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認知症とともに自宅で暮らす|症状・対応・在宅医療の使い方ガイド

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認知症とともに自宅で暮らす|症状・対応・在宅医療の使い方ガイド


医師監修|認知症と在宅医療ガイド

認知症とともに自宅で暮らす|症状・対応・在宅医療の使い方ガイド

「親がもの忘れを繰り返すようになった」「先日の出来事をまったく覚えていない」——そんな変化に気づいたとき、多くのご家族は何から手をつければよいか分からず、不安だけが積み重なっていきます。このガイドでは、認知症の症状から自宅での対応、介護保険や在宅医療の使い方まで、医師監修のもとで必要な情報を体系的に整理しています。「うちはまだ早い」と感じている方にも、早めに情報を知っておくことで選べる支援の幅が広がります。まずは全体像をつかむところから始めてみてください。

認知症とともに自宅で暮らすことはできる? まず知っておきたい全体像

認知症は「自宅で暮らし続ける」だけが正解ではない

認知症と診断されても、多くの方は初期〜中期にかけて自宅での生活を続けています。一方で、病状の進行や家族の介護力によっては、施設入居や入院が本人にとってより安心できる選択になることもあります。

大切なのは「自宅か施設か」を早々に決めることではなく、今の状態で使える支援を把握し、選択肢を広げておくことです。自宅療養・施設・入院それぞれにメリットと限界があります。このガイドは特定の選択を推奨するものではなく、判断材料を並べることを目的としています。

早めの相談で選べる支援が増える理由

認知症は、状態が安定している段階から介護保険や在宅医療と連携しておくことで、急変時や症状が進んだ場面でも対応できる体制が整いやすくなります。「もう少し悪くなってから相談しよう」と待つ間に、利用できる資源や意思決定の余地が狭まることがあります。

訪問診療についても同様で、導入の判断で家族が最も迷うのは「まだ早いのでは」という点です。しかし状態が悪化してからでは選択肢が狭まるため、まずは情報収集として相談してみることが大切です。

記事でわかること:症状への対応、家族の支え方、在宅医療の使い方

この記事では、①認知症の基本知識、②自宅での困りごとと対応、③BPSD(行動・心理症状)の理解、④環境づくりの工夫、⑤在宅医療の活用方法、⑥費用・制度の目安、⑦相談先の使い分けを順に説明します。

認知症とは何か|家族が知っておきたい基本

認知症でみられる主な症状

認知症は、脳の神経細胞が傷つくことで記憶・判断・言語などの認知機能が低下し、日常生活に支障が生じる状態です。「もの忘れがひどい」だけでなく、時間・場所の感覚が失われる、同じことを何度も聞く、料理の段取りが組めなくなる、などさまざまな変化があります。

親の様子が「なんとなく気になる」と感じはじめたら、
親の認知症かもと思ったら、まず確認したい初期のサイン
が参考になります。

中核症状とBPSDとは何か

認知症の症状は大きく2種類に分けられます。

  • 中核症状:脳の病変によって直接生じる症状。記憶障害、見当識障害(時間・場所・人がわからなくなる)、言語障害、実行機能障害(計画・手順が組めない)などが含まれます。
  • BPSD(行動・心理症状):中核症状を背景に、環境や心理的要因が重なって生じる症状。興奮、徘徊、幻覚、抑うつ、睡眠障害などが含まれます。BPSDは適切な関わり方や環境の改善で軽減できる場合があります。

4大認知症の特徴を簡単に整理

種類 主な特徴 注意点
アルツハイマー型認知症 もの忘れから始まり、徐々に進行 最も多い。薬で進行を遅らせる治療がある
血管性認知症 脳梗塞・脳出血後に生じることが多い 段階的に進行する場合がある
レビー小体型認知症 幻視・パーキンソン症状・認知機能の変動が特徴 薬の選択に注意が必要
前頭側頭型認知症 性格変化・常同行動(同じ行動を繰り返す)が目立つ 比較的若い年齢で発症することもある

