オンライン予約はこちら

胃炎の薬|内科医がわかりやすく解説

健康ブログ

健康で楽しい生活を送る

胃炎の薬|内科医がわかりやすく解説【たまプラーザ】

胃炎の治療では、症状や原因に合わせた薬の選択が重要です。胃酸を抑える薬・胃粘膜を保護する薬・胃の動きを整える薬など複数の種類があり、市販薬で対応できる軽症から、ピロリ菌除菌が必要なケース、内視鏡検査が欠かせない場合まで幅広く対応が異なります。この記事では、胃炎に使われる薬の種類や選び方、生活習慣の見直しのポイントを、消化器専門医の監修のもとわかりやすく解説します。

この記事は医療情報の提供を目的としています。実際の診断・治療については、必ず医師の診察を受けてください。

胃炎に使われる薬とは?まず知っておきたい基本

胃炎の症状と、薬が使われる場面

胃炎とは、胃の粘膜に炎症が起きた状態です。みぞおちの痛み・胃もたれ・吐き気・食欲不振・胸やけなどが代表的な症状として知られています。これらの症状を和らげるために、薬が用いられます。

急性胃炎と慢性胃炎で治療の考え方はどう違う?

急性胃炎は暴飲暴食・ストレス・感染・薬剤(NSAIDs=非ステロイド性抗炎症薬など)が原因となることが多く、原因除去と短期的な症状緩和が中心となります。一方、慢性胃炎はヘリコバクター・ピロリ菌(以下ピロリ菌)感染が大きな要因となることが多く、除菌治療を含めた中長期的な管理が必要になる場合があります。

胃炎の薬の種類

胃酸を抑える薬

胃酸の分泌を抑えることで、胃粘膜の炎症や痛みを和らげます。主な種類は以下のとおりです。

  • プロトンポンプ阻害薬(PPI):オメプラゾール、ランソプラゾールなど。胃酸分泌を強力に抑制します。
  • P-CAB(カリウムイオン競合型アシッドブロッカー):ボノプラザン(タケキャブ®)など。PPIより速やかに効果が現れるとされています。
  • H₂ブロッカー:ファモチジン、シメチジンなど。比較的マイルドに胃酸分泌を抑制します。

胃粘膜を守る薬

胃粘膜を保護・修復する薬です。レバミピド(ムコスタ®)はその代表例で、胃粘膜の防御機能を高める作用があります。スクラルファートやアルギン酸ナトリウムなども粘膜保護薬として使われます。

胃の動きを整える薬

胃の蠕動(ぜんどう)運動を助ける「消化管運動機能改善薬(プロキネティクス)」として、モサプリドやドンペリドンなどが使用されます。胃もたれや吐き気に有効とされています。

ピロリ菌除菌治療で使う薬

ピロリ菌が原因の慢性胃炎に対しては、日本ヘリコバクター学会のガイドラインに基づき除菌治療が行われます。PPI(またはP-CAB)に2種類の抗菌薬(アモキシシリン+クラリスロマイシンなど)を組み合わせた3剤療法が一般的です。除菌後は内視鏡での確認と経過観察が重要です。

市販薬で対応できる場合に使われる薬

H₂ブロッカー(ファモチジンなど)・制酸薬(水酸化アルミニウムゲルなど)・消化酵素配合の胃腸薬などが市販されています。軽症の一時的な不調に限り、短期間の使用が一般的な目安とされています。

症状別にみる胃炎の薬の選び方

胃もたれ・ムカムカが強いとき

消化管運動機能改善薬や消化酵素薬が用いられることがあります。食事量・内容の見直しも並行して行います。

胃の痛み・みぞおちの不快感があるとき

胃酸が関与している場合はPPIやH₂ブロッカーが、けいれん性の痛みにはブスコパン(ブチルスコポラミン)などの鎮痙薬が使われることがあります。痛みの原因を確認することが大切です。

胸やけや酸っぱい逆流感があるとき

PPI・P-CABが第一選択とされることが多く、胃食道逆流症(GERD)を合併している場合は、より積極的な酸分泌抑制治療が検討されます。

吐き気や食欲不振があるとき

吐き気止め(メトクロプラミドなど)や消化管運動機能改善薬が用いられます。感染性胃腸炎との鑑別も重要です。

慢性胃炎ではどんな治療をする?

