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結腸癌の原因と気をつけたい生活習慣を解説

結腸癌の原因と気をつけたい生活習慣を解説

大腸がんとは|症状・検査・治療・生活までを医師監修で解説する総合ガイド大腸がんの検診・予防・リスク|押さえておきたい要点を医師監修で解説 › (本記事)


結腸癌は、大腸がんのなかでも結腸(大腸の大部分を占める部位)に発生するがんで、日本人に多いがんの一つです。「なぜ結腸癌になるのか」という問いに対して、単一の”原因”を特定することは医学的に難しく、複数のリスク要因が積み重なって発症すると考えられています。本記事では、現時点で科学的に関連が示唆されている要因と、日常生活で取り組みやすい予防策を、公的情報に基づきわかりやすく解説します。まず全体像を把握したい方は大腸がんの基本情報・検診・予防の要点もあわせてご覧ください。


結腸癌とは?まず知っておきたい基本

結腸と直腸の違い

大腸は、盲腸・結腸・直腸・肛門管から構成されます。このうち結腸は上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸に分かれ、大腸全体の約80%を占めます。直腸は大腸の末端にあたり、肛門に近い部位です。発生する部位によって症状の出方や治療方針が異なるため、「大腸がん」のなかでも結腸と直腸を区別して語られることがあります。

結腸癌で問題になるのは「原因」よりも「リスク」の考え方

多くのがんと同様、結腸癌には「これが原因」と断言できる単一の要因はありません。年齢・遺伝・生活習慣・既往歴など複数のリスク要因が絡み合って発症します。そのため「リスクを下げる工夫をする」という視点で捉えることが、予防や検診を考えるうえで重要です。


結腸癌の主な原因と考えられている要因

年齢と加齢によるリスク上昇

国立がん研究センター がん情報サービスのデータ(2023年時点)では、大腸がんの罹患率は40歳代から上昇し、60〜70歳代でピークを迎えます。加齢に伴い細胞の変異が蓄積されやすくなるため、年齢そのものが主要なリスク要因の一つとされています。

家族歴・遺伝的要因

大腸がんには遺伝的な素因が関与する場合があります。代表的なものとして、家族性大腸腺腫症(FAP)(大腸に数百〜数千のポリープが生じる遺伝性疾患)やリンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん:HNPCC)があります。これらは比較的まれですが、一親等(親・兄弟・子)に大腸がんの方がいる場合は、そうでない方と比べてリスクが高まるとされており、早めの受診・検診が勧められます。

生活習慣と関連が指摘される要因

以下の生活習慣は、複数の研究で大腸がんリスクとの関連が示唆されています(ただし因果関係が「確実」かどうかは要因によって異なります)。

リスク要因 関連のエビデンスレベル(参考)
赤肉・加工肉の過剰摂取 関連あり(WHO/IARCが評価)
飲酒(アルコール) 関連あり
喫煙 関連あり
肥満(特に腹部肥満) 関連あり
運動不足 関連あり
食物繊維の摂取不足 関連が示唆される

炎症性腸疾患や大腸ポリープの既往

潰瘍性大腸炎クローン病などの炎症性腸疾患を長期にわたって患っている場合、大腸がんのリスクが高まることが知られています。また、腺腫性ポリープ(大腸にできるポリープの一種)はがんの前段階となることがあるため、発見・切除後も定期的な内視鏡フォローが推奨されます。


気をつけたい生活習慣

食事で意識したいこと

  • 赤肉(牛・豚・羊肉)や加工肉(ハム・ソーセージ等)の摂りすぎに注意する。WHO傘下のIARCは加工肉をグループ1(ヒトに対して発がん性がある)と分類しています(2015年)。
  • 野菜・果物・全粒穀物など食物繊維を多く含む食品を積極的に取り入れる。食物繊維は腸内環境を整え、発がん物質が腸粘膜に接触する時間を短縮する可能性が示されています。
  • 塩分の過剰摂取も全般的な健康リスクにつながるため控えめにしましょう。
  • 女性特有のリスク要因についてはこちら|女性の大腸がんの原因と注意したいリスク要因もご参照ください。

    運動不足・肥満との関係

    身体活動量の低下や肥満(特に内臓脂肪型)は、大腸がんリスクと関連が示されています。厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」において、成人は週150分以上の中強度身体活動を目安に示しています。無理のない範囲での継続的な運動が推奨されます。

    飲酒・喫煙との関係

    飲酒は大腸がんリスク上昇との関連が複数の研究で示されています。喫煙もリスク要因の一つです。節酒・禁煙は結腸癌だけでなく、全身の健康維持の観点からも意義があります。

    便秘そのものより大切なこと

    「便秘が続くとがんになる」と心配される方がいらっしゃいますが、便秘そのものが直接の原因と断定する科学的根拠は現時点では限られています。ただし、排便習慣の急激な変化(便秘・下痢の繰り返しなど)は大腸疾患のサインになることがあるため、気になるときは受診の目安にしてください。腸内環境を整える生活習慣が全般的な健康に寄与するという観点で、規則正しい食事・水分補給・運動を続けることが大切です。


    結腸癌の予防としてできること

    検診を受ける意味

    大腸がんは早期に発見・治療できれば予後が大幅に改善することが知られています。市区町村が実施する大腸がん検診(便潜血検査)は、40歳以上を対象に毎年受けることが推奨されています。陽性の場合は精密検査(大腸内視鏡検査)が必要です。

    日常生活で無理なく続けやすい対策

  • バランスの良い食事を意識する
  • 適度な運動を習慣化する
  • 適正体重を維持する
  • 節酒・禁煙に取り組む
  • 定期的な検診を受ける
  • 完全な予防は難しいがリスクを下げる工夫はある