出典:厚生労働省 認知症施策

50代でも気づくことがある初期症状

認知症は65歳以上の高齢者に多いですが、65歳未満で発症する「若年性認知症」は全国に約3.6万人いると報告されています(2020年、厚生労働省研究班)。50代では「仕事でのミスが増えた」「段取りが組めなくなった」といった変化から気づかれることがあります。本人が自覚しにくいため、周囲の気づきが重要です。

20代の認知症が気になるときの考え方

20代で認知症を疑う変化がみられる場合、認知症そのものよりも、うつ病・睡眠障害・甲状腺機能低下症・ビタミン欠乏など、治療可能な別の疾患の可能性があります。「認知症かもしれない」と不安になる前に、まずかかりつけ医や精神科・神経内科への相談が出発点になります。

MMSEとは?受診時に使われる簡単な検査

MMSE(Mini Mental State Examination)は、受診時に医師が用いる認知機能のスクリーニング検査です。30点満点で、記憶・見当識・計算・言語などの課題に口頭で答える形式です。カットオフ値は一般に23点以下で認知症の疑いとされますが、あくまで補助的な指標であり、診断は医師の総合的な判断によります。長谷川式認知症スケールとあわせて使われることもあります。検査の詳細は
長谷川式認知症スケールのやり方を私向けに整理
で確認できます。

自宅で暮らすときに家族が直面しやすい困りごと

もの忘れが増えてきたとき

「さっき話したことを覚えていない」「同じ話を何度もする」といった場面では、訂正を繰り返すより同じトーンで穏やかに受け答えすることが、本人の不安を抑えるうえで有益とされています。日常生活の自立度をどう評価するかは
認知症高齢者の日常生活自立度を、家族としてどう見るか
も参考にしてください。

10分おきにトイレに行く、落ち着かないとき

頻繁なトイレへの移動や「家に帰りたい」と繰り返す訴えは、BPSDの一つとしてよく見られます。泌尿器系の疾患(過活動膀胱など)が背景にある場合もあるため、内科・泌尿器科への相談も検討します。急かさずに見守り、不安の原因となっている環境要因を探ることが基本の対応です。

服薬管理が難しくなるとき

飲み忘れや飲み過ぎは、認知症の症状悪化や他の病気の管理不全につながります。薬を一包化してもらう、服薬カレンダーを活用する、訪問看護師による服薬確認を取り入れるなどの対策が有効です。かかりつけ薬局との連携も重要です。

食事・水分・入浴・睡眠の対応

食欲低下・脱水・入浴拒否・昼夜逆転はいずれも認知症のある方の日常でよく見られます。水分は1日1,000〜1,500mL程度を目安に(個人差あり、医師に確認を)、食事は本人が好むものから提供するなど、無理強いせず対応の工夫を積み重ねます。睡眠障害が強い場合は医師への相談が必要です。

徘徊や転倒、火の不始末への備え

徘徊は本人にとって目的や理由のある行動の場合が多く、「危ないから外に出てはいけない」と強く制止すると逆に混乱が増すことがあります。GPSデバイスの活用や自治体の見守りサービスとの連携が有効です。転倒リスクは環境改善(段差解消・手すり設置など)で軽減できます。火の不始末にはガスコンロの感熱センサー付きへの交換や、IHクッキングヒーターへの切り替えが一般的な対策です。

介護する家族の負担が大きくなる場面

介護が長期化すると、家族自身の心身の疲弊(介護者のバーンアウト)が深刻になります。「もっと頑張らなければ」と自分を追い込まず、デイサービスやショートステイなどのレスパイトケア(一時的な休息のための支援)を積極的に使うことが重要です。家族だけで抱え込まないための視点は
認知症とともに暮らす|困りごとに対処するためのまとめ
で体系的に整理しています。

BPSDの理解と対応|症状を悪化させにくい関わり方

BPSDとは簡単にいうと何か

BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)とは、認知症に伴う行動上・心理上の症状のことです。中核症状(記憶障害など)は脳の変化による直接的な症状ですが、BPSDは環境・人間関係・体調・心理的ストレスなどの要因が重なって生じます。つまり、関わり方や環境を整えることで症状が和らぐ可能性があります。

