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下痢の時の飲み物とは?原因・症状・対処を医学博士が解説

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下痢の時の飲み物とは?原因・症状・対処を医学博士が解説

下痢のときは、適切な飲み物を選んで水分・電解質を補うことが回復の基本です。何を飲むか・どう飲むかによって、症状の悪化を防ぎ、体力の消耗を最小限にとどめることができます。本記事では、下痢のときにおすすめの飲み物・避けたい飲み物・水分補給のコツを、医学的根拠にもとづいて解説します。

下痢のときに飲み物が大切な理由

下痢で失われやすい水分と電解質

下痢の状態では、便とともに大量の水分とともにナトリウム・カリウムなどの電解質(ミネラル)が失われます。これらが不足すると脱水症状が進み、倦怠感・頭痛・口の渇き・尿量の低下などが現れることがあります。特に乳幼児や高齢者は脱水が急速に進みやすいため、早めの水分補給が重要です。

飲み物の選び方で気をつけたいポイント

水分を補うだけでなく、電解質もあわせて補えるものを選ぶことが大切です。また、腸を刺激するものや浸透圧が高すぎるものは下痢を悪化させることがあるため、飲み物の種類・濃度・温度にも注意が必要です。

下痢のときにおすすめの飲み物

水・白湯

最も手軽に入手できる水分補給の基本です。白湯(ぬるま湯)は腸への刺激が少なく、胃腸が弱っているときにも飲みやすいとされています。ただし水だけでは電解質が補えないため、下痢が続く場合は他の飲み物と組み合わせることが望ましいです。

経口補水液

経口補水液(ORS:Oral Rehydration Solution)は、水分・ナトリウム・ブドウ糖をバランスよく配合した飲み物で、下痢や嘔吐による脱水の改善を目的に設計されています。世界保健機関(WHO)もその有用性を認めており、市販の製品(OS-1など)を利用するか、自宅で水1Lに塩3g・砂糖20gを溶かして作ることもできます。脱水が懸念される場面では最も優先度の高い選択肢です。

麦茶

カフェインを含まず、ミネラルもわずかに含む麦茶は、下痢のときの水分補給に向いています。常温または人肌程度に温めて飲むと腸への刺激をさらに抑えられます。

薄めたスポーツドリンク

スポーツドリンクは電解質と糖分を含みますが、そのままでは糖濃度が高く、浸透圧性の下痢を悪化させる可能性があります。2倍程度に薄めて飲むと腸への負担を軽減できます。

具のないスープや味噌汁の上澄み

塩分(ナトリウム)と水分を同時に摂れる手軽な方法です。脂が少なく、味もあるため食欲が落ちているときでも飲みやすい飲み物です。

下痢のときは、水分だけでなく電解質も補うことが大切です。症状が続く場合は、水・白湯だけに偏らず、経口補水液や塩分を含む飲み物を組み合わせてください。

下痢のときに避けたい飲み物

アルコール

アルコールは腸の蠕動運動を亢進させ、下痢を悪化させる可能性があります。また利尿作用により脱水が進みやすくなるため、下痢中は控えることが大切です。

カフェインを多く含む飲み物

コーヒー・濃い緑茶・紅茶などに含まれるカフェインは腸を刺激し、下痢症状を悪化させることがあります。回復するまでは控えるようにしましょう。

牛乳・乳製品を含む飲み物

感染性胃腸炎などの後には、一時的に乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)の活性が低下し、牛乳を飲むと症状が悪化することがあります。症状が落ち着くまでは乳製品を含む飲み物は避けるのが無難です。

炭酸飲料や甘すぎる飲み物

炭酸は腸内ガスを増やし、甘すぎる飲み物は浸透圧が高くなり下痢を悪化させる可能性があります。清涼飲料水や果汁100%ジュースも糖分が高いため注意が必要です。

冷たすぎる飲み物

冷たい飲み物は腸を刺激し、蠕動運動を促進させます。常温か人肌程度に温めた飲み物を選びましょう。

下痢のときの水分補給のコツ

一度にたくさん飲まず少量ずつ補給する

一度に大量の水分を摂ると腸への負担が増すことがあります。1回につきコップ半分程度(100〜150mL)を、15〜20分おきに少しずつ飲み続けることが大切です。

吐き気があるときの飲み方

吐き気が強い場合は、スプーン1杯分から始め、様子を見ながら少しずつ量を増やします。嘔吐が続き水分がまったく摂れない状態が続く場合は、医療機関への受診を検討してください。

子どもや高齢者で特に注意したいこと

乳幼児は体重に占める体水分量の割合が高く、脱水が急速に進みやすい傾向があります。高齢者は口渇感が鈍くなりがちで、気づかないうちに脱水が進むことがあります。経口補水液を中心に補給し、尿量や顔色の変化を観察することが重要です。

下痢の原因として考えられる主なもの

食べ過ぎ・飲み過ぎ

消化しきれない食物や刺激物が腸を刺激し、一時的な下痢を引き起こすことがあります。

ウイルスや細菌による胃腸炎

ノロウイルス・ロタウイルス・サルモネラ菌・カンピロバクターなどの感染が代表的な原因です。感染性胃腸炎では発熱・嘔吐を伴うことが多く、集団発生するケースもあります。

薬の副作用

抗菌薬(抗生物質)や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの服用によって腸内細菌叢が乱れ、下痢が起こることがあります。服用中の薬がある場合は処方医に相談しましょう。

ストレスや自律神経の乱れ

精神的なストレスは自律神経を介して腸の動きに影響します。過敏性腸症候群(IBS)はその代表例で、ストレスをきっかけに腹痛と下痢・便秘を繰り返す慢性的な機能性疾患です。

