認知症で受診拒否がある私の家族へ、対応のヒントを整理
親の通院が難しくなったら|受診をあきらめる前に知っておきたい選択肢 › 通院が難しくなったとき|相談・依頼するためのまとめ › (本記事)
認知症で受診を嫌がると、ご家族だけで抱え込みやすいものです。まずは「無理に連れて行く」以外の方法があると知ることが大切です。状況によっては、家族のみの相談や訪問診療の検討が役立ちます。必要に応じて、全体像はこちらの通院が難しくなったときの相談先のまとめもご覧ください。
どこに相談すればよいか
認知症による受診拒否があるときは、相談先を分けて考えると整理しやすくなります。最初に主治医へ現状を共有しつつ、通院が難しいなら在宅医療の相談先も並行して検討します。
| 相談先 | 向いている場面 | ポイント |
|---|---|---|
| かかりつけ医 | 受診を嫌がる理由を整理したい | 併診や引き継ぎの相談がしやすい |
| 病院の地域連携室・医療ソーシャルワーカー | 退院後の療養先を急いで決めたい | 退院支援の調整役になります |
| 訪問診療の窓口 | 通院が難しくなってきた | 家族だけの相談から始められることがあります |
| 介護支援専門員(ケアマネジャー) | 介護サービスも含めて整えたい | 介護保険の導入と相性がよいです |
在宅医療の考え方は、厚生労働省の在宅医療の推進でも案内されています。認知症への対応は、厚生労働省の認知症施策も参考になります。
相談先の違いを、受診拒否の状況で見分ける
受診拒否があるときは、「誰に何を頼むか」を分けると動きやすくなります。
| 状況 | 相談先 | 期待できること |
|---|---|---|
| まだ通院を続けたい | かかりつけ医 | 受診方法の工夫、薬の調整の相談 |
| 付き添いが毎回必要で限界 | 訪問診療 | 自宅での診察、処方、継続管理 |
| 退院が近いが療養先が未定 | 病院の地域連携室 | 退院前カンファレンスの調整 |
| 介護負担も増えている | ケアマネジャー | 介護サービスの導入支援 |
病院からは「自宅か施設か」の二択に見えやすいのですが、在宅医療を入れると自宅療養の選択肢が広がることがあります。たまプラーザ・あざみ野・美しが丘・新石川など横浜市青葉区を中心とした地域では、地域の支援体制を早めに整えることが大切です。
相談前に準備しておくとよいもの
事前準備があると、初回相談が短時間でも具体的になります。
| 持っていくもの | 理由 |
|---|---|
| お薬手帳、薬剤情報提供書 | 飲み合わせや重複を確認しやすい |
| 保険証、介護保険証 | 制度利用の確認に必要 |
| 退院時サマリー、紹介状 | 入院中の経過が分かる |
| 1日の様子のメモ | 受診拒否のきっかけが見えやすい |
「何を伝えればよいか分からない」という場合でも大丈夫です。ご家族から、食事量、歩行、睡眠、便通、徘徊、服薬状況などを箇条書きにしていただくと、医師が状況をつかみやすくなります。
相談から利用開始までの流れ
受診拒否がある場合でも、流れを知っておくと焦りにくくなります。
| 流れ | 内容 |
|---|---|
| 1. 電話や予約で相談 | 本人が来院できない事情を伝える |
| 2. 状況の聞き取り | 家族のみでの相談も可能 |
| 3. 主治医情報の確認 | 併診か引き継ぎかを整理 |
| 4. 訪問計画の調整 | 診療頻度、緊急時対応を決める |
| 5. 利用開始 | 状況により退院当日開始も検討 |
退院支援は訪問診療の大きな入口です。退院日が急に決まり、数日で療養先を決めることもあります。病院からは在宅か施設かで示されがちですが、在宅医療が入ると自宅療養の難しさは下がります。退院前カンファレンスに在宅医が加わると引き継ぎも円滑です。全体の考え方は親の通院が難しくなったらの選択肢も参考になります。
当院の在宅診療の現場から
当院では、病院の地域連携室や医療ソーシャルワーカーから紹介を受け、退院前カンファレンスに参加して在宅への引き継ぎを行っています。退院当日から訪問診療を開始することもあり、退院直後の不安定な時期は24時間の連絡体制で夜間・休日の急変に備えています。消化器内視鏡やエコーの経験を生かし、栄養管理、嚥下評価、胃ろう管理、在宅酸素にも対応します。地域の訪問看護ステーションや居宅介護支援事業所とも連携しています。