BPSDの代表的な症状

BPSDには以下のような症状が含まれます。

  • 心理症状:不安、抑うつ、幻覚(特に幻視)、妄想(物盗られ妄想など)
  • 行動症状:徘徊、攻撃的な言動、介護への抵抗、睡眠障害、食行動の異常

すべての方に同じ症状が出るわけではなく、その人の性格・生活歴・体調・環境によって大きく異なります。

BPSDの原因として考えたいこと

BPSDが悪化する背景には、①身体の不調(痛み・便秘・感染症・脱水など)、②環境の変化(入院・引越し・家族の変化)、③心理的な孤独感・不安、④睡眠不足などがあります。「なぜ今この症状が強まっているか」を探ることが、対応の出発点になります。

否定しない、急がせない、安心感を優先する

認知症の人に関わるうえでの基本的な姿勢として、①現実を強く訂正しない、②急かさない、③安心できる声かけや表情を意識する、という点が挙げられます。やってしまいがちな対応を一度見直すには
認知症の人にやってはいけないことを私が見直す
が参考になります。

家族だけで抱え込まないための対応先

BPSDが強い場合は、家族だけの対応には限界があります。かかりつけ医への相談、必要であれば精神科・神経内科への紹介、訪問看護による専門的な関わりを検討します。
認知症とともに暮らす|相談・依頼するためのまとめ
では、症状別の相談先を整理しています。

家での工夫|認知症のある人が暮らしやすい環境づくり

生活動線をシンプルにする

よく使う場所(トイレ・洗面・寝室)への動線をわかりやすくし、不必要な物を減らして混乱を防ぎます。ドアに写真や文字でラベルを貼るなど、視覚的なサインが助けになる場合があります。

予定や服薬を見える化する

大きな文字の卓上カレンダー、服薬ボックス、ホワイトボードへの今日の予定記入などは、本人の不安を軽減する効果が期待できます。スマートスピーカーを活用したリマインダーも一つの選択肢です。

転倒・誤嚥・火災のリスクを減らす

転倒防止には廊下・浴室の手すり設置、段差の解消が有効です。誤嚥(食べ物や液体が気管に入ること)への対応として、食事の姿勢や食形態の見直しが必要になる場合があります。火災対策は前述のIH化のほか、自動消火装置の設置も検討できます。

夜間の不安や混乱を減らす工夫

夜間の「せん妄(突然の混乱状態)」や不眠には、日中の活動量確保・昼寝の制限・夜は足元ライトで暗すぎない環境づくりが基本的な対策です。改善しない場合は医師への相談が必要です。

介護保険サービスと組み合わせる視点

要介護認定を受けることで、訪問介護・デイサービス・ショートステイなどが利用できます。認定申請の流れや介護度の考え方については
認知症の介護認定レベルを私が確認する流れ
で整理しています。

在宅医療でできること|自宅でも医療を受ける方法

訪問診療とは何か

訪問診療とは、医師が定期的(通常月2回程度)に自宅や施設を訪問し、診察・処方・検査・療養相談などを行う医療サービスです。通院が難しい方が対象で、計画的な医療を自宅で受けられます。単発の往診(急変時の臨時対応)とは異なり、継続的な医療管理を目的としています。

詳しくは
訪問診療・在宅医療とは|対象・費用・依頼の流れを医師が解説する完全ガイド
で確認できます。

訪問看護でできること

訪問看護師は、医師の指示のもと自宅で①バイタルチェック・体調管理、②服薬確認、③創傷処置・カテーテル管理、④リハビリ的なケア、⑤家族への介護指導などを行います。認知症のある方への精神的なサポートも重要な役割の一つです。

かかりつけ医との併診・引き継ぎは可能

訪問診療を始める際、現在のかかりつけ医との関係を終わらせる必要はありません。診療情報提供書(紹介状)を通じた引き継ぎや、専門科への継続通院との併診も可能です。「今の先生との関係が壊れるのでは」と心配する方も多いですが、連携しながら進めることが原則です。