    生活習慣を改善しても、結腸癌を「完全に防ぐ」ことは医学的に保証できません。しかし、リスクを下げることは十分に意味があります。小さな積み重ねが長期的な健康につながります。

    大腸がんのリスクをより詳しく知りたい方はこちら|大腸がんの原因と予防のために知りたいポイント


    公的データでみる結腸癌の傾向

    国立がん研究センターの統計で確認したいポイント

    国立がん研究センター がん統計(2024年公表データ)によると、大腸がん(結腸+直腸)は男女ともに罹患数が多いがん種の上位に位置します。結腸がんは直腸がんより罹患数が多く、男性より女性の割合がやや高い傾向が見られます。

    統計を見るときの注意点

    罹患率・生存率などの統計数値はあくまで集団のデータであり、個々の患者さんに同じ数字が当てはまるわけではありません。ステージ・部位・年齢・体の状態など多くの要因が予後に影響します。統計はあくまで参考値としてご理解ください。


    受診・相談の目安

    こんな症状があるときは早めに医療機関へ

    以下のような症状が続く場合は、自己判断せず医療機関への受診をご検討ください。

  • 血便・便に血が混じる
  • 排便習慣の変化(便秘・下痢の繰り返し、便が細くなるなど)
  • 腹部の違和感・痛みが続く
  • 体重の急激な減少
  • 原因不明の貧血・疲労感
  • 検診で異常を指摘されたときの流れ

    便潜血検査で「陽性」と指摘された場合、全員ががんというわけではありませんが、精密検査(大腸内視鏡検査)が必要です。陽性=確定診断ではなく、出血の原因を調べるための次のステップです。結果に不安を感じている方は、まず専門医にご相談ください。

    何科を受診すればよいか

    消化器内科・消化器外科が専門科目の目安です。かかりつけ医に相談し、必要に応じて紹介を受けることもできます。


    当院での診療から

    結腸癌が心配な方への検査の進め方

    当院(AIプラスクリニックたまプラーザ)では、消化器内視鏡センターを設けており、鎮静剤を使用した楽な状態での大腸内視鏡検査を日常的に実施しています。「検査は怖い」と感じている方にも、事前の丁寧な説明と鎮静処置で、できる限り負担の少ない形で検査を受けていただけるよう努めています。

    便潜血検査の陽性や気になる症状を受けて受診された場合、まず問診・診察を行い、必要と判断した場合は内視鏡検査をご案内します。検査の結果、早期がんや高度異型腺腫が疑われる所見が確認された場合は、速やかに基幹病院への紹介を行い、地域連携クリティカルパスを用いた術後フォローも当院で担当しています。治療後の継続的なフォローアップや、在宅での療養支援が必要な段階でも、在宅療養支援診療所として対応できる体制を整えています。

    相談しやすい症状や検診結果

    「便潜血検査が陽性だったが精密検査を受けていない」「血便が続いている」「家族に大腸がんがいて心配」など、どのような段階のご不安でもご相談いただけます。


    よくある質問(FAQ)

    結腸癌は食生活だけが原因ですか?

    いいえ、食生活は重要なリスク要因の一つですが、それだけが原因というわけではありません。年齢・遺伝的素因・炎症性腸疾患の既往・運動不足・飲酒・喫煙など、複数の要因が複合的に関わると考えられています。食事に気をつけることはリスク低減に有意義ですが、食生活だけで完全に予防できるとは言い切れません。

    家族に大腸がんがいると必ず発症しますか?

    必ずしも発症するわけではありません。一親等に大腸がんの方がいる場合はリスクが高まる可能性がありますが、発症するかどうかは生活習慣・環境・偶発的な要因にもよります。家族歴がある方は、早めの検診開始や定期的な内視鏡検査についてかかりつけ医に相談することをお勧めします。遺伝性が強く疑われる場合は遺伝カウンセリングの利用も選択肢となります。

    予防のためにサプリは必要ですか?

    現時点では、特定のサプリメントが大腸がん予防に有効であることを示す十分な科学的根拠はありません。「これを飲めばがんを予防できる」と断言できる食品・サプリは存在せず、偏った情報には注意が必要です。基本は、バランスの良い食事・適度な運動・禁煙・節酒・定期検診です。

    若い人でも結腸癌になりますか?

    まれですが、若い年齢層での発症もゼロではありません。特に遺伝性大腸疾患(FAPやリンチ症候群など)がある場合は若年発症のリスクがあります。また近年、若年層の大腸がん罹患が増加傾向にあるとの報告も海外では見られます。年齢に関わらず、気になる症状があれば早めに受診することが大切です。


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  • 参考文献・出典

  • 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん)予防・検診」
  • 国立がん研究センター がん統計
  • 厚生労働省 がん対策
  • Minds ガイドラインライブラリ(日本医療機能評価機構)
  • 日本癌治療学会 がん診療ガイドライン

  • 本記事の監修医師

    佐藤 靖郎(さとう やすお)

    医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医

    専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

    略歴:

    1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

    公的役割:

    厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。


    AIプラスクリニックたまプラーザのご案内

    たまプラーザで、消化器・内科に関して気になる症状がある方、大腸がん検診の結果についてご不安な方は、お気軽にご相談ください。大腸内視鏡検査をはじめとする消化器検査を実施しており、必要に応じて専門医療機関との連携も行っています。

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    免責事項

    本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状や治療についての判断は、必ず主治医・専門医にご相談ください。記載内容は公開時点の公的情報・診療ガイドラインに基づいており、最新情報は国立がん研究センター「がん情報サービス」等でご確認ください。

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