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進行胃がんの症状とは?見逃しやすい変化を解説

医師監修|進行胃がん症状ガイド

進行胃がんの症状とは?見逃しやすい変化を解説

進行胃がんは、がんが胃壁の深い層まで達した状態を指します。初期のうちは自覚症状がほとんどなく、症状が出てきたときにはすでに進行している、というケースが少なくありません。本記事では、進行胃がんで起こりやすい症状や見逃しやすい変化、受診を考えたいサインを、公的情報源をもとにわかりやすく解説します。症状の有無にかかわらず、気になることがあれば早めに医療機関にご相談ください。なお、診断・治療方針は必ず主治医・専門医にご確認いただく必要があります。

この記事のポイント

  • 進行胃がんでは、胃もたれ・食欲不振・体重減少などの変化が出ることがあります
  • 黒い便、吐血、強い腹痛、意識がもうろうとする症状は緊急受診を考えます
  • 症状だけで胃がんかどうかを断定することはできず、内視鏡や画像検査が重要です
  • 症状が軽くても進行している場合があるため、長引く不調は早めの相談が大切です
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。実際の診断・治療方針は、内視鏡検査・病理検査・画像検査などを含めて主治医・専門医が総合的に判断します。

進行胃がんで起こりやすい症状の全体像

初期症状との違いを先に整理

胃がんは進行度によって、早期胃がんと進行胃がんに大別されます(日本胃癌学会『胃癌取扱い規約』)。早期胃がんはがんが粘膜・粘膜下層にとどまるもの、進行胃がんは固有筋層より深くまで浸潤(広がり)しているものです。

早期段階では症状が出にくく、検診の胃カメラや造影検査で偶然発見されることが多い一方、進行胃がんでは胃の機能障害や周囲組織への影響が出始め、さまざまな自覚症状を伴いやすくなります。ただし、症状の強さと進行度は必ずしも一致しません。

症状だけでは胃がんと断定できない理由

胃もたれ・食欲不振・みぞおちの痛みなど、進行胃がんでみられる症状の多くは、胃炎・胃潰瘍・機能性ディスペプシアなど、よくある消化器疾患とも共通しています。症状だけから「胃がんかどうか」を判断することは医師にも困難であり、内視鏡検査や画像検査を組み合わせた客観的な評価が不可欠です。

進行胃がんの症状で見逃しやすい変化

胃もたれ・食欲不振が続く

食後の胃もたれや食欲不振が2〜4週間以上続く場合は、消化器疾患の可能性を考えた受診が望まれます。「疲れやストレスのせい」と放置されやすい症状ですが、腫瘍が胃の動きを妨げることで起こることがあります。

少量で満腹になる

胃の容積や伸展性(広がる能力)が腫瘍の影響で低下すると、少量の食事で満腹感を感じるようになります。食事量が以前より明らかに減っているにもかかわらず体重が落ちている場合は注意が必要です。

みぞおちの痛みや不快感が続く

みぞおちの鈍い痛みや圧迫感が持続する場合も、胃の壁への浸潤や潰瘍形成が関係することがあります。特に夜間や空腹時に増強する場合は早めに受診を検討してください。

吐き気・嘔吐を繰り返す

腫瘍が胃の出口(幽門部)に近い場所にあると、食物の通過が妨げられ、繰り返す嘔吐の原因となることがあります。嘔吐物に血液が混じる場合は緊急性が高い可能性があります。

体重減少やだるさが目立つ

意図しない体重減少(6か月以内に体重の5〜10%以上)、慢性的な疲労感・倦怠感は、がんに伴う全身性の影響(悪液質)として現れることがあります。これらは消化器症状が目立たない場合でも出現することがあるため注意が必要です。

進行するとみられるサイン

黒い便や吐血がある

腫瘍からの出血が消化管内で起こると、胃酸と反応して黒っぽいタール便(墨のような便)として現れます。吐血(血液を吐く)がある場合は出血量が多い可能性があります。いずれも緊急受診が必要です。