家族だけの相談から始められる場合がある

「まだ本人が来院できる状態だが、今後のことを相談したい」「本人が受診を嫌がっている」という段階でも、家族だけでのご相談をお受けできる場合があります。
訪問診療・在宅医療を知る|相談・依頼するためのまとめ
では、相談から導入までの流れを整理しています。

在宅医療が向いているケース

  • 認知症が進み、通院の負担・混乱が大きい
  • 複数の慢性疾患があり定期的な管理が必要
  • 家族の付き添い負担が大きく、通院継続が難しい
  • 退院後、自宅での療養体制を整えたい

入院が必要になる場合や在宅医療の限界

在宅医療はすべての状況に対応できるわけではありません。急性期の手術・集中治療が必要な場合、症状管理が困難になった場合、介護力が不足した場合には入院や施設移行が選択肢になります。在宅医療の限界を理解したうえで、入院・施設・在宅の組み合わせを考えることが現実的です。

退院後の生活をどうつなぐか|在宅医療が役立つタイミング

退院日が急に決まることがある現実

入院中、病院から「来週退院できます」と急に告げられるケースは少なくありません。家族にとっては療養先・介護体制の準備が間に合わないと感じる場面です。退院後の選択肢についての詳細は
退院後の療養先はどう決める?在宅・施設・転院の選び方ガイド
で整理しています。

病院で「自宅か施設か」を急いで決める前に考えたいこと

病院から「自宅か施設か」の二択で示されることがありますが、在宅医療(訪問診療・訪問看護)を組み合わせることで、自宅療養の難易度が大きく下がる場合があります。医療的な管理が必要な状態でも、在宅チームが整えば自宅に戻れるケースは多くあります。「自宅は難しい」と結論づける前に、在宅医療チームへの相談を検討してください。

退院前カンファレンスに在宅医が加わるメリット

退院前に病院の担当医・看護師・ソーシャルワーカーと在宅医・ケアマネジャーが一堂に会する退院前カンファレンスに在宅医が参加することで、病状・処置内容・緊急時の対応方針が直接引き継がれ、退院当日からの療養がスムーズになります。

地域包括ケア病棟の入院期間と準備の考え方

地域包括ケア病棟は、急性期治療後に在宅・施設への復帰を目指すための病棟で、入院期間の上限は原則60日と定められています(診療報酬の規定による)。この期間内に療養先を整える必要があるため、入院早期から在宅医療やケアマネジャーへの相談を並行して進めることが重要です。

受診・相談の目安

早めに医療機関へ相談したい症状

  • もの忘れが日常生活に影響するほど増えてきた
  • 時間・場所の感覚が以前より不確かになった
  • 性格変化・意欲低下・幻覚のような症状がある
  • 服薬管理・金銭管理が難しくなってきた

すぐに受診を検討したい変化

  • 突然強い混乱・興奮状態になった(せん妄の可能性)
  • 転倒・頭部打撲があった
  • 食事・水分が数日ほとんど摂れていない
  • 発熱・意識の変化がある

本人が来院できないときの相談方法

本人が外出を嫌がる・認知症が進んで通院困難な場合も、まず家族だけでかかりつけ医や地域包括支援センターに相談することができます。在宅医療クリニックへの家族だけの問い合わせも可能です。どこに相談すればよいか迷う方は
認知症は何科を受診するか私が迷ったときの考え方
が参考になります。

かかりつけ医、専門医、在宅医療の相談先の使い分け

相談先 向いている場面
かかりつけ医 初期の気になる変化の相談、紹介状の作成
専門医(神経内科・精神科・老年科) 診断・治療方針の確認、BPSDへの薬物療法
地域包括支援センター 介護保険申請・ケアマネジャーへのつなぎ、地域の相談全般
在宅医療クリニック 通院困難になった、退院後の医療継続、在宅療養の管理
「うちの親は訪問診療の対象になるのか」——その判断から一緒に整理します。まずは
ご予約・お問い合わせ
からご連絡ください。たまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心とした地域を対応エリアとしています。

相談から導入までの流れ|在宅医療はどう始める?

