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大腸がんの原因|内科医がわかりやすく解説

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大腸がんの原因|内科医がわかりやすく解説

大腸がんの原因は、加齢・食生活・肥満・喫煙・飲酒・遺伝など複数のリスク因子が重なって発症するとされています。「原因を正しく知ること」は、日々の生活習慣を見直し、早期発見につなげる第一歩です。この記事では、消化器外科専門医の監修のもと、大腸がんのリスク因子や予防のポイントをわかりやすく解説します。


大腸がんの原因とは?まず知っておきたい基本

大腸がんはどんな病気か

大腸がんは、大腸(結腸・直腸)の粘膜に生じる悪性腫瘍です。日本では男女ともに罹患数が多く、国立がん研究センターのデータによれば、男性では罹患数第2位、女性では第1位に位置するがん種です。早期であれば内視鏡的な切除が可能なケースもあるため、定期的な検診と早期発見が重要とされています。

「原因」と「リスク因子」の違い

医学的な「原因」とは、それが確実に疾患を引き起こすと証明された要素を指します。一方「リスク因子」は、その要素があると発症確率が上がるとされるもので、必ずしも全員が発症するわけではありません。大腸がんの場合、単一の「原因」で発症するというよりも、複数のリスク因子が積み重なることで発症リスクが高まると考えられています。

大腸がんの主な原因・リスク因子

加齢

大腸がんは50歳以降から罹患率が高くなる傾向があります。細胞の遺伝子変異が積み重なるまでに時間を要するため、年齢はリスクに大きく関わります。

食生活の乱れ

赤肉(牛・豚・羊など)や加工肉(ハム・ソーセージなど)の過剰摂取は、大腸がんリスクを高めるとする研究が国際的に報告されています(IARC=国際がん研究機関のレポートなど)。一方、食物繊維や野菜・果物の摂取はリスク低減との関連が示唆されています。

肥満・運動不足

肥満(特に内臓脂肪型)は、インスリン抵抗性や慢性炎症を介して大腸がんリスクを高める可能性があるとされています。また、身体活動量が少ないこともリスク因子の一つです。

喫煙

たばこに含まれる発がん性物質は腸管にも影響を及ぼすとされ、喫煙者は非喫煙者に比べて大腸がんリスクが高まるとする報告があります。

飲酒

アルコールの過剰摂取は大腸がんとの関連が指摘されています。飲酒量が多いほどリスクが高まる傾向があるとする疫学的知見が蓄積されています。

家族歴・遺伝的要因

一親等(親・兄弟・子)に大腸がん患者がいる場合、リスクが高まるとされています。また、家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)やリンチ症候群などの遺伝性疾患では、大腸がんの発症リスクが著しく高くなります。家族歴がある方は、早めに医師に相談されることをお勧めします。

大腸ポリープの既往

大腸ポリープ(腺腫)の一部はがん化することがあります。以前にポリープを指摘された方は、定期的なフォローアップが重要です。

炎症性腸疾患などの持病

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患では、長期にわたる慢性炎症が大腸がんのリスクを高めることが知られています。罹患期間が長いほど注意が必要とされています。

大腸がんになりやすい人の特徴

年齢が上がるほど注意したい理由

50歳以上から罹患率が上昇するため、この年代からは特に定期検診を意識することが大切です。

生活習慣で当てはまりやすいポイント

赤肉・加工肉を頻繁に食べる、野菜が少ない、運動習慣がない、喫煙・多量飲酒が続いているといった生活習慣が複数重なる方は、リスクが上がりやすいとされています。

こうした人は定期的な検診が重要

家族歴がある方、以前にポリープを指摘された方、炎症性腸疾患がある方は、医師と相談のうえ定期的な大腸内視鏡検査などを検討することが勧められます。

大腸がんを予防するためにできること

食事で意識したいこと

食物繊維を含む野菜・豆類・全粒穀物を積極的に摂り、赤肉・加工肉の摂取量を適切な範囲に抑えることが勧められます。バランスのよい食事を心がけましょう。

運動習慣をつくる

ウォーキングや軽いジョギングなど、週150分以上の中等度の有酸素運動が推奨されています(厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」参照)。無理のない範囲で継続することが大切です。

