お看取りとは何か、親の最期を前に知っておきたいこと
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お看取りとは、治療で回復をめざす段階だけでなく、病状の進行に合わせてその人らしい最期を支えることを指します。ご自宅でも施設でも考え方は共通ですが、実際には医療・介護・家族の支え方を早めに整理しておくことが大切です。
お看取りとは何かを、まずやさしく整理します
在宅での看取り・終末期を考える|気づく・見極めるためのまとめ もあわせてご覧ください。
お看取りとは、一般に、病気の治癒や延命治療を最優先にする時期から、苦痛の軽減や生活の質を重視する時期へ移る中で、最期の時間を支えることです。医療の役割がなくなるのではなく、治す医療から支える医療へ重心が移ると考えると分かりやすいでしょう。
厚生労働省が進める人生会議(ACP)は、もしものときに備えて本人の希望を家族や医療者と話し合う取り組みです。お看取りを考える場面では、この話し合いが土台になります。なお、診断や治療の判断は主治医の診察が前提です。
こういうきっかけで調べ始める方が多いです
「まだ早いのでは」と思いながらも、次のような場面でお看取りとは何かを調べ始める方が多いです。
- がんの終末期と説明されたが、今後の見通しがつかない
- 脳出血や脳梗塞のあと、食事や会話が難しくなってきた
- 退院が急に決まり、自宅か施設かをすぐに決める必要がある
- 通院の負担が大きく、家族の付き添いも限界に近い
- 本人が「家にいたい」と言うが、どう支えればよいか分からない
この時点で情報収集を始めるのは自然なことです。とくに退院支援では、退院前カンファレンスに在宅医が入ると、引き継ぎが円滑になりやすくなります。全体像は在宅での看取り・終末期ケア完全ガイドも参考になります。
お看取りの見分け方と、考える目安
「お看取り」が近いかどうかは、1つの症状だけで決められません。複数の変化が重なっていないかを見ることが大切です。
| 見るポイント | 目安 |
|---|---|
| 食事・水分 | 食べる量、飲む量が明らかに減る |
| 体力 | ほとんど寝て過ごす時間が増える |
| 意思疎通 | 返答が少ない、会話が続きにくい |
| 呼吸・循環 | 息苦しさ、冷感、むくみが目立つ |
| 本人の希望 | 苦痛を減らしたい、家で過ごしたい等の希望がある |
がん終末期では、痛み・息苦しさ・吐き気などの症状緩和が中心になります。余命の長さは個人差が大きく、断定はできません。脳出血後の経過も、年齢や後遺症、合併症で大きく変わります。
混同しやすい言葉との違い
| 用語 | 意味 | お看取りとの違い |
|---|---|---|
| 終末期 | 回復より緩和や生活の質を重視する時期 | お看取りは、その時期の支え方を含む広い言い方です |
| ホスピス | 緩和ケアを中心に行う考え方・場 | 場所の名前だけではなくケアの内容も含みます |
| 看取り介護 | 介護職が最期の時間を支えること | 医療との連携が重要です |
| 在宅医療 | 自宅で医師が診療する仕組み | お看取りを自宅で支える基盤になります |
施設入居や病院での療養が適している方もいます。自宅だけが正解ではありません。大切なのは、その人に合う場所を選ぶことです。
家族が見落としがちなポイント
- 本人の希望は、元気なうちに確認しておく必要がある
- 家族だけで抱え込まず、主治医・訪問看護・ケアマネジャーと共有する
- 「何かあったら入院」だけでなく、急変時の連絡先を決めておく
- 介護保険サービスは、申請や調整に時間がかかることがある
- 退院後は数日で状態が変わることもあるため、早めの準備が役立つ
厚生労働省の介護保険制度や在宅医療の案内は、制度の全体像を確認する助けになります。
在宅医療とお看取りはどうつながるのか
在宅医療は、お看取りを自宅で考えるときの大きな支えです。訪問診療が入ると、通院が難しい方でも、自宅で状態確認や薬の調整、症状緩和の相談がしやすくなります。
訪問診療の相談は、状態が悪くなってからでは選択肢が狭まることがあります。「まだ早いかも」と感じる段階でも、まず情報を集めておく価値があります。たとえば、訪問診療の基礎は訪問診療・在宅医療とはで整理できます。相談の入口は訪問診療・在宅医療を知る|相談・依頼するためのまとめをご覧ください。