ピロリ菌が関係する慢性胃炎

ピロリ菌感染は慢性活動性胃炎の主要な原因であり、除菌治療によって炎症が改善する場合があります。除菌適応については医師にご相談ください。

萎縮性胃炎と薬の考え方

胃粘膜が萎縮した状態(萎縮性胃炎)では、胃がんのリスク管理の観点から定期的な内視鏡検査が推奨されます。薬で萎縮そのものを回復させることは難しいため、継続的な経過観察が重要です。

薬だけでなく生活習慣の見直しも重要な理由

薬物療法と並行して、食事・飲酒・喫煙・ストレス管理などの生活習慣を改善することが、症状の改善と再発予防につながります。

市販薬は胃炎に効く?受診前に知っておきたいこと

市販薬を使うときの注意点

市販薬は一時的な症状緩和を目的とするものです。用法・用量を守り、長期にわたる使用は避けることが望ましいとされています。

どのくらい様子を見てよいか

軽症であれば2〜3日程度が目安ですが、症状が続く場合や悪化する場合は早めの受診をお勧めします。

受診を優先したほうがよい症状

  • 黒い便(タール便)・吐血がある
  • 強い腹痛・繰り返す嘔吐がある
  • 急激な体重減少や貧血がある
  • 1〜2週間以上症状が改善しない

これらの症状がある場合は、速やかに内科を受診してください。

胃炎のときに気をつけたい食事と生活習慣

胃炎に良い食べ物・避けたい食べ物

胃炎の症状があるときは、消化の良い食べ物(おかゆ・煮込んだ野菜・柔らかい豆腐など)を選ぶことが勧められます。一方、脂肪分の多い食事・辛い食べ物・炭酸飲料・柑橘類などは胃への負担になる場合があります。

アルコール・喫煙・刺激物との付き合い方

アルコールと喫煙は胃粘膜に直接的なダメージを与えることが知られており、胃炎の症状悪化や回復の遅延につながる可能性があります。症状がある期間は控えることが望ましいとされています。

ストレスや睡眠不足との関係

ストレスは自律神経を介して胃酸分泌や胃の蠕動運動に影響を与えます。適度な運動・十分な睡眠・リラクゼーションの実践が、胃炎の予防・改善に役立つとされています。

lg21と胃炎は関係ある?

乳酸菌食品を取り入れるときの考え方

「LG21乳酸菌」(Lactobacillus gasseri OLL2716株)を含む乳製品は、ピロリ菌の胃内増殖を抑制する可能性が一部の研究で示されています。ただし、これはあくまでも食品としての研究段階の知見です。

薬の代わりになるのか

LG21乳酸菌食品は食品であり、医薬品ではありません。ピロリ菌の除菌や胃炎の治療を代替するものではありません。

食品として期待できること・できないこと

胃腸環境を整えるサポートとして日常生活に取り入れることは問題ありませんが、症状がある場合は食品の摂取だけで対処せず、医師の診察を受けることが重要です。

胃炎の薬を使うときの副作用と注意点

眠気・下痢・便秘などが出ることがある薬

H₂ブロッカーでは稀に眠気・頭痛、PPI・P-CABでは下痢・便秘・頭痛などの副作用が報告されています。気になる症状が出た場合は、自己判断で中止せず処方医にご相談ください。

併用に注意したい薬やサプリ

PPIはクロピドグレル(血液をさらさらにする薬)などと相互作用が生じる場合があります。また、鉄剤や一部のサプリメントとの吸収への影響も知られています。お薬手帳を活用し、医師・薬剤師に服用中の薬を必ず伝えてください。なお、痛み止め(NSAIDs)の長期使用は胃粘膜障害のリスクがあるため、胃炎がある方は特に注意が必要です。