貧血の症状が出る

慢性的な消化管出血が続くと、鉄欠乏性貧血を起こします。顔色が悪い、立ちくらみ、息切れ、動悸などの症状として現れ、健康診断の血液検査で初めて指摘されるケースもあります。

食事が通りにくい・飲み込みにくい

食道との接合部(噴門部)付近にがんがある場合、食物が通りにくくなる「嚥下困難」が現れることがあります。固形物から液体へと食べられるものが制限されていく経過に気づいたら、早めの受診が必要です。

お腹の張り、腹水、リンパ節の腫れなどがみられることがある

がんが腹膜に転移すると腹水(お腹に水がたまる状態)が生じ、腹部の張りや体重増加として感じることがあります。また、鎖骨上窩(首の付け根あたり)のリンパ節が腫れる場合(ウィルヒョウ転移)は、遠隔転移の存在を示すサインとして知られています。これらは進行した状態でみられることが多いサインです。

スキルス胃がんの症状は?気づきにくいサインを解説も参考にしてください。スキルス胃がんは腹膜播種を起こしやすく、腹水が比較的早期から出現することがあります。

胃がんの症状が出にくいこともある

症状が軽くても進行している場合がある

国立がん研究センター がん情報サービスは、胃がんは早期段階では自覚症状に乏しいことが多いと説明しています。症状の強さと腫瘍の大きさや進行度は必ずしも一致しないため、「症状が軽いから大丈夫」と判断することは危険です。

胃癌早期症状との違い

早期胃がんは粘膜に限局しているため、症状が出ることはまれです。胃がんの初期サインについては胃がんの症状とは?初期サインと受診の目安を解説も併せてご覧ください。初期と進行の症状の違いを理解することが、早期発見への第一歩です。

受診・相談の目安

どの症状があれば早めに受診すべきか

下記のような症状が2週間以上続く場合、または急に現れた場合は消化器内科・内科への受診を検討してください。

症状 受診を考えるタイミング
胃もたれ・食欲不振 2週間以上続く場合
みぞおちの痛み・不快感 繰り返す・改善しない場合
食後の嘔気・嘔吐 繰り返す場合
少量での満腹感 急に出現・増悪する場合
意図しない体重減少 6か月で5〜10%以上の減少
倦怠感・慢性疲労 原因不明で続く場合
黒い便・血便 気づいたらすぐに受診
吐血 直ちに救急受診

救急受診を考える症状

  • 吐血(血を吐く)がある
  • 黒いタール状の便が多量に出る
  • 激しい腹痛で動けない
  • 意識が朦朧とする

胃がんチェックとして検討される検査

気になる症状がある方は、まずかかりつけ医や消化器内科に相談し、以下の検査の必要性をご確認ください。詳細は後述の「胃がんの診断で行われる主な検査」をご参照ください。

ご予約・お問い合わせはこちらから、当院にもお気軽にご相談いただけます。

胃がんの診断で行われる主な検査

胃内視鏡検査

口や鼻からカメラを挿入し、胃の内壁を直接観察する検査です(上部消化管内視鏡検査、いわゆる「胃カメラ」)。病変の有無・性状を確認でき、同時に組織を採取(生検)することができます。現在、胃がんの診断においてもっとも重要な検査と位置づけられています(日本胃癌学会『胃癌治療ガイドライン』2021年改訂第6版)。

病理検査

内視鏡で採取した組織を顕微鏡で観察し、がん細胞の有無・組織型を確認します。確定診断に必須の検査です。

CTなどで広がりを調べる検査

CTや超音波検査(エコー)、PET-CTなどを用いて、リンパ節転移・他臓器転移の有無を評価します。がんの病期(ステージ)分類と治療方針の決定に用いられます。

公的データからみる胃がんの基礎知識

日本で胃がんが多い理由と統計の見方

国立がん研究センター がん統計(2022年データ)によると、胃がんは日本における罹患数の多いがんの1つです(男性2位・女性3位)。ヘリコバクター・ピロリ菌感染、食塩・塩蔵食品の過剰摂取、喫煙などがリスク因子として知られています。統計の数値(生存率・罹患率等)は集団全体のデータであり、個々の患者さんに直接当てはまるものではない点にご注意ください。

