職に任せた方がよい範囲を知っておく
家族だけで判断しにくい場面は、医療職に任せた方が安全です。たとえば、酸素が必要か、点滴が必要か、入院が望ましいかは診察が前提です。訪問看護は、むくみや呼吸状態、服薬状況を継続的に見守る役割があります。
当院の在宅診療の現場から
当院では、病院の地域連携室や医療ソーシャルワーカーからの紹介で、退院前カンファレンスに参加し、在宅への引き継ぎを受けています。退院当日から訪問診療を開始することもあります。24時間の連絡体制を敷き、退院直後の不安定な時期の急変にも夜間・休日に対応しています。消化器内視鏡やエコーの経験を活かし、栄養管理、嚥下評価、胃ろう管理、在宅酸素にも対応しています。地域の訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所と連携し、たまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心に、隣接する都筑区・川崎市宮前区のご相談にも応じています。
訪問診療・訪問看護で楽になる部分
訪問診療は「今すぐ必要になるまで待つ」ものではありません。状態が悪化してからでは選択肢が狭くなるため、早めの情報収集が役立ちます。家族だけで抱え込みにくいと感じたら、相談・依頼の考え方を確認してみてください。かかりつけ医と関係を切る必要はなく、併診や引き継ぎも可能です。
| できること | 家族の負担が減る点 |
|---|---|
| 定期訪問で状態確認 | 急変の前ぶれを早く拾いやすい |
| 連絡体制の整備 | 夜間・休日の迷いが減る |
| 退院前の連携 | 自宅療養の準備が進めやすい |
| 訪問看護との連携 | むくみ、呼吸、服薬の見守りがしやすい |
家族の負担を減らす工夫
急変時の対応は、毎回ゼロから考えると疲れてしまいます。次の3点を紙にまとめておくと実用的です。
- 連絡先:主治医、訪問看護、救急相談
- 普段の様子:体重、血圧、食事量、むくみ
- 判断の目安:どの症状で当日連絡するか
急変対応の記録があると、退院支援や訪問診療へのつなぎもスムーズになります。退院が急に決まった場合は、在宅医が退院前カンファレンスに入ることで、引き継ぎが整いやすくなります。地域包括ケア病棟は原則60日までの入院上限があるため、逆算して準備する意識も大切です(厚生労働省の制度説明を参照)。
受診・相談の目安
次のようなときは、訪問診療や在宅医療の相談を検討してください。
- 週に1回以上の通院が負担になってきた
- 退院後の療養先が決まらず、数日で判断が必要
- 家族の付き添いが限界に近い
- むくみ、息苦しさ、食欲低下が繰り返し起こる
- まずは自宅でどこまでできるか知りたい
在宅でのケアは、家族だけで抱えると限界が早く来ます。医師・看護師が定期的に自宅へ入ることで、対処の負担そのものを減らせます。ご不安があれば、ご予約・お問い合わせからご相談ください。たまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心とした地域でご相談を承っています。
よくある質問
Q. むくみだけなら様子を見てもよいですか?
むくみだけでも、短期間で増える、息苦しさを伴う、体重が増える場合は注意が必要です。まずは記録を取り、主治医や訪問看護へ相談してください。
Q. 救急車を呼ぶか迷うときはどうすればよいですか?
意識が悪い、片側のまひ、強い胸痛、強い息苦しさがあれば、救急要請を考えます。迷う場合でも、地域の救急相談窓口や主治医へ早めに連絡してください。
Q. 訪問診療はまだ早いと言われそうで不安です。
早すぎることはありません。情報収集だけでも、急変時の選択肢を増やしやすくなります。本人が来院できない場合の家族相談も可能です。
Q. かかりつけ医がいても相談できますか?
はい、可能です。かかりつけ医を続けながら、在宅医療を併用する形もあります。
Q. 退院前から相談してもよいですか?
はい。むしろ退院前の相談は重要です。退院当日からの訪問開始に備えられることがあります。
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参考文献・出典
本記事の監修医師
佐藤 靖郎(さとう やすお)/医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医/専門: 消化器外科・消化器内視鏡/一般内科/在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全。
略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。
公的役割: 厚生労働省『地域連携クリティカルパスモデルの開発』班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。
AIプラスクリニックたまプラーザのご案内
ご家族の通院が難しくなってきた、退院後の療養先に迷っている、自宅でどこまで医療が受けられるか知りたい——そうしたご相談を、たまプラーザで承っています。
ご予約・お問い合わせ / TEL 045-909-0117(横浜市青葉区)
ご相談の際は、お薬手帳または薬剤情報提供書/医療保険証・各種受給者証/介護保険証・介護保険負担割合証/(お持ちであれば)診療情報提供書(紹介状)や退院時サマリーをご用意いただくとスムーズです。ご本人が来院できない場合のご相談も承ります。