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下痢が続くがんとは?原因・症状・対処を内科医が解説

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下痢が続くがんとは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】

下痢が長く続くとき、「もしかしてがんでは?」と不安になる方は少なくありません。結論からお伝えすると、下痢の原因のほとんどは感染症・過敏性腸症候群・食事の影響など良性の疾患です。ただし、大腸がんをはじめとする消化器がんが便通異常を引き起こすことも事実であり、特定のサインがある場合は早めに医療機関を受診することが大切です。本記事では、がんと下痢の関係・受診の目安・検査の流れをわかりやすく解説します。

下痢の基本的な原因や対処全般については、親記事「下痢とは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】」もあわせてご参照ください。

下痢が続くとがんの可能性はある?まず知っておきたい基本

下痢だけでがんと決めつけられない理由

下痢は消化器系のさまざまな疾患で起こる「症状」であり、原因は多岐にわたります。下痢という一症状だけでがんと判断することは医学的にできません。まずは問診・検査によって原因を特定することが重要です。

受診が必要な「続く下痢」の目安

一般的に、2〜4週間以上続く慢性的な下痢は医療機関での精査を検討する目安とされています(日本消化器病学会ガイドライン参照)。血便・体重減少・強い腹痛・貧血などを伴う場合は、期間を問わず早めの受診をおすすめします。

下痢が続くときに関係するがんの種類

大腸がん

大腸がんは、日本人のがん罹患数の上位を占める疾患です(国立がん研究センター「がん統計」)。腫瘍が腸管内腔を狭めたり粘液を分泌したりすることで、下痢・便秘・血便などの便通異常が生じることがあります。

直腸がん

直腸がんは肛門に近い部位に発生するため、残便感・便が細い・血便・下痢と便秘の交互出現といった症状が現れやすい特徴があります。

膵がん・胆道がん

膵臓や胆道のがんは消化酵素・胆汁の分泌に影響を与えるため、脂肪分の消化不良に伴う脂肪便・水様便が起こることがあります。黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)を伴う場合は特に注意が必要です。

胃がん・小腸がん

胃がんや小腸がんも消化吸収機能に影響し、下痢・黒色便(タール便)・腹痛の原因となることがあります。

そのほか転移や治療の影響で起こることがあるがん

他臓器のがんが腹腔内に転移した場合や、抗がん薬・放射線治療の副作用として下痢が起こることもあります。治療中の方は担当医へ相談してください。

がんによる下痢の特徴

便に血が混じる、黒っぽい便が出る

鮮血便(赤い血)は下部消化管、黒色便(タール便)は上部消化管の出血を示唆することがあります。いずれも速やかな受診が必要です。

下痢と便秘をくり返す

腫瘍が腸管を部分的に閉塞することで、便が詰まる→圧が高まって水様便が出るというパターンが繰り返されることがあります。

便が細くなる、残便感がある

直腸・S状結腸に腫瘍があると、便の通り道が狭くなり便が細くなったり、排便後も残っている感覚が続いたりすることがあります。

体重減少、食欲低下、腹痛を伴う

意図しない体重減少(6か月で体重の5〜10%以上とされることが多い)や食欲不振が下痢に加わる場合は、消化器系の精密検査が推奨されます。

夜間にも下痢が起こる

機能性の下痢(過敏性腸症候群など)は夜間に起こりにくい一方、器質的疾患(がんや炎症性腸疾患)では夜間に下痢が起こることがあります。夜中に繰り返し下痢で目覚める場合は受診を検討してください。

下痢が続くときに考えたいがん以外の原因

感染性腸炎

細菌・ウイルス・寄生虫などによる腸炎は急性下痢の最多原因です。多くは数日以内に改善します。

過敏性腸症候群

ストレスや自律神経の乱れが関係する機能性疾患で、便通異常が慢性的に続く場合があります。血便・体重減少は通常みられません。

薬の副作用

抗菌薬・NSAIDs・緩下剤・一部の降圧薬・糖尿病治療薬なども下痢を引き起こすことがあります。

食事・アルコール・ストレスの影響

脂質の多い食事、過度のアルコール摂取、慢性的なストレスも腸の動きを乱します。

炎症性腸疾患など

クローン病や潰瘍性大腸炎は慢性的な下痢・血便・腹痛を来す疾患であり、がんとの鑑別が必要です。

受診を急いだほうがよい症状

以下のいずれかがある場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

  • 血便や黒色便がある
  • 強い腹痛、発熱(38℃以上)、脱水症状(口の渇き、尿量減少)がある
  • 短期間(数週間〜数か月)で体重が著しく減っている
  • 便通異常が2〜4週間以上続く、または便が細い状態が続く
  • 貧血を指摘された、強い倦怠感がある

医療機関ではどんな検査をする?

