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大腸内視鏡検査を受けた方がいい人とタイミング|医学博士が解説

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大腸内視鏡検査を受けた方がいい人とタイミング

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)は、大腸がんやポリープの早期発見に有用な検査です。「症状があったら受けるもの」と思われがちですが、自覚症状がない段階でも、年齢やリスク因子、便潜血検査の結果などによって受診が推奨される場合があります。この記事では、どのような人が大腸内視鏡検査を受けた方がいいのかを、症状・年齢・家族歴・生活習慣などの観点から整理します。ご自身の状況に照らし合わせながら、受診の判断に役立てていただければ幸いです。

大腸内視鏡検査を受けた方がいい人とは

まず知っておきたい「受けた方がいい人」の考え方

大腸内視鏡検査の受診を検討すべき人は、大きく「症状がある人」「リスクが高い人」「検査結果に異常があった人」の3つに分けられます。これらのカテゴリに当てはまる場合は、自覚症状の有無にかかわらず、医師に相談することが勧められます。

なお、受診の必要性は個々の状況によって異なります。「大腸内視鏡検査が必要ない場合の考え方」については、大腸内視鏡検査が必要ない場合の考え方もあわせてご参照ください。

大腸内視鏡検査で何がわかるのか

大腸内視鏡検査では、大腸の内側(粘膜)を直接観察し、以下のような異常を確認することができます。

  • 大腸がん(早期〜進行)
  • 大腸ポリープ(腺腫・過形成性ポリープなど)
  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
  • 憩室(けいしつ)・出血部位
  • その他の粘膜病変

検査中にポリープが見つかった場合は、その場で切除できるケースも多く、「見つけて終わり」ではなく「見つけて対処できる」点が大腸内視鏡検査の特徴です。

大腸内視鏡検査を受けた方がいい症状がある人

血便・下血がある

便器や拭いたティッシュに鮮やかな赤い血が付く場合、痔が原因のこともありますが、大腸がんやポリープからの出血の可能性も否定できません。「たぶん痔だろう」と自己判断せず、一度医師の診察を受けることが大切です。

便に血が混じる、黒い便が出る

黒い便(タール便)は、主に胃や小腸など上部消化管からの出血を示すことがありますが、大腸由来の場合もあります。便に血が混じる症状が続く場合は、早めに消化器内科を受診してください。

下痢と便秘を繰り返す

便通が不規則で、下痢と便秘を交互に繰り返す状態は、過敏性腸症候群の場合もありますが、大腸がんや炎症性腸疾患のサインである可能性もあります。特に、以前と比べて便通のパターンが変わってきた場合には注意が必要です。

便が細くなった、残便感がある

便が以前より細くなった、排便後もすっきりしない残便感が続くといった症状は、大腸内腔を狭める病変(がんや大きなポリープ)の存在を示すことがあります。このような変化が続く場合は放置せず、受診を検討してください。

腹痛やお腹の張りが続く

慢性的な腹痛や腹部の張り(腹部膨満感)が続く場合も、消化器疾患の可能性があります。ストレスや食事内容が原因のこともありますが、大腸の器質的な病変が隠れていることもあるため、症状が長引く場合は医師への相談をお勧めします。

原因不明の体重減少や貧血がある

はっきりした理由なく体重が減少している、または健診で貧血を指摘されたという場合、消化管からの慢性的な出血が関係していることがあります。大腸がんでは初期症状が乏しいこともあるため、貧血・体重減少は見逃さないようにしたいサインです。

大腸内視鏡検査を受けた方がいい年齢・時期

40代以降で検討したい理由

国立がん研究センターのデータによると、大腸がんの罹患率は40代から増加し始め、50〜60代以降に高まる傾向があります。日本消化器がん検診学会や各種ガイドラインでも、40歳以降の定期的な大腸検査が推奨されています。症状がなくても、40代を迎えたら一度検査を受けることを検討する価値があります。

便潜血検査で陽性になったとき

自治体の健診や人間ドックで行われる便潜血検査(2日法)で陽性(要精検)と判定された場合は、大腸内視鏡検査による精密検査が必要です。便潜血陽性は必ずしもがんを意味するわけではありませんが、大腸がんやポリープが見つかる可能性があるため、放置せずに受診してください。

前回の検査から年数が経っているとき

以前に大腸内視鏡検査を受けて異常なしだった方でも、定期的な検査が推奨されます。一般的に、異常がなかった場合は3〜5年ごと、ポリープを切除した場合は1〜3年ごとの検査が目安とされていますが、次の検査時期は担当医に確認してください。

ポリープや大腸がんの治療歴があるとき

過去に大腸ポリープや大腸がんの治療を受けた方は、再発・新たな病変の確認のために定期的な内視鏡検査が必要です。治療後のフォローアップスケジュールは医師の指示に従ってください。

