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胆石ほっとくとどうなるとは?原因・症状・対処を内科医が解説

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胆石ほっとくとどうなるとは?原因・症状・対処を内科医が解説

健康診断や腹部エコーで「胆石があります」と言われたとき、「痛みがないし、少し様子を見ていいかな」と思う方は少なくありません。しかし、胆石は放置の仕方によっては重篤な合併症につながることがあります。一方で、無症状の胆石については経過観察が選択されることもあります。本記事では、胆石をほっとくとどうなるのかを医学的根拠に基づいてわかりやすく解説します。なお、診断・治療方針の決定は必ず医師の診察を前提とします。


胆石をほっとくとどうなる?まず知っておきたい結論

症状がない胆石は経過観察になることもある

日本消化器病学会のガイドラインでは、症状のない胆のう結石(無症候性胆石)は定期的な経過観察が基本とされています。無症候性の場合、すぐに手術が必要と判断されるケースは限られており、半年〜1年ごとのエコー検査などで変化を確認しながら対応することが一般的です。

症状がある胆石や合併症のある胆石は放置せず受診が必要

一方で、腹痛・発熱・黄疸などの症状がある場合や、胆管結石・胆のう炎などの合併症が疑われる場合は、放置することで病状が急速に悪化する可能性があります。このような状況では、速やかに医療機関を受診することが大切です。


胆石とは?胆のうや胆管にできる石の基礎知識

胆石ができる場所

胆石は、肝臓の下にある「胆のう」や、胆汁の通り道である「胆管」にできます。胆のうの詳しい役割については、胆汁とは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】もご参照ください。

胆石の種類

胆石の約80〜90%はコレステロール系の石(コレステロール結石)で、残りはビリルビンが主成分のビリルビン系結石(色素石)です。種類によって成因や治療方針が異なることがあります。

胆石ができやすい原因・リスク因子

  • 食事の欧米化・高脂肪食
  • 肥満・急激なダイエット
  • 女性ホルモンの影響(女性に多い傾向)
  • 40歳以上の年齢
  • 糖尿病・脂質異常症
  • 家族歴

胆石をほっとくと起こりうる症状

右上腹部の痛み

胆石が胆のうの出口や胆管に詰まると、右肋骨の下あたりに強い痛み(胆石疝痛)が起こることがあります。この痛みは波状に強くなる性質があります。

背中やみぞおちの痛み

痛みは右上腹部だけでなく、背中や右肩、みぞおちに放散することがあります。

吐き気・嘔吐

胆石疝痛に伴い、吐き気や嘔吐が生じることがあります。嘔吐しても痛みが和らがない場合は注意が必要です。

食後に悪化しやすい症状

脂っこい食事の後に胆のうが収縮することで、症状が誘発・悪化しやすい傾向があります。


胆石を放置した場合に注意したい合併症

胆のう炎

胆石が胆のうの出口を塞ぐと、細菌感染を伴う急性胆のう炎を引き起こすことがあります。発熱・右上腹部の持続痛が特徴で、重症化すると入院・手術が必要になる場合があります。

胆管炎

胆石が胆管に詰まると急性胆管炎を起こし、発熱・黄疸・腹痛(シャルコーの三徴)が現れることがあります。敗血症に進行するリスクがあり、緊急治療が必要になる場合もあります。

急性膵炎

胆管の末端は膵管と合流しているため、胆石が詰まることで膵液の流れが障害され、胆石性急性膵炎を発症することがあります。膵炎は重症化すると生命に関わることもあり、早期対応が重要です。

黄疸

胆管が胆石で閉塞すると、胆汁色素(ビリルビン)が血液中に逆流し、皮膚や白目が黄色くなる黄疸が現れます。尿の色が濃くなることも特徴です。

胆のうの機能低下や反復する痛み

胆石を長期放置することで胆のう壁の炎症・肥厚が繰り返され、慢性胆のう炎に移行するケースもあります。また、胆のうがんのリスクとの関連も指摘されているため、定期的な経過観察が大切です。


どんなときに早めの受診が必要か

強い腹痛が続く場合

右上腹部やみぞおちの激しい痛みが30分以上続く場合は、早めに受診することをお勧めします。

発熱や黄疸を伴う場合

38℃以上の発熱、皮膚・白目の黄染、濃い色の尿が現れた場合は、急性胆管炎などの重篤な合併症の可能性があります。速やかに医療機関にご相談ください。

吐き気・嘔吐が強い場合

嘔吐を繰り返す、水分が取れないなどの状態が続く場合も、早めの受診をお勧めします。

痛みを繰り返す場合

過去に胆石疝痛があり、再度同様の痛みが現れた場合は、自己判断で様子を見るのではなく医師に相談することが安全です。


胆石は自然に治るのか?

