逆流性食道炎は何科?|内科医がわかりやすく解説【たまプラーザ】
胸やけや酸っぱいものが上がってくる感じが続くとき、「これは何科を受診すればよいのだろう?」と迷う方は少なくありません。結論からお伝えすると、逆流性食道炎が疑われる場合は、まず消化器内科への受診をお勧めします。近くに消化器内科がない場合は一般内科でも対応可能です。症状や受診先の選び方について、以下でわかりやすく解説します。
逆流性食道炎は何科を受診する?
基本は消化器内科
逆流性食道炎は、胃酸が食道へ逆流することで食道の粘膜が刺激・炎症を起こす病気です。診断・治療の中心となるのは消化器内科です。消化器内科では胃や食道の専門的な知識を持つ医師が対応し、必要に応じて内視鏡検査(胃カメラ)も行えます。
近くに消化器内科がない場合は内科でもよい理由
消化器内科が近くにない場合は、一般内科(内科)でも初期診療を受けることができます。問診・身体診察のうえ、制酸薬などの薬物療法や生活指導を行うことは内科全般で対応可能です。症状が複雑な場合や内視鏡検査が必要と判断された場合には、消化器内科への紹介が行われます。
どの症状なら受診を急いだほうがよいか
以下のような症状がある場合は、早めの受診をお勧めします。
- 吐血・黒色便(消化管出血の可能性)
- 体重の急激な減少
- 食事がほとんど飲み込めない(嚥下困難)
- 胸の強い痛み・締め付け感(心臓疾患との鑑別が必要)
これらは逆流性食道炎以外の重篤な疾患が隠れていることがあるため、速やかに医療機関を受診してください。
逆流性食道炎で受診する診療科の選び方
胸やけ・呑酸が中心なら
胸やけや酸っぱいものが上がってくる「呑酸」が主な症状であれば、消化器内科が最も適しています。これらは逆流性食道炎の典型的な症状であり、消化器内科での診察・検査・治療がスムーズに進みます。
のどの違和感や咳が中心なら
のどの違和感・声枯れ・慢性的な咳が目立つ場合は、耳鼻咽喉科または消化器内科が選択肢となります。胃酸がのどまで逆流する「咽喉頭逆流症」という病態も知られており、消化器内科と耳鼻科が連携して診るケースもあります。
胃痛やみぞおちの不快感がある場合
みぞおちの痛みや不快感が中心の場合も、消化器内科や内科で診察を受けることができます。胃炎・胃潰瘍・機能性ディスペプシアとの鑑別が必要になることがあります。
迷ったときの受診先の考え方
受診先に迷った場合は、まずかかりつけの内科に相談するのが現実的です。そこから必要に応じて消化器内科や専門科への紹介を受けることができます。
逆流性食道炎でよくある症状
胸やけ
食後や就寝時に胸の奥がジリジリ・ムカムカする感覚が典型的です。食道粘膜が胃酸によって刺激されることで生じます。
呑酸(酸っぱいものが上がる感じ)
口の中まで酸っぱい液体や苦い液体が上がってくる感覚です。胃酸や胆汁が食道・口腔側へ逆流することで起こります。
げっぷ・膨満感
食後のげっぷや腹部の張り感・不快感を伴うことがあります。
のどの違和感、声枯れ、咳
胃酸ののどへの逆流が原因となって、慢性的なのどのイガイガ感、声枯れ、咳が現れることがあります。風邪と間違えられることも少なくありません。
食後や横になったときに悪化しやすい症状
食後すぐに横になったり、前かがみの姿勢をとったりすると、症状が悪化しやすいのが逆流性食道炎の特徴の一つです。就寝前の食事も症状を引き起こしやすいとされています。
逆流性食道炎の症状や原因についてさらに詳しくは、逆流性食道炎とは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】をご覧ください。
受診の目安
症状が繰り返す・長引くとき
胸やけや呑酸が週に数回以上、または2週間以上続く場合は、一度医療機関で診察を受けることをお勧めします。
市販薬で一時的に改善しても再発する場合
市販の制酸薬(胃薬)で症状がいったん落ち着いても繰り返す場合は、根本的な原因の評価が必要なことがあります。市販薬の使い方については、逆流性食道炎の市販薬|内科医がわかりやすく解説【たまプラーザ】も参考にしてください。
食事や生活習慣を整えてもよくならない場合
食事内容や食べる時間・姿勢などに気をつけても症状が改善しない場合は、医師の診察を受けて適切な治療方針を立てることが大切です。
体重減少、吐血、黒色便などがある場合
前述のとおり、これらの症状は重篤な疾患の可能性があります。速やかに医療機関を受診してください。
逆流性食道炎は何科で診てもらう?初診で行うこと
問診で確認する内容
初診では、症状の種類・出現するタイミング・持続期間・食事との関係・これまでの治療歴などを確認します。服用中の薬(NSAIDsなど)についても申告しておくとよいでしょう。
必要に応じて行う検査
血液検査・腹部の触診・ピロリ菌検査などが行われることがあります。
胃カメラが検討されるケース
症状が長引く・重い・市販薬で改善しない・年齢的なリスクが高い・他の疾患との鑑別が必要などの場合に、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)が検討されます。胃カメラは食道粘膜の状態を直接確認できる最も確実な方法です。
他の病気との見分けが必要な場合
胃炎・胃潰瘍・機能性ディスペプシア・食道がん・心臓疾患など、類似した症状を示す疾患との鑑別が必要なことがあります。
