オンライン予約はこちら

肝臓がんの初期にみられる症状と気をつけたい変化







肝臓がんの初期にみられる症状と気をつけたい変化|医師監修


肝臓がんの初期にみられる症状と気をつけたい変化

肝臓がんは「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓に発生するため、初期の段階では自覚症状がほとんど現れないケースが多く、定期的な検査なしに早期発見するのが難しいがんの一つです。しかし、体が発するわずかなサインを見逃さないことが、早期発見につながる可能性があります。本記事では、肝臓がんの初期にみられやすい症状や体の変化、受診のきっかけになる目安を整理します。気になる変化があれば、健診を待たずに医療機関へ相談することをお勧めします。

肝臓がんの初期にみられる症状とは

「初期症状が出にくい」といわれる理由

肝臓は痛みを感知する神経が少なく、腫瘍が小さいうちは臓器の機能も保たれやすいため、自覚症状が出にくい臓器です。また、肝臓がんは多くの場合、慢性肝炎や肝硬変といった既存の肝疾患を背景に発生します(国立がん研究センター がん情報サービス)。これらの背景疾患がすでにある場合、がん由来の症状か基礎疾患の症状かを区別することも容易ではありません。

早期に気づくために意識したい体の変化

「いつもと少し違う」という感覚を大切にすることが重要です。具体的には、以下のような変化が続く場合は注意が必要です。症状の程度や組み合わせは個人差が大きいため、自己判断せず医師への相談を優先してください。

肝臓がんの初期に注意したい代表的な症状

右上腹部の違和感・痛み

肝臓は腹部の右上(右季肋部:みぞおちから右の肋骨の下あたり)に位置しています。腫瘍が大きくなると肝臓の被膜が引き伸ばされ、重さや鈍い痛み、圧迫感として感じることがあります。ただし、初期では無症状のことが多く、痛みが出るころには腫瘍がある程度の大きさになっている場合もあります。

背中や肩に広がる痛み

肝臓は横隔膜(胸とお腹を仕切る筋肉)に接しているため、腫瘍や炎症が横隔膜を刺激すると、右肩や背中へ痛みが「放散」(関連痛)することがあります。「肝臓がん 背中の痛み」として検索される方も多いですが、この症状は胆石や筋肉の痛みとも共通するため、単独で肝臓がんを示すものではありません。背中や右肩の痛みが繰り返す場合は消化器内科への相談を検討してください。

詳しくは「肝臓がんの痛みはどこに出る?場所の目安と受診の目安」もご参照ください。

みぞおちのしこり・張り感

腫瘍が大きくなったり、肝臓全体が腫大(腫れて大きくなること)したりすると、みぞおちや右肋骨下縁に硬さやしこりとして触れることがあります(「肝臓がん みぞおちしこり」)。ただし、体型によっては触れにくいこともあり、自己触診では判断が困難です。気になる硬さや膨らみを感じたら、速やかに医療機関を受診してください。

食欲低下、体重減少、だるさ

全身的な変化として、食欲が落ちる、理由なく体重が減る、疲れやすい・だるいといった症状が現れることがあります。これらは肝機能の低下やがんによる全身への影響(悪液質)によって起こりえます。ただし、これらの症状は多くの疾患でもみられるため、単独での判断は禁物です。

黄疸、尿の色の変化、かゆみ

肝臓や胆管の機能が著しく低下したり、腫瘍が胆管を圧迫・閉塞したりすると、胆汁の流れが滞り、ビリルビン(胆汁の色素)が血中に増加します。これが黄疸(皮膚や白目が黄色くなる状態)として現れます。同時に尿が濃い茶色(ビール色)になる、皮膚のかゆみが強くなるといった変化もみられます。黄疸は緊急性が高い場合もあるため、発見したら早急に医療機関を受診してください。

肝臓がんの症状と間違えやすいほかの病気

肝炎、脂肪肝、肝硬変との違い

慢性肝炎や脂肪肝、肝硬変でも、だるさ・食欲低下・腹部の張り感などは共通して現れます。これらの疾患は肝臓がんのリスク因子でもあるため、既存の肝疾患がある方は定期的なフォローアップが特に重要です。

