オンライン予約はこちら

大腸癌とは?好発部位と基本的な特徴をわかりやすく整理

大腸癌とは?好発部位と基本的な特徴をわかりやすく整理

大腸がんとは|症状・検査・治療・生活までを医師監修で解説する総合ガイド大腸がんの基礎知識・全体像|押さえておきたい要点を医師監修で解説 › (本記事)


大腸癌は日本において罹患数・死亡数ともに上位を占めるがんの一つです(国立がん研究センター がん情報サービス「最新がん統計」より)。一方で、早期に発見できれば治療の選択肢が広がる可能性があるがんでもあります。本記事では「大腸癌とは何か」という基本から、できやすい部位・主な症状・検査の流れまでをわかりやすく整理します。気になる症状がある方は自己判断せず、まず医療機関にご相談ください。


大腸癌とは?まず押さえたい基本

大腸のどこにできるがんか

大腸は小腸に続く消化管の後半部分で、盲腸・結腸(上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸)・直腸・肛門管で構成されています。大腸癌とは、この大腸の粘膜(内壁の最も内側の層)から発生する悪性腫瘍の総称です。発生部位によって「結腸がん」「直腸がん」と呼び分けることもあります。

大腸の総延長は成人で約1.5〜2メートルほどあり、内容物が通過する時間や腸内環境は部位によって異なります。そのため、がんの発生しやすさや症状の現れ方にも部位差があります。

「大腸がん」と「大腸癌」の表記について

「大腸がん(ひらがな)」と「大腸癌(漢字)」はほぼ同義で使われますが、厳密には「癌」は上皮性悪性腫瘍(粘膜などの上皮細胞に由来するもの)を指します。大腸に発生する悪性腫瘍の大多数は腺癌(せんがん)と呼ばれる上皮由来のがんであるため、実用上は「大腸がん=大腸癌」として差し支えありません。本記事では両方の表記を文脈に応じて使用します。


大腸癌ができやすい部位

結腸と直腸の違い

大腸のうち、肛門に近い約15〜20センチメートルの部分を「直腸」、それより口側を「結腸」と呼びます。直腸は骨盤内に固定されており、手術の際に肛門を温存できるかどうかが治療上の重要な検討事項となります。結腸は比較的自由に動く部分が多く、部位ごとに症状の出方が異なります。

S状結腸がんが多い理由と、好発部位の考え方

国立がん研究センターのデータによると、大腸癌の好発部位はS状結腸と直腸(とくに直腸S状部)に集中しており、全体の60〜70%程度がこの部位に発生するとされています。

部位 発生割合の目安 特徴的な点
直腸・直腸S状部 約35〜40% 肛門に近く、血便が比較的早期に気づかれやすい
S状結腸 約25〜30% 便が固形化する部位であり通過障害を起こしやすい
上行結腸 約10〜15% 便が液状で症状が出にくく、貧血で見つかることも
横行結腸・下行結腸 各5〜10% 比較的まれだが見逃さないことが重要

※割合はおおよその目安であり、調査年・対象集団によって異なります。

S状結腸にがんが多い主な理由として、便が固形化して腸管との接触時間・摩擦が増すこと、腸管内の発がん物質への曝露時間が長くなることなどが挙げられています。S状結腸がんを含む結腸がんの特徴については「結腸がんとは?大腸がんとの違いと主な特徴を解説」もあわせてご参照ください。


大腸癌の主な特徴

進み方の傾向と早期・進行期の違い

大腸癌は一般に、粘膜内のごく表面から始まり、粘膜下層・固有筋層・漿膜(しょうまく:腸の外側を覆う膜)へと徐々に深く浸潤(しんじゅん:がん細胞が周囲に広がること)します。さらに進行するとリンパ節や肝臓・肺などの遠隔臓器へ転移することがあります。早期(粘膜・粘膜下層にとどまる段階)では内視鏡的な切除が選択肢となる場合があり、進行期になるほど治療の複雑さが増す傾向があります。

症状が出にくいことがある理由

大腸は直径が大きく、比較的小さな腫瘍では腸管が閉塞するほどではないため、症状が出にくい時期があります。。とくに右側の結腸(上行結腸など)は内容物が液状であり、腫瘍が大きくなっても狭窄(きょうさく:腸管が狭くなること)が起こりにくく、気づかないまま進行するケースがあります。上行結腸がんが見つかりにくい理由については「上行結腸癌とは?症状や見つかりにくい理由を解説」をご覧ください。


