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大腸癌ステージ3の症状|内科医がわかりやすく解説

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大腸癌ステージ3の症状|内科医がわかりやすく解説

大腸がんステージ3は、がんが腸の壁をこえて広がり、周囲のリンパ節に転移が認められる段階です。症状が目立ちにくいケースもある一方、血便・便通異常・貧血など体に変化が現れ始める時期でもあります。本記事では、ステージ3の定義から主な症状・検査・治療の流れ・受診の目安まで、消化器専門医の監修のもとわかりやすく解説します。気になる症状がある方は、早めに消化器内科へご相談ください。


大腸がんステージ3とは?まずは病期の考え方を整理

ステージ3の定義と「リンパ節転移」が中心になる理由

大腸がんの病期(ステージ)は、主にがんの深さ(壁深達度)・リンパ節転移の有無・遠隔転移の有無で分類されます。ステージ3は「リンパ節転移はあるが、肝臓・肺など遠隔臓器への転移はない」段階です。大腸癌研究会の「大腸癌取扱い規約」では、リンパ節転移の個数や範囲によってステージ3a・3bに細分されます。

ステージ1〜4との違い

病期 主な特徴
ステージ1 がんが粘膜〜固有筋層にとどまり、リンパ節転移なし
ステージ2 がんが腸の外側にまで達しているがリンパ節転移なし
ステージ3 リンパ節転移あり、遠隔転移なし
ステージ4 肝臓・肺などへの遠隔転移あり

「大腸癌」「大腸がん」「結腸がん・直腸がん」の違い

「大腸癌」と「大腸がん」は表記の違いで、医学的には同じ疾患を指します。大腸は結腸(盲腸・上行・横行・下行・S状結腸)と直腸に分かれており、発生部位によって「結腸がん」「直腸がん」と呼ばれます。治療法や症状の出方が発生部位によって異なるため、診断時には部位の確認も重要です。

大腸がんステージ3でみられる主な症状

血便・下血

大腸がんの代表的なサインの一つです。直腸や左側結腸(S状結腸・下行結腸)に発生したがんでは、鮮やかな赤い血が便に混じることがあります。右側結腸では便が腸内を通過する間に血液が酸化されるため、黒っぽいタール状の便(タール便)として現れることもあります。血便は痔と間違えられやすく、自己判断は禁物です。

便通異常(便秘・下痢・便が細くなる)

がんが腸管を狭くすることで、便秘と下痢を繰り返す・便が細くなるといった変化が生じることがあります。これまでの排便パターンと明らかに異なる変化が続く場合は、消化器内科への相談を検討してください。

腹痛・腹部の張り・お腹の違和感

腸管の狭窄が進むと、食後の腹痛や腹部膨満感(お腹の張り)が現れることがあります。特にS状結腸〜直腸のがんでは、ころころした便と腹部の不快感が重なって気づかれるケースがあります。

貧血に伴う症状(だるさ、息切れ、めまい)

右側結腸(盲腸・上行結腸)のがんは腸管が太く、症状が出にくい傾向があります。代わりに、慢性的な出血による鉄欠乏性貧血として、だるさ・息切れ・めまい・顔色不良が現れることがあります。健診で貧血を指摘された場合も、大腸の精密検査が推奨される場合があります。

体重減少・食欲低下

原因不明の体重減少(数か月で数kg以上)や食欲低下が続く場合は、がんを含む全身疾患を念頭に置いた検査が必要です。

肛門の違和感や残便感が出ることもある

直腸がんでは、排便後も便が残っている感覚(残便感)や、肛門周囲の違和感・しぶり腹(テネスムス)が現れることがあります。痔の症状と混同されやすいため注意が必要です。

ステージ3でも症状が軽い・ないことがある理由

がんの場所によって症状の出方が異なる

右側結腸は腸管の内腔が広いため、がんがある程度大きくなるまで症状が現れにくい特徴があります。そのため、ステージ3に進行しても自覚症状がほとんどないケースも少なくありません。

