お腹痛い下痢対処法とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】
腹痛と下痢が同時に起こったとき、多くの場合は食べすぎや感染性胃腸炎など一過性の原因であり、水分補給と安静を中心とした自己ケアで数日以内に改善することがあります。ただし、血便・高熱・激しい腹痛など危険なサインが伴う場合はすみやかな受診が必要です。本記事では、症状の原因から自宅でできる対処法、受診の目安まで内科医の視点からわかりやすく解説します。
この記事は「下痢とは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】」の関連記事です。
お腹痛い・下痢が同時に起きるときにまず知っておきたいこと
腹痛と下痢が一緒に起こる主な原因
腹痛と下痢が同時に現れる場合、腸の運動(蠕動=ぜんどう)が過剰になり、内容物が十分に水分吸収されないまま排出される状態が起きています。主な原因としては、食べすぎ・飲みすぎ、ウイルス・細菌による感染性胃腸炎、ストレスや自律神経の乱れ、過敏性腸症候群(IBS)などが挙げられます。
自分で様子をみてよいケースと注意が必要なケース
以下のような場合は自宅での経過観察が可能なことが多いです。
- 食べすぎや飲みすぎの翌日に起こった軽い腹痛・下痢
- 発熱がなく、水分が口から取れている
- 1〜2日以内に症状が落ち着いてきている
一方、血便・38度以上の発熱・激しい腹痛・嘔吐が重なる場合や、症状が3日以上続く場合は医療機関への受診を検討してください。
お腹痛い下痢の主な原因
食べすぎ・飲みすぎ・刺激物による一時的な下痢
アルコール、香辛料、油脂の多い食事は腸粘膜を刺激し、腸の蠕動を亢進させます。多くの場合は一過性で、腸への負担を減らすことで改善に向かいます。
ウイルスや細菌による感染性胃腸炎
ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス感染、カンピロバクターやサルモネラなどの細菌感染が原因となる場合があります。厚生労働省の情報によると、感染性胃腸炎は主に「経口感染(汚染された食品・水)」と「接触感染(嘔吐物・便)」によって広がります。発熱・嘔吐・腹痛が三つ揃う場合は感染性胃腸炎を疑います。
冷え・ストレス・自律神経の乱れ
自律神経は腸の動きを調節しています。冷えや精神的ストレスが続くと腸の機能が乱れ、腹痛と下痢を繰り返すことがあります。
過敏性腸症候群(IBS)
ストレスが引き金となり、特に朝の通勤・通学前に腹痛と下痢が起こるのが特徴です。器質的な異常(炎症や腫瘍)が見当たらないにもかかわらず症状が繰り返す場合はIBSが疑われます。詳しくは後述の「症状が続くときに考えられる病気」をご参照ください。
薬の副作用や持病が関係することもある
抗菌薬・NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)・緩下剤などは下痢を引き起こすことがあります。甲状腺機能亢進症や糖尿病性神経障害なども慢性的な下痢の原因となるため、持病がある方は担当医に相談することをおすすめします。
すぐ受診を考えるべき危険なサイン
血便・黒い便がある
赤い血便は大腸や肛門からの出血、タール便(黒くドロドロした便)は胃や十二指腸からの出血を示す可能性があります。いずれもすみやかな受診が必要です。
強い腹痛が続く、腹部が硬い
腸閉塞・虫垂炎・腸穿孔など緊急性の高い疾患の可能性があります。腹部が板のように硬い「筋性防御」がある場合は救急受診を検討してください。
高熱、嘔吐、ぐったりしている
38.5度以上の高熱が続く、嘔吐が止まらない、ぐったりして起き上がれないといった場合は重症化のサインです。
水分がとれない、尿が少ない
口からまったく水分を摂取できない状態が続くと脱水が進行します。尿が半日以上出ない、唇や口腔内が乾燥している場合は点滴などの医療的処置が必要なことがあります。
妊娠中、高齢者、持病がある場合
これらのリスクが高い方は症状が軽くても早めに受診することが安全です。
お腹痛い下痢の対処法
まずは水分補給を優先する
下痢は短時間で大量の水分と電解質を失わせます。水やお茶だけでなく、経口補水液(ORS)を少量ずつ頻繁に補給することが推奨されています。スポーツドリンクは糖質が多いため、必要に応じて水で薄めて使用してください。
消化にやさしい食事を選ぶ
症状が強い時期は食欲に合わせて無理に食べる必要はありませんが、水分が補給できるようになったら消化しやすい食事(おかゆ・うどん・豆腐など)を少量ずつ始めましょう。
安静にして腹部を冷やさない
腸を冷やすと蠕動が乱れやすくなります。腹部をカイロや湯たんぽで温め、安静を保つことで症状が和らぐことがあります。
市販薬を使う前に確認したいこと
市販の整腸薬(乳酸菌製剤など)は腸内環境を整える目的で用いられ、比較的安全に使用できます。一方、止瀉(ししゃ)薬(下痢止め)は症状の種類によっては適切でない場合があります。
下痢止めを使ってはいけない場合
感染性胃腸炎(細菌性)の場合、下痢止めを使うと病原体や毒素が腸内に留まり、症状が悪化するリスクがあります。発熱・血便を伴う下痢への安易な使用は避けてください。詳しくは下痢止めとは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】をご参照ください。
食事で気をつけたいこと
避けたい食べ物・飲み物