詳しくは水下痢腹痛なしの原因|内科医がわかりやすく解説【たまプラーザ】もご参照ください。

乳糖不耐症や食事内容の影響

乳糖不耐症のある方は牛乳・乳製品の摂取後に下痢を起こしやすいです。また、高脂肪食・高繊維食・人工甘味料(ソルビトールなど)も下痢の誘因となることがあります。

下痢のときに飲み物以外で気をつけたいこと

胃腸に負担をかけにくい食事

おかゆ・うどん・豆腐・白身魚など消化の良い食事を少量から始めましょう。脂っこいもの・生もの・香辛料・食物繊維が多いものは症状が落ち着くまで控えることが望ましいです。

安静と睡眠の確保

腸の回復には安静が有効です。無理な活動を避け、十分な睡眠をとることが体力回復の助けになります。

脱水を防ぐための観察ポイント

尿の色が濃い・尿量が少ない・口の乾燥・皮膚の弾力低下(皮膚をつまんで戻りが遅い)などは脱水のサインです。これらが見られる場合は早めに医療機関を受診することを検討してください。

受診を考えたほうがよい症状

血便・黒い便がある

血便(赤い血が混じる)や黒色のタール便は、消化管出血の可能性があり、早急な受診が必要です。

強い腹痛や発熱を伴う

38℃以上の発熱や激しい腹痛を伴う下痢は、細菌感染や炎症性腸疾患などが疑われます。

水分がとれない・尿が少ない

嘔吐が続いて水分補給できない場合や、半日以上尿が出ない場合は脱水が進んでいる可能性があります。

症状が数日以上続く

急性の下痢であれば多くは2〜3日で軽快しますが、1週間以上続く場合はほかの原因が疑われます。

乳幼児・高齢者・持病がある場合

これらの方は症状の進行が速い傾向があるため、早めの受診を心がけてください。

血便、黒い便、強い腹痛、高熱、水分がまったくとれない状態、尿が極端に少ない場合は、早めの受診が必要です。

医療機関で行う主な診察・検査

問診で確認する内容

発症時期・症状の経過・便の性状・食事内容・海外渡航歴・服用薬などを確認します。

必要に応じて行う検査

便培養検査・血液検査(炎症マーカー・電解質など)・腹部超音波検査などが行われることがあります。慢性的な症状には内視鏡検査を検討する場合もあります。

治療の考え方

原因に応じて、整腸薬・止瀉薬・抗菌薬・輸液補充などが選択されます。自己判断での市販薬使用は症状を長引かせることもあるため、適切な診断のもとで治療を受けることが大切です。

下痢止め薬について詳しく知りたい方は下痢止めとは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】もご参照ください。

下痢のときの飲み物に関するよくある誤解

「スポーツドリンクなら何でもよい」のか

スポーツドリンクはそのままでは糖分濃度が高く、下痢中に飲み続けると浸透圧性の下痢を助長することがあります。薄めて飲むか、経口補水液に切り替えることが推奨されます。

「お腹を温めるときは何を飲めばよいか」

白湯・温かい麦茶・薄めのスープなど、カフェイン・アルコール・刺激物を含まない温かい飲み物がおすすめです。

「下痢でもコーヒーは少量なら大丈夫か」

カフェインは腸を刺激する作用があり、少量でも下痢を悪化させる可能性があります。症状が続いている間は控えることが望ましいです。

日常生活で再発を防ぐためにできること

食事と生活リズムの見直し

規則正しい食事・十分な睡眠・適度な運動は腸内環境の安定につながります。腸内細菌のバランスを整える発酵食品(ヨーグルト・納豆など)を日常的に取り入れることも一つの方法です。ただし、急性期には乳製品を避けることを忘れずに。

体調不良時の早めの対応

症状が軽いうちに水分補給と安静を心がけ、改善の兆しが見られない場合は早めに受診するという対応が、症状の長期化を防ぐうえで大切です。

受診先の選び方

急性の下痢・腹痛・発熱には内科・消化器内科への受診が基本です。症状が数日以上続く場合や血便などの危険なサインがある場合は、迷わず医療機関にご相談ください。下痢全般の概要については下痢とは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】もあわせてご覧ください。

体調が悪いときは、無理に食事を進めるよりも、まずは少量ずつの水分補給と安静を優先することが大切です。

よくある質問(FAQ)

下痢のときは水だけ飲めばよいですか?

水だけでも水分補給にはなりますが、電解質(ナトリウム・カリウムなど)は補えません。下痢が続く場合は経口補水液や薄めたスポーツドリンク、味噌汁の上澄みなどを組み合わせて電解質もあわせて補給することが大切です。

経口補水液はどんなときに使うべきですか?

下痢・嘔吐による脱水が懸念される場面で特に有用です。尿量が少ない・口が渇く・体のだるさが強いといったサインが見られるときには積極的に利用することをおすすめします。

下痢のときに牛乳やヨーグルトは避けたほうがよいですか?

急性期(症状が強い時期)には乳製品全般を控えることが望ましいです。感染性胃腸炎の後には腸内の乳糖分解酵素が一時的に低下しやすく、乳製品が症状を悪化させることがあります。症状が落ち着いてから少量ずつ再開するのが安全です。

子どもの下痢で飲み物は何を選べばよいですか?

子ども用の経口補水液が最もおすすめです。乳幼児は脱水が急速に進むため、水分摂取量・尿の量・機嫌などを細かく観察してください。水分が全くとれない場合は早めに小児科・内科を受診することが大切です。

下痢があるときにスポーツドリンクは飲んでもよいですか?

完全に禁止ではありませんが、市販のスポーツドリンクは糖分濃度が高めのため、2倍程度に薄めて飲むことを推奨します。脱水が強い場合は経口補水液のほうが適しています。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門: 消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:
厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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