症状だけでは進行度を判断できない

症状の有無や強さは、がんの進行度(ステージ)と必ずしも比例しません。「症状が軽いから大丈夫」とは言い切れず、定期的な大腸がん検診(便潜血検査)が早期発見に有用です。厚生労働省は40歳以上を対象とした大腸がん検診を推奨しています。

大腸がんステージ3で注意したい「腸閉塞」のサイン

強い腹痛、吐き気・嘔吐、便やガスが出ない

ステージ3の大腸がんでは、腸管の狭窄が進んで腸閉塞(イレウス)を引き起こすことがあります。腸閉塞については 腸閉塞とは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】 でも詳しく解説しています。強い腹痛・嘔吐・腹部膨満・便やガスが完全に出なくなった場合は緊急の対応が必要です。

すぐに受診が必要な症状

  • 突然始まった激しい腹痛
  • 嘔吐が続き水分もとれない
  • 便・ガスが全く出なくなった
  • 顔色が著しく悪く意識がぼんやりする

これらの症状がある場合は、ためらわず救急受診をご検討ください。腸閉塞の症状については 腸閉塞の症状|内科医がわかりやすく解説【たまプラーザ】 もあわせてご参照ください。

どんな検査で大腸がんステージ3と診断するのか

便潜血検査・血液検査

大腸がん検診で広く用いられる便潜血検査(2日法)は、便中の微量な血液を検出します。陽性の場合は、精密検査として大腸内視鏡検査が必要です。血液検査では貧血の有無、CEA・CA19-9などの腫瘍マーカーも参考に用いられます。

大腸内視鏡検査

大腸の内側を直接観察し、がんの位置・大きさ・形態を確認します。同時に組織を採取(生検)し、病理検査でがん細胞の確認を行います。

CT・MRIなどの画像検査

CTはがんの腸壁への浸潤・リンパ節転移・遠隔転移(肝臓・肺など)を評価するために不可欠です。直腸がんではMRIが骨盤内の局所進展評価に有用とされています。これらの画像検査の結果をもとに病期(ステージ)が判定されます。

病理検査と病期判定

手術で切除した標本の病理検査(リンパ節転移の個数確認など)により、最終的な病期が確定します。術前の画像診断と術後病理の結果を組み合わせて治療方針が決定されます。

ステージ3と診断されたら次に考える治療の流れ

手術が治療の中心になることが多い

ステージ3の大腸がんでは、原則として外科的切除(手術)が治療の中心となります。がんのある腸管と周囲のリンパ節をまとめて切除するリンパ節郭清を行います。腹腔鏡手術が広く普及しており、術式の選択は部位・状態・施設によって異なります。

再発予防として補助化学療法を行う場合

術後の再発リスクを下げることを目的に、手術後に補助化学療法(抗がん剤治療)が行われることがあります。大腸癌研究会のガイドラインでは、ステージ3の結腸がんに対して術後補助化学療法が推奨されています。具体的なレジメン(治療薬の組み合わせ)は担当医とよく相談してください。

直腸がんでは放射線治療を組み合わせることがある

直腸がんでは、術前・術後に放射線治療と化学療法を組み合わせる(化学放射線療法)ことで、局所再発率の低減が期待できる場合があります。肛門括約筋の温存が可能かどうかも重要な検討事項です。

治療後に気をつけたいこと

再発フォローで行う検査

術後は定期的な経過観察が重要です。一般的に、術後5年間は定期的な外来受診・血液検査(腫瘍マーカー)・CT・大腸内視鏡検査などで再発がないかを確認します。フォローの頻度や内容は施設・病期によって異なります。

生活で意識したい食事・運動・体調管理

術後は腸の働きが変化することがあります。消化のよい食事を心がけ、バランスのよい食生活と適度な運動を継続することが、体力の回復と生活の質(QOL)の維持に役立ちます。喫煙・過度のアルコールは控えることが推奨されています。

