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スキルス胃がんなりやすい人とは?原因・症状・対処を内科医が解説

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スキルス胃がんなりやすい人とは?原因・症状・対処を内科医が解説

スキルス胃がんは、胃壁の深い層に沿って広がるタイプの胃がんで、早期発見が難しく、比較的若い世代にも起こりうる点が特徴です。「なりやすい人」の特徴を知り、気になる症状があれば早めに内科・消化器内科を受診することが大切です。本記事では、スキルス胃がんの原因・症状・受診の目安について、医学的根拠をもとにわかりやすく解説します。

スキルス胃がんは、胃壁の深い層に沿って広がるタイプの胃がんで、早期発見が難しく、比較的若い世代にも起こりうる点が特徴です。「なりやすい人」の特徴を知り、気になる症状があれば早めに内科・消化器内科を受診することが大切です。本記事では、スキルス胃がんの原因・症状・受診の目安について、医学的根拠をもとにわかりやすく解説します。

スキルス胃がんなりやすい人とは?まず知っておきたい基本

スキルス胃がんとは何か

スキルス胃がんは、胃の粘膜下層から筋層にかけて広範囲に浸潤しながら広がる胃がんの一種です。がん細胞が胃壁の中に染み込むように進行するため、胃の内側の表面(粘膜面)は比較的正常に見えることがあります。そのため、内視鏡検査(胃カメラ)でも初期段階では発見しにくいとされています。

胃の動きが硬くなり、胃全体が収縮した「皮革胃」と呼ばれる状態を引き起こすことがあります。スキルスとはラテン語で「硬い腫瘍」を意味し、硬化性の変化が特徴です。

一般的な胃がんとの違い

一般的な胃がんは、胃の内壁(粘膜)に隆起したり、潰瘍を形成しながら進行します。内視鏡検査で比較的発見しやすく、早期に見つかるケースも少なくありません。一方、スキルス胃がんは粘膜面の変化が目立ちにくく、胃全体が硬く収縮するまで進行しても症状が現れにくいという特性があります。また、腹膜播種(ふくまくはしゅ)といったかたちで転移しやすい傾向もあるとされています。

詳しくはスキルス胃がんとは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】もあわせてご覧ください。

スキルス胃がんなりやすいとされる人の特徴

家族に胃がんの人がいる

スキルス胃がんは、家族内での発症が複数みられるケースがあります。「家族性胃がん」として知られており、血縁者に胃がん(特にスキルス型)の患者がいる場合は、リスクがやや高いとされています。

遺伝性の要因が疑われるケース

CDH1遺伝子(E-カドヘリン遺伝子)の変異が関係する「遺伝性びまん性胃がん(HDGC)」では、スキルス胃がんを含むびまん性胃がんが高頻度に発症することが報告されています。ただし、これは比較的まれなケースです。家族内に若年での胃がん患者が複数いる場合は、遺伝カウンセリングへの相談も選択肢の一つとなります。

若年〜中年でも起こりうる理由

スキルス胃がんは40〜50代の比較的若い世代にも発症することがあり、特に女性での発症比率が高い傾向があります。一般的な胃がんが高齢者に多いのと比べると、このタイプは年齢層がやや異なる点が特徴です。

男女差や年齢でみた傾向

一般的な胃がん全体では男性の発症が多いとされていますが、スキルス胃がんについては女性の割合が相対的に高いことが指摘されています。また、他の胃がんに比べて若い年齢層での発症がみられることも知られています。

スキルス胃がんの原因は何か

はっきりした原因がわかりにくい理由

スキルス胃がんは、他の胃がんと比較してピロリ菌感染との関連が必ずしも明確ではないケースがあり、原因の特定が難しいとされています。複数の要因が複合的に関与していると考えられています。

生活習慣との関係

塩分の多い食事、喫煙、過度の飲酒はいずれも胃がん全般のリスク因子として知られています。スキルス胃がんに限定したエビデンスは十分ではありませんが、生活習慣の改善は胃の健康を保つうえで意義があると考えられています。