まず家族が相談してよい

ご本人が受診を嫌がっている場合や、「まだ早いかもしれない」という段階でも、ご家族だけで相談していただくことができます。

現在の状態や困りごとの整理

相談時には、①いつ頃から変化が気になり始めたか、②現在の主な症状と困りごと、③内服薬と通院先、④介護保険の有無(要介護度)を大まかに整理しておくと、話がスムーズに進みます。

訪問診療の対象かどうかの確認

訪問診療の対象は、「通院が困難な方」が基本です。認知症により外出が困難・安全でない状態も対象になります。明確に通院が難しい状態でなくても、今後を見越した情報収集として相談することは可能です。

介護保険・ケアマネジャーとの連携

在宅医療を導入する際は、既存のケアマネジャーと連携して、訪問診療・訪問看護・デイサービスなどのサービスを組み合わせます。まだ介護保険を申請していない方には、地域包括支援センターへの申請をあわせてご案内しています。

導入後の定期訪問と急変時の連絡体制

定期訪問(通常月2回)のほか、急変時には24時間対応の連絡先を設けています。夜間・休日の急変にも対応できる体制が在宅医療の重要な要素の一つです。

費用と制度の基本

訪問診療・訪問看護の費用の目安

訪問診療の費用は、医療保険が適用されます。自己負担割合は年齢・収入によって1〜3割です。月2回の定期訪問の場合、機能強化型在宅療養支援診療所では在宅時医学総合管理料が算定されます。

目安として、1割負担の方では月数千〜1万円台程度になる場合が多いですが、処置内容・医療機関の形態・加算によって異なります。詳細は
認知症とともに暮らす|費用と手続きを確認するためのまとめ
で整理しています。

介護保険と医療保険の違い

区分 主な対象サービス 保険者
医療保険 訪問診療・訪問看護(医療処置を含む場合) 健康保険組合・国民健康保険等
介護保険 訪問介護・デイサービス・訪問看護(介護目的) 市区町村

負担軽減制度の確認先

高額療養費制度・高額介護合算療養費制度・各自治体の補助制度(横浜市の場合は
横浜市 介護・高齢者福祉)
が利用できる場合があります。

制度や料金は変更されるため最新情報を確認する

介護報酬・診療報酬は定期的に改定されます。本記事の費用目安は執筆時点の情報に基づく一般的な整理であり、最新の情報は各自治体・保険者の窓口でご確認ください。

家族が知っておくと安心な支援先

地域包括支援センター

認知症・介護の総合相談窓口。介護保険の申請支援、ケアマネジャーへのつなぎ、地域のサービス情報提供など、何から始めればよいかわからない段階での最初の相談先として機能します。

かかりつけ医

日頃から体調を把握しているかかりつけ医は、認知症の初期の気づきや専門医への紹介、薬の調整など在宅医療との連携において重要な役割を担います。

認知症疾患医療センター

都道府県が指定する専門医療機関で、認知症の鑑別診断・治療方針の決定・地域の医療機関への情報提供を担っています。かかりつけ医からの紹介で受診できます。

ケアマネジャー(介護支援専門員)

介護保険サービスのコーディネートを担う専門職です。在宅医療・訪問看護・デイサービスなどを組み合わせたケアプランを作成し、サービス全体の調整役を担います。

在宅医療クリニック

通院困難な状態になったとき、定期的な医療管理を自宅で継続するための医療機関です。グループホームや介護施設への対応も担うことがあります。

よくある質問

Q. 認知症と診断されていなくても在宅医療は相談できますか?

はい、相談自体はできます。「認知症かもしれないが、本人が受診を嫌がる」「もの忘れが増えて通院が難しくなってきた」という段階でも、家族だけでご相談いただくことができます。訪問診療の対象かどうかは、相談の中で状態を確認しながら一緒に判断します。

Q. 施設入居と自宅療養、どちらがよいですか?

どちらが正解ということはありません。本人の希望・家族の介護力・医療的なニーズ・費用などを総合的に考える必要があります。
認知症グループホーム費用を私が比較する視点
も参考に、在宅・施設それぞれの実態を比較したうえで判断することをお勧めします。施設入居を否定するものではなく、選択肢を広げることが目的です。