体調変化があれば早めに相談する重要性

腹痛・血便・体重減少・倦怠感など、気になる変化があれば次の定期受診を待たずに担当医へ相談することをお勧めします。

受診の目安|こんな症状があれば早めに消化器内科へ

血便が続く、便通が急に変わった

数日以上続く血便、または最近明らかに便通パターンが変化した場合は、消化器内科の受診をご検討ください。

貧血を指摘された、原因不明の体重減少がある

健診で貧血(特に鉄欠乏性貧血)を指摘された方、数か月で体重が著しく落ちた方も、大腸の検査を含む精密検査が必要な場合があります。

お腹の痛みや張りが続く

繰り返す腹痛や腹部膨満感が続く場合も、早めに受診されることをお勧めします。

緊急受診が必要な症状

激しい腹痛・嘔吐・便やガスが出なくなった場合は、時間外でも救急受診をご検討ください。

大腸がんステージ3と予後・再発について知っておきたいこと

予後はがんの部位やリンパ節転移の程度で変わる

ステージ3の予後(治療後の経過)は、リンパ節転移の個数・がんの部位・組織型・手術の完遂度・術後治療の有無など複数の要因によって異なります。統計的な生存率のデータは参考になりますが、個々の状況は異なるため、数字だけで一律に判断することは適切ではありません。

数字だけで判断せず、主治医に確認したいポイント

「自分のがんの特性はどのようなものか」「再発リスクはどの程度か」「術後治療はどういう選択肢があるか」など、主治医に具体的に確認することが、治療への理解と不安の軽減につながります。

不安なときに確認するとよい情報

国立がん研究センターが運営する「がん情報サービス(https://ganjoho.jp/)」では、大腸がんに関する信頼性の高い医療情報が公開されています。診断後の不安や疑問がある際は、担当医への相談とあわせてご活用ください。

当院での相談の流れ

どの診療科を受診すべきか

血便・便通異常・腹痛・貧血などの消化器症状は、まず消化器内科を受診されることをお勧めします。当院(AIプラスクリニックたまプラーザ)では内科・消化器の診療を行っており、症状に応じた検査・相談が可能です。

検査や紹介が必要になった場合の流れ

大腸内視鏡検査やCTなど精密検査が必要と判断した場合、または専門的な手術治療を要する場合は、連携する専門医療機関へご紹介いたします。紹介後も当院での継続的なサポートをご提供します。

受診前に準備しておくとよいこと

いつから・どのような症状があるかをメモしておくと、診察がスムーズになります。服用中のお薬がある場合はお薬手帳をお持ちください。健診結果や過去の検査データがあれば、ご持参いただくと参考になります。

よくある質問(FAQ)

大腸がんステージ3の症状は必ずありますか?

いいえ、必ずしも自覚症状があるわけではありません。特に右側結腸のがんは腸管内腔が広いため、かなり進行するまで症状が出にくいことがあります。症状がなくても定期的な大腸がん検診を受けることが大切です。

ステージ3でも手術だけで治療できることはありますか?

手術単独で治療を終える場合もありますが、大腸癌診療ガイドラインではステージ3の結腸がんに対して術後補助化学療法が推奨されています。手術後の治療方針については、担当医と十分に相談してください。

ステージ3といわれたら入院は必要ですか?

手術を行う場合は入院が必要です。入院期間は術式・回復状況・施設によって異なりますが、腹腔鏡手術では概ね1〜2週間程度が目安となることがあります。術後化学療法は外来で行える場合も多くあります。

ステージ3の大腸がんは内視鏡で見つかりますか?

ステージ3のがんは大腸内視鏡検査で確認できます。ただし、内視鏡検査はがんの局所の状態(大きさ・形・位置)の確認と組織採取を目的としており、リンパ節転移や遠隔転移の評価にはCT・MRIなどの画像検査が必要です。

血便があっても痔と見分けられますか?

症状だけで痔と大腸がんを正確に区別することは困難です。痔でも血便は生じますが、大腸がんによる出血を見逃さないためにも、血便が続く・量が増えている・便通の変化もあるといった場合は、自己判断せずに消化器内科を受診することをお勧めします。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)

医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:
厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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