ピロリ菌との関係

ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は、胃がん全般の主要なリスク因子のひとつです。日本ヘリコバクター学会のガイドラインでも、除菌治療が胃がんリスク低減に寄与するとされています。ただし、スキルス胃がんではピロリ菌陰性のケースも一定数報告されており、ピロリ菌がいないからといって完全にリスクがないとはいえません。

遺伝子変異と発症の考え方

前述のCDH1遺伝子変異のほか、TP53などの遺伝子変異もスキルス胃がんの発症に関与している可能性が指摘されています。ただし、現時点では研究段階のものも多く、すべての発症メカニズムが解明されているわけではありません。

こんな症状があるときは要注意

胃もたれ・食欲低下

初期には「なんとなく胃がもたれる」「食欲がわかない」といった症状が現れることがあります。これらは機能性ディスペプシアや胃炎でも起こる症状であり、見分けがつきにくいことがあります(詳しくは機能性ディスペプシアとは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】をご覧ください)。

みぞおちの痛み・不快感

みぞおち(心窩部)あたりの鈍い痛みや不快感が続く場合は注意が必要です。

体重減少

明らかな理由なく体重が減少している場合は、消化器疾患を含む何らかの異常が疑われます。食欲不振が続く際には早めの受診を検討してください。

吐き気・嘔吐

胃の出口(幽門部)が狭くなると、食事後の吐き気や嘔吐が起こることがあります。

貧血や黒い便がみられる場合

黒いタール状の便(黒色便)は消化管からの出血を示すサインの一つです。また、貧血(顔色の悪さ・だるさ)を伴う場合は、速やかな受診が必要です。

早期発見が難しいといわれる理由

初期症状が目立ちにくい

スキルス胃がんは、胃壁の内側の変化が少なく、初期段階では自覚症状がほとんどない場合があります。

胃炎や胃潰瘍と見分けにくいことがある

胃もたれや食欲不振は胃炎・胃潰瘍など一般的な胃の病気でも起こるため、スキルス胃がんに特有の症状として気づかれにくいことがあります。

健診で見つかりにくいことがある

バリウム検査(X線検査)や内視鏡検査でも、初期のスキルス胃がんはその特殊な進展様式から発見が困難なことがあります。胃壁の硬さや収縮の変化を丁寧に観察する必要があります。

受診の目安

どの症状があれば内科・消化器内科を受診すべきか

以下の症状が2週間以上続く場合は、内科・消化器内科への受診をお勧めします。

  • 食欲不振・体重減少
  • 胃もたれ・みぞおちの不快感
  • 吐き気・嘔吐

早めの受診が望ましいケース

家族に胃がんの患者がいる、または若い世代(40代以下)で上記症状がある場合は、比較的早めに受診を検討することが望ましいといえます。

救急受診を考えるべき症状

激しい腹痛、血を吐く(吐血)、大量の黒色便がみられる場合は、速やかに救急外来を受診してください。

医療機関で行う主な検査

胃カメラ検査

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)は、胃の内側を直接観察できる最も有用な検査です。スキルス胃がんでは粘膜の変化が目立ちにくいため、経験のある医師による精密な観察が重要です。

必要に応じた生検

内視鏡検査中に組織の一部を採取して病理検査(生検)を行い、がん細胞の有無を確認します。

画像検査や血液検査の役割

CT検査やMRI検査は、がんの広がりや転移の評価に用いられます。血液検査では貧血の有無や腫瘍マーカーの測定が行われることがあります。

スキルス胃がんの治療と診断後の流れ

診断後にまず行うこと

確定診断後は、がんの進行度(ステージ)を評価するための検査が行われます。ステージに応じて治療方針が決定されます。

治療の基本的な考え方

外科的切除(手術)、化学療法(薬物療法)が主な選択肢となります。スキルス胃がんは進行が速いことが多く、診断されたら専門機関での早期対応が求められます。治療方針の詳細は、担当医との十分な相談のもとで決定されます。

