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胆道閉鎖症とうんちの色(緑)|保護者が知っておきたい観察のポイント

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胆道閉鎖症とうんちの色(緑)|保護者が知っておきたい観察のポイント

赤ちゃんのうんちの色を毎日確認していると、「今日は少し緑がかっている」「昨日と色が違う」と気になることがあるかもしれません。緑色の便は多くの場合、授乳の状況や腸の動きによる一時的な変化ですが、なかには胆道閉鎖症という早期発見が重要な病気のサインが隠れていることもあります。

この記事では、胆道閉鎖症と便の色の関係を中心に、保護者の方が自宅で観察する際のポイントや、受診の目安をわかりやすく整理します。なお、記事内で紹介する内容はあくまで一般的な医学情報であり、個々の症状の診断・判断は必ず医師の診察を前提としてください。

記事内の文章はそのまま保持し、読みやすいレイアウトで整理しています。

胆道閉鎖症とは何か

胆道閉鎖症は、肝臓でつくられた胆汁(消化を助ける液体)を腸へ運ぶ通路(胆道)が生まれつきあるいは出生後まもなく閉塞・消失してしまう病気です。日本では出生約1万人に1人の割合で発症するとされており、女児にやや多い傾向があります(日本小児外科学会の情報より)。

治療は手術(葛西手術)が中心となりますが、生後60日以内に手術を行うほど胆汁の流れが回復しやすいとされているため、早期発見が非常に重要です。

胆汁と便の色の関係

胆汁には「ビリルビン」という黄色~茶色の色素が含まれており、これが腸内で変化することで便に黄色・茶色の色がつきます。胆道閉鎖症によって胆汁が腸に届かなくなると、この色素が便に混ざらなくなるため、便が白っぽい・灰白色・クリーム色になるのが特徴的なサインです。

うんちの色と胆汁の関係については、別の記事でも詳しく解説しています。

うんちの色で気をつけたいポイント

緑のうんちは必ずしも異常ではない

赤ちゃんの便が緑色になることは、決して珍しくありません。赤ちゃんのうんちが緑色になる主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 母乳の成分・授乳バランス:前乳(授乳の最初に出る脂肪分の少ない母乳)を多く飲んだ場合に、緑がかった便になることがあります。
  • 腸内通過時間の短縮:腸の動きが活発なとき、胆汁の酸化が進む前に便が排出されるため、黄緑色に見えることがあります。
  • ミルクの種類や成分:ミルクの銘柄や成分によっても色に影響が出ることがあります。

これらの場合、赤ちゃんが元気で哺乳もしっかりできており、その他の症状がなければ、多くは問題のないケースです。

胆道閉鎖症で問題になりやすい便の色

胆道閉鎖症において注意すべきなのは、緑色よりも「色が薄い」「白っぽい」「灰白色・クリーム色」という変化です。これは胆汁が便に届いていない可能性を示すサインであり、見逃されやすい点でもあります。

うんちの色の変化が続く場合は、早めに医療機関へご相談ください。

便色カードで確認したい色の見方

日本では多くの自治体で、乳児健診に合わせて便色カードが配布されています。これは便の色を番号で分類したカードで、番号1〜3(白・灰白色・クリーム色)に近い場合は速やかな受診が推奨されます。

カードと便を自然光の下で比較することが重要で、蛍光灯やスマートフォンの画面越しでは色が正確に判定しにくい場合があります。おむつを替えるたびにカードと見比べる習慣をつけると、変化に気づきやすくなります。

緑色のうんちが見られるときに考えられる主な原因

うんちが緑色になる原因はさまざまです。胆道閉鎖症以外の一般的な要因を以下に整理します。

母乳栄養・ミルク栄養との関連

母乳で育てている赤ちゃんは、ミルク栄養の赤ちゃんと比べて便の色・性状が変わりやすい傾向があります。母乳の成分は授乳のタイミングや母親の食事内容によっても変化するため、緑がかった便が一時的に見られることがあります。

体調や腸の動きによる変化

腸の動きが速まる(蠕動亢進)と、胆汁が腸内を通過する時間が短くなり、胆汁の色素が十分に変化する前に排出されることがあります。このため、便が黄緑〜緑色に見えることがあります。発熱・下痢など体調の変化がある際にもみられます。

胆道閉鎖症を疑うときのサイン

生後2週間を過ぎても黄疸が強い

新生児黄疸は多くの場合、生後2週間以内に軽快します。それ以降も皮膚や白目が黄色い状態が続く・強まる場合は、胆道閉鎖症を含む肝胆道系の異常が疑われるため、受診の目安となります。

尿の色が濃い・便が白っぽい

胆汁が腸に届かない場合、ビリルビンは尿中に排出されるため、尿の色が濃い黄色・茶色になることがあります。この「濃い尿+白っぽい便」の組み合わせは、胆道閉鎖症を疑う重要なサインです。