よくある不安と、その考え方
「主治医との関係が悪くならないか」と心配される方は多いです。訪問診療を始めても、現在のかかりつけ医との関係を断つ必要はありません。情報共有しながら併診する方法や、状況に応じて引き継ぐ方法があります。
また、「まだ早いのでは」と迷うことも少なくありません。ですが、状態が悪化してからだと選べる手段が狭くなることがあります。厚生労働省の人生会議(ACP)で示されているように、元気なうちから希望を話し合うことは有益です。
本人が乗り気でないときの進め方
受診拒否があるときは、説得よりも負担を減らす工夫が役立つことがあります。
- 「検査」ではなく「体調の相談」と伝える
- 付き添い人数を増やしすぎない
- 本人が安心しやすい時間帯を選ぶ
- まずは家族だけで相談し、次の段取りを決める
- 通院が難しければ訪問診療を選択肢に入れる
特養など施設にいる方の病院受診で付き添いが難しい場合も、施設職員と医療機関、家族で役割を分けて進めると負担が軽くなることがあります。
受診・相談の目安
次のような状態なら、早めに相談するとよいでしょう。
- 通院の付き添いが毎回必要で、家族の負担が大きい
- 受診拒否が強く、診察や検査が中断されている
- 退院日が近いのに、療養先がまだ決まっていない
- 服薬や食事、歩行の管理が家族だけでは難しい
- 夜間や休日の急変に備える体制がほしい
ご本人が来院できない場合でも、ご家族だけでのご相談を承っています。現在の主治医との関係を保ったまま在宅医療を始めることもできます。まずはご予約・お問い合わせからご相談ください。
よくある質問
Q. 本人が「行かない」と言う場合、無理に連れて行くべきですか
無理に連れて行くと、かえって不信感が強まることがあります。まずは家族のみで相談し、受診方法や在宅医療を含めて整理するほうが進めやすい場合があります。
Q. まだ訪問診療は早いでしょうか
早すぎるかどうかは一概には言えません。通院や付き添いが負担になってきた時点で、情報収集だけでも始める価値があります。
Q. 主治医を変えなくてはいけませんか
いいえ。併診や引き継ぎで進められることがあります。かかりつけ医との関係を保ちながら進めることも可能です。
Q. 本人が来院できないのですが相談できますか
はい。ご家族だけのご相談を受け付けています。状況を伺ったうえで、受診の工夫や訪問診療の適否を一緒に整理します。
Q. 施設入居や転院も選択肢ですか
はい。自宅療養だけを勧めるものではありません。ご本人の状態、家族の介護力、医療の必要性を踏まえて、施設や転院も含めて検討します。
本記事の監修医師
佐藤 靖郎(さとう やすお)/医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医/専門: 消化器外科・消化器内視鏡/一般内科/在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全。略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。 公的役割: 厚生労働省『地域連携クリティカルパスモデルの開発』班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。
AIプラスクリニックたまプラーザのご案内
ご家族の通院が難しくなってきた、退院後の療養先に迷っている、自宅でどこまで医療が受けられるか知りたい——そうしたご相談を、たまプラーザで承っています。『ご予約・お問い合わせ』からご連絡ください。TEL 045-909-0117(横浜市青葉区)。ご相談の際は、お薬手帳または薬剤情報提供書/医療保険証・各種受給者証/介護保険証・介護保険負担割合証/(お持ちであれば)診療情報提供書(紹介状)や退院時サマリーをご用意いただくとスムーズです。ご本人が来院できない場合のご相談も承ります。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の患者さんの診断・治療を代替するものではありません。症状や治療方針の判断は、必ず主治医にご相談ください。制度・費用は改定される場合があります。最新の情報は各自治体・保険者の窓口でご確認ください。