胆のう・胆管の病気との違い

胆石症や胆のう炎でも右上腹部痛・背中の痛み・黄疸が起こります。胆道がん(胆管がんなど)も類似した症状を示します。自覚症状だけでは鑑別が難しいため、画像検査や血液検査が必要です。胆道がんの症状について詳しくは「胆道癌の症状とは?胆管癌などでみられる変化と受診目安」もご覧ください。

胆管ステントが詰まったときにみられる症状

胆管が腫瘍や結石で閉塞した際、胆汁の流れを確保するために胆管ステント(管状の器具)を留置することがあります。このステントが詰まる(閉塞する)と、黄疸の再出現・発熱・右上腹部痛・悪寒(胆管炎の症状) が現れます(「胆管ステント 詰まる 症状」)。ステント留置後にこれらの症状が出た場合は、緊急の対応が必要なことがあるため、担当医や医療機関へ速やかに連絡してください。

肝臓がんを疑いやすい変化と受診のきっかけ

いつもと違う症状が続くとき

1〜2週間以上、右上腹部の不快感・背中の痛み・体重減少・だるさが続く場合は、一度消化器内科を受診することをお勧めします。

健診や定期通院で指摘されたとき

健診でAST・ALT・γ-GTPなどの肝機能異常、あるいは腹部エコーで異常所見を指摘された場合は、精密検査が必要です。「健診の再検査」は軽く見ず、必ず専門医への相談につなげてください。

B型・C型肝炎、肝硬変がある人で注意したいこと

国立がん研究センター がん情報サービスによると、肝臓がんの主な原因としてB型肝炎ウイルス(HBV)・C型肝炎ウイルス(HCV)感染、および肝硬変が挙げられています。これらのリスク因子を持つ方は、症状がなくても定期的な腫瘍マーカー(AFP・PIVKA-II)と腹部超音波検査が推奨されています。

受診・相談の目安

早めに受診したい症状

症状 目安
右上腹部・みぞおちの不快感・鈍痛が2週間以上続く 消化器内科を受診
理由のない体重減少・食欲低下が続く 消化器内科を受診
背中や右肩の痛みが繰り返す 消化器内科を受診
健診で肝機能異常を指摘された 精密検査へ

すぐに医療機関へ相談したい症状

  • 皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)
  • 尿が濃い茶色になった
  • 激しい腹痛・発熱・悪寒が重なる
  • 胆管ステント留置後に発熱・黄疸が再出現した

これらの症状は緊急対応が必要な場合があります。休日・夜間でも医療機関へご連絡ください。

どの診療科を受診すべきか

まずは消化器内科が窓口となります。症状や検査結果によって、消化器外科・肝臓専門医・腫瘍科等へ紹介される流れが一般的です。

ご予約・お問い合わせはこちらからお気軽にご相談ください。

肝臓がんの初期発見で行われる検査

血液検査

肝機能(AST・ALT・γ-GTP・ビリルビンなど)と腫瘍マーカー(AFP:アルファフェトプロテイン、PIVKA-II)を測定します。ただし、早期では腫瘍マーカーが正常範囲内のこともあり、血液検査のみで確定診断はできません。

腹部超音波検査

体への負担が少なく、外来で手軽に受けられる画像検査です。肝臓の腫瘤(しこり)や形態の変化を確認できます。スクリーニング(絞り込み検査)の第一選択として広く用いられています。

CT・MRIなどの画像検査

超音波検査で異常が疑われた場合、造影CT(造影剤を使ったCT検査)や造影MRIで腫瘍の性状・位置・大きさ・転移の有無をより詳しく評価します。確定診断には生検(組織の一部を採取する検査)が必要な場合もあります。

公的データからみる肝臓がんと早期発見の重要性

肝臓がんに多い背景とリスク因子

国立がん研究センター がん統計(2024年公表データ)によると、肝臓がん(肝細胞がん)は日本で年間約4万人が罹患すると推計されています。主なリスク因子はB型・C型肝炎ウイルス感染、アルコール性肝疾患、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)などです。

