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憩室とは?原因・症状・対処を内科医が解説

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憩室とは?原因・症状・対処を内科医が解説

消化管の壁の一部が袋状に飛び出した構造を「憩室(けいしつ)」といいます。多くの場合は無症状で経過しますが、炎症や出血を起こすと治療が必要になることがあります。本記事では、憩室の基本的なしくみから原因・症状・受診の目安まで、消化器専門医の監修のもとわかりやすく解説します。


憩室とは?まず知っておきたい基本

憩室の意味とできるしくみ

憩室とは、食道・胃・小腸・大腸などの消化管の壁の一部が外側に向かって袋状に突き出した状態を指します。腸管内の圧力が高まったとき、壁の筋層が薄い部分や血管が貫通している箇所から粘膜が押し出されることでできると考えられています。

憩室ができやすい部位

日本で最も多いのは大腸(とくに右側=上行結腸・盲腸)の憩室です。欧米では左側(S状結腸)が多い傾向があり、食生活の違いが関係するとされています。小腸ではメッケル憩室が代表的です。

大腸憩室とメッケル憩室の違い

大腸憩室は主に加齢や食生活を背景に後天的に形成される「仮性憩室(偽性憩室)」です。一方、メッケル憩室は胎生期に腸と卵黄嚢をつなぐ管が遺残した先天性の真性憩室であり、原因・性質・治療方針が大腸憩室とは異なります。詳しくは メッケル憩室とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】 をご参照ください。

憩室の主な原因・リスク要因

加齢との関係

大腸憩室は加齢とともに増えることが知られています。腸管壁を支える結合組織が弱くなり、内圧がかかりやすくなるためと考えられています。50歳以上で発見率が高まるとされています。

食生活や便秘との関係

食物繊維の不足や便秘は腸管内圧を上昇させ、憩室形成を促すリスク要因とされています。欧米型の低食物繊維食が普及した国で大腸憩室が増える傾向があることは、複数の疫学研究で報告されています。

体質・生活習慣との関係

肥満・運動不足・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の長期服用なども憩室炎の発症リスクに関係するとする報告があります。ただし、個人差が大きく、特定の要因だけで発症が決まるものではありません。

憩室があっても症状がないことはある?

無症状で見つかるケース

憩室の多くは無症状であり、健診の大腸内視鏡検査やCT検査で偶然発見されることが少なくありません。

偶然見つかる検査結果とは

大腸がん検診や腹部CT、バリウム注腸検査の際に「憩室があります」と報告されても、炎症や出血がなければ緊急的な処置は通常必要ありません。ただし、定期的なフォローと生活習慣の見直しが大切です。

憩室で起こりうる主な病気

大腸憩室症

大腸に複数の憩室が存在する状態を大腸憩室症といいます。それ自体は病気ではありませんが、炎症(憩室炎)や出血(憩室出血)を合併すると治療が必要になります。詳しくは 大腸憩室炎とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】 をご覧ください。

憩室炎

憩室の袋の中に腸内細菌が増殖し、炎症を起こした状態です。腹痛・発熱・吐き気などを引き起こします。

憩室出血

憩室の壁を走る血管が傷つくことで、血便として出血することがあります。自然に止まる場合もありますが、大量出血では早期の対応が必要です。

メッケル憩室炎

メッケル憩室に炎症が起きた状態です。しばしば急性虫垂炎と似た症状を呈するため、診断が難しい場合があります。小児に多いとされますが成人でも起こりえます。詳細は メッケル憩室とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】 をご参照ください。

憩室炎の症状と受診の目安

腹痛・発熱・吐き気などの代表的な症状

憩室炎の代表的な症状は、腹痛(特に左下腹部または右下腹部)・発熱・吐き気・食欲低下です。便秘や下痢を伴うこともあります。

こんな症状があれば早めに受診を

  • 腹痛が数時間以上続く
  • 38℃以上の発熱を伴う
  • 血便がある

これらが見られた場合は、早めに内科・消化器内科を受診することをお勧めします。

緊急受診が必要なサイン

  • 突然の激しい腹痛(腸管穿孔の可能性)
  • 腹部全体の板のような硬さ(腹膜炎のサイン)
  • 意識がぼんやりする、ぐったりする

上記のような症状がある場合は、ただちに救急外来を受診してください。

憩室はどのように診断する?