大腸癌の主な症状

便潜血陽性、血便、便通異常

代表的な症状として、便に血液が混じる「血便」や「便潜血陽性」(肉眼ではわからない微量の血液が便に含まれる状態)、便秘と下痢を繰り返す・便が細くなるといった「便通異常」があります。これらは大腸癌以外の疾患(痔核・炎症性腸疾患など)でも起こるため、症状だけで大腸癌と判断することはできません。

腹痛、腹部部膨満、体重減少など

進行するにつれ、腸管の狭窄による腹痛・・腹部膨満感(お腹が張る感じ)、食欲低下・体重減少などが現れることがあります。貧血(めまい・倦怠感・顔色不良)が最初のサインとなる場合もあります。

「大腸がんで熱が出ることはあるのか」

大腸癌そのもの、あるいはがんに伴う炎症・感染(腸閉塞による腸炎・穿孔など)によって発熱が起こることがあります。腫瘍熱(がん細胞が産生するサイトカインなどによる発熱)が原因となることもありますが、発熱の原因は多岐にわたるため、大腸癌との関連を自己判断するのは困難です。発熱が続く場合は医療機関への相談をお�めします。


大腸癌が疑われるときに行う検査

便潜血検査と大腸内視鏡検査

大腸癌のスクリーニング(ふるい分け検査)として広く行われているのが「便潜血検査(2日法)」です。陽性となった場合、、次のステップとして大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が推奨されます。大腸内視鏡検査は腸管内を直接観察でき、疑わしい病変があればその場で組織を採取する生検(せいけん)が可能です。

病理検査で診断を確定する流れ

採取した組織は病理検査(顕微鏡によるがん細胞の確認)に回されます。この病理診断の結果をもって「大腸癌である」と確定します。内視鏡検査の映像だけでは確定診断にはなりません。

CTなどの画像検査で広がりをみる理由

大腸癌と診断された後は、CT検査などでリンパ節転移・遠隔転移の有無を確認し、病期(ステージ)を判断します。ステージによって手術・薬物療法・放射線療法などの治療方針が決まるため、画像検査は非常に重要な工程です。


大腸癌の原因・関連しやすい要因

年齢、生活習慣、家族歴

大腸癌のリスクとして、加齢・高脂肪食・赤身肉や加工肉の過剰摂取・飲酒・喫煙・肥満・運動不足などの生活習慣が挙げられます。また、家族に大腸癌の方がいる場合や、遺伝性大腸癌(家族性腺腫性ポリポーシス・リンチ症候群など)に該当する場合はリスクが高まる可能性があります。

大腸ポリープとの関係

大腸ポリープ(とくに腺腫性ポリープ)の一部は時間をかけて癌化することが知られており、定期的な内視鏡検査によるポリープの発見・切除が大腸癌予防につながると考えられています(日本癌治療学会 がん診療ガイドライン参照)。

すべての人に当てはまるわけではないこと

これらの要因はリスクを高める可能性を示すものであり、当てはまる要因がなくても大腸癌になることはあります。逆に要因が重なっていても大腸癌にならない方も多くいます。リスクの高低にかかわらず、定期的な検診が勧められます。


公的データでみる大腸癌

日本で多いがんであること

国立がん研究センター がん情報サービス「最新がん統計(2025年版)」によると、大腸がん(結腸がん+直腸がん)は男女合わせた罹患数で第1位(2019年データ)となっており、死亡数でも上位に位置しています。

好発部位や統計を見るときの注意点

統計上の割合は特定の集団・調査年・集計方法に基づくものです。個々の患者さんの状況は統計とは異なります。また、医療技術の進歩に伴い統計数値も更新されますので、最新情報は国立がん研究センター がん情報サービス(https://ganjoho.jp/)でご確認ください。

統計は個々の予後を示すものではないこと

生存率などの統計データはあくまで集団の傾向を示すものであり、個々の患者さんの予後を直接示すものではありません。治療の見通しについては主治医から詳しく説明を受けることが重要です。


受診・相談の目安

便に血が混じる、便潜血陽性が続くとき

  • 便に鮮血・黒色の血液が混じる、または便が赤黒い
  • 健診の便潜血検査で陽性が出た(1回でも要精密検査)