妊娠中・授乳中・高齢者での注意点

妊娠中・授乳中は使用できる薬が限られます。高齢者では腎機能・肝機能の低下により薬の代謝が変化する場合があります。いずれも自己判断せず、必ず医師に相談してください。

こんなときは早めに内科を受診

強い腹痛や繰り返す嘔吐がある

急性の強い腹痛・嘔吐は、胃炎以外の疾患(胃潰瘍・膵炎・腸閉塞など)の可能性もあります。速やかな診察が勧められます。

黒い便・吐血がある

消化管出血のサインである可能性があり、早急な対応が必要です。

症状が長引く、何度も再発する

2週間以上症状が続く場合や、繰り返す場合は、内視鏡検査などによる精密検査を含めた評価が重要です。胃腸薬の選び方・使い方全般については胃腸薬とは?選び方・使い方を内科医が解説【たまプラーザ】もご参照ください。

胃がんなど他の病気を除外したほうがよい場合

慢性的な胃の不調、体重減少、食欲低下、貧血などが重なる場合は、内視鏡検査による胃がん等の除外が推奨されます。

たまプラーザで胃炎の相談をする前に

受診時に伝えるとよい症状と経過

症状が始まった時期・痛みの場所・食事との関連・便の性状・体重変化などを整理しておくと、診察がスムーズに進みます。

これまで使った薬や食事内容を整理しておく

市販薬を含め、これまで使用した薬の名前・服用期間・効果の有無をメモしておくと、医師が適切な治療方針を立てやすくなります。お薬手帳や健診結果もぜひお持ちください。

よくある質問(FAQ)

Q. 胃炎の薬は何日くらいで効きますか?

A. 種類によって異なりますが、H₂ブロッカーやPPIは服用後比較的早期(数日以内)に胃酸関連の症状改善が期待されます。ただし、慢性胃炎では数週間以上の継続治療が必要なこともあります。効果が感じられない場合は医師にご相談ください。

Q. 胃炎に市販薬だけで対応しても大丈夫ですか?

A. 軽症・短期間であれば市販薬の使用も選択肢のひとつですが、2週間以上症状が続く・繰り返す・悪化するといった場合は受診をお勧めします。黒い便・吐血などがある場合はすぐに受診してください。

Q. 胃炎が長引くときは何科を受診すればよいですか?

A. 内科または消化器内科の受診が適しています。症状によっては内視鏡検査(胃カメラ)が必要となる場合があります。

Q. 胃炎のときにコーヒーや牛乳は避けたほうがよいですか?

A. コーヒーは胃酸分泌を促進する作用があるため、症状悪化時は控えることが望ましいとされています。牛乳は一時的に症状を和らげることがありますが、その後に胃酸分泌が増加するとされる報告もあります。体調に合わせて量や頻度を調整してください。

Q. ピロリ菌がいると胃炎は必ず治療が必要ですか?

A. 日本ヘリコバクター学会のガイドラインでは、ピロリ菌感染による慢性胃炎に対して除菌治療が推奨されています。ただし、個々の状況によって治療方針は異なるため、必ず医師にご相談ください。

関連記事

本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお) 医師・医学博士 / AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医

専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター 外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

AIプラスクリニックたまプラーザのご案内

たまプラーザで、胃炎や消化器・内科に関する気になる症状がある方へ。「薬を飲んでも症状が続く」「胃カメラを受けるべきか判断できない」など、どのような段階のご不安でもお気軽にご相談ください。

ご予約・お問い合わせ

TEL:045-909-0117(横浜市青葉区・たまプラーザ)

初診の際は、保険証・お薬手帳・お持ちであれば健診結果や紹介状をご用意いただくとスムーズです。ご予約はWebまたはお電話で承ります。

AIプラスクリニックたまプラーザ
こんにちは!ご質問にお答えします。

・診療時間や予約方法
・アクセス方法
・診療科目について

サイト内の記事も参考に回答しますので、お気軽にお尋ねください。