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栄養状態の血液検査|内科医がわかりやすく解説

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栄養状態の血液検査|内科医がわかりやすく解説【たまプラーザ】

「なんとなく疲れやすい」「体重が減ってきた」「食欲がない」といった症状が続くとき、血液検査で栄養状態を評価することが有用です。栄養状態の血液検査では、アルブミンや鉄、ビタミン類など複数の指標をあわせて確認することで、体内の栄養バランスの乱れを客観的に把握する手がかりが得られます。本記事では、どのような項目を調べるのか、どういった場合に受診を検討するのかについて、内科医の視点からわかりやすく解説します。

栄養状態の血液検査とは?何を調べる検査か
血液検査でわかる栄養状態の基本

栄養状態の評価に用いる血液検査とは、体内でエネルギー源や組織の材料として働くたんぱく質・鉄・ビタミン・ミネラルなどが十分に供給・維持されているかどうかを確かめる検査です。採血によって得られた血液を分析し、各種栄養素の状態や、それに関連する臓器の働きを数値として確認します。

健康診断や一般的な採血との違い

一般的な健康診断では、主に生活習慣病に関わる項目(血糖・脂質・肝機能など)が中心です。栄養状態の評価を目的とした血液検査では、これらに加えてアルブミン、鉄・フェリチン、ビタミンB12・葉酸、亜鉛など、通常の健診では含まれない項目を追加して調べることがあります。気になる症状がある場合は、医師に相談したうえで必要な項目を選択することが重要です。

どんなときに栄養状態の血液検査を受けるのか
疲れやすい、だるい、体重変化が気になるとき

疲労感・倦怠感・体重の減少といった症状は、鉄欠乏性貧血や低たんぱく血症など、栄養状態の変化と関連している場合があります。こうした訴えが続くときは、血液検査で原因を探る一助となります。

食事量が少ない、偏食がある、吸収不良が心配なとき

食欲不振・偏食・慢性的な下痢など消化吸収に関わる症状がある場合、栄養素が体内に十分に届いていない可能性があります。胃腸の状態とあわせて評価することが重要です。

健康診断の数値異常から詳しく確認したいとき

健診で貧血・低アルブミン・コレステロール低値などを指摘された場合、原因を詳しく調べるために追加の血液検査を行うことがあります。

栄養状態の評価でよく確認する項目
血清アルブミン

肝臓で合成されるたんぱく質の一種で、低栄養の評価指標として広く用いられています。数値が低い場合は、たんぱく質の摂取不足や吸収障害、または慢性疾患による消耗などが考えられます。

総たんぱく

血液中のたんぱく質の総量を示します。アルブミンとあわせて確認することで、たんぱく質全体の状態を把握します。

ヘモグロビン・赤血球関連項目

赤血球の数やヘモグロビン値(血色素量)は貧血の評価に用います。貧血は鉄・葉酸・ビタミンB12の不足など、さまざまな栄養素の欠乏が原因となり得ます。

フェリチン・鉄関連項目

フェリチンは体内の鉄の貯蔵量を反映する指標です。血清鉄が正常範囲でもフェリチンが低い場合は、貯蔵鉄が枯渇しつつある「潜在性鉄欠乏」の状態が疑われることがあります。

ビタミンB12・葉酸

これらのビタミンが不足すると「巨赤芽球性貧血」を引き起こすほか、神経症状(手足のしびれなど)が現れることもあります。偏食・菜食中心の食生活・胃の手術後などで不足しやすい傾向があります。

亜鉛

亜鉛は免疫機能や皮膚・粘膜の維持に関わるミネラルです。味覚障害・創傷治癒の遅延・脱毛などのときに確認することがあります。

コレステロールや中性脂肪

過剰のみならず、低値も栄養状態の指標となります。LDLコレステロールや総コレステロールが過度に低い場合、摂取エネルギーや脂質の不足、あるいは吸収障害が関係していることがあります。

炎症反応など、栄養評価の解釈に必要な項目

CRP(C反応性たんぱく)などの炎症マーカーが高い場合、アルブミン値などは炎症の影響で低下することがあり、純粋な栄養不足との区別が必要です。栄養評価は、炎症・臓器機能などの情報と組み合わせて解釈することが基本となります。

血液検査の結果で栄養状態をどう見るのか
低栄養が疑われる所見

アルブミン低値・総たんぱく低値・ヘモグロビン低値などが重なっている場合、総合的に低栄養が疑われます。

特定の栄養素不足が疑われる所見

フェリチン低値は鉄欠乏、ビタミンB12低値・葉酸低値は巨赤芽球性貧血のリスク、亜鉛低値は亜鉛欠乏症の可能性など、それぞれの数値が指し示す栄養素の欠乏を確認します。

