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膵臓がんの原因|内科医がわかりやすく解説【たまプラーザ】

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膵臓がんの原因|内科医がわかりやすく解説

膵臓がんは、早期発見が難しく、複数のリスク因子が重なって発症しやすいがんです。「なぜ膵臓がんになるのか」「自分は大丈夫か」と気になる方に向けて、膵臓がんの主な原因・リスク因子、気になる症状、受診の目安まで、消化器内科の視点からわかりやすくまとめました。

膵臓がんの原因とは?まず知っておきたい基本

膵臓がんはなぜ起こるのか

膵臓は胃の裏側に位置し、消化酵素やインスリンを分泌する重要な臓器です。膵臓がんは、膵臓の細胞のDNAに異常(変異)が蓄積することで発生します。こうした変異は、喫煙・慢性炎症・遺伝的要因など、さまざまな要因によって引き起こされると考えられています。

原因が1つに特定できないこともある

膵臓がんは、特定の1つの原因だけで発症するケースは少なく、複数のリスク因子が組み合わさって発症リスクが高まることが多いとされています。日本膵臓学会のガイドラインでも、喫煙・糖尿病・慢性膵炎・家族歴などが複合的に関与することが示されています。

膵臓がんの主な原因・リスク因子

リスク因子 解説
喫煙 喫煙は、膵臓がんの最も明確なリスク因子の一つです。喫煙者は非喫煙者と比較して膵臓がんの発症リスクが約1.5〜2倍高まるとされています(国立がん研究センターの疫学研究より)。
肥満・運動不足 体格指数(BMI)が高い肥満の方は、膵臓がんのリスクが高まる可能性が指摘されています。運動不足も肥満を通じて間接的にリスクに影響すると考えられています。
糖尿病 長年の糖尿病は膵臓がんのリスク因子とされており、特に長期罹患者での関連が報告されています。また逆に、それまで血糖コントロールが安定していた方に急な糖尿病の悪化が見られた場合、膵臓がんのサインである可能性もあるため注意が必要です。
慢性膵炎 慢性膵炎(膵臓の慢性的な炎症)は、膵臓がん発症リスクを高める要因とされています。慢性膵炎の長期経過中に膵臓がんが見つかるケースもあることから、定期的な経過観察が重要です。
家族歴・遺伝的要因 一親等(親・兄弟姉妹・子)に膵臓がんの方が2人以上いる場合は「家族性膵がん」として発症リスクが高いとされています。また、BRCA2遺伝子変異やリンチ症候群など一部の遺伝性疾患との関連も報告されています。
飲酒 飲酒単独での膵臓がんリスクへの関与は喫煙ほど明確ではありませんが、大量飲酒による慢性膵炎を介してリスクが上昇する可能性があります。
年齢・性別 膵臓がんは60〜70歳代に多く、加齢とともに発症リスクが高まります。性別では男性にやや多い傾向がありますが、女性にも決して少なくありません。

膵臓がんと関連が指摘される生活習慣

食生活の偏り

高脂肪・高カロリーの食事が多い方や、野菜・果物の摂取が少ない方でリスクが高まる可能性が研究で示唆されています。ただし、特定の食品が「原因」とは断定されていません。

アルコール摂取

大量のアルコール摂取は慢性膵炎を引き起こし、結果的に膵臓がんのリスクにつながることがあります。適度な飲酒量を守ることが一般的に推奨されています。

体重増加と内臓脂肪

内臓脂肪の蓄積はインスリン抵抗性を高め、糖尿病を悪化させることで膵臓への負担が増す可能性があります。体重管理は複合的な観点でもリスク低減に寄与すると考えられます。

膵臓がんの原因を知っても、必ず発症するわけではない

リスクが高い人とそうでない人の違い

リスク因子を複数持っていても膵臓がんを発症しない方も多く、逆にリスク因子がほとんどない方でも発症することがあります。リスク因子はあくまで「発症しやすい状況」を示すものであり、確定的な原因ではありません。

予防の考え方

現時点では、膵臓がんを確実に予防する方法は確立されていません。一方で、禁煙・体重管理・糖尿病の適切なコントロールなどによってリスクを下げる可能性があるとされており、生活習慣の改善が推奨されています。

膵臓がんの初期症状と見分けにくいサイン

みぞおちや背中の痛み

みぞおちから背中にかけての鈍痛は、膵臓がんの代表的な症状の一つです。ただし、胃炎や逆流性食道炎など他の疾患でも生じるため、自己判断は禁物です。

なお、みぞおち付近の違和感や胃の不調が続く場合は、喉の違和感とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】も参考になります。

体重減少・食欲低下

特に食事量が変わっていないのに体重が減少する場合は、消化器系の異常を疑う必要があります。膵臓がんでは消化吸収障害が起こりやすいため、体重減少が比較的早期からみられることがあります。

