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総蛋白とは?原因・症状・対処を内科医が解説

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総蛋白とは?原因・症状・対処を内科医が解説

たまプラーザ内科医監修コラム

総蛋白とは?
原因・症状・対処を内科医が解説

血液検査の結果に「総蛋白(TP)」という項目があり、基準値から外れていた場合、何が原因なのか、受診が必要なのか気になる方は少なくありません。総蛋白は、栄養状態・肝機能・腎機能・免疫など、体全体の状態を幅広く反映する指標です。本記事では、総蛋白の意味から基準値・異常の原因・受診の目安まで、内科医監修のもとでわかりやすく解説します。

総蛋白(TP)とは?血液検査で何をみる項目か

総蛋白はアルブミンとグロブリンの合計

総蛋白(Total Protein:TP)とは、血液中に含まれるすべての蛋白質の合計量を示す数値です。血清蛋白質は大きくアルブミングロブリンの2種類に分けられます。アルブミンは主に肝臓で合成され、栄養状態や肝機能のバロメーターとなります。グロブリンは免疫グロブリン(抗体)などを含み、感染防御や炎症反応に関わります。総蛋白はこの2つの合計値であるため、どちらか一方に異常があっても変動します。

どのような場面で測定されるのか

総蛋白は、定期健康診断・人間ドック・内科外来での採血など、さまざまな場面で測定されます。肝機能検査・腎機能検査・栄養評価の一環として日常的に用いられる基本的な項目の一つです。

総蛋白の基準値

一般的な基準値の目安

一般的な基準値は6.5〜8.0 g/dL程度とされており、日本臨床検査標準協議会(JCCLS)が公表する共用基準範囲(6.6〜8.1 g/dL)も広く参照されています。

検査機関や年齢で差が出ることがある理由

基準値は検査機関・使用試薬・測定方法によって若干異なります。また、高齢者では筋肉量や摂取エネルギーの低下により総蛋白が低めになる傾向があります。結果票に記載された各施設の基準範囲を確認することが大切です。

総蛋白が低いときに考えられる原因

栄養不足・低栄養

食事からの蛋白質摂取量が慢性的に不足すると、血清蛋白の合成が追いつかず総蛋白が低下します。高齢者・ダイエット中の方・食欲不振が続く方などで起こりやすい状態です。

肝臓の病気で蛋白が作れない場合

アルブミンをはじめとする多くの蛋白質は肝臓で合成されます。肝硬変・慢性肝炎・肝不全などで肝機能が著しく低下すると、蛋白合成能が落ちて総蛋白が低くなります。

腎臓や消化管から蛋白が失われる場合

ネフローゼ症候群では腎臓のフィルターが障害され、蛋白尿として大量のアルブミンが失われます。また、タンパク漏出性胃腸症では腸管粘膜から蛋白が消化管内へ漏れ出します。これらは蛋白喪失による低蛋白血症の代表例です。

体内の水分量の影響で低く見える場合

過剰な輸液や浮腫(むくみ)があると血液が希釈され、実際の蛋白量は変わらなくても血中濃度が低く見えることがあります(希釈性低蛋白血症)。

総蛋白が高いときに考えられる原因

脱水で濃くなっている場合

水分が不足すると血液が濃縮され、総蛋白の値が見かけ上高くなります。発熱・嘔吐・下痢・発汗過多のあとに高値が出た場合は、まず脱水を疑います。

慢性炎症や感染症

慢性炎症や感染症ではグロブリン分画(特にγ-グロブリン)が増加し、総蛋白が高くなることがあります。

免疫に関わる病気や血液疾患が疑われる場合

多発性骨髄腫などの形質細胞腫瘍や、自己免疫疾患(慢性活動性肝炎・サルコイドーシスなど)では、免疫グロブリンが著しく増加して総蛋白が高値を示すことがあります。これらは専門的な精密検査が必要です。