検査値だけで判断できない理由

同じ数値でも、年齢・性別・持病・服薬状況によって意味が異なります。数値のみで自己判断せず、医師の診察と合わせて解釈することが重要です。

栄養状態の血液検査でわかること・わからないこと
わかること

特定の栄養素の血中レベルや貯蔵量、貧血の種類・程度、たんぱく質の代謝状態などを客観的に確認できます。

わからないこと

血液検査は「ある時点の状態」を反映するものであり、食事の質・食べ方の詳細・腸内環境の状態などを直接把握することはできません。

食事内容や体調、持病もあわせて評価する重要性

血液検査の結果は、日々の食事内容・消化器の状態・服薬歴・基礎疾患などの情報と組み合わせて、総合的に評価することが重要です。内視鏡検査など消化管の評価が必要になるケースもあります(内視鏡検査とは?選び方・使い方を内科医が解説【たまプラーザ】)。

受診の目安と検査を相談したほうがよい人
体重減少や食欲低下が続く人

意図しない体重減少(数か月で体重の5〜10%程度の減少)が続く場合は、早めに受診を検討することが望ましいとされています。

高齢者、慢性疾患のある人

加齢とともに食欲・消化吸収機能が低下しやすく、慢性疾患(糖尿病・慢性腎臓病・炎症性腸疾患など)では栄養状態の変化が起きやすいため、定期的な評価が有用です。

胃腸症状が続く人

慢性的な下痢・消化不良・胃もたれなどが続く場合、吸収不良による栄養不足が隠れていることがあります。消化器科での評価が有用なケースもあります。

ダイエットや食事制限をしている人

過度な食事制限や特定の食品群の排除は、鉄・ビタミン・ミネラルの欠乏につながることがあります。自覚症状がなくても検査で確認することが大切です。

検査の流れ
受診から採血までの流れ

まず内科・消化器内科などを受診し、症状や食事状況などをもとに医師が必要な検査項目を判断します。その後、採血を行います。

結果が出るまでの目安

一般的な血液検査は当日〜数日以内に結果が出ます。ビタミン・亜鉛など特殊な項目は外部検査機関に依頼するため、1〜2週間程度かかることがあります。

検査前に注意したいこと

中性脂肪などは食事の影響を受けるため、空腹状態(原則10時間以上の絶食)で採血することが望ましい場合があります。ただし、受診する医療機関の指示に従ってください。

栄養状態が気になるときの対処の考え方
食事内容の見直し

バランスのよい食事(主食・主菜・副菜の組み合わせ)を基本とし、不足しがちな栄養素を食事から補うことが最優先です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」なども参考になります。

必要に応じた栄養補助の考え方

検査結果や医師の判断をもとに、必要に応じて栄養補助食品や医薬品(鉄剤・ビタミン剤など)が検討されます。

自己判断でサプリに頼りすぎないこと

サプリメントは種類・摂取量によっては過剰摂取のリスクがあります。検査で不足が確認された栄養素についても、自己判断ではなく医師に相談のうえで対処することが重要です。

よくある質問(FAQ)

栄養状態の血液検査は健康診断でわかりますか?

一般的な健康診断の採血では、主に生活習慣病関連の項目が中心です。アルブミン・フェリチン・ビタミンB12・亜鉛などは通常含まれていないため、気になる場合は別途、医療機関への受診が必要です。

空腹で受けたほうがよいですか?

中性脂肪や血糖値は食事の影響を受けるため、原則として空腹での採血が推奨されます。ただし、確認したい項目によって条件が異なりますので、受診する医療機関の指示に従ってください。

栄養不足があっても血液検査で正常と出ることはありますか?

あります。例えば鉄の場合、血清鉄値が正常でもフェリチン(貯蔵鉄)が低い「潜在性鉄欠乏」の状態では、通常の健診の数値だけでは見落とされることがあります。症状が続く場合は、より詳細な検査を受けることをお勧めします。

どの診療科を受診すればよいですか?

内科・消化器内科への受診が一般的です。胃腸症状を伴う場合や消化吸収の問題が疑われる場合は、消化器内科での評価が特に有用です。

栄養状態の異常があった場合は何科で相談しますか?

原因に応じて対応が異なりますが、まずは内科・消化器内科に相談することが多いです。管理栄養士による食事指導が必要な場合は、医師から紹介・連携が行われることもあります。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴

1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割

厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員/全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー/神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役

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