黄疸

皮膚や白目が黄色くなる黄疸は、膵頭部(膵臓の右側)のがんで胆管が圧迫された際に生じます。黄疸が現れた場合は速やかに医療機関を受診することが大切です。

糖尿病の悪化や新規発症

従来安定していた糖尿病が急激に悪化したり、50歳以降に糖尿病を新たに発症した場合は、膵臓の異常がないかを確認するために消化器内科への受診が勧められます。

膵臓がんを疑ったときの受診の目安

⚠ 早めに消化器内科を受診すべき症状

早めに内科・消化器内科を受診した方がよい症状

  • 背中やみぞおちの持続する痛み・違和感
  • 原因不明の体重減少(1〜2か月で数kg以上)
  • 食欲低下が続く
  • 糖尿病の急激な悪化

上記のような症状が続く場合は、自己判断せず消化器内科に相談されることをお勧めします。

強い黄疸や急な症状がある場合の対応

白目や皮膚の黄染、強い腹痛・背部痛が急に現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。緊急の精密検査が必要になる場合があります。

膵臓がんはどうやって調べるのか

問診・血液検査

腫瘍マーカー(CA19-9、CEAなど)の血液検査が行われます。ただし腫瘍マーカーは早期段階では反応しにくい場合もあり、血液検査のみでの確定診断はできません。

腹部超音波検査

腹部エコーは被ばくなく行える検査で、スクリーニングとして用いられますが、膵臓は消化管ガスの影響を受けやすく、視認しにくいことがあります。

CT・MRI・EUSなどの画像検査

造影CT・MRIはより詳細な膵臓の評価が可能です。超音波内視鏡(EUS)は内視鏡を用いて膵臓に近い位置から超音波観察を行う検査で、小さな病変の発見に優れています。

必要に応じた追加検査

ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)や組織生検(細胞診)など、より詳細な診断のための検査が追加されることがあります。

膵臓がんの原因やリスクを減らすためにできること

禁煙

喫煙は最も重要な修正可能なリスク因子の一つです。禁煙外来の活用も選択肢に入れながら、早めの禁煙を検討されることをお勧めします。

体重管理と運動習慣

適正体重の維持と定期的な運動習慣(週150分程度の有酸素運動が目安とされています)は、肥満・糖尿病・慢性炎症のリスクを下げる可能性があります。

糖尿病や慢性膵炎の適切な管理

すでに糖尿病や慢性膵炎がある方は、専門医のもとで適切な治療・管理を継続することが重要です。また、消化器疾患の管理においてPPIとは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】も参考にしてください。

定期的な健康診断の活用

自覚症状が出にくい膵臓がんの発見において、定期的な健康診断や人間ドックは重要な役割を果たします。腹部超音波検査を含むオプション検査の活用も一つの手段です。

医師に相談したい「高リスク」のケース

家族に膵臓がんの方がいる場合

一親等に膵臓がんの既往がある方は、かかりつけ医や消化器内科に相談のうえ、定期的な画像検査(エコー・CT等)の検討が勧められます。

長年の喫煙歴がある場合

20年以上の喫煙歴がある方は、禁煙とあわせて膵臓を含む腹部臓器の定期検査を受けることが望ましいとされています。

慢性膵炎や糖尿病がある場合

慢性膵炎や長年の糖尿病がある方は、消化器内科での定期的な経過観察が大切です。症状の変化があった際は速やかにご相談ください。

まとめ:膵臓がんの原因は複数あり、気になる症状があれば早めの受診を

自己判断せず、医師の診察で原因を確認することが大切

膵臓がんは、喫煙・肥満・糖尿病・慢性膵炎・遺伝的要因など複数のリスク因子が関与する疾患です。自覚症状が出にくい特徴があるため、リスク因子に心当たりのある方や、気になる症状がある方は、早めに内科・消化器内科に相談されることをお勧めします。症状や検査について不明な点があれば、遠慮なくご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 膵臓がんは遺伝しますか?
一親等(親・兄弟姉妹・子)に膵臓がんの方が2人以上いる「家族性膵がん」では発症リスクが高まるとされています。ただし、遺伝因子があるからといって必ず発症するわけではありません。遺伝的なリスクが気になる方は、専門医への相談をお勧めします。
Q. 膵臓がんの一番の原因は何ですか?
単一の「最大の原因」を特定することは難しいですが、現在最も証拠が強いリスク因子は喫煙です。非喫煙者と比べてリスクが約1.5〜2倍高まるとされています。複数のリスク因子が重なるとさらにリスクが上昇します。
Q. 膵臓がんは生活習慣を改善すれば予防できますか?
確実に予防できると断言することはできませんが、禁煙・適正体重の維持・糖尿病や慢性膵炎の適切な管理などによってリスクを下げる可能性が示唆されています。生活習慣の改善は膵臓がんだけでなく、生活習慣病全般の予防にもつながります。
Q. 膵臓がんは初期症状が出にくいのですか?
はい、膵臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、初期段階では症状が出にくい特徴があります。自覚症状が現れた時点で進行していることも少なくないため、リスク因子のある方の定期検査が重要とされています。
Q. どのような症状があれば病院を受診すべきですか?
以下の症状が続く場合は消化器内科への受診をご検討ください。

  • 背中・みぞおちの持続する痛み
  • 原因不明の体重減少・食欲低下
  • 皮膚・白目が黄色くなる(黄疸)
  • 急な糖尿病の発症や既存の糖尿病の急激な悪化

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:

1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:

厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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