健診・定期検査が大切とされる理由

肝臓がんは早期発見・早期治療によって予後(病気の経過)が改善する可能性があるとされています。ただし、統計上の生存率データはあくまで集団の傾向であり、個々の患者さんの経過を保証するものではありません。リスク因子を持つ方への定期検査は、日本肝臓学会のガイドラインでも推奨されています。

当院での診療から

症状の整理とリスク評価

当院では、「右腹部が重い」「疲れやすい」「健診で肝臓の数値が高かった」などのご相談を受けた際、問診で症状の経過・生活習慣・肝炎ウイルス感染歴などを丁寧に確認し、リスクを総合的に評価しています。

必要に応じた検査へのつなぎ方

当院は消化器内視鏡センターを備え、鎮静下の内視鏡検査を日常的に実施しています。腹部超音波検査や血液検査(腫瘍マーカー含む)も外来で対応可能です。画像検査や病理検査が必要と判断した場合は、横浜市内の基幹病院へ速やかに紹介し、地域連携クリティカルパス(病院と診療所が連携して診療を継続する仕組み)を活用しながら術後のフォローアップを担当しています。

他院治療中の方の相談について

すでに専門病院で治療を受けている方が、「体の変化を近くで相談したい」「胆管ステントの不具合が心配」「在宅療養に移行したい」といったご要望でご来院されるケースもあります。当院は在宅療養支援診療所として在宅緩和ケア・看取りにも対応しており、治療の段階を問わず、患者さんとご家族に寄り添った相談窓口としてご利用いただけます。

肝臓がんの全体像については「肝臓がん・胆道がんとは|症状・検査・治療・生活までを医師監修で解説する総合ガイド」もあわせてご参照ください。

よくある質問(FAQ)

初期の肝臓がんは痛みがないこともありますか

はい、あります。肝臓は痛みを感じる神経が少ないため、腫瘍が小さい段階では痛みが出ないことが多く、定期検査で偶然発見されるケースも少なくありません。痛みがないからといって問題がないとは限らず、リスク因子がある方は無症状でも定期検査を受けることが重要です。

背中の痛みだけで肝臓がんを疑うべきですか

背中の痛みは、筋肉・骨・胆石・腎臓疾患など多くの原因で起こります。背中の痛みのみで肝臓がんを断定することはできませんが、右上腹部の不快感・体重減少・だるさなどが重なる場合や、B型・C型肝炎・肝硬変がある方では、一度消化器内科を受診し、超音波検査や血液検査を受けることをお勧めします。

健診で異常がなくても肝臓がんになることはありますか

あります。健診の血液検査は肝機能の大まかな評価であり、早期の肝臓がんでは腫瘍マーカーが正常値内のこともあります。また、腹部エコーを含まない健診では画像評価ができません。特にリスク因子がある方は、健診とは別に専門的な定期検査を受けることが推奨されます。

症状がなくても検査を受けたほうがよい人はいますか

はい。B型・C型肝炎ウイルスに感染している方、肝硬変と診断されている方、アルコール性肝疾患やNASHがある方は、症状がなくても6か月〜1年に1回程度の腹部超音波検査と腫瘍マーカー検査が推奨されています(日本肝臓学会ガイドライン参照)。ご自身のリスクについては主治医にご確認ください。

参考文献・出典

本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)

医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医

専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴

1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割

厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

AIプラスクリニックたまプラーザのご案内

たまプラーザで内科・消化器の気になる症状がある方へ。受診の目安や検査についてお気軽にご相談ください。

ご予約・お問い合わせ

TEL: 045-909-0117(横浜市青葉区・たまプラーザ)

初診の際は、保険証・お薬手帳・(お持ちであれば)健診結果や紹介状をご用意いただくとスムーズです。ご予約はWebまたはお電話で承ります。

免責事項

本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状や治療についての判断は、必ず主治医・専門医にご相談ください。記載内容は公開時点の公的情報・診療ガイドラインに基づいており、最新情報は国立がん研究センター「がん情報サービス」等でご確認ください。


AIプラスクリニックたまプラーザ
こんにちは!ご質問にお答えします。

・診療時間や予約方法
・アクセス方法
・診療科目について

サイト内の記事も参考に回答しますので、お気軽にお尋ねください。