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下痢に効く薬|内科医がわかりやすく解説

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下痢に効く薬|内科医がわかりやすく解説【たまプラーザ】
下痢が続くとき、「市販の下痢止めを飲んでよいか」「どの薬を選べばよいか」と迷う方は少なくありません。下痢の原因によっては、むやみに薬で止めることが適切でない場合もあります。この記事では、下痢に使われる薬の種類・選び方・注意点を、消化器内科の観点からわかりやすく解説します。

この記事の監修: 佐藤 靖郎 医師(医学博士・消化器外科専門医)/AIプラスクリニックたまプラーザ
免責事項: 本記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。個々の症状に対する診断・治療は、必ず医師の診察を受けたうえで判断してください。

下痢に効く薬を選ぶ前に知っておきたいこと
下痢は「止めるべき下痢」と「様子を見る下痢」がある
下痢には、腸管に侵入したウイルスや細菌・毒素を体外に排出しようとする防御反応の側面があります。このような感染性の下痢を薬で無理に止めると、原因となる病原体や毒素が体内にとどまり、症状が長引いたり悪化したりする可能性があります。一方、ストレスや冷えによる機能性の下痢や、慢性的な軟便は適切な薬が助けになることがあります。
受診が必要な下痢のサイン
以下の症状がある場合は市販薬での対処を優先せず、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
  • 38℃以上の発熱を伴う
  • 血便・粘血便がある
  • 激しい腹痛・嘔吐がある
  • 2日以上改善しない
  • 乳幼児・高齢者・妊婦での下痢
下痢に使われる薬の種類
止瀉薬(下痢止め)
腸の動きを抑えたり、腸管内の水分分泌を減らしたりすることで下痢の症状を緩和します。代表的な成分はロペラミド塩酸塩やタンニン酸アルブミンなどです。
整腸剤・乳酸菌製剤
腸内細菌のバランスを整えることで、腸の正常な機能をサポートします。乳酸菌・ビフィズス菌・酪酸菌などが代表的な成分です。即効性は高くありませんが、副作用が少なく幅広い年代で使いやすい薬です。
漢方薬
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)や五苓散(ごれいさん)などが下痢に用いられることがあります。体質や症状のタイプに合わせて選ぶことが重要です。
胃腸薬との違い
一般的な胃腸薬は、胃酸を抑えたり消化を助けたりすることを主な目的としており、下痢そのものに直接作用するわけではありません。下痢が主症状の場合は、下痢止めや整腸剤の使用が適切です。
下痢に効く薬の選び方
水様便がつらいとき
急性の水様性下痢には、腸の過剰な収縮を抑えるロペラミド塩酸塩含有の薬が選択肢になります。ただし感染が疑われる場合は使用を慎重に検討する必要があります。
軟便が続くとき
慢性的な軟便や便の状態が安定しない場合は、整腸剤を継続的に使用することが適切な場合があります。
食あたり・感染性胃腸炎が疑われるとき
細菌やウイルスによる感染が疑われる場合は、原則として下痢止め(特にロペラミド)は使用を避け、水分補給を優先しながら医療機関への受診を検討してください。整腸剤は比較的使いやすいとされています。
→ 感染性胃腸炎に関連する水様便については、水下痢を出し切る方法|内科医がわかりやすく解説【たまプラーザ】も参考にしてください。
ストレスや冷えが関係することがあるとき
ストレス性・冷え性の下痢には、整腸剤や漢方薬が選択肢になります。過敏性腸症候群が疑われる場合は医療機関での診断が重要です。
持病や妊娠中・授乳中の薬選び
持病がある方や妊娠中・授乳中の方は、市販薬であっても自己判断で使用せず、必ず医師または薬剤師に相談してください。
下痢に効く市販薬の成分と特徴
ロペラミド塩酸塩
腸の動きを抑え、水分吸収を促進する作用があります。即効性がありますが、感染性下痢・6歳未満・妊婦への使用は禁忌・慎重使用とされています。
タンニン酸アルブミン
腸粘膜を保護し、炎症を抑える収れん作用があります。比較的穏やかな作用で、ロペラミドが使いにくい場面にも用いられることがあります。
ベルベリンなどの生薬成分
殺菌・消炎作用があるとされ、食あたり起因の下痢に用いられることがあります。
乳酸菌・ビフィズス菌
腸内環境を整えるはたらきがあり、副作用が少なく整腸剤として広く使われています。
服用前に確認したい注意点
  • 添付文書(用法・用量・禁忌)を必ず確認する
  • 他の薬との併用は薬剤師に相談する
  • 症状が改善しない場合は使用を中断し受診する
下痢止めを使ってはいけない・慎重に使うべきケース
発熱や血便があるとき
感染症・炎症性腸疾患などが背景にある可能性があります。下痢止めで症状を抑えることで、診断が遅れるリスクがあります。
強い腹痛や嘔吐を伴うとき
腸閉塞や重篤な感染症のサインである可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。
食中毒が疑われるとき
毒素・病原体を排出する生体反応を妨げる可能性があります。水分補給を行いながら受診を優先してください。
小児・高齢者で注意が必要なとき
