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内臓脂肪とは?増える原因・リスク・減らし方まで医師が解説

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内臓脂肪とは?増える原因・リスク・減らし方まで医師が解説

導入:内臓脂肪とは?まず知っておきたい基本

「お腹まわりが気になるけれど、皮下脂肪と内臓脂肪はどう違うの?」「健診で腹囲を測られたけれど、何か問題があるのかな?」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

内臓脂肪は見た目だけでは判断が難しく、体型が気にならない方でも多くたまっている場合があります。本記事では、内臓脂肪の基本的な特徴から、増える原因・健康への影響・日常生活での対策まで、医学的根拠をもとにわかりやすく解説します。診断・治療はあくまで医師の診察が前提ですが、まず正しい知識を持つことが大切です。

内臓脂肪とは何か

内臓脂肪のつき方と体のどこにたまるか

内臓脂肪とは、腹腔内の腸や肝臓などの臓器のまわりにたまる脂肪のことを指します。医学的には「腹腔内脂肪」とも呼ばれ、主に腸を束ねる腸間膜と呼ばれる部分に蓄積します。

重要なのは、内臓脂肪は外見だけでは判断が難しいという点です。洋服を着ていて体型が目立たない方でも、腹腔内に脂肪が多くたまっているケースがあります。こうした状態は「隠れ肥満」「内臓脂肪型肥満」などとも呼ばれ、健康診断や画像検査ではじめて気づかれることも少なくありません。

皮下脂肪との違い

皮下脂肪は皮膚のすぐ下にたまる脂肪で、お腹をつまむと感じられるやわらかい脂肪がこれにあたります。一方、内臓脂肪は腹腔内に位置するため、外から直接触れることはできません。

大きな違いをまとめると以下のようになります。

項目 内臓脂肪 皮下脂肪
位置 腹腔内・臓器のまわり 皮膚のすぐ下
つきやすい体型 男性・中年以降に多い傾向 女性・若年層にも多い
健康への影響 生活習慣病との関連が指摘されている 影響が比較的少ない傾向
減りやすさ 比較的変化しやすいとされる 変化に時間がかかることが多い

体脂肪・BMI・腹囲との関係

「体脂肪率」「BMI(体格指数)」「腹囲」はそれぞれ異なる指標です。

  • 体脂肪率:体重に占める脂肪の割合を示しますが、内臓脂肪と皮下脂肪を区別するものではありません。
  • BMI:体重(kg)÷身長(m)²で算出され、肥満の程度の目安になりますが、体組成(筋肉量や脂肪の分布)は反映されません。
  • 腹囲:へそまわりの周囲径で、内臓脂肪量と一定の相関があるとされています。

これらは互いを補う指標であり、一つだけで内臓脂肪の量を正確に評価することはできません。

内臓脂肪が増える原因

食生活の影響

摂取カロリーが消費カロリーを継続的に上回ると、余ったエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなります。特に、甘い飲料・間食・揚げ物・アルコールの過剰摂取は、内臓脂肪の増加に関与しているとされています(厚生労働省「健康日本21」等を参考)。

運動不足と座りすぎ

日常的な身体活動量の低下は、エネルギーの消費が減り、脂肪が蓄積されやすい状態につながる可能性があります。デスクワーク中心の生活やテレビ・スマートフォンを長時間見る習慣など、座りすぎの生活スタイルには注意が必要です。

睡眠・ストレス・加齢の影響

睡眠不足や慢性的なストレスは、食欲や代謝に関わるホルモンバランスに影響を及ぼす可能性があるとされています。また、加齢に伴い筋肉量が低下すると基礎代謝が下がり、同じ食生活・運動量でも脂肪がたまりやすくなる傾向があります。ただし、これらの関係には個人差があります。

体質や遺伝の関わり

内臓脂肪のつきやすさには個人差があり、遺伝的な要因が関係するケースもあります。生活習慣の改善だけで説明できない場合もあるため、気になるときは医師に相談することが大切です。

