オンライン予約はこちら

肝炎の症状|内科医がわかりやすく解説

健康ブログ

健康で楽しい生活を送る

肝炎の症状|内科医がわかりやすく解説

肝炎は、肝臓に炎症が生じる病気の総称です。初期は自覚症状が乏しいことが多く、気づかないまま経過することも少なくありません。「疲れやすい」「食欲がない」といった症状が続くときや、健診で肝機能異常を指摘された際には、肝炎の可能性を念頭に置いておくことが大切です。本記事では、肝炎の症状・種類・受診の目安について、医学的根拠に基づいてわかりやすく解説します。


肝炎とは?まず知っておきたい基本

肝炎で肝臓に何が起こるのか

肝臓は体の右上腹部に位置する、重さ約1〜1.5kgの臓器です。栄養の代謝・解毒・胆汁の生成など多くの働きを担っています。肝炎とは、この肝臓の細胞が炎症によってダメージを受けた状態を指します。炎症が起きると肝細胞が壊れ、細胞内の酵素(ALT・ASTなど)が血液中に漏れ出すため、血液検査で異常値として検出されます。

肝炎の原因と主な種類(ウイルス性・アルコール性・脂肪肝関連 など)

肝炎の主な原因は以下のとおりです。

  • ウイルス性肝炎:A型・B型・C型肝炎ウイルスによるものが代表的
  • アルコール性肝炎:長期的な過度の飲酒による肝細胞障害
  • 脂肪肝・NASH(非アルコール性脂肪肝炎):肥満や生活習慣に関連
  • 薬剤性肝炎:薬・サプリメントなどが原因となるもの
  • 自己免疫性肝炎:免疫の異常が自身の肝細胞を攻撃するもの

原因によって症状の出方や経過、治療方針が異なります。詳しくは肝炎とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】もあわせてご参照ください。


肝炎の症状の特徴

初期は症状が出にくいことがある

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれます。炎症が生じていても、初期の段階では自覚症状が現れにくいことが多く、健診の血液検査で初めて異常を指摘されるケースも珍しくありません。

肝炎で見られやすい全身症状

肝炎が進行してくると、以下のような全身症状が現れることがあります。

  • 強い倦怠感・疲れやすさ
  • 食欲不振・吐き気
  • 右上腹部(右の肋骨の下あたり)の違和感や重苦しさ
  • 発熱(とくに急性肝炎の初期)
  • 体重減少

目・皮膚・尿・便に出るサイン

肝機能が低下すると、ビリルビン(胆汁色素)の処理が滞り、以下のような変化が現れることがあります。

  • 黄疸:白目や皮膚が黄色くなる
  • 濃い茶色の尿(褐色尿):ビリルビンが尿に排泄される
  • 灰白色の便(白っぽい便):胆汁が腸に届きにくくなる
  • 皮膚のかゆみ:胆汁成分が皮膚に沈着することで起こる

これらのサインが見られる場合は、肝機能が著しく障害されている可能性があります。早めの受診が勧められます。

急性肝炎と慢性肝炎で症状はどう違うか

急性肝炎 慢性肝炎
発症の仕方 比較的急に症状が出る 症状が乏しいまま長期間続く
主な症状 発熱・黄疸・強い倦怠感・食欲低下 疲れやすさ・軽度の倦怠感が続く
経過 多くは数週間〜数か月で改善 6か月以上持続、慢性化のリスク

肝炎の種類ごとの症状

A型肝炎の症状

主に汚染された食品や水を介して感染します。1〜7週間の潜伏期間ののち、発熱・倦怠感・黄疸・食欲不振などが比較的急に現れます。多くは自然に回復しますが、重症化することもあります。

B型肝炎の症状

血液・性行為などを介して感染します。急性感染では発熱・黄疸・倦怠感が出ることがありますが、成人感染では無症状のまま経過することもあります。一部は慢性化し、長期間にわたり肝機能異常が続きます。感染経路の詳細についてはb型肝炎感染経路とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】をご覧ください。

C型肝炎の症状

血液を介して感染します。急性期には症状が出にくく、約70〜80%が慢性化するとされます(日本肝臓学会ガイドラインより)。慢性化すると倦怠感・疲れやすさが続き、気づかないうちに肝硬変や肝がんへ進行するリスクがあります。