問診・診察で確認すること

腹痛の部位・性質・発症時期・発熱の有無・排便の変化などを確認します。

血液検査・CT・内視鏡検査

血液検査では炎症反応(CRP・白血球数)を確認します。CTは炎症の範囲や合併症の評価に有用です。内視鏡検査は出血源の確認や止血処置に用いられます。

症状や部位によって検査が変わる理由

急性炎症期の内視鏡検査は穿孔リスクがあるため、炎症が落ち着いた後に行うことが一般的です。担当医が症状・経過に応じて適切な検査を選択します。

憩室が見つかったときの対処法

症状がない場合の基本的な考え方

無症状の憩室は特別な治療を必要としないことがほとんどです。食物繊維を意識した食事・便秘予防・定期的な健診の継続が基本となります。

憩室炎や憩室出血がある場合の治療

軽症の憩室炎では、外来での抗菌薬投与・食事制限で経過を見ることがあります。出血がある場合は内視鏡的止血術が行われることもあります。

入院や手術が必要になることはある?

腹膜炎・腸閉塞・腸管穿孔を合併した場合や、大量出血が止まらない場合は入院・手術が検討されます。なお、憩室と腸閉塞の関係については 腸閉塞とは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】 もあわせてご参照ください。

日常生活で気をつけたいこと

食事で意識したいポイント

食物繊維(野菜・海藻・豆類・全粒穀物など)を積極的に摂ることで、腸管内圧の上昇を抑える効果が期待されます。水分補給もあわせて意識しましょう。

便秘対策と生活習慣の見直し

適度な運動・規則正しい排便習慣・水分摂取が便秘予防につながります。下剤の使用が必要な場合は、自己判断より医師・薬剤師に相談することをお勧めします。

再発予防のためにできること

憩室炎を一度起こした方は再発リスクがあります。主治医の指示に従い、フォローアップ検査を続けることが大切です。

受診の流れと相談先

まずは内科・消化器内科へ

腹痛や血便が気になる場合は、まず内科または消化器内科へご相談ください。問診・血液検査・CT検査などを経て方針が決まります。

どのようなときに救急外来を検討するか

強い腹痛・高熱・血便が急激に悪化する場合は、救急外来への受診を検討してください。

たまプラーザで憩室について相談したい方へ

当院でご相談いただける症状

腹痛・血便・発熱・便通の変化・健診で憩室を指摘された方など、幅広い症状・お悩みにご対応しています。

診察時に持参するとよい情報

  • 保険証・お薬手帳
  • 健診結果・紹介状(お持ちの場合)
  • 症状が始まった時期・場所・性質のメモ

お気軽に ご予約・お問い合わせ よりご連絡ください。

よくある質問(FAQ)

憩室は治りますか?

一度できた憩室(袋状の突出)が自然に消えることは基本的にありません。ただし、炎症や出血といった合併症は適切な治療で改善できることが多く、無症状の憩室は日常生活に支障をきたさないことがほとんどです。

憩室があると必ず症状が出ますか?

症状が出ない方のほうが多いとされています。憩室を持つ方のうち実際に炎症や出血を起こす割合は一部にとどまると報告されています。

憩室がある人は食事制限が必要ですか?

無症状の場合、特定の食品を厳しく制限する必要はないとされています。ただし、食物繊維を意識した食生活・便秘予防は引き続き大切です。炎症を起こした際は医師の指示に従った食事管理が必要です。

憩室炎は再発しますか?

再発することがあります。生活習慣の見直しや定期的なフォローアップが再発予防に役立つとされています。頻繁に再発する場合は、外科的治療が検討されることもあります。

メッケル憩室炎は大腸憩室炎と違いますか?

はい、原因・発症の仕組み・好発年齢・治療方針が異なります。メッケル憩室は先天性で小腸(回腸)にできる真性憩室であり、炎症を起こした場合は多くの場合手術が選択されます。大腸憩室炎とは別の疾患として扱われます。

どんな症状ならすぐ受診すべきですか?

突然の激しい腹痛・腹部全体の硬直・大量の血便・高熱とともに腹痛が急速に悪化する場合は、ためらわず救急外来を受診してください。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)

医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割: 厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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