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うんちが黒いときに考えられること|原因・受診の目安を医学博士が解説

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うんちが黒いときに考えられること|原因・受診の目安を医学博士が解説

お手洗いで便を確認したとき、「いつもより黒い」「真っ黒に近い色をしている」と感じると、驚いて不安になる方も多いのではないでしょうか。便の色は、食事内容や服用している薬によって変わることがあります。一方で、消化管からの出血が原因となっている場合もあり、見極めが大切です。

本記事では、うんちが黒いときに考えられる主な原因と、受診を検討すべき目安について、医学博士の視点からわかりやすく解説します。症状に心当たりがある方は、ぜひ最後までご一読ください。なお、診断や治療は必ず医師の診察のもとで行われるものです。自己判断での判断はせず、気になる点は医療機関へご相談ください。

黒い便とは?まず知っておきたい便の見方

便の色や状態は、消化管の状態を反映するひとつの指標です。便が黒くなっていると気づいたときは、以下のポイントを確認することが助けになります。

  • :黒色か、濃い茶色か、または漆黒に近いか
  • 性状:固形か、軟便か、ねっとりした感触があるか
  • におい:通常の便臭とは異なる独特のにおいがあるか
  • 回数・量:いつもと比べて変化があるか
  • 随伴症状:腹痛、吐き気、めまい、動悸、ふらつきなどがあるか

黒っぽい便とタール便の違い

「タール便」とは、漆黒・墨のような色で、粘り気が強く、独特の不快なにおい(硫黄臭・腐敗臭に近いもの)を伴う便のことを指します。これは上部消化管(食道・胃・十二指腸)からの出血によって血液が腸内で変性したものが混じっているケースで見られることがあります。

一方、「濃い茶色や灰黒色の便」は、食事や薬の影響によることも多く、タール便とは区別されます。見た目の印象だけで判断するのは難しい場合もありますが、ねっとりとした質感・強い悪臭・漆黒に近い色という3つの特徴が重なるときは注意が必要です。

便の色は何で決まるのか

便の色は主に胆汁の影響を受けています。肝臓で生成された胆汁は腸内で酸化・変性しながら便の茶色(黄褐色)をつくります。この胆汁の量や腸内での移動速度、そして食べたものや薬の成分が加わることで、便の色はさまざまに変化します。上部消化管で出血が起こった場合、血液に含まれるヘモグロビンが腸内細菌によって変性して黒色になる仕組みがあります。

うんちが黒い主な原因

食べ物や飲み物による黒い便

便色が黒くなる食品として代表的なものには以下があります。

  • イカ墨・黒ゴマ・海藻類(ワカメ、ヒジキなど)
  • ブルーベリー・黒豆・プルーンなどの濃い色の果物・食品
  • 鉄分を多く含む食品(レバー、赤身肉など)

これらを大量に摂取した翌日に便が黒みを帯びることはあります。ただし、食事との明確な関連があれば一時的なことが多く、食事内容を振り返って確認してみてください。便の色についてより幅広く知りたい方は、うんこの解説記事も参考にしてください。

薬やサプリによる黒い便

  • 鉄剤(鉄分補給薬・サプリメント):貧血治療などで使用される鉄剤は、便を黒くすることが広く知られています
  • ビスマス含有製剤:一部の胃腸薬に含まれるビスマス成分によって便が黒くなることがあります

服用している薬やサプリがある場合は、添付文書を確認し、担当医や薬剤師に相談することをおすすめします。

消化管出血が原因の黒い便

食道・胃・十二指腸などの上部消化管から出血が起きると、血液中のヘモグロビンが腸内で酸化・変性して黒色のタール便となって排出されることがあります。これは消化管の奥からの出血を示すサインである場合があり、原因に心当たりがない場合は注意が必要です。

まれに考えられる病気

消化管出血の背景にある疾患としては、以下のようなものが挙げられます(あくまで一例であり、診断は医師が行います)。

  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
  • 急性胃炎・慢性胃炎
  • 食道静脈瘤(肝疾患を背景に持つ場合)
  • 胃がん(早期から進行例まで幅広い)

これらの疾患を自己判断で断定することは困難です。気になる症状がある場合は、消化器科・内科・外科を受診してください。

黒い便が出たときのセルフチェック

いつから黒いか

初めて気づいたのか、数日間続いているのかを確認します。また、最近の食事内容の変化(イカ墨料理・鉄分の多い食品など)や服薬・サプリ開始時期との関連を振り返ってみましょう。

ほかの症状があるか

以下の症状が伴っている場合は、単純な食事の影響とは異なる可能性を考える必要があります。

  • みぞおちの痛みや胃もたれ
  • 吐き気・嘔吐
  • めまい・ふらつき・立ちくらみ
  • 動悸・息切れ
  • 強い倦怠感・顔面蒼白

便の見た目はどうか

漆黒・ねっとりした質感・強いにおいがあるタール便と、濃い茶色・固形に近い通常便の違いを意識して観察します。可能であれば写真に記録しておくと、受診時に医師への説明がしやすくなります。