内臓脂肪が多いと何が問題か

生活習慣病との関連

内臓脂肪の過剰な蓄積は、脂質異常症・高血圧・糖代謝異常・2型糖尿病といった生活習慣病との関連が医学的に指摘されています(日本肥満学会ガイドライン等)。内臓脂肪から分泌される生理活性物質(アディポサイトカイン)がこれらに影響するとされています。

動脈硬化や心血管リスクとの関係

内臓脂肪の増加は、動脈硬化の進行に関与する可能性があるとされており、長期的には心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患のリスクと関連することが報告されています。ただし、これはあくまで関連性であり、内臓脂肪が多ければ必ず発症するということではありません。

メタボリックシンドロームとの関係

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は、内臓脂肪の蓄積を基盤として、血糖・血圧・脂質の異常が重なった状態を指します。日本では腹囲が男性85cm以上・女性90cm以上を基準の一つとして、複数の項目が重なる場合にメタボリックシンドロームと診断されます(日本内科学会等の診断基準)。

内臓脂肪の目安を知る

腹囲の目安

一般的に、へそ周りの腹囲が男性85cm以上・女性90cm以上の場合、内臓脂肪の蓄積が疑われるとされています。ただし、腹囲の数値だけで診断が確定するわけではなく、他の検査値や体組成と合わせて評価されます。

体組成計や画像検査の位置づけ

家庭用の体組成計は生体電気インピーダンス法を用いており、簡便に体脂肪率などを測定できます。ただし、内臓脂肪と皮下脂肪を直接区別する精度には限界があります。医療機関でのCT検査は、腹部断面の内臓脂肪面積(100cm²以上を一つの目安)を精度高く評価できますが、日常的に行うものではありません。

自己判断だけで決めないこと

体型が標準でBMIが正常範囲内であっても、内臓脂肪が多い場合があります。自己判断に頼りすぎず、気になる場合は医師の評価を受けることが重要です。

内臓脂肪を減らすための基本

内臓脂肪の改善については、内臓脂肪の落とし方内臓脂肪の減らし方でより詳しくご紹介していますが、ここでは基本的な考え方を整理します。

食事の見直し

摂取カロリーの適正化が基本です。主食・主菜・副菜をそろえ、食物繊維・たんぱく質・野菜を意識したバランスのよい食事が推奨されています。間食や甘い飲料(ジュース、スポーツドリンクなど)を減らすことも効果的とされています。

有酸素運動と筋力トレーニング

ウォーキングや速歩などの有酸素運動は、内臓脂肪の消費に役立つとされています。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に対して週150分以上の中強度有酸素運動が推奨されています。また、スクワットなどの筋力トレーニングで筋肉量を維持することも、基礎代謝の観点から重要です。

日常生活でできる工夫

  • エレベーターではなく階段を使う
  • 座り続ける時間を意識的に減らし、30分に1回程度立ち上がる
  • 食べる速度をゆっくりにして、満腹感を得やすくする
  • 通勤・買い物などの移動を歩くよう心がける

継続のコツ

短期間で一気に取り組むよりも、無理なく続けられる範囲で習慣化することが重要です。「毎日10分増やす」「週2回筋トレを取り入れる」など、小さな目標を積み重ねる考え方が長続きにつながります。16時間ダイエットのような食事の時間を意識したアプローチも、継続しやすい方法の一つとして注目されています。

食事で意識したいポイント

減らしたいもの・見直したいもの

  • 砂糖を多く含む清涼飲料水・甘い飲料
  • 過剰なアルコール(特に毎日の習慣的な飲酒)
  • 揚げ物・高脂質の加工食品の食べすぎ
  • 白米・白パン・菓子類など精製糖質の過剰摂取

取り入れたい食品

食物繊維が豊富な野菜・豆類・海藻、良質なたんぱく質を含む魚・大豆製品・卵、不飽和脂肪酸を含む青魚などをバランスよく摂ることが推奨されています。

外食・コンビニでの選び方

外食やコンビニを完全に避けることは現実的ではありません。定食メニューや野菜が入ったサラダ・スープを選ぶ、揚げ物の量を減らす、ご飯の量を少なめにするなど、極端な制限をせず実践できる工夫が長続きにつながります。