他科連携やセカンドオピニオンの考え方

治療方針に迷いや疑問がある場合は、セカンドオピニオン(他の医師の意見を聞くこと)も患者の正当な権利です。かかりつけの内科・消化器内科から専門病院への紹介状を受け取り、連携して治療を進めることが重要です。

スキルス胃がんを完全に防ぐことはできるのか

予防の考え方

現時点では、スキルス胃がんを完全に予防する方法は確立されていません。ただし、バランスのよい食事・禁煙・節酒などの生活習慣の改善は、胃がん全般のリスク低減に寄与すると考えられています。

胃がん検診の重要性

国が推奨する胃がん検診(50歳以上を対象としたバリウム検査または内視鏡検査)を定期的に受けることは、早期発見につながります。対象年齢に当てはまる方は、自治体の検診案内をご確認ください。

ピロリ菌検査・除菌の位置づけ

ピロリ菌感染が確認された場合、除菌治療が胃がんリスク低減に有効とされています。除菌後も定期的な内視鏡検査による経過観察が推奨されます。

胃の不調が続くときに日常で気をつけたいこと

症状の記録をつける

いつから、どのような症状が、どのくらいの頻度で起きているかをメモしておくと、受診時の説明に役立ちます。

市販薬で様子を見続けない

市販の胃腸薬で一時的に症状が和らいでも、2週間以上続く場合は自己判断で様子を見ず、医療機関への受診をお勧めします。

体重変化や食事量の変化を確認する

定期的に体重を測定し、1〜2か月で顕著な体重減少(体重の5〜10%以上の減少を目安に)がみられた場合は、受診の目安の一つと考えてください。

たまプラーザで胃の症状が気になる方へ

受診先の選び方

胃の症状が続く場合は、内科または消化器内科を受診することをお勧めします。内視鏡検査(胃カメラ)が受けられる医療機関を選ぶと、より精密な検査が可能です。

内科・消化器内科で相談できること

胃カメラ検査の適応判断、ピロリ菌検査、症状の評価と治療方針の相談など、幅広く対応しています。気になることはできるだけ早めに相談されることをお勧めします。

また、胃がんの症状全般については胃がんの症状|内科医がわかりやすく解説【たまプラーザ】も参考にしてください。

ご予約・お問い合わせはこちらからどうぞ。

よくある質問(FAQ)

スキルス胃がんは若い人にも起こりますか

はい、スキルス胃がんは他の胃がんに比べて、40〜50代の比較的若い世代にも発症することがあります。「若いから大丈夫」とは言い切れないため、症状が続く場合は年齢にかかわらず受診を検討してください。

胃炎とスキルス胃がんは症状だけで見分けられますか

症状だけで見分けることは困難です。胃もたれや食欲不振は胃炎でも起こるため、症状が長引く場合は医療機関での内視鏡検査などによる精密な評価が必要です。

健康診断で異常がなくても受診したほうがよいことはありますか

あります。健診のバリウム検査では初期のスキルス胃がんが見つかりにくいことがあります。症状が続く場合や家族歴がある場合は、健診の結果に関わらず消化器内科への受診を検討されることをお勧めします。

ピロリ菌がいなければスキルス胃がんになりにくいですか

ピロリ菌のいない方でもスキルス胃がんが発症したケースが報告されています。ピロリ菌陰性だからといってリスクがゼロとはいえないため、症状がある場合は受診が大切です。

家族に胃がんがいる場合は何をすればよいですか

まず内科・消化器内科に相談し、ピロリ菌検査や定期的な内視鏡検査の必要性について医師と話し合うことをお勧めします。家族歴がある場合は、検診の開始時期を早めたり受診頻度を上げることを検討する場合があります。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:
厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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