オンライン予約はこちら

大腸がんとは?症状・進行・検査の基本をやさしく解説

大腸がんとは?症状・進行・検査の基本をやさしく解説

大腸がんとは|症状・検査・治療・生活までを医師監修で解説する総合ガイド 大腸がんの基礎知識・全体像|押さえておきたい要点を医師監修で解説 (本記事)

大腸がんは、日本で罹患数の多いがんのひとつです。国立がん研究センター「がん情報サービス」の統計(2019年データ)によると、大腸がんの罹患数は男女合計で約15万人にのぼり、日本人にとって身近ながんといえます。一方で、早期に発見できれば治療の選択肢が広がりやすい特徴もあります。この記事では、大腸がんの基本的な知識——できやすい場所・主な症状・進行の流れ・検査の考え方——をわかりやすく整理します。気になる症状がある場合は、自己判断せず医師にご相談ください。


大腸がんとは?まず知っておきたい基本

大腸がんができる場所と種類(結腸がん・直腸がん)

大腸は、消化管の最後の部分で全長約1.5〜2mの管状の臓器です。小腸に続く結腸(上行・横行・下行・S状結腸)と、肛門に近い直腸に分かれており、それぞれの部位にがんができることがあります。がんが結腸にできたものを結腸がん、直腸にできたものを直腸がんと呼びます。統計的には、S状結腸と直腸に発生するケースが全体の約60〜70%を占めるとされています(国立がん研究センター がん情報サービスより)。

大腸がんの多くは腺がん(腺組織由来の悪性腫瘍)で、大腸の粘膜細胞が悪性化して発生します。ごくまれに神経内分泌腫瘍や扁平上皮がんなど別の組織型が見られますが、一般的に「大腸がん」という場合は腺がんを指すことがほとんどです。

ほかのがんと比べたときの位置づけ

国立がん研究センター がん統計によると、大腸がんは男性では罹患数第3位(2019年)、女性では第1位に位置しています。死亡数でも男女合計で肺がんに次ぐ上位に入ります。一方、比較的ゆっくり進行する傾向があるため、検診や早期発見の取り組みが予後に大きく影響するがんとも言われています。


大腸がんの主な症状

便に血が混じる・便潜血検査で指摘される

便に血が混じる(血便・下血)は、大腸がんの代表的なサインのひとつです。直腸に近いがんでは鮮血として見えやすく、右側の結腸にできた場合は血液が変色して暗い色になるか、便に目立たない形で混じることがあります。

便が細くなる、便秘や下痢が続く

腸管の内腔(ないくう:腸の通り道)が腫瘍によって狭くなると、便が細くなったり、便秘と下痢が交互に繰り返されたりすることがあります。特に数週間以上続く場合や、以前と明らかに排便のパターンが変わった場合は注意が必要です。

腹痛・おなかの張り・残便感

腸が部分的に閉塞(へいそく:詰まること)に近い状態になると、腹痛やおなかの張り(腹部膨満感)が現れることがあります。また、排便後も便が残っている感じ(残便感)が続く場合も、直腸周辺の腫瘍が関与している可能性があります。

便失禁やおならがよく出るときに考えたいこと

直腸やS状結腸にがんができると、腸の動きや括約筋への影響から便失禁(意図せずに便が漏れること)や、おならがよく出るといった症状が現れることがあります。こうした症状は痔や過敏性腸症候群でも起こるため、大腸がんと決めつけることはできませんが、症状が続く場合は消化器科への相談をお勧めします。

症状が出ないこともある理由

大腸がんは、特に早期の段階では自覚症状がほとんどない場合があります。大腸は比較的太い管であるため、腫瘍がある程度大きくなるまで腸閉塞や出血が起きにくい構造です。このため、定期的な便潜血検査や内視鏡検査が早期発見につながります。


大腸がんの進行と広がり方

早期がんと進行がんの違い

大腸がんは、腫瘍が大腸の壁のどの深さまで達しているかで「早期がん」と「進行がん」に大別されます。粘膜内にとどまるものを早期がん、粘膜下層より深く浸潤したものを進行がんと呼ぶことが多いです。

