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左腹部に痛みとは?原因・症状・対処を内科医が解説

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左腹部に痛みとは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】

左腹部の痛みは、便秘や腸のガスから始まり、大腸・腎臓・婦人科疾患まで幅広い原因が考えられます。痛みの場所・性質・随伴症状を組み合わせることで、どの臓器が関係しているかをある程度絞り込むことができます。本記事では、消化器専門医の監修のもと、左腹部の痛みの原因・主な病気・受診の目安・自宅での対処を、わかりやすくまとめました。

本記事は医学的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を保証するものではありません。症状が続く場合や強い痛みがある場合は、必ず医師の診察をお受けください。

左腹部に痛みとは?まず知っておきたいこと
左腹部のどのあたりを指すのか
腹部は便宜上、「右上・右下・左上・左下」の4区域や、さらに細かい9区域に分けられます。「左腹部」とは、おへその左側全体を指す場合に使われますが、臨床的には「左上腹部(みぞおち左寄り)」と「左下腹部(左の腰骨あたり)」でかかわる臓器が異なります。
左上腹部:胃・脾臓・膵臓尾部・左腎臓の上部
左下腹部:下行結腸・S状結腸・左尿管・女性では左卵巣・卵管

痛みの出方で考えられることが変わる理由
痛みの性質は、原因を探る重要な手がかりになります。「突然の強い痛み」は尿路結石や腸閉塞などの急性疾患を示唆することがあり、「食後にじわじわ痛む」場合は胃炎や過敏性腸症候群が関連することもあります。「いつから・どこが・どのように痛むか」を整理しておくと、受診時の問診がスムーズになります。

左腹部に痛みの主な原因
消化器の原因で多いもの
胃・小腸・大腸など消化管に関連する原因が最も多く見られます。便秘によるガス貯留、大腸憩室炎、過敏性腸症候群、胃炎・胃潰瘍などが代表的です。

泌尿器の原因で考えられるもの
左の尿管・腎臓に関連する尿路結石や腎盂腎炎が考えられます。尿路結石では背中から脇腹にかけての突然の激しい痛みが特徴的です。

女性に多い婦人科系の原因
月経に伴う痛み(生理痛)のほか、子宮内膜症・卵巣囊腫・卵管炎なども左腹部の痛みとして現れることがあります。

筋肉や肋骨まわりの痛みの可能性
腹筋の肉離れや肋間神経痛も左腹部の痛みの原因になりえます。体をひねったときや呼吸で痛みが変化する場合は、筋骨格系の問題も念頭に置く必要があります。

左腹部の痛みで考えられる主な病気
便秘・腸のガス貯留
便が溜まったり腸内にガスが溜まったりすることで、左下腹部に鈍い張りや痛みが生じます。排便・排ガス後に軽減する場合は便秘が原因の可能性があります。

大腸憩室炎
大腸の壁の一部が袋状に膨らんだ「憩室」に炎症が起きる病気です。左下腹部の持続的な痛み・発熱を伴うことがあり、抗生物質による治療が必要になる場合があります。

過敏性腸症候群(IBS)
腸の器質的な異常がないにもかかわらず、腹痛・下痢・便秘などを繰り返す機能性疾患です。ストレスや食事との関連が指摘されています。ローマ診断基準(Rome IV)をもとに診断されます。

胃炎・胃潰瘍
胃の粘膜に炎症や潰瘍ができる病気で、みぞおちから左上腹部に痛みが広がることがあります。ピロリ菌感染が関与するケースも少なくありません。

尿路結石・腎盂腎炎
尿路結石は背中から左脇腹にかけての激しい疝痛(せんつう)が特徴で、血尿を伴うことがあります。腎盂腎炎では発熱・腰背部痛が目立ちます。

婦人科疾患(月経関連の痛み、卵巣・子宮の病気など)
月経困難症・子宮内膜症・卵巣囊腫破裂・子宮外妊娠などが左下腹部痛の原因になります。妊娠の可能性がある場合は特に早急な対応が求められます。

痛み以外に見られる症状
発熱・吐き気・嘔吐がある場合
炎症性疾患(憩室炎・腎盂腎炎など)や消化管感染症の可能性があります。

下痢・便秘・血便がある場合
過敏性腸症候群・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)・大腸がんなども鑑別に挙がります。血便・黒色便は早めの受診が必要です。

排尿時痛・頻尿・血尿がある場合
尿路感染症や尿路結石を疑います。血尿は泌尿器科的な精査が必要になる場合があります。

月経異常・不正出血がある場合
婦人科疾患との関連が考えられます。特に子宮外妊娠は命に関わる可能性があるため、妊娠の可能性がある場合はためらわずに受診してください。

すぐに受診を考える危険なサイン
突然の強い痛みがある
突然始まる激しい腹痛は、腸穿孔・腸閉塞・尿路結石・卵巣囊腫茎捻転などの可能性があります。
冷や汗・息苦しさ・意識がぼんやりする
ショック状態を示す可能性があり、救急受診が必要です。
お腹が硬い、押すと強く痛む
腹膜炎を示唆する所見です。腹部の筋性防御(板状硬)がある場合はすぐに医療機関を受診してください。
血便・黒色便・血尿がある
消化管出血や泌尿器疾患が疑われ、早急な検査が必要です。
妊娠の可能性がある、または高熱を伴う
子宮外妊娠・骨盤内炎症性疾患などは緊急対応が必要になる場合があります。