直近の食事・薬の確認

色の濃い食品(イカ墨・ブルーベリー・黒豆など)、鉄剤、胃腸薬、サプリメントの摂取歴を確認します。心当たりがある場合は、その内容とともに医療機関に伝えてください。便の色が気になる方は、うんち 緑の記事も参考に、便の色の見方全般を理解しておくと安心です。

受診したほうがよいケース

早めの受診を考えたい症状

  • 黒い便が2〜3日以上続いている
  • 食事や薬など、明確な原因に心当たりがない
  • 腹痛・胃もたれ・食欲不振を伴っている
  • 貧血気味である、または最近体重が減っている

すぐに医療機関を受診すべき症状

  • 吐血(血を吐く)がある
  • 強い腹痛がある
  • 冷や汗・顔面蒼白・ふらつきがある
  • 動悸や息切れが強い

これらは消化管出血など、早期の対応が必要な状態のサインである可能性があります。速やかに消化器内科または外科を受診してください。

救急受診を検討する症状

  • 意識がもうろうとしている、または意識の変容がある
  • 大量の出血が疑われる(短時間に黒い大量の便・嘔吐)
  • 急激な体調悪化がある

このような場合は、救急車を呼ぶことも含めて、ためらわず緊急の対応を取ることが大切です。

医療機関ではどんな検査をするのか

問診で確認すること

受診すると、まず問診が行われます。便の色・性状・いつから続いているか、服用薬・サプリメント、飲酒習慣、既往歴(胃潰瘍・肝疾患など)、腹痛の有無、体重変化などを確認します。

必要に応じて行う検査

症状や問診の内容に応じて、以下のような検査が検討されます。

  • 血液検査:貧血の有無、肝機能・炎症の確認など
  • 便潜血検査:便に目に見えない血液が混じっていないかを確認する検査
  • 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ):食道・胃・十二指腸を直接観察し、出血源や病変の有無を調べる

検査や治療は医師の判断で行われる

どの検査が必要かは、医師が総合的に判断して決定します。症状があっても「まだ様子を見よう」と受診を先延ばしにしてしまうと、診断が遅れることがあります。自己判断で市販薬を使い続けることにも注意が必要です。

自宅でできる確認と注意点

便の状態を記録する

便の色・量・回数・性状を記録しておきましょう。スマートフォンで便の写真を撮っておくと、受診時に医師へ正確に伝えやすくなります。食事内容・服薬内容と合わせてメモしておくことも助けになります。

市販薬やサプリの自己判断に注意する

原因が不明なまま市販の胃腸薬やサプリメントを追加することは、症状を複雑にする場合があります。まずは医師や薬剤師に相談してから判断するようにしましょう。

水分補給と安静の考え方

出血が疑われる場合や、体調不良を感じている場合は、無理な外出や激しい活動を避け、安静にしてください。脱水が心配な場合は水分補給を心がけつつ、症状が強いときは受診を優先します。

よくある質問

便が黒いのは何を食べたからですか?

イカ墨・ブルーベリー・黒ゴマ・レバーなど、色の濃い食品や鉄分を多く含む食品を食べた後に便が黒みを帯びることがあります。ただし、食事との関連が明らかでない場合や、症状が伴う場合は医師への相談をおすすめします。

鉄剤を飲むと便は黒くなりますか?

貧血治療などで処方される鉄剤を服用すると、便が黒くなることはよく知られています。ただし、鉄剤を服用中であっても腹痛や吐き気などの症状がある場合は、処方医に相談してください。

黒い便が1回だけ出た場合も受診が必要ですか?

食事や薬の影響で一時的に便が黒くなることはあります。1回限りで、食事・服薬との明確な関連があり、ほかに症状がない場合は経過を観察することもあります。しかし、心当たりがない、または再び黒い便が出た場合は、念のため医療機関を受診することをおすすめします。

子どもや高齢者で黒い便が出たらどうすればいいですか?

年齢にかかわらず、体調不良を伴う、または出血が疑われる場合は、早めに医療機関へ相談することが大切です。特に高齢者は症状が出にくいこともあるため、便の状態に変化があれば早期に受診を検討してください。便が出にくいなど別の排便トラブルが気になる方は、うんち 出そうで出ないも参考にしてください。

まとめ|うんちが黒いときは原因を見分けて受診の目安を確認する

黒い便が出たとき、食事や薬・サプリメントが原因のこともあれば、消化管からの出血が背景にある場合もあります。まず、食事内容や服薬歴を振り返り、心当たりがあるかどうかを確認することが第一歩です。

原因に心当たりがない場合、症状が数日以上続く場合、腹痛・めまい・動悸などの随伴症状がある場合は、消化器内科・外科への受診をご検討ください。吐血や強い腹痛、意識の変容など緊急性が高いと思われる症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

便の色や状態は、消化管の健康状態を知るための大切な手がかりです。日ごろから便の状態を意識しておくことが、早期発見・早期対応につながります。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 理事長
専門:消化器外科

福島県立医科大学大学院 外科学修了。NTT東日本関東病院や国立病院機構横浜医療センター等で外科医長・救命救急センター副部長を歴任。厚生労働省の地域連携クリティカルパスモデル開発の班研究員、神奈川県がん診療連携協議会相談役などを務める。

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