逆流性食道炎と間違えやすい病気
胃炎・胃潰瘍
みぞおちの痛みや不快感は胃炎・胃潰瘍でも見られます。内視鏡検査で鑑別します。
機能性ディスペプシア
胃の器質的な異常がないにもかかわらず、胃もたれ・早期満腹感・みぞおちの痛みが続く病態です。逆流性食道炎と合併することもあります。
心臓の病気
胸の痛みや締め付け感は、狭心症・心筋梗塞などの心疾患でも現れます。胸の症状が強い場合は心疾患の除外が重要です。
のどや気管支の病気
慢性的な咳や声枯れは、咽頭炎・気管支炎・喘息などでも起こります。これらとの鑑別には、消化器科と耳鼻科・呼吸器科の連携が役立つことがあります。
逆流性食道炎の治療の基本
薬物療法
プロトンポンプ阻害薬(PPI)やH2ブロッカーなどの制酸薬が中心となります。医師の処方のもとで適切な期間・用量で使用することが大切です。薬の詳細については胃酸を抑える薬|内科医がわかりやすく解説【たまプラーザ】をご覧ください。
食事・生活習慣の見直し
脂肪分の多い食事・アルコール・喫煙・過食・就寝前の食事・前かがみの姿勢などが症状を悪化させる要因とされています。これらを意識的に見直すことが症状の改善につながります。詳しくは逆流性食道炎を自力で治すには|内科医がわかりやすく解説【たまプラーザ】も参考にしてください。
再発予防の考え方
逆流性食道炎は再発しやすい疾患です。薬による治療と並行して、食事・生活習慣の改善を継続することが再発防止につながります。
受診前にできるセルフチェック
症状が出やすいタイミング
- 食後30分~1時間
- 就寝時・横になったとき
- 前かがみになったとき
- 食べ過ぎや飲酒の後
食事や姿勢との関係
揚げ物・チョコレート・コーヒー・アルコール・柑橘類など、症状を誘発しやすい食品を確認しておきましょう。食後すぐに横になる習慣がある方は特に注意が必要です。
受診時に伝えるとよいポイント
- 症状が始まった時期と頻度
- 症状が出やすいタイミング・姿勢・食事内容
- 現在服用中の薬(市販薬を含む)
- 過去の胃・食道の疾患や検査歴
逆流性食道炎を疑ったら何科?たまプラーザ周辺で探すときのポイント
消化器内科を選ぶポイント
消化器専門医が在籍しているか、内視鏡検査に対応しているかを確認すると安心です。日本消化器病学会や日本消化器内視鏡学会の専門医・指導医であるかどうかも一つの目安になります。
通いやすさと継続受診のしやすさ
逆流性食道炎は慢性的に経過することがあり、定期的な受診が必要な場合があります。自宅や職場から通いやすい立地の医療機関を選ぶことが、継続治療につながります。
胃カメラの有無を確認するポイント
院内で胃カメラ検査を実施しているかどうかを、事前に確認しておくとスムーズです。検査が必要と判断された場合に、別の医療機関へ改めて紹介される手間を減らせます。
よくある質問(FAQ)
逆流性食道炎は耳鼻科でも診てもらえますか?
のどの違和感・声枯れ・慢性的な咳が主な症状の場合、耳鼻咽喉科でも診察を受けることができます。ただし、胃酸の逆流が原因であると疑われる場合は、消化器内科との連携が必要になることがあります。まずどちらに相談すべか迷う場合は、かかりつけ医や内科に相談してみてください。
逆流性食道炎は内科と消化器内科のどちらがよいですか?
消化器内科を受診できる環境であれば、消化器内科が望ましいといえます。内視鏡検査や消化器疾患に特化した診断・治療が受けやすいためです。近くに消化器内科がない場合は、まず一般内科に相談し、必要に応じて紹介してもらう方法も選択肢の一つです。
症状が軽ければ市販薬だけでもよいですか?
症状が軽度で短期間であれば、市販の制酸薬を一時的に使用することがあります。ただし、2週間以上症状が続く場合や繰り返す場合は、自己判断せず医師の診察を受けることをお勧めします。逆流性食道炎と思っていた症状が、別の疾患であることもあるためです。
胸やけがあるとき、すぐに胃カメラは必要ですか?
胸やけの原因が逆流性食道炎と考えられる場合、すべての方に即時に胃カメラが必要なわけではありません。ただし、症状が長く続く・薬で改善しない・体重減少や嚥下困難を伴う・年齢的なリスクが高いなどの場合は、内視鏡検査が検討されます。医師にご相談ください。
何科に行けばよいか迷うときはどうすればよいですか?
迷った場合は、まずかかりつけの内科・一般内科に受診するのが現実的です。問診や診察を通じて、消化器内科や他の専門科への紹介が必要かどうかを医師が判断します。症状に応じた適切な診療科へつないでもらえることが多いので、まず相談することが大切です。
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本記事の監修医師
佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)
略歴:
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。
公的役割:
厚生労働省『地域連携クリティカルパスモデルの開発』班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。
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