小さくなったり消えたりすることはあるのか

コレステロール結石の場合、ウルソデオキシコール酸(UDCA)という胆汁酸薬で溶解が期待できるケースがありますが、適応は限られます。自然に消えることは一般的に多くありません。

自己判断で様子見してよいケースと危険なケース

無症状で医師が経過観察と判断したケースは、定期フォローのもとで様子を見ることが適切です。一方、腹痛・発熱・黄疸などの症状がある場合の自己判断は危険です。


胆石の診断で行う検査

問診と身体診察

症状の性質・食生活・家族歴などを詳しく伺います。腹部の圧痛(マーフィー徴候)なども確認します。

血液検査

炎症マーカー(CRP・白血球)、肝機能(AST・ALT・γ-GTP)、ビリルビン、膵酵素(アミラーゼ・リパーゼ)などを調べます。

腹部エコー検査

胆石の診断に最も有用な検査で、被曝なく外来で実施できます。胆のうの状態や結石の大きさ・数も確認できます。

必要に応じて行う追加検査

CT検査・MRI/MRCP(磁気共鳴胆管膵管造影)・内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)などが行われることがあります。


胆石が見つかったときの治療・対処法

症状がない場合の経過観察

無症候性胆石では、定期的な腹部エコーと血液検査による経過観察が基本です。

薬物療法

コレステロール結石の一部に対し、ウルソデオキシコール酸による溶解療法が行われることがあります。ただし、適応条件があり、すべての胆石に有効なわけではありません。

胆のう摘出手術が検討される場合

症状を繰り返す胆石、合併症を起こした胆石などでは、腹腔鏡下胆のう摘出術が検討されます。身体への負担が少なく、多くの場合短期入院で可能です。

胆管結石に対する内視鏡治療

胆管に結石がある場合は、内視鏡的乳頭切開術(EST)などで胆石を取り出す内視鏡治療が行われることがあります。


胆石を悪化させにくくするための生活上のポイント

食事で気をつけたいこと

  • 脂肪分の多い食事(揚げ物・バター・生クリームなど)を控える
  • 食事を抜かず、規則正しい食習慣を心がける
  • 野菜・食物繊維を積極的にとる

体重管理の考え方

肥満は胆石のリスク因子ですが、急激な体重減少も胆石形成を促すことが知られています。無理のない範囲での体重管理が大切です。

痛みがあるときに避けたい行動

痛みがある時に脂質の多い食事を取ると症状が悪化する可能性があります。症状が強い場合は食事を控え、早めに医療機関に相談してください。


内科で相談するメリットと受診の流れ

何科を受診すればよいか

胆石が疑われる場合は、内科(消化器内科)を受診するのが一般的です。症状によっては外科・消化器外科と連携して対応します。

内科で対応できること

問診・腹部エコー・血液検査による診断、経過観察の管理、薬物療法、専門医への紹介などを行います。

手術や専門治療が必要な場合の連携

内視鏡治療や手術が必要と判断された場合は、連携医療機関へご紹介します。


たまプラーザ周辺で胆石が気になる方へ

受診前に整理しておきたい症状

  • 痛みが起きる場所・タイミング・持続時間
  • 発熱・黄疸・吐き気の有無
  • 食事との関係
  • 健診結果や過去の検査データ(あれば)

早めに相談したいケース

強い腹痛・発熱・黄疸がある場合は、早めに医療機関へご相談ください。「健診で胆石を指摘されたが、どうすればよいかわからない」という場合もお気軽にご相談いただけます。


よくある質問(FAQ)

胆石はほっといても大丈夫なことはありますか?

無症状の胆石については、日本消化器病学会のガイドラインでも経過観察が選択肢の一つとされています。ただし、自己判断で放置するのではなく、医師の診察のもとで経過観察の方針を決めることが重要です。

胆石の痛みはどのくらい続きますか?

胆石疝痛は、数分〜数時間続くことがあります。多くは自然に和らぎますが、痛みが長時間続く・繰り返す・発熱を伴う場合は受診が必要です。

胆石があると食事制限は必要ですか?

脂肪分の多い食事が症状を誘発しやすいため、揚げ物や動物性脂肪を控えた食生活が推奨されます。ただし、具体的な制限内容は担当医にご相談ください。

胆石は健康診断で見つかることがありますか?

はい。腹部エコーを含む健康診断では、無症状の胆石が偶然発見されることがあります。発見された場合は、消化器内科を受診して方針を確認することをお勧めします。

胆石といわれたらすぐ手術になりますか?

すべての胆石が手術の対象になるわけではありません。症状の有無・結石の大きさや位置・合併症の状況などを総合的に判断して治療方針が決まります。まずは医師に相談してください。


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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター 外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割: 厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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