大腸の壁からリンパ節・他臓器へ広がる流れ

がんが壁の深部に及ぶにつれ、近くのリンパ節(免疫細胞が集まる小さな組織)に転移したり、血流を通じて肝臓・肺などの遠隔臓器に転移したりする可能性が高まります。リンパ節や他臓器への広がりの有無が、治療方針を決める重要な要素になります。

進行度(ステージ)で何が変わるのか

大腸がんの進行度は、一般にステージ(病期)0〜IVの5段階で分類されます。

ステージ 主な状態
0 がんが粘膜内にとどまる
I 粘膜下層〜固有筋層までの浸潤
II 固有筋層を超えるが、リンパ節転移なし
III リンパ節への転移あり
IV 肝臓・肺など遠隔臓器への転移あり

ステージは統計的な予後の目安になりますが、統計値は集団全体のデータであり、個々の患者さんの状況に直接当てはまるものではありません。治療の進歩も続いており、担当医と十分に話し合うことが大切です。


大腸がんの検査の基本

便潜血検査とは

便に血液が混じっていないかを調べる検査です。2日分の便を採取して提出する方法が一般的で、特定健診(特定健康診査)や職域健診に組み込まれています。痛みのない簡便な検査ですが、あくまでスクリーニング(ふるい分け)であり、陽性であっても必ずしも大腸がんとは限りません。

大腸内視鏡検査でわかること

肛門からカメラ(スコープ)を挿入し、大腸の内側を直接観察します。ポリープやがんの疑いのある病変を発見でき、その場で組織を採取(生検)することも可能です。便潜血検査で陽性と判定された場合の精密検査として推奨されています。大腸がんの特徴とは?便の変化や進行時に見られるサインでも、内視鏡検査の意義について詳しく触れています。

生検・病理検査で確定診断する流れ

内視鏡検査で採取した組織を顕微鏡で詳しく調べる(病理検査)ことで、がんかどうかを確定します。がんと確定した後は、がんの組織型や分化度(悪性度)の評価も行われます。

CTなどの画像検査が必要になる場面

がんの広がりやリンパ節・他臓器への転移の有無を調べるために、CT検査(コンピュータ断層撮影)やMRI検査(磁気共鳴画像)が用いられます。治療方針を決めるうえで欠かせない検査です。


大腸がんが疑われるときに気をつけたいサイン

受診を急いだほうがよい症状

  • 大量の血便・下血が続く
  • 便が全く出ない・強い腹痛がある(腸閉塞の疑い)
  • 体重が急激に減った
  • 著しい倦怠感・貧血症状(顔色が悪い、息切れ)

症状が軽くても検査が必要なケース

  • 便潜血検査が陽性と指摘された
  • 1〜2週間以上、排便の性状や回数が変わっている
  • 50歳以上で大腸がんや大腸ポリープの家族歴がある
  • 大腸ポリープを過去に指摘されたことがある

大腸がんの原因・リスク要因

年齢、生活習慣、家族歴との関係

大腸がんのリスクは50歳以降から上昇する傾向があります。生活習慣面では、赤肉・加工肉の過剰摂取、飲酒、喫煙、運動不足、肥満(特に男性)がリスク要因として指摘されています(国立がん研究センター がん情報サービスより)。また、1親等以内に大腸がんや大腸ポリープの家族歴がある場合もリスクが高まるとされています。

ポリープとの関係

大腸がんの多くは、腺腫性ポリープ(腺腫:良性の腺組織の増殖)ながん化によって発生すると考えられています。ポリープの段階で切除することで、がんへの進展を防ぐことができます。結腸がんとは?大腸がんとの違いと主な特徴を解説も参考にしてください。

公的データからみる大腸がんの特徴

国立がん研究センター がん統計(2023年公表)によると、大腸がんの5年相対生存率は全ステージ合計で70%台とされています。ただし、この数値はあくまで統計的な参考情報であり、個々の患者さんに当てはまるものではありません。


受診・相談の目安

どの診療科に相談すればよいか

便の変化・血便・腹痛などの症状は、まず消化器内科または外科(消化器外科)を受診することをお勧めします。かかりつけ医がいる場合は、まずそちらに相談して紹介状を書いてもらう方法もあります。

健診で要精密検査といわれたときの流れ

便潜血検査が陽性(要精密検査)と指摘された場合は、速やかに大腸内視鏡検査を受けることが推奨されます。陽性の原因は痔や炎症など大腸がん以外のことも多くありますが、確認のための内視鏡検査は重要です。