アルコール性肝炎の症状

長期にわたる大量飲酒で起こります。倦怠感・食欲不振・右上腹部痛・発熱・黄疸などが見られます。重症化すると肝不全に至ることもあるため、早期の対応が重要です。

脂肪肝・NASHに関連する肝炎の症状

脂肪肝は多くの場合無症状ですが、NASHに進展すると倦怠感や右上腹部の不快感が生じることがあります。肥満・糖尿病・脂質異常症のある方は注意が必要です。


肝炎と似た症状が出る病気

風邪や胃腸炎との違い

発熱・倦怠感・食欲不振は風邪や胃腸炎でも見られます。肝炎との鑑別には血液検査(肝機能検査)が必要です。症状が長引く場合や黄疸・褐色尿を伴う場合は、消化器内科への相談を検討してください。

胆道系の病気や肝機能異常との違い

黄疸・腹痛・発熱は胆石症・胆嚢炎でも起こります(胆石の原因|内科医がわかりやすく解説【たまプラーザ】参照)。また、肝機能異常はアルコール・薬剤・甲状腺疾患など肝炎以外でも生じます。原因の特定には医療機関での検査が不可欠です。


こんな症状があれば早めに受診を

受診を急いだほうがよい症状

以下の症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診してください。

  • 急激な黄疸(白目・皮膚が黄色くなる)
  • 濃い褐色の尿・白っぽい便
  • 強い腹痛・高熱
  • 意識がぼんやりする・ひどくぐったりしている

内科・消化器内科で相談したい症状

  • 2週間以上続く倦怠感・食欲不振
  • 健診で肝機能(AST・ALT・γ-GTPなど)の異常を指摘された
  • 以前に肝炎ウイルスに感染したことがある

医療機関ではどんな検査をするのか

問診・診察で確認すること

飲酒量・既往歴・服薬歴・渡航歴・輸血歴・家族歴などを詳しく伺います。腹部の触診で肝臓の腫大や圧痛がないかも確認します。

血液検査でわかること

  • AST・ALT:肝細胞の障害を反映する指標
  • γ-GTP:アルコールや胆道系の異常で上昇しやすい
  • ビリルビン:黄疸の程度を評価
  • PT(プロトロンビン時間):肝臓の合成能力の指標
  • 肝炎ウイルスマーカー(HBs抗原・HCV抗体など)

必要に応じて行う画像検査や追加検査

腹部超音波検査(エコー)は、肝臓の形態・脂肪沈着・腫瘍の有無などを非侵襲的に確認できます。必要に応じてCTやMRI、肝生検が行われることもあります。


肝炎の治療の考え方

原因に応じた治療が必要

  • ウイルス性肝炎:B型・C型は抗ウイルス薬による治療が有効(とくにC型肝炎は近年の治療で高い改善率が報告されています)
  • アルコール性肝炎:禁酒が最も重要な治療
  • 脂肪肝・NASH:食事・運動による生活習慣の改善
  • 薬剤性・自己免疫性:原因薬剤の中止、免疫抑制療法など

安静・食事・生活上の注意点

急性肝炎では安静を保ち、消化の良い食事を心がけます。脂質・アルコールを控え、規則正しい食生活を維持することが回復を助けます。

自己判断で様子を見ないほうがよい理由

肝炎は症状が乏しいまま進行することがあります。自己判断でサプリメントや民間療法を試すことで、かえって肝機能障害が悪化するケースも報告されています。気になる症状があれば、早めに医師に相談することが大切です。


日常生活で気をつけたいこと

飲酒との付き合い方

アルコールは肝細胞に直接ダメージを与えます。肝炎と診断された場合は、医師の指示のもとで飲酒量の制限または禁酒を検討することが勧められます。

体重管理と食事のポイント

肥満は脂肪肝・NASHのリスクを高めます。バランスの良い食事・適度な運動で適正体重を維持することが、肝炎の予防や改善に役立ちます。

感染対策が必要な肝炎で注意したいこと

B型・C型肝炎は血液・体液を介して感染します。カミソリ・歯ブラシなど血液が付着する可能性があるものの共用を避けることが大切です。


肝炎を放置するとどうなるか

慢性化や肝硬変・肝がんとの関係

慢性肝炎を放置すると、炎症が繰り返されることで肝臓が線維化し、肝硬変へと進行するリスクがあります。さらに肝硬変からは肝がんが発生しやすくなることが知られています。これは日本肝臓学会のガイドラインでも強調されている点です。