大腸内視鏡検査を受けた方がいいリスクがある人

家族に大腸がんや大腸ポリープの人がいる

大腸がんは遺伝的な要因も関与するとされており、一親等(父母・兄弟姉妹・子ども)に大腸がん患者がいる場合、発症リスクが高まるとされています。家族歴がある方は、症状がなくても早めに検査を検討することが勧められます。大腸内視鏡検査が必要な人の特徴と受診目安もあわせてご確認ください。

炎症性腸疾患の既往がある

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)がある方は、罹患期間が長くなるほど大腸がんのリスクが上昇するとされています。定期的なサーベイランス(監視)内視鏡検査が推奨されており、主治医の指示に従ったフォローが重要です。

生活習慣や体質でリスクが高い場合

以下のような生活習慣や体質がある方は、大腸がんのリスク因子として知られています。

  • 赤肉(牛肉・豚肉など)や加工肉の過剰摂取
  • 飲酒・喫煙習慣
  • 肥満(特に内臓脂肪型)
  • 運動不足
  • 糖尿病

これらのリスク因子が複数当てはまる方は、定期的な検査について医師に相談してみてください。

大腸内視鏡検査を考えるべき人のセルフチェック

受診を急いだ方がよいサイン

以下のいずれかに当てはまる場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

  • 血便・下血がある(特に大量出血や真っ赤な血)
  • 黒い便(タール様の便)が出た
  • 便潜血検査で陽性と言われたがまだ精密検査を受けていない
  • 急激な体重減少や原因不明の貧血がある
  • 腹痛が強く、または長期間続いている

一度医師に相談したいサイン

緊急ではないものの、以下の状況では医師への相談が勧められます。

  • 40歳以上で一度も大腸内視鏡検査を受けたことがない
  • 親や兄弟に大腸がん・ポリープの人がいる
  • 便通の変化(下痢・便秘・残便感)が数週間以上続いている
  • 潰瘍性大腸炎・クローン病と診断されており定期検査のタイミングが近い

大腸内視鏡検査を受けるタイミングの目安

早めの受診が望ましいケース

血便・下血・黒色便・腹痛など急性の症状がある場合は、なるべく早く消化器内科を受診してください。症状を放置すると、仮に悪性腫瘍だった場合に発見が遅れるリスクがあります。

健診結果をきっかけに受けるケース

便潜血検査陽性・貧血の指摘・腹部エコーでの異常など、健診で何らかの異常を指摘された場合は、医師の指示に従い精密検査を受けましょう。「精検受診率」(要精検と判定された後に実際に精密検査を受ける割合)は全国的に課題とされており、指摘を受けたまま放置しないことが重要です。

定期的な検査が必要なケース

ポリープ切除後・炎症性腸疾患・大腸がんの治療後の方は、医師が指示した周期で定期的な内視鏡検査を受けることが大切です。検査間隔は個人の病態によって異なりますので、主治医に確認してください。

大腸内視鏡検査が必要か迷うときの判断ポイント

便潜血検査との違い

便潜血検査は簡便で侵襲が少なく、スクリーニングとして有用です。一方、大腸内視鏡検査は直接粘膜を観察し、病変があればその場で組織を採取(生検)・切除できるという点で、診断・治療の両面に優れています。便潜血検査は「異常の有無を大まかに確認する」検査であり、陽性の場合は内視鏡による確認が必要です。

便の異常や腹部症状があっても様子を見てよい場合・見ない方がよい場合

一時的な下痢(食あたり・ウイルス性胃腸炎など)や、便秘が食事内容の変化により一時的に起きている場合は、まず経過観察となることもあります。一方、2週間以上続く便通異常・血便・体重減少・貧血がある場合は、様子を見ずに受診することが推奨されます。

他の検査から始めることがあるケース

症状や状況によっては、まず腹部エコー(超音波検査)や血液検査、CT検査などから始め、その結果を踏まえて大腸内視鏡検査を検討する場合もあります。どの検査が適切かは医師が判断しますので、気になる症状がある場合はまず受診・相談が第一歩です。

大腸内視鏡検査を受ける前に知っておきたいこと

検査前の下剤と前処置

大腸内視鏡検査では、大腸内を洗浄するために、検査前日から食事制限を行い、当日に下剤(腸管洗浄液)を服用します。前処置の方法は施設によって異なりますが、医師や看護師の指示に従って行ってください。

検査当日の流れ

検査当日は、前処置→着替え→検査(通常15〜30分程度)→休憩→結果説明という流れが一般的です。鎮静剤を使用する場合は、安静時間が必要です。

鎮静剤を使う場合の注意点

検査中の苦痛を軽減するために、鎮静剤(鎮痛鎮静薬)を使用するクリニック・病院もあります。鎮静剤使用後は眠気が残るため、当日は自動車・バイク・自転車の運転は控えていただく必要があります。事前に担当医と相談しておきましょう。