すぐ受診を考えたい症状のチェックポイント

血便・下血がある

便が細くなった・排便パターンが変わった

腹痛・腹部膨満感が続く

体重減少・著しい倦怠感がある

便潜血検査で陽性と指摘された

ひとつでも当てはまる場合は、Web予約・お問い合わせをご利用のうえ、早めにご相談ください。


当院での診療から

診察で確認すること

当院では初診時に、便の性状の変化・血便の有無・腹痛の経過・家族歴・既往歴(過去のポリープ指摘など)を丁寧にお聞きします。症状の軽重にかかわらず、「いつから」「どのような変化があるか」を具体的に教えていただくことで、検査の優先度を判断します。

検査の進め方

当院は消化器内視鏡センターを備えており、鎮静剤(眠くなるお薬)を使用した楽な状態での大腸内視鏡検査を日常的に実施しています。便潜血陽性や症状のある方には、できる限り速やかに検査日程を設定し、検査後は結果をわかりやすく説明します。

必要に応じて専門医療機関へつなぐ考え方

内視鏡検査でがんや高度な病変が疑われた場合は、速やかに基幹病院(地域の中核的な大病院)へ紹介します。監修医の佐藤は厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員として地域連携に長年携わっており、術後の外来フォローや在宅療養支援(在宅緩和ケアを含む)においても当院が継続して関わる体制を整えています。安心して次のステップへ進めるよう、患者さんとご家族を丁寧にサポートします。


よくある質問(FAQ)

Q大腸がんは便失禁の原因になりますか

A直腸やS状結腸にできた腫瘍が肛門周辺の括約筋や神経に影響を与えると、便失禁が起こることがあります。ただし、便失禁の原因は痔・骨盤底筋のゆるみ・神経疾患など多岐にわたります。症状が続く場合は、まず消化器科を受診して原因を確認することをお勧めします。

Qおならがよく出るのは大腸がんのサインですか

Aおならがよく出る原因の多くは、食事内容・腸内細菌のバランス・過敏性腸症候群など、がんとは無関係のものです。ただし、腸管が腫瘍で部分的に狭くなると腸内にガスがたまりやすくなることもあります。おならの増加単独でがんと判断することはできませんが、血便・腹痛・排便の変化を伴う場合は受診をご検討ください。

Q便潜血検査が陽性でも大腸がんとは限りませんか

Aはい、陽性の原因は痔・大腸ポリープ・炎症性腸疾患など、大腸がん以外のことが多くあります。一方で、陽性を放置することにはリスクがあります。陽性と判定された場合は、必ず大腸内視鏡検査による精密検査を受けることをお勧めします。

Q大腸がんは早く見つけると治療しやすいですか

A一般に、ステージが早い段階で発見されるほど治療の選択肢が広がりやすいとされています。ただし、これは統計的な傾向であり、個々の患者さんの状況によって異なります。定期的な検診と、症状があれば早めに受診することが大切です。

Qこの記事の情報だけで診断できますか

Aいいえ、できません。本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療の代わりにはなりません。症状や検査結果について判断が必要な場合は、必ず主治医・専門医にご相談ください。


関連記事


参考文献・出典


本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)

医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門: 消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:

1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:

厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。


AIプラスクリニックたまプラーザのご案内

たまプラーザで大腸がんをはじめとする消化器・内科の気になる症状がある方へ。便の変化・血便・腹痛・健診での指摘など、どのような段階のご相談でもお気軽にどうぞ。

ご予約・お問い合わせ

TEL: 045-909-0117(横浜市青葉区・たまプラーザ)

初診の際は、保険証・お薬手帳・(お持ちであれば)健診結果や紹介状をご用意いただくとスムーズです。ご予約はWeb(24時間受付)またはお電話で承ります。


免責事項

本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状や治療についての判断は、必ず主治医・専門医にご相談ください。記載内容は公開時点の公的情報・診療ガイドラインに基づいており、最新情報は国立がん研究センター「がん情報サービス」等でご確認ください。
AIプラスクリニックたまプラーザ
こんにちは!ご質問にお答えします。

・診療時間や予約方法
・アクセス方法
・診療科目について

サイト内の記事も参考に回答しますので、お気軽にお尋ねください。