体重の増え方や機嫌の変化

哺乳量の減少、体重の増加不良、ぐずりが続く・元気がないなどの変化も、体調悪化を示すサインになりうります。母子手帳の体重欄を定期的に記録しておくことで、変化に気づきやすくなります。

受診の目安

便色カードで白色・灰白色に近い場合

便色カードの番号1〜3に近い色の便が確認された場合は、速やかに小児科を受診してください。

緑のうんちでも受診を考えるケース

緑色の便であっても、以下の症状が重なる場合は、小児科への相談をご検討ください。

  • 黄疸が続いている・強くなっている
  • 哺乳量が減っている・飲むのを嫌がる
  • 元気がない・ぐったりしている
  • 発熱がある

すぐに医療機関へ相談したい症状

次のような症状がある場合は、時間をおかず医療機関を受診することをおすすめします。

  • 皮膚や白目が急激に黄色くなる
  • ぐったりして反応が乏しい
  • 嘔吐が続いている
  • 脱水のサイン(尿が出ない、唇・口の中が乾いている)

医療機関で行う主な確認

便色の確認と問診

受診時は、便の色・回数・性状の変化のほか、黄疸の経過、授乳の状況、出生時の体重などを確認します。便の写真や母子手帳を持参すると、より正確な情報を伝えられます。

必要に応じた検査

診察内容や問診の結果によっては、以下のような検査が行われる場合があります。

  • 血液検査(肝機能・ビリルビン値など)
  • 腹部超音波検査(胆嚢・胆管の形態確認)
  • 必要に応じて専門機関への紹介

これらの検査は、胆道閉鎖症の確定診断のみでなく、他の病気との鑑別のためにも行われます。

保護者が自宅でできる観察のポイント

便の色を記録するコツ

  • おむつを替えるたびに自然光の下で便の色を確認する
  • スマートフォンで写真を撮り、日付・時刻を記録する
  • 色・回数・性状(やわらかさ、ニオイなど)と、授乳量・タイミングをメモしておく

受診時に伝えると役立つ情報

  • 便の写真(複数日分あると参考になります)
  • 黄疸の経過(見た目の変化、いつ頃から気になったか)
  • 母子手帳の体重記録
  • 授乳方法(母乳・ミルク・混合)と授乳量の目安

よくある質問

緑のうんちは胆道閉鎖症のサインですか?

緑色の便だけで胆道閉鎖症を判断することはできません。胆道閉鎖症でより重要なサインは、白っぽい・灰白色の便です。緑色の便は多くの場合、授乳状況や腸の動きによるものですが、黄疸の持続や尿の色の変化などが重なる場合は受診をご検討ください。

1回だけ緑だったら様子見でよいですか?

一時的な緑色の便は多くの場合、特別な原因がないこともあります。ただし、黄疸が続いている、哺乳不良、元気がないなどの症状が併存する場合は、様子を見るよりも小児科に相談することをおすすめします。

便色カードはいつまで使うのですか?

便色カードは主に生後3〜4か月頃までの観察に役立てられています。胆道閉鎖症の早期発見において特に重要なのは生後2か月以内の時期であるため、この期間は特に意識して使用することが大切です。

予防はできますか?

現時点では、家庭で確実に胆道閉鎖症を予防する方法は確立されていません。そのため、便色カードを活用した早期発見と、疑わしいサインがある場合の早めの受診が最も重要な対応となります。

まとめ

緑色のうんちは、授乳状況や腸の動きなどによる一時的な変化であることが多く、それ自体が胆道閉鎖症の直接的なサインというわけではありません。

一方で、便が白っぽい・灰白色・クリーム色になっている、黄疸が生後2週間以上続く、尿が濃いといった変化が見られる場合は、早めに小児科へご相談ください。便色カードを活用しながら、毎日のおむつ交換の際に色の変化を習慣的に確認することが、早期発見につながります。

うんちの色うんちの変化全般についても、あわせてご参照いただけます。

受診の目安を再確認

以下のいずれかに当てはまる場合は、小児科への早めの相談をおすすめします。

  • 便が白い・灰白色・クリーム色に見える
  • 生後2週間以上、黄疸が続いている・強くなっている
  • 尿の色が濃い(濃い黄色・茶色)
  • 哺乳が悪い、元気がない、体重が増えていない

気になる変化に気づいたときは、「様子を見すぎず」に医療機関へご相談ください。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 理事長
専門:消化器外科

福島県立医科大学大学院 外科学修了。NTT東日本関東病院や国立病院機構横浜医療センター等で外科医長・救命救急センター副部長を歴任。厚生労働省の地域連携クリティカルパスモデル開発の班研究員、神奈川県がん診療連携協議会相談役などを務める。

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