大腸内視鏡検査を受けるメリットと注意点

病変の早期発見につながる可能性

大腸がんは早期に発見されるほど、治療成績が良好とされています。内視鏡検査は粘膜を直接観察できるため、画像検査では発見しにくい早期の病変を見つけやすい検査です。

ポリープが見つかった場合の対応

検査中にポリープが発見された場合、大きさ・形状・性状によってその場で切除(内視鏡的ポリペクトミー・EMRなど)することが可能なケースがあります。切除したポリープは病理検査(顕微鏡での組織診断)に提出し、良性か悪性かを確認します。

まれに起こりうる合併症と説明を受ける大切さ

大腸内視鏡検査は比較的安全な検査ですが、まれに出血・穿孔(腸に穴が開く)などの合併症が起こることがあります。検査前に医師から十分な説明(インフォームドコンセント)を受け、不明な点は確認してから検査に臨むことが大切です。

どこで大腸内視鏡検査を受けるべきか

消化器内科・内視鏡専門クリニックの選び方

内視鏡専門医や消化器専門医が在籍しているクリニック・病院を選ぶことが基本です。日本消化器内視鏡学会の専門医・指導医が在籍しているかどうかも一つの目安になります。

女性や高齢者が相談しやすい体制かどうか

大腸内視鏡検査は羞恥心を伴うことがあるため、女性医師による対応が可能か、プライバシーへの配慮があるかなども確認するとよいでしょう。高齢者の方は、鎮静剤の使用や前処置の方法について事前に相談できる体制があるか確認してください。

検査後の説明やフォロー体制

検査後の結果説明が丁寧に行われるか、ポリープ切除後の定期フォローに対応しているかなど、検査後のサポート体制も確認しておきましょう。

受診時に医師へ伝えるべきこと

症状の始まり・頻度・便の状態

  • いつ頃から症状があるか
  • 血便の色・量・頻度
  • 便通の変化(下痢・便秘・残便感)の具体的な状況

服薬中の薬や持病

血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を服用している場合は、検査前に必ず医師に伝えてください。検査前後の服薬調整が必要になる場合があります。糖尿病・高血圧・心疾患などの持病がある方も同様にお伝えください。

過去の検査歴や家族歴

以前に大腸内視鏡検査を受けたことがある方は、その時期・結果・ポリープ切除の有無をお伝えください。家族に大腸がんやポリープがいる場合も、医師への情報提供が診断・検査方針の決定に役立ちます。

大腸内視鏡検査を受けるか迷う人への受診の目安

すぐに受診を検討したい場合

血便・下血・タール便・原因不明の体重減少・貧血・便潜血陽性(精密検査未受診)など、いずれかに当てはまる方は早めの受診をお勧めします。

健診結果を持って相談したい場合

便潜血陽性・貧血・腹部エコー異常などを指摘された方は、健診結果をお持ちのうえ消化器内科を受診してください。

定期検査のスケジュールを見直したい場合

前回の内視鏡検査から数年が経過している方や、ポリープ切除後の次の検査時期が不明な方は、一度医師に相談して適切なスケジュールを確認しましょう。

ご予約・お問い合わせより、お気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

症状がなくても大腸内視鏡検査を受けた方がいいですか?

はい、症状がなくても受けた方がよい場合があります。大腸がんは早期には自覚症状がほとんどないことも多く、40歳以上の方・家族歴がある方・便潜血陽性の方などは、無症状であっても検査が推奨されます。

便潜血検査が陰性なら大腸内視鏡検査は不要ですか?

便潜血検査は簡便なスクリーニング検査ですが、早期の大腸がんやポリープでは出血が少なく、陰性になることもあります(偽陰性)。便潜血陰性であっても、家族歴・症状・年齢によっては大腸内視鏡検査が推奨される場合があります。医師にご相談ください。

何歳から大腸内視鏡検査を受けるべきですか?

一般的には40歳以降から検討することが推奨されています。ただし、家族に大腸がんやポリープがいる場合、炎症性腸疾患がある場合などは、より若い年齢から検査を検討することがあります。個人差があるため、医師に相談して適切な時期を判断してもらうことをお勧めします。

痛みが心配ですが、鎮静剤は使えますか?

多くのクリニック・病院で鎮静剤(眠くなる薬)を使った検査が可能です。鎮静剤を使用することで、検査中の苦痛を軽減できるケースが多くあります。ただし、当日の車・バイク・自転車の運転は控えていただく必要があります。ご希望の場合は事前に施設にお問い合わせください。

生理中や妊娠中でも受けられますか?

生理中の受診は可能な施設が多いですが、快適さやスタッフへの確認のため、事前にご相談いただくことをお勧めします。妊娠中の大腸内視鏡検査は原則として推奨されません。妊娠の可能性がある方や妊娠中の方は、必ず事前に医師にお知らせください。

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本記事の監修医師

監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:
厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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