- 冷たい飲み物・アイスクリーム
- アルコール・コーヒー・炭酸飲料
- 脂っこい食事・香辛料の多い食事
- 生もの(感染性胃腸炎が疑われる場合)
とりやすい食べ物の例
- おかゆ・雑炊
- うどん(シンプルな味付け)
- 豆腐・卵豆腐
- バナナ(カリウム補給にも)
- 経口補水液・スープ類
少量ずつ、回数を分けて食べる
1回の食事量を減らし、1日4〜5回に分けて食べることで消化管への負担を軽減できます。
感染性胃腸炎が疑われるときの対応
家庭内での感染対策
ノロウイルスなどのウイルスは非常に感染力が強く、家庭内で二次感染が広がりやすいです。食事前・トイレ後の手洗い(石けんで20秒以上)を徹底し、タオルは共用しないようにしましょう。
受診の目安と検査について
症状が強い場合は医療機関を受診し、必要に応じて便検査(細菌培養・ウイルス抗原検査など)を行います。食中毒が疑われる場合は保健所への届出が必要となることもあります。
便や嘔吐物の取り扱いで注意すること
嘔吐物・便の処理には使い捨て手袋とマスクを使用し、塩素系漂白剤(200ppm程度)で汚染箇所を消毒することが厚生労働省のガイドラインで推奨されています。
症状が続くときに考えられる病気
過敏性腸症候群
2〜3か月以上、腹痛を伴う下痢や便通異常が繰り返す場合はIBSが疑われます。生活習慣の改善や薬物療法が有効なことがあります。
炎症性腸疾患
潰瘍性大腸炎やクローン病は、粘液・血液を伴う下痢や慢性的な腹痛が特徴です。若年から中年に多く、早期診断・治療が重要です。
胆のう・膵臓など消化器疾患の可能性
胆嚢炎・膵炎・胆石なども腹痛と消化器症状を引き起こします。背中への放散痛(痛みが背中に広がる感覚)がある場合は早めに受診することをおすすめします。
病院は何科を受診すべきか
まずは内科・消化器内科へ
腹痛と下痢の初診は内科または消化器内科が適しています。必要に応じて血液検査・腹部超音波検査・内視鏡検査などを行い、原因を特定します。
受診時に伝えるとよい症状
- いつから症状が始まったか
- 発熱・嘔吐・血便の有無
- 最近食べた食事や飲み物
- 同じ食事をした人に同様の症状があるか
受診前にメモしておくと役立つこと
症状の経過・服用中の薬・基礎疾患・渡航歴などをメモしておくと、診察がスムーズに進みます。
再発を防ぐために日常生活でできること
食生活の見直し
規則正しい食事時間、腸に負担をかける食品(アルコール・脂質・香辛料)の過剰摂取を控えることが大切です。
ストレスや睡眠の整え方
腸は「第二の脳」とも呼ばれ、精神状態と密接に関係しています。十分な睡眠・適度な有酸素運動・リラクゼーションが腸機能の安定に役立ちます。
症状が繰り返す場合の記録のすすめ
いつ・何を食べたとき・どのような症状が出たかを記録しておくと、医師との共有がしやすく診断の助けになります。
受診が必要か迷ったときの判断基準
何時間様子を見るかの目安
軽症(発熱なし・水分摂取可・血便なし)であれば24〜48時間の自宅ケアを試みることができます。ただし、症状が改善しない・悪化する場合はその時点で受診を検討してください。
救急受診を検討したい状況
- 強い腹痛が急に始まり、改善しない
- 血便・タール便が出た
- 意識がぼんやりする、ぐったりして動けない
- 水分をまったく摂取できない状態が6時間以上続く
上記に当てはまる場合は救急外来の受診を検討してください。
よくある質問(FAQ)
下痢のときは食べないほうがいいですか?
絶食が必ずしも有効なわけではありません。水分補給を最優先し、食欲が戻ってきたら消化にやさしい食事を少量から始めることが推奨されています。長時間の絶食は腸粘膜の回復を遅らせる可能性もあります。
お腹が痛いのに下痢が出ない場合はどうすればよいですか?
腹痛があっても下痢が出ない場合は、腸閉塞・便秘・腹部臓器の炎症など別の原因が考えられます。「水下痢腹痛なしの原因|内科医がわかりやすく解説【たまプラーザ】」も参考にしつつ、症状が強い場合や改善しない場合は医療機関を受診してください。
下痢止めはいつ使ってよいですか?
発熱・血便がない一般的な軟便・下痢であれば市販の止瀉薬を使用することもありますが、感染性胃腸炎(特に細菌性)が疑われる場合は使用を控えてください。使用前に薬剤師または医師に相談することをおすすめします。
何日続いたら病院に行くべきですか?
目安として、下痢・腹痛が3日以上続く場合は受診を検討してください。2週間以上続く場合は慢性下痢として検査が必要なことがあります。
たまプラーザ周辺で受診するなら何科がよいですか?
内科または消化器内科への受診をおすすめします。AIプラスクリニックたまプラーザでは内科・消化器内科の診察を行っています。症状が気になる場合はお気軽にご予約・お問い合わせください。
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本記事の監修医師
佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)
略歴:
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。
公的役割:
厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。
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