症状と進行度は一致しないことをどう理解するか

前述のとおり、症状の有無・強さとがんの進行度は必ずしも連動しません。定期的な検診(内視鏡検査またはバリウム検査)が早期発見の重要な手段とされており、厚生労働省のがん検診推進施策においても胃がん検診が位置づけられています。胃がん初期症状チェックで気をつけたい変化とはも参考に、日頃からの変化に気づく習慣を持つことが大切です。

当院での診療から

症状がある方に対してまず確認すること

当院(AIプラスクリニックたまプラーザ)は消化器内視鏡センターを備えており、鎮静下(うとうとした状態)での胃・大腸内視鏡検査を日常的に実施しています。症状のある方が来院された際は、問診で症状の経過・食習慣・服薬歴・ピロリ菌感染の既往などを丁寧に確認したうえで、内視鏡検査の適応を判断しています。「胃カメラは苦手」という方も、鎮静を用いることで身体的・精神的な負担を軽減できる場合がありますので、遠慮なくご相談ください。

主治医と相談しながら進める検査・紹介の流れ

内視鏡検査や生検で早期がんを疑う所見が得られた場合は、速やかに基幹病院へ紹介し、地域連携クリティカルパス(治療・フォローの連携計画)を活用した継続的なサポートを行っています。術後フォローや在宅療養の段階では、在宅療養支援診療所として緩和ケア・訪問診療にも対応しています。「どこに相談すればよいかわからない」という方も、まず当院にお声がけいただければ、状況に応じて適切な医療機関とつなぐご支援ができます。

よくある質問(FAQ)

Q. 胃がんの症状は胃炎や胃潰瘍とどう違いますか

症状だけから区別することは困難です。胃もたれ・みぞおちの痛み・吐き気は、胃炎・胃潰瘍・機能性ディスペプシア・胃がんいずれでも共通して現れます。正確な鑑別には内視鏡検査による直接観察と、必要に応じた生検が必要です。症状が続く場合は受診して確認することをお勧めします。

Q. 症状がなくても胃がんの可能性はありますか

あります。特に早期胃がんは無症状のことが多く、検診(胃カメラ・バリウム検査)で偶然発見されるケースが多数あります。自覚症状がないことは、胃がんがないことの証明にはなりません。定期的な検診の受診が重要です。

Q. 胃もたれだけでも受診したほうがよいですか

2週間以上続く胃もたれ、または市販薬を使っても改善しない場合は、消化器内科・内科への受診をお勧めします。多くの場合は胃炎や機能性ディスペプシアなど良性疾患ですが、念のため確認することが大切です。

Q. 進行胃がんはどのくらい早く悪化しますか

胃がんの進行速度は、がんの組織型(腸型・びまん型など)や個人差によって大きく異なります。一概に「○か月で○ステージ進む」とは言えません。スキルス胃がんのように比較的短期間で進行しやすい組織型がある一方、ゆっくり経過する場合もあります。個別の状況については、必ず主治医にご確認ください。

Q. 何科を受診すればよいですか

まずは内科または消化器内科への受診をお勧めします。「どこに行けばよいかわからない」という場合は、かかりつけ医への相談も有効です。当院でも初診のご相談を承っています。

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参考文献・出典

本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)

医師・医学博士/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医

専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴

1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割

厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

AIプラスクリニックたまプラーザのご案内

たまプラーザで内科・消化器の気になる症状がある方へ。胃もたれ・食欲不振・みぞおちの痛みなど、気になる症状の受診の目安や検査についてお気軽にご相談ください。

受診前のご案内

初診の際は、保険証・お薬手帳・(お持ちであれば)健診結果や紹介状をご用意いただくとスムーズです。ご予約はWebまたはお電話で承ります。

Web予約:https://aiplusclinic-tamaplaza.com/reservation/
TEL:045-909-0117(横浜市青葉区・たまプラーザ)

免責事項

本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状や治療についての判断は、必ず主治医・専門医にご相談ください。記載内容は公開時点の公的情報・診療ガイドラインに基づいており、最新情報は国立がん研究センター「がん情報サービス」等でご確認ください。
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