早めに見つけることの重要性

早期に発見・治療を開始することで、慢性化や重症化を防ぐ可能性があります。無症状であっても定期的な健診や検査が重要です。


受診の目安と相談先

どの診療科に行けばよいか

内科・消化器内科への受診が適しています。黄疸・強い腹痛・意識障害など急性症状が強い場合は、速やかに救急対応のある医療機関を受診してください。

健診で肝機能異常を指摘されたときの対応

「要再検査」「要精密検査」と指摘された場合は、自覚症状がなくても消化器内科を受診することをお勧めします。放置による悪化を防ぐためにも、早期の対応が大切です。


予防できる肝炎と予防方法

ワクチンで予防しやすい肝炎

A型肝炎B型肝炎はワクチンによる予防が可能です。特にB型肝炎ワクチンは定期接種(2016年〜乳児への定期接種開始)として導入されており、医療従事者や感染リスクが高い方には成人でも接種が勧められています(厚生労働省の情報に基づく)。

日常生活でできる予防のポイント

  • 海外渡航前にA型肝炎ワクチンを接種する
  • 血液・体液への接触リスクを減らす
  • 適正な飲酒量を守り、飲みすぎに注意する
  • 肥満を予防し、定期的な健診を受ける

まとめ:肝炎の症状で気になるときは早めに医師へ相談を

肝炎は初期に自覚症状が出にくいため、健診や血液検査で異常を指摘されたときに初めて気づくことも多い病気です。倦怠感・食欲不振・黄疸・褐色尿などの症状が続く場合や、肝機能異常を指摘された場合は、消化器内科への相談をご検討ください。適切な検査・診断・治療を受けることが、肝臓の健康を守ることにつながります。


よくある質問(FAQ)

肝炎は無症状のこともありますか?

はい。とくにC型肝炎やB型肝炎の慢性感染では、長期間にわたり自覚症状がないことが多いです。健診の血液検査で初めて肝機能異常が判明するケースも珍しくありません。

肝炎かどうかは症状だけでわかりますか?

症状だけで肝炎を確定することはできません。倦怠感・食欲不振・黄疸などは他の病気でも見られます。血液検査(肝機能検査・ウイルスマーカー)や画像検査など、医療機関での検査が必要です。

肝炎は自然に治ることがありますか?

A型肝炎や一部の急性B型肝炎は、安静と経過観察によって自然に回復することがあります。ただし、B型・C型肝炎の慢性感染は自然に治ることは少なく、治療が必要な場合があります。自己判断で放置せず、必ず医師の診察を受けてください。

健康診断で肝機能異常を指摘されたら肝炎を疑うべきですか?

肝機能異常の原因は肝炎に限らず、脂肪肝・薬剤・アルコール・甲状腺疾患なども考えられます。まずは医療機関で詳しい検査を受け、原因を特定することが重要です。

どんな症状があればすぐ受診すべきですか?

白目や皮膚の黄染(黄疸)・濃い褐色の尿・白っぽい便・激しい倦怠感や腹痛・意識の変化などが見られる場合は、速やかに受診されることをお勧めします。ご予約・お問い合わせからもご相談いただけます。


関連記事


本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割: 厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

AIプラスクリニックたまプラーザのご案内

たまプラーザで内科・消化器の気になる症状がある方へ。「健診で肝機能異常を指摘された」「倦怠感や食欲不振が続いている」など、些細なことでもお気軽にご相談ください。受診の目安や必要な検査についても丁寧にご説明いたします。

ご予約・お問い合わせ
TEL:045-909-0117(横浜市青葉区・たまプラーザ)

初診の際は、保険証・お薬手帳・(お持ちであれば)健診結果や紹介状をご用意いただくとスムーズです。ご予約はWebまたはお電話で承ります。

AIプラスクリニックたまプラーザ
こんにちは!ご質問にお答えします。

・診療時間や予約方法
・アクセス方法
・診療科目について

サイト内の記事も参考に回答しますので、お気軽にお尋ねください。