Q. 家族だけで相談しても大丈夫ですか?

はい、大丈夫です。「本人を連れてこないと話を聞いてもらえないのでは」と心配される方も多いですが、まず家族だけで状況を整理し、今後の見通しを確認することから始められます。

Q. かかりつけ医がいても訪問診療を利用できますか?

できます。訪問診療を導入する際に、現在のかかりつけ医との関係を終わらせる必要はありません。診療情報提供書(紹介状)を通じた引き継ぎや、専門科への継続通院との並行も可能です。導入の際に調整の方法をご説明します。

Q. 急に状態が悪くなったときはどうすればよいですか?

訪問診療を契約している場合、24時間対応の連絡先に電話で相談できます。状態によっては往診対応・救急受診の判断をあわせて行います。在宅医療を始めたあとも、入院が必要になった場合は速やかに病院と連携します。

Q. 在宅医療を始めたら入院できなくなりますか?

そのようなことはありません。急性期の治療や手術が必要になった場合、あるいは在宅での管理が難しくなった場合には入院へ移行します。在宅医療はあくまで「通院が難しい状態での医療管理の継続手段」であり、入院とは組み合わせるものです。詳しくは
在宅での看取り・終末期ケア完全ガイド|家族が知っておきたい流れと備え
も参考にしてください。

まとめ|認知症とともに暮らすために、早めの相談が選択肢を広げる

自宅療養・施設・入院を含めて比較してよい

「自宅で最後まで」が唯一の正解ではありません。本人の状態・家族の介護力・医療的なニーズに応じて、自宅・施設・入院を柔軟に組み合わせることが現実的な対応です。在宅医療は、その「自宅療養の選択肢」を広げるための手段の一つです。

状態が悪化する前に相談しておく意義

在宅医療の導入は、危機的な状況になってからでも可能ですが、状態が安定しているうちから体制を整えておくことで、急変時の対応・連携がよりスムーズになります。「まだ早いかもしれない」という段階での情報収集は、将来の選択肢を守ることにつながります。

まずは家族だけでも相談してみることから始める

本人を連れての受診が難しい状況でも、家族だけでの相談から始めることができます。今の困りごとを整理し、どんな支援が使えるかを確認する一歩が、本人と家族双方の負担を軽くする出発点になります。

当院の在宅診療の現場から

AIプラスクリニックたまプラーザでは、病院の地域連携室や医療ソーシャルワーカーからのご紹介で退院前カンファレンスに参加し、病院スタッフと直接情報を引き継いだうえで、退院当日からの訪問診療を開始することがあります。退院直後は体調が不安定になりやすい時期であり、夜間・休日を含む24時間の連絡体制を整えています。

監修医の消化器外科・内視鏡の経験を活かし、在宅での栄養管理・嚥下評価・胃ろう管理・在宅酸素にも対応しています。地域の訪問看護ステーション・居宅介護支援事業所と日常的に連携しており、ケアマネジャーや訪問看護師と情報を共有しながらケアを組み立てています。

対応エリアはたまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心とし、隣接する都筑区・川崎市宮前区もご相談に応じています。

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参考文献・出典

本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器外科・消化器内視鏡/一般内科/在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全

略歴

1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割

厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役

AIプラスクリニックたまプラーザのご案内

ご家族の通院が難しくなってきた、退院後の療養先に迷っている、自宅でどこまで医療が受けられるか知りたい——そうしたご相談を、たまプラーザで承っています。

ご相談の際は、以下をご用意いただくとスムーズです。お薬手帳または薬剤情報提供書、医療保険証・各種受給者証、介護保険証・介護保険負担割合証、(お持ちであれば)診療情報提供書(紹介状)や退院時サマリー。ご本人が来院できない場合のご相談も承ります。

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の患者さんの診断・治療を代替するものではありません。症状や治療方針の判断は、必ず主治医にご相談ください。制度・費用は改定される場合があります。最新の情報は各自治体・保険者の窓口でご確認ください。


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