小児(特に6歳未満)へのロペラミド使用は禁忌です。高齢者は脱水リスクが高く、早めの医療機関受診が推奨されます。
下痢に効く食べ物と食事のとり方
おかゆ、うどん、バナナなど消化のよい食べ物
消化負担の少ない食品を少量ずつ摂取することが基本です。おかゆ・うどん・豆腐・バナナ・蒸したじゃがいもなどが挙げられます。
乳製品、脂っこいもの、刺激物は控える
牛乳・生クリームなどの乳製品、揚げ物、香辛料、生野菜は腸への負担が大きく、症状を悪化させることがあります。
水分補給のポイント
下痢では水分と電解質が失われます。常温の水や薄めたスポーツドリンクを少量ずつこまめに補給することが大切です。
経口補水液を使う目安
脱水が懸念される場合(口の乾き・尿量の減少・倦怠感など)は、経口補水液(ORS)が有効です。市販のOS-1などを活用してください。
薬以外でできる対処法
安静にして腸への負担を減らす
消化器系の安静が回復を助けます。無理な食事摂取や過度な活動は控えましょう。
体を冷やさない
冷えは腸の動きを乱す要因になります。腹部を温めることで症状が和らぐ場合があります。
アルコール・カフェインを避ける
腸への刺激となるため、回復するまでは控えることが推奨されます。
ストレスや生活習慣の見直し
ストレスが原因となる下痢(過敏性腸症候群など)では、生活習慣や精神的なケアが重要になります。
下痢が続くときに考えられる原因
感染性胃腸炎
ウイルス(ノロウイルス・ロタウイルス等)や細菌(カンピロバクター・サルモネラ等)による感染が代表的な原因です。
食事や薬の影響
暴飲暴食・食物アレルギー・抗菌薬の副作用なども下痢を引き起こすことがあります。
過敏性腸症候群
明確な器質的異常がなく、ストレスや生活習慣と関連して慢性的な下痢・便秘・腹痛を繰り返す疾患です。
→ 下痢の原因全般については、下痢とは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】で詳しく解説しています。
受診して原因を確認することの重要性
下痢が繰り返される場合や、生活に支障をきたす場合は自己判断に頼らず、医療機関で原因を確認することが重要です。
病院を受診する目安
2日以上続く下痢
急性の下痢は多くが2日以内に自然軽快しますが、それ以上続く場合は受診が勧められます。
脱水が疑われるとき
口の乾燥・尿量の著明な減少・強い倦怠感・意識の変容などが見られる場合は速やかに受診してください。
便に血が混じるとき
感染症・炎症性腸疾患・大腸がんなどの可能性があります。血便は必ず医師に診てもらってください。
繰り返す下痢や体重減少があるとき
慢性疾患が背景にある可能性があり、精査が必要です。
医療機関ではどんな診察・治療を行うか
問診で確認すること
発症時期・便の性状・発熱や血便の有無・食事内容・渡航歴・周囲での感染者の有無などを確認します。
必要に応じて行う検査
便培養検査・血液検査・腹部超音波検査・内視鏡検査などを症状・経過に応じて実施します。
原因に応じた治療の考え方
感染性の場合は水分補給と対症療法が基本で、細菌感染が確認された場合は抗菌薬を使用することがあります。過敏性腸症候群では生活習慣の改善・薬物療法・心理的アプローチが組み合わされます。
よくある質問(FAQ)
下痢止めはすぐに飲んでもよいですか?
発熱・血便・激しい腹痛がない場合は、市販の下痢止めを使用すること自体が禁忌というわけではありません。ただし感染性胃腸炎が疑われる場合は使用を避け、水分補給を優先したうえで医師に相談することをお勧めします。
整腸剤は下痢に効きますか?
整腸剤は腸内環境を整えるはたらきがあり、副作用が少ないため比較的安心して使いやすい薬です。即効性は高くありませんが、下痢の予防・改善をサポートするものとして活用できます。
子どもの下痢に市販薬を使ってよいですか?
6歳未満へのロペラミド塩酸塩は禁忌です。小児の下痢は脱水が進行しやすいため、市販薬の使用前に必ず医師または薬剤師に相談してください。
食あたりのときに下痢止めを飲んでも大丈夫ですか?
食あたり(食中毒)が疑われる場合は、下痢止めで腸の動きを止めることで毒素の排出が妨げられる可能性があります。水分補給を行いながら早めに医療機関を受診することを優先してください。
下痢に効く食べ物だけで治せますか?
軽度の下痢であれば、消化のよい食事と水分補給を心がけることで自然に回復する場合があります。ただし2日以上続く・発熱や血便を伴うなどの場合は食事療法だけでなく医療機関での診察が必要です。
病院は何科を受診すればよいですか?
内科・消化器内科が適しています。小児の場合は小児科を受診してください。
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本記事の監修医師
佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門: 消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)
略歴:
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。
公的役割:
厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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