| 相談が役立つ場面 | 在宅医療で期待できること |
|---|---|
| 通院が難しくなった | 自宅で診察・処方の相談ができる |
| 退院日が迫っている | 退院後の受け皿を一緒に考えやすい |
| 症状が不安定 | 連絡体制や緊急時の対応を決めやすい |
| 本人の希望がある | 生活の場を含めて選択肢を整理できる |
当院の在宅診療の現場から
病院の地域連携室や医療ソーシャルワーカーから紹介を受け、退院前カンファレンスに参加して在宅へ引き継ぐことがよくあります。退院当日から訪問診療を始めるケースもあり、退院直後の不安定な時期は夜間・休日の連絡体制が重要です。消化器内視鏡やエコーの経験を活かし、栄養管理、嚥下評価、胃ろう管理、在宅酸素にも対応します。たまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心に、隣接する都筑区・川崎市宮前区もご相談に応じています。
受診・相談の目安
次のようなときは、相談のきっかけになります。
- 週に1回以上の通院が難しくなってきた
- 退院後の療養先が決まっていない
- 食事量や水分摂取が落ち、家族が介助に不安を感じる
- 急変時の対応を家族だけで決められない
- 本人が自宅療養を望んでいるが、支え方が分からない
この段階では「まだ相談するほどでは」と感じる方が多いのですが、在宅医療は状態が悪化してからでは選択肢が狭まります。情報だけ聞いてみる、という使い方で構いません。ご予約やご相談はご予約・お問い合わせから承っています。
よくある質問
Q. お看取りとは、延命治療をやめることですか?
いいえ、単純に「やめる」ことではありません。本人の希望や病状に応じて、延命よりも苦痛の軽減や生活の質を重視することがあります。判断は主治医と相談して決めます。
Q. 自宅でお看取りはできますか?
可能な場合もありますが、病状や家族の支え、医療・介護体制によります。入院や施設が適していることもあり、無理に自宅に限定する必要はありません。
Q. 家族だけで相談してもよいですか?
はい、本人が来院できない場合でも、家族のみでご相談いただけます。今後の見通しや在宅医療の必要性を整理する場としてご利用ください。
Q. がん終末期では、どんな支援がありますか?
痛み、息苦しさ、食事のつらさなどを和らげる緩和ケアが中心になります。必要に応じて訪問診療、訪問看護、薬の調整、生活支援を組み合わせます。
Q. 退院が急に決まったら、どうすればよいですか?
まず退院支援の担当者に、在宅医療や訪問看護の調整が必要か相談してください。退院前カンファレンスに在宅医が参加できると、引き継ぎがスムーズになることがあります。
参考文献・出典
本記事の監修医師
佐藤 靖郎(さとう やすお)/医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医/専門: 消化器外科・消化器内視鏡/一般内科/在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全。略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。 公的役割: 厚生労働省『地域連携クリティカルパスモデルの開発』班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。
AIプラスクリニックたまプラーザのご案内
ご家族の通院が難しくなってきた、退院後の療養先に迷っている、自宅でどこまで医療が受けられるか知りたい——そうしたご相談を、たまプラーザで承っています。
ご予約・お問い合わせ / TEL 045-909-0117(横浜市青葉区)
ご相談の際は、お薬手帳または薬剤情報提供書/医療保険証・各種受給者証/介護保険証・介護保険負担割合証/(お持ちであれば)診療情報提供書(紹介状)や退院時サマリーをご用意いただくとスムーズです。ご本人が来院できない場合のご相談も承ります。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の患者さんの診断・治療を代替するものではありません。症状や治療方針の判断は、必ず主治医にご相談ください。制度・費用は改定される場合があります。最新の情報は各自治体・保険者の窓口でご確認ください。