「痔だろう」と自己判断せず、必ず消化器内科・外科を受診し、大腸内視鏡検査の必要性を確認してください。

便通異常や腹痛が長く続くとき

  • 2〜3週間以上続く便秘・下痢、または便通の急激な変化
  • 腹痛・腹部膨満・残便感が持続する
  • 体重が短期間で著しく減少している(明確な原因なく)

緊急受診を考える症状

以下の症状がある場合は速やかに救急受診をご検討ください。

  • 急激で激しい腹痛(腸管穿孔・腸閉塞の可能性)
  • 大量の血便・真っ黒な便(タール便)
  • 腹部が板のように硬く張っている

📅 ご予約・ご相談はこちらからお気軽にどうぞ


🏥 当院での診療から

当院(AIプラスクリニックたまプラーザ)は消化器内視鏡センターを備え、鎮静下(眠った状態に近い状態)での胃・大腸内視鏡検査を日常的に実施しています。便潜血陽性や血便の相談を受けた際には、患者さんの状態を丁寧に確認した上で、大腸内視鏡検査の必要性・実施時期・前処置の方法をわかりやすくご説明しています。

検査の結果、早期がんや精密な治療が必要な所見が認められた場合は、速やかに地域の基幹病院へ紹介し、地域連携クリティカルパスを活用して術後のフォローアップを担当します。また、在宅療養支援診療所として在宅緩和ケアや看取りにも対応しており、治療の各段階で患者さんとご家族に寄り添う体制を整えています。「何か気になる症状があるが、どこに相談すればよいかわからない」という段階からでも、まずはご相談ください。


❓ よくある質問(FAQ)

大腸癌は初期症状がないことがありますか

はい、あります。とくに右側の結腸(上行結腸など)では腸管の内径が大きく、腫瘍が進行しても症状が現れにくいことがあります。自覚症状がなくても、定期的な便潜血検査や内視鏡検査が早期発見に有効とされています。

大腸癌はどの部位にできやすいですか

S状結腸と直腸(直腸S状部を含む)に集中して発生しやすく、合わせて大腸癌全体の60〜70%程度を占めるとされています。ただし、上行結腸・横行結腸など他の部位にも発生するため、大腸全体を観察できる内視鏡検査が重要です。

便潜血陽性なら必ず大腸癌ですか

いいえ、そうではありません。便潜血陽性は痔核・ポリープ・炎症性腸疾患などでも起こります。ただし、大腸癌の可能性を否定するためにも、陽性の場合は精密検査(大腸内視鏡検査)を受けることが推奨されています。

大腸がんで熱が出ることはありますか

がん自体や、がんに伴う感染・炎症によって発熱(腫瘍熱)が起こることはあります。ただし、発熱の原因は多岐にわたるため、発熱のみで大腸癌を疑うことは難しく、他の症状や検査結果を合わせて総合的に判断します。発熱が続く場合は医療機関での評価をお勧めします。

診断後はまず何をすればよいですか

主治医から病期・治療方針の説明を受け、不明点は遠慮なく質問することが大切です。必要に応じてセカンドオピニオンを求めることも選択肢の一つです。治療には複数の診療科が関与することがあるため、連携のとれた医療機関での対応が安心です。当院でも、診断後の方針相談や専門病院への紹介に対応しています。


関連記事


参考文献・出典


👨‍⚕️ 本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)

医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医

専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:

1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:

厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。


🏥 AIプラスクリニックたまプラーザのご案内

たまプラーザで内科・消化器の気になる症状がある方へ。便潜血陽性・血便・便通の変化など、受診の目安や検査についてお気軽にご相談ください。

📅 ご予約・お問い合わせ

📞 TEL: 045-909-0117(横浜市青葉区・たまプラーザ)

初診の際は、保険証・お薬手帳・(お持ちであれば)健診結果や紹介状をご用意いただくとスムーズです。ご予約はWebまたはお電話で承ります。


⚠️ 免責事項

本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状や治療についての判断は、必ず主治医・専門医にご相談ください。記載内容は公開時点の公的情報・診療ガイドラインに基づいており、最新情報は国立がん研究センター「がん情報サービス」等でご確認ください。

AIプラスクリニックたまプラーザ
こんにちは!ご質問にお答えします。

・診療時間や予約方法
・アクセス方法
・診療科目について

サイト内の記事も参考に回答しますので、お気軽にお尋ねください。