禁煙・節酒を心がける

禁煙は大腸がんを含む多くのがん種のリスク低減につながるとされています。飲酒は「適量」を守り、休肝日を設けることも一つの方法です。

便通異常を放置しない

便秘・下痢・血便などが続く場合は、早めに医師に相談しましょう。自己判断で様子を見続けることは避けることをお勧めします。

検診を受けることの大切さ

市区町村が実施する大腸がん検診(便潜血検査)の受診は、早期発見のために有効な手段の一つです。対象年齢になったら積極的に受診しましょう。

こんな症状があれば受診を検討

血便・便潜血がある

便に血が混じる、あるいは健診で便潜血陽性を指摘された場合は、速やかに消化器内科・内科を受診することが重要です。

便秘と下痢を繰り返す

排便リズムの変化が続く場合も、消化器疾患のサインである可能性があります。

便が細くなった

大腸に腫瘍ができると腸管が狭くなり、便が細くなることがあります。気になる変化があれば医師にご相談ください。

体重減少や貧血がある

原因不明の体重減少や貧血が続く場合は、消化器疾患の精査を行うことが推奨されます。

早期発見のために知っておきたい検査

便潜血検査

便に血液が混入していないかを調べる検査で、大腸がん検診の一次スクリーニングとして広く用いられています。痛みがなく自宅で採取できるため、受診のハードルが低い検査です。

大腸内視鏡検査

内視鏡を大腸内に挿入し、粘膜を直接観察する検査です。ポリープが見つかった場合はその場で切除できるケースもあり、早期発見・早期治療に大きく貢献します。なお、腸閉塞など腸の緊急症状については腸閉塞とは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】もご参照ください。

医師の診察が必要なケース

便潜血陽性、持続する消化器症状、家族歴がある方などは、自己判断せず医師の診察を受けることをお勧めします。ご予約・お問い合わせよりお気軽にご相談ください。

大腸がんの原因についてよくある誤解

「便秘だけが原因」ではない

便秘が大腸がんと関連する可能性は研究されていますが、便秘だけが直接の原因とは言い切れません。前述のように、複数のリスク因子が重なることが重要です。大腸の憩室(小さなくぼみ)が腸内環境に影響する場合もあり、大腸憩室炎とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】も合わせてご覧ください。

「若いから安心」とは言い切れない

大腸がんは中高年に多いですが、近年は40代以下での発症例も報告されています。年齢を問わず、気になる症状があれば受診することが大切です。

食事だけで決まるわけではない

食事はリスク因子の一つではありますが、遺伝・加齢・その他の生活習慣も複合的に関わります。「食事に気をつけているから大丈夫」と過信せず、定期的な検診を受けることが重要です。

医師からのメッセージ

原因を知ることは予防と早期発見につながる

大腸がんは、リスク因子を正しく理解し生活習慣を見直すことで、ある程度リスクを下げられる可能性があります。また、早期に発見されれば治療の選択肢が広がるとされています。定期検診を受ける習慣をぜひ身につけてください。

気になる症状があれば自己判断せず相談を

「なんとなく気になる症状がある」という段階でも、受診のハードルを気にしすぎる必要はありません。些細な変化でも、医師に相談することが早期発見への近道です。

よくある質問(FAQ)

大腸がんの原因は1つに絞れますか?

大腸がんは単一の原因で発症するというよりも、加齢・食生活・遺伝・肥満・喫煙・飲酒など複数のリスク因子が複合的に関わって発症するとされています。

便秘が続くと大腸がんになりますか?

便秘と大腸がんの関連は研究されていますが、便秘が直接大腸がんを引き起こすとは言い切れません。ただし、便通の変化が続く場合は消化器疾患のサインである可能性があるため、医師への相談をお勧めします。

遺伝だけで大腸がんになりますか?

家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)やリンチ症候群などの遺伝性疾患では発症リスクが高まりますが、遺伝的要因だけで必ず発症するわけではありません。遺伝的リスクがある方は、専門医に相談のうえ適切なフォローアップを受けることが大切です。

健康診断で異常がなくても安心できますか?

一般的な健康診断の項目によっては大腸がんを発見できない場合があります。大腸がんのリスクがある方や50歳以上の方は、便潜血検査や大腸内視鏡検査を別途受けることをご検討ください。

大腸がんを完全に予防する方法はありますか?

現時点で「完全に予防できる方法」はありません。ただし、食生活の改善・運動・禁煙・節酒・定期検診といった取り組みにより、発症リスクを下げたり早期発見の可能性を高めたりすることが期待されます。

何科を受診すればよいですか?

血便・便通異常・腹部の違和感などの症状がある場合は、消化器内科または内科を受診することをお勧めします。まずはかかりつけ医や近隣のクリニックにご相談ください。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)

医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:
厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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