問診と診察

いつから・どんな便・回数・血便の有無・体重変化・家族歴(大腸がんの家族歴があると発症リスクが高まるとされています)などを確認します。

血液検査・便検査

貧血・炎症反応・肝機能・腫瘍マーカーのほか、便潜血検査(便に血が混じっていないかを調べる検査)を行います。

大腸内視鏡検査

大腸がん・直腸がん・炎症性腸疾患の確定診断に最も重要な検査です。必要に応じて組織採取(生検)も行います。

画像検査

腹部超音波検査・CT・MRIなどにより、消化管以外の臓器(膵臓・胆道・肝臓など)の異常も評価します。

必要に応じた追加検査

小腸内視鏡・PETなど、疑われる疾患に応じて追加されることがあります。

下痢が続くときの自宅での対処

水分補給のポイント

下痢による脱水を防ぐため、こまめな水分補給が重要です。経口補水液(OS-1など)や薄めた味噌汁・スープも有効です。

食事で気をつけたいこと

脂質・食物繊維・刺激物・乳製品・アルコールはいったん控え、おかゆ・うどん・豆腐など消化の良いものを少量ずつ摂るようにしましょう。

市販薬を使う前に注意したいこと

市販の下痢止め(ロペラミドなど)は、細菌性腸炎では使用を避けたほうがよい場合があります。血便・発熱を伴う場合や症状が長引く場合は、自己判断での使用より先に受診を検討してください。詳しくは「下痢止めとは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】」もご参照ください。

受診までに記録しておくとよいこと

下痢の回数・便の性状(水様・泥状など)・血便の有無・体重変化・服用中の薬・食事内容・渡航歴などをメモしておくと、診察がスムーズになります。

がんが見つかった場合の治療の考え方

がんの種類と進行度で治療は異なる

がんの種類・位置・進行度(ステージ)によって、最適な治療方針は異なります。担当医から十分な説明を受け、必要に応じてセカンドオピニオンも活用してください。

手術・薬物療法・放射線治療など

大腸がんでは外科的切除が根治の基本となりますが、薬物療法(化学療法・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬)や放射線治療と組み合わせることもあります。

下痢への対処も並行して行う

がん治療中の下痢には、食事管理・補液・整腸薬・止瀉薬などが用いられます。治療に伴う副作用の管理も担当医・看護師と連携して進めることが大切です。

たまプラーザで内科受診を考える目安

まず相談しやすい症状の整理

「便通が最近変わった」「血便ではないが下痢が続いている」など、軽度の症状でも気になる場合は内科・消化器内科への相談をおすすめします。

消化器内科で相談したほうがよいケース

2週間以上続く下痢・便が細い・残便感・体重減少・貧血の疑いがある場合は、消化器内科での精査(大腸内視鏡を含む)が適しています。

夜間・休日に受診を急ぐべきケース

大量の血便・激しい腹痛・高熱・意識が朦朧とするような脱水症状がある場合は、救急受診を検討してください。

よくある質問(FAQ)

下痢が何日続くとがんを疑いますか?

一般的に2〜4週間以上続く慢性下痢は精査の対象とされますが、血便・体重減少・貧血などを伴う場合はより早期に受診を検討してください。

大腸がんの下痢はどんな感じですか?

腸管の狭窄に伴う細い便・下痢と便秘の交互出現・残便感・粘液混じりの便・血便などが特徴として挙げられますが、初期には症状が乏しいこともあります。

血便がなければがんの可能性は低いですか?

血便がなくても、大腸がんをはじめとする消化器がんの可能性をゼロにはできません。便潜血検査でも陰性になる場合があるため、症状が続く場合は医師の診察を受けることをおすすめします。

便が細いだけでも受診したほうがいいですか?

便が細い状態が2〜3週間以上続く場合は、直腸・S状結腸の異常(がんを含む)を排除するために受診をおすすめします。

下痢止めを使っても大丈夫ですか?

血便・発熱・強い腹痛を伴う場合や、感染性腸炎が疑われる場合は自己判断での下痢止め使用は避けてください。市販薬の使用前に医師・薬剤師に相談することが安全です。

何科を受診すればよいですか?

消化器内科(または内科)の受診をおすすめします。大腸内視鏡検査も消化器内科で対応できます。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)/医師(医学博士)
AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割: 厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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