何科を受診すべきか
内科・消化器内科が向いているケース
消化器症状(便秘・下痢・吐き気・食欲不振など)が中心の場合は内科・消化器内科が適しています。

泌尿器科が向いているケース
血尿・排尿時痛・背部から脇腹への激しい痛みがある場合は泌尿器科への受診が適切です。

婦人科が向いているケース
月経不順・不正出血・妊娠の可能性がある場合は婦人科を受診してください。

迷うときの受診先の考え方
「どの科に行けばよいかわからない」場合は、まず内科・総合内科を受診するのが一般的です。問診と身体診察で必要に応じて専門科へ紹介されます。

また、下腹部痛みとは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】も併せてご覧ください。左下腹部に症状が集中している方に参考になります。

医療機関で行う主な診察・検査
問診で確認すること
痛みの場所・始まった時期・性状(鈍痛・鋭痛・疝痛)・誘因・随伴症状・既往歴・月経歴などを確認します。

身体診察でみるポイント
腹部の触診・打診で圧痛部位・筋性防御・腸蠕動音などを確認します。

血液検査・尿検査
炎症反応(CRP・白血球数)・腎機能・電解質・尿沈渣などを評価します。

超音波検査・CT検査
超音波(エコー)検査は被曝なく手軽に実施でき、腎臓・卵巣・腸管などをスクリーニングできます。CT検査はより詳細な評価が可能で、憩室炎・尿路結石・腹腔内の病変確認に優れています。

必要に応じた内視鏡検査
胃炎・胃潰瘍が疑われる場合は上部消化管内視鏡(胃カメラ)、大腸疾患が疑われる場合は大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を行います。

自宅でできる対処と注意点
安静にして様子を見るとよい場合
排便後に改善する軽い鈍痛や、ガスが溜まった感覚であれば、まず安静にして様子をみることができます。

水分補給と食事の工夫
便秘が疑われる場合は、水分をしっかり摂り、食物繊維を含む食品(野菜・海藻・豆類)を意識して摂取することが助けになる場合があります。

市販薬を使う前に注意したいこと
整腸剤・便秘薬・鎮痛薬などは一時的な症状緩和に用いられることがありますが、強い痛みや発熱を伴う場合は使用前に医師へ相談することが望ましいです。鎮痛薬の使用で痛みを感じにくくなると、受診の判断が遅れる場合があります。

やってはいけない対処
強い腹痛があるのに受診を先送りにする
腹部を強く押す・マッサージする(腹膜炎・穿孔の場合は悪化のリスクがあります)
根拠のない絶食や浣腸の乱用

左腹部の痛みを予防・再発予防するために
便秘対策と生活習慣の見直し
水分摂取(目安:1日1.5〜2L)・食物繊維の摂取・適度な運動・規則正しい排便習慣が便秘の予防に役立ちます。

食事・睡眠・ストレス管理
過敏性腸症候群は特にストレスとの関連が深いとされています。十分な睡眠・バランスのよい食事・ストレスを和らげる習慣が症状の安定に寄与することがあります。

症状記録をつけるメリット
「いつ・どこが・どのくらい痛んだか・食事や月経との関係」を記録しておくと、受診時の情報として非常に役立ちます。スマートフォンのメモアプリを活用する方法もあります。

腹痛の治し方・治療法|内科医がわかりやすく解説【たまプラーザ】では、日常的な腹痛の対処・治療法をさらに詳しく解説しています。

たまプラーザ周辺で受診を考える方へ
受診のタイミングの目安
痛みが3日以上続く、または繰り返している
発熱・嘔吐・血便・血尿などを伴う
急に強い痛みが起きた(救急対応も検討)
体重減少・食欲不振など全身症状もある

当院で相談を検討したい症状
上記のような「左腹部の痛みが気になる」「どの科に行けばよいかわからない」という方は、当院(AIプラスクリニックたまプラーザ)にお気軽にご相談ください。問診・身体診察・血液・尿・超音波検査などを通じて、適切な診療につなげます。ご予約・お問い合わせはWebまたはお電話で承ります。

よくある質問(FAQ)
左腹部の痛みは便秘だけが原因ですか?
いいえ、便秘は原因の一つですが、大腸憩室炎・過敏性腸症候群・尿路結石・婦人科疾患など幅広い原因が考えられます。発熱・血便・強い痛みを伴う場合は、便秘以外の原因を念頭に医師の診察を受けることをおすすめします。

どのくらい続いたら受診すべきですか?
目安として、3日以上続く場合や日常生活に支障が出る痛みがあれば受診を検討してください。発熱・嘔吐・血便・血尿・急激な強痛がある場合は、持続期間にかかわらず早めに受診してください。

左下腹部がチクチク痛むのは何が考えられますか?
断続的なチクチクした痛みには、過敏性腸症候群・腸のガス貯留・筋肉や神経由来の痛みなどが考えられます。月経周期に連動する場合は婦人科疾患の可能性もあります。症状が続く場合は一度受診を検討してください。

食後に左腹部が痛むのはなぜですか?
食後に消化管が活発に動くことで痛みが誘発されることがあります。過敏性腸症候群や胃炎・胃潰瘍では食後に痛みが出やすいとされています。特定の食品で悪化する場合は、食事記録をつけて受診時に持参すると診断の助けになります。

受診前に食事をしても大丈夫ですか?
超音波検査や血糖検査では空腹が望ましい場合があります。受診前に食事摂取が可能か不安な場合は、予約時にお問い合わせいただくとスムーズです。ただし、緊急性の高い症状がある場合は食事の有無にかかわらず受診してください。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)

医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医

専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:

1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:

厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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