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過敏性胃腸炎とは?原因・症状・対処を内科医が解説

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過敏性胃腸炎とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】

「過敏性胃腸炎」という言葉を耳にしたことがある方も多いと思いますが、実は医学的に確立した正式な病名ではなく、胃腸が過敏になることで起こるさまざまな不調をまとめて指す俗称的な表現です。下痢・腹痛・吐き気などの症状が続く場合、ストレス・食事・感染後の影響など複数の原因が絡み合っていることがあります。本記事では、過敏性胃腸炎の特徴・原因・自宅でできる対処・受診の目安について、医学的根拠に基づいてわかりやすく解説します。

過敏性胃腸炎とは

過敏性胃腸炎はどんな状態?

「過敏性胃腸炎」は、胃や腸の粘膜に目に見える炎症や潰瘍がないにもかかわらず、下痢・腹痛・吐き気・腹部不快感などの消化器症状が繰り返す状態を指すことが多いです。ストレスや自律神経の乱れによって腸管の動きが乱れることが背景にあると考えられています。

過敏性腸症候群(IBS)との違い

「過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)」は、日本消化器病学会のガイドラインでも定義されている正式な病名です。腹痛と排便習慣の変化(下痢・便秘など)が慢性的に繰り返される機能性消化管疾患で、炎症や器質的疾患は認めません。「過敏性胃腸炎」は胃の症状も含んだ幅広い不調を指す場合に用いられることが多く、IBSより広い概念として使われることがあります。症状が似ているため混同されがちですが、正確な診断は医師による診察が必要です。

過敏性胃腸炎でみられる主な症状

下痢が続く

食後や緊張時に急に便意が起きたり、水様便・軟便が数日〜数週間続いたりすることがあります。

腹痛や腹部の不快感

へそ周辺や下腹部に差し込むような痛みや、鈍い不快感が生じることがあります。排便後に一時的に楽になるケースも多いです。

吐き気・食欲低下・お腹の張り

胃の不快感・吐き気・膨満感(お腹の張り)が伴うことがあります。食欲が落ちて食事量が減る場合もあります。

症状が出やすいタイミング

朝食後・仕事や学校に行く前・緊張する場面の前など、特定の状況で症状が出やすいのが特徴です。これは自律神経の影響が大きいと考えられています。

過敏性胃腸炎の主な原因

ストレスや自律神経の乱れ

精神的なストレスや睡眠不足は、自律神経を介して腸管の動きに直接影響します。脳と腸は「脳腸相関」と呼ばれる密接なつながりがあり、不安や緊張が腸の過剰な収縮や知覚過敏を引き起こすことがあります。

胃腸炎のあとに症状が残ることがある

感染性胃腸炎にかかった後、腸内環境の乱れや腸管の過敏性が残り、下痢や腹痛が長引くケースがあります。これは「感染後IBS(Post-infectious IBS)」とも呼ばれ、国際的な研究でも報告されています。

→ 感染性胃腸炎との関係については、急性胃腸炎とは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】もあわせてご参照ください。

食事内容や生活習慣の影響

高脂肪食・辛い食べ物・冷たい飲み物・カフェイン・アルコールなどは腸管を刺激することがあります。不規則な食事時間や睡眠不足も症状を悪化させる要因です。

感染性腸炎や食中毒との関連

ノロウイルス・サルモネラ菌などによる急性胃腸炎や食中毒後に、腸の過敏性が高まることがあります。また、ストレス性の胃腸症状との区別が難しい場合もあります。ストレスが主因と疑われる場合は、ストレス性胃腸炎とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】の記事も参考になります。

似た症状を起こす病気

感染性胃腸炎

ウイルスや細菌による急性の感染で、発熱・嘔吐・下痢が急激に現れます。

食中毒

食品中の細菌・ウイルス・毒素が原因で起こる急性の症状です。アニサキスによる激しい腹痛も食中毒の一種です。詳しくはアニサキスの症状|内科医がわかりやすく解説【たまプラーザ】をご覧ください。

潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患

粘血便・体重減少・発熱を伴う場合は潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患の可能性があります。早期の専門的診断が重要です。

受診が必要な別の病気の可能性

大腸がんや虚血性腸炎なども類似症状を呈することがあります。症状が長引く場合は自己判断せず医師に相談することが大切です。

自宅でできる対処法

水分補給のポイント

下痢が続くと脱水になりやすいため、こまめな水分補給が重要です。経口補水液・スポーツドリンク(薄めたもの)・白湯などが適しています。冷たい飲み物は腸を刺激することがあるため、常温か温かいものが望ましいです。

食事で気をつけたいこと

消化の良いもの(おかゆ・うどん・白身魚・豆腐など)を少量ずつ食べるようにしましょう。食物繊維が豊富な食材は過敏な腸を刺激することがあるため、急性期は控えめにすることが一般的です。