運動で意識したいポイント

まず始めやすい運動

運動習慣がない方は、まず散歩・速歩・階段の活用など日常の延長線上にある活動から始めることをおすすめします。特別な器具や場所が不要で、継続しやすい点が利点です。詳細なプログラムについては内臓脂肪の落とし方もご参照ください。

筋肉を保つための運動

体重を落とすことだけを目標にすると、筋肉量が低下して基礎代謝が下がるケースがあります。スクワット・腕立て伏せなど、自体重を使った筋力トレーニングを週2〜3回程度取り入れることが推奨されています。

無理をしないための注意点

持病(関節疾患・心疾患・糖尿病など)がある方、またはこれまでほとんど運動していない方は、運動を開始する前に医師に相談することが重要です。

薬やサプリメントに頼る前に知っておきたいこと

サプリメントの位置づけ

いわゆる「内臓脂肪を減らす」と謳ったサプリメントは多数販売されていますが、これらは医薬品ではなく、治療を目的とするものではありません。食事・運動を基本とした生活習慣の改善が優先であり、サプリメントへの過度な期待は禁物です。

医薬品が検討される場合

肥満症や生活習慣病の合併がある場合、医師が薬物療法を検討することがあります。その判断はあくまで診察・検査に基づくものであり、自己判断での服薬は避けてください。

ネット情報の見分け方

「必ず痩せる」「飲むだけで内臓脂肪が消える」などの表現は、科学的根拠が不明確な可能性があります。公的機関(厚生労働省・学会)の情報や、医師・管理栄養士が監修した信頼性の高い情報を参考にすることをおすすめします。

よくある質問

内臓脂肪は見た目で分かりますか?

見た目だけで判断することは難しいです。体型がスリムでも内臓脂肪が多い場合があります。腹囲の計測や体組成計の活用が一つの目安になりますが、より正確な評価には医療機関での検査が有用です。

内臓脂肪はどのくらいで変化しますか?

個人差が大きく、一概にお伝えすることは難しい状況です。食事・運動を組み合わせた生活習慣の継続が重要であり、短期間での急激な変化を期待するよりも、長期的な視点で取り組むことが大切です。

BMIが標準でも内臓脂肪は多いことがありますか?

あり得ます。BMIが正常範囲内でも、筋肉量が少なく脂肪が多い「隠れ肥満」の状態の方がいます。腹囲の確認や、生活習慣を振り返ることが重要です。

どのような人が受診を考えるべきですか?

健診で腹囲・血糖・血圧・脂質に異常を指摘された方、生活習慣病と診断されている方、お腹まわりの増加が気になる方などは、医療機関での相談を検討してください。

受診の目安

健診で異常を指摘されたとき

健康診断で腹囲・空腹時血糖・HbA1c・血圧・LDLコレステロール・中性脂肪などに異常値が出た場合は、放置せず医療機関を受診することをおすすめします。

症状があるとき

強い腹部の痛み・急激な体重の変化・倦怠感が続く場合は、内臓脂肪以外の疾患の可能性も考えられます。症状がある場合は早めに医師に相談してください。

持病があるとき

糖尿病・高血圧・脂質異常症・脂肪肝などの診断を受けている方は、生活習慣の変更や運動量の調整を行う際に、主治医にご相談のうえ進めることが重要です。

まとめ:内臓脂肪は生活習慣の見直しと必要時の受診が大切

内臓脂肪は腹腔内にたまる脂肪であり、見た目だけでは判断できません。生活習慣病や動脈硬化との関連が指摘されているため、正しく理解して対策を講じることが大切です。

対策の基本は、食事のバランスを整え、適度な運動を継続し、睡眠・ストレス管理を意識することです。ただし、自己流の方法に頼りすぎず、健診の異常や気になる症状があれば医師に相談することが前提です。サプリメントや極端な食事制限に頼るよりも、無理なく続けられる生活習慣の改善が長期的な健康につながります。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 理事長
専門:消化器外科

福島県立医科大学大学院 外科学修了。NTT東日本関東病院や国立病院機構横浜医療センター等で外科医長・救命救急センター副部長を歴任。厚生労働省の地域連携クリティカルパスモデル開発の班研究員、神奈川県がん診療連携協議会相談役などを務める。

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