刺激物・脂っこい食事・アルコールを控える

香辛料・揚げ物・アルコール・コーヒーなどは腸の刺激になりやすいため、症状が落ち着くまでは避けることをお勧めします。

休養とストレス対策

十分な睡眠・軽い運動・入浴による体温調節などがストレス軽減に役立ちます。腹部を温めると腸の動きが安定しやすくなる場合もあります。

市販薬を使うときの注意点

下痢止めを自己判断で使わないほうがよい場合

感染性腸炎や食中毒の場合、下痢止め(腸管の動きを止める薬)を使うと原因菌や毒素の排出を妨げることがあります。発熱・血便・激しい腹痛を伴う場合は、下痢止めの自己使用は避け、早めに受診してください。

胃腸薬や整腸剤の考え方

整腸剤(ビフィズス菌・乳酸菌製剤など)は腸内環境を整える目的で使用でき、比較的安全性が高いとされています。ただし、症状が長引く場合は薬局薬剤師への相談または医療機関への受診をお勧めします。

服薬前に確認したいこと

現在服用中の薬との飲み合わせ・基礎疾患・アレルギーの有無を確認してから使用してください。妊娠中・授乳中の方は必ず事前に医師または薬剤師に相談してください。

受診の目安

早めに内科を受診したほうがよい症状

  • 下痢・腹痛が3日以上続く
  • 体重が明らかに減った
  • 食事や水分がほとんど摂れない
  • 症状が繰り返す

救急受診を考える症状

  • 血便・黒色便がある
  • 激しい腹痛が急に起きた
  • 高熱・意識の混濁・ぐったりしている
  • 脱水が疑われる(口の渇き・尿量低下・ぐったり感)

どの診療科を受診すればよいか

まずは内科・消化器内科を受診するのが一般的です。症状に応じて、必要な検査や専門医への紹介が行われます。

医療機関で行う検査と診断

問診で確認すること

症状の経過・食事内容・海外渡航歴・服薬歴・ストレスの状況などを丁寧に確認します。

必要に応じて行う検査

血液検査・便培養(細菌の有無)・腹部超音波・必要に応じて大腸内視鏡検査などが行われることがあります。特に症状が長引く場合は、器質的疾患の除外が重要です。

医師が見分けるポイント

感染性か機能性か、炎症性腸疾患との鑑別、悪性疾患の可能性などを総合的に判断します。

治療の考え方

原因に応じた治療

感染が原因であれば整腸剤・補液・場合によっては抗菌薬が検討されます。ストレス・機能性の場合は消化管の動きを調整する薬や抗不安薬が用いられることもあります。

症状を和らげるための治療

腸の過剰な収縮を抑える薬(鎮痙薬)・下痢止め・整腸剤など、症状に応じた薬物療法が行われます。

生活習慣の見直しと再発予防

薬物療法だけでなく、食事・睡眠・ストレス管理の改善が再発防止の柱となります。

日常生活で再発を防ぐために

規則正しい食事と睡眠

毎日ほぼ同じ時間に食事・睡眠をとることで、腸の動きのリズムが整いやすくなります。

ストレスをためにくい工夫

軽い運動・趣味・リラクゼーション法(深呼吸・入浴など)を取り入れ、ストレスを日常的に発散する習慣をつけることが大切です。

症状の記録をつける

いつ・どんな症状が出たか・食事内容・ストレスの程度などを記録しておくと、受診時に役立ちます。

よくある質問(FAQ)

過敏性胃腸炎は自然に治ることがありますか?

ストレスや一時的な食事の乱れが原因の場合、生活習慣の改善や休養で症状が落ち着くことがあります。ただし、症状が長引く場合や繰り返す場合は他の病気が隠れていることもあるため、医師への相談をお勧めします。

何日くらい症状が続いたら受診すべきですか?

下痢・腹痛が3日以上続く場合、または血便・発熱・強い脱水症状がある場合は早めに内科を受診してください。

学校や仕事は休んだほうがよいですか?

感染性の原因が疑われる場合は、他者への感染拡大を防ぐためにも安静を心がけてください。特にノロウイルスなどウイルス性胃腸炎は感染力が強いため、症状が続く間は集団生活を控えることが望ましいです。

感染しますか?

過敏性胃腸炎がストレス・機能性の場合は感染しません。一方、感染性胃腸炎や食中毒が原因の場合は原因菌・ウイルスによっては他者に感染することがあります。原因が不明な段階では、手洗い・食品衛生に気をつけてください。

子どもや高齢者でも起こりますか?

どの年齢層にも起こりえます。子どもや高齢者は脱水になりやすいため、症状が出た場合は早めに医療機関を受診することが重要です。

たまプラーザ周辺で受診先を選ぶポイントはありますか?

症状が数日以上続く・繰り返す場合は、内科または消化器内科を受診するのが一般的です。問診や必要に応じた検査ができるクリニックを選ぶと安心です。AIプラスクリニックたまプラーザでは消化器・内科の診療を行っています。ご予約・お問い合わせよりお気軽にご相談ください。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:
厚生労働省『地域連携クリティカルパスモデルの開発』班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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