総蛋白が低い・高いときに出やすい症状

むくみ・だるさ・体重変化など

低蛋白血症では、血中の膠質浸透圧が低下し全身のむくみ(浮腫)が生じやすくなります。また、全身倦怠感・易疲労感・体重減少・腹水(お腹への水の貯留)などが現れることもあります。高値の場合は疾患によって症状が異なりますが、骨痛・貧血・倦怠感が見られることがあります。

症状がなく健診で見つかることもある

軽度の異常では自覚症状がないまま健康診断で初めて指摘されるケースが多くあります。無症状だからといって放置せず、原因を確認することが重要です。

総蛋白だけでは判断できない理由

アルブミンとの関係

総蛋白が低くてもアルブミンが正常であれば、グロブリン分画が下がっている可能性があります。逆に総蛋白が正常範囲内でもアルブミンが低い場合は、グロブリンが代償的に増加していることも考えられます。総蛋白だけでは異常の内訳が分かりません。

AST・ALT、腎機能、炎症反応など他項目との組み合わせが重要

総蛋白の異常を正確に評価するには、AST・ALT(肝酵素)・クレアチニン(腎機能)・CRP(炎症反応)・尿蛋白などを組み合わせて判断することが必要です。単独の値で結論を出すことは医学的に適切ではありません。

肝機能や消化器症状に関連する検査については、PPIとは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】もあわせてご覧ください。

受診の目安

再検査が必要といわれたとき

健診結果票に「要再検査」「要精密検査」と記載されていた場合は、指示に従って医療機関を受診してください。

早めに内科を受診したほうがよい症状

以下の症状が続く場合は、早めに内科を受診することをお勧めします。

  • 全身のむくみ(特に足・顔)
  • 体重の急激な増減
  • 食欲不振・倦怠感が2週間以上続く
  • 尿の泡立ちが気になる(蛋白尿の疑い)

緊急受診を考えるべき症状

呼吸困難・胸水・腹水の急激な増加・意識障害などを伴う場合は、速やかに医療機関を受診してください。

医療機関ではどのように調べるのか

問診・診察で確認すること

食事内容・体重変化・むくみの有無・既往歴(肝臓病・腎臓病など)・服薬状況などを詳しく伺います。

追加されやすい血液検査・尿検査

アルブミン・蛋白分画(電気泳動)・肝機能(AST・ALT・γ-GTP)・腎機能(クレアチニン・BUN)・CRP・免疫グロブリン定量・尿蛋白などが追加されることがあります。

必要に応じて行う画像検査

腹部超音波(エコー)検査やCT検査で、肝臓・腎臓・腸管の状態を確認します。腹水の有無なども評価できます。

総蛋白の異常があったときの対処

まずは原因を確認することが大切

総蛋白の異常は多様な疾患を反映します。自己判断で対処を始める前に、まず原因を医師に確認することが大切です。

食事や生活習慣で気をつけること

低栄養が原因の場合は、良質な蛋白質(肉・魚・卵・大豆製品・乳製品など)をバランスよく摂ることが基本です。ただし、腎疾患のある方は蛋白質制限が必要なケースもあるため、医師・管理栄養士の指導に従ってください。脱水が原因の高値には、適切な水分補給が有効です。

原因疾患がある場合の考え方

肝疾患・腎疾患・血液疾患など原因となる病気がある場合は、その治療が優先されます。食事の改善だけでは対処できないため、専門医への相談が必要です。

日常生活でできること

バランスのよい食事を意識する

1日の食事で主食・主菜・副菜をそろえ、蛋白質を含む食品を毎食摂るよう心がけましょう。特に高齢者では意識的に蛋白質を補うことが重要です。

脱水を防ぐ

こまめな水分補給を習慣化し、発熱・下痢・嘔吐時には特に意識して水分を補いましょう。脱水は総蛋白値を見かけ上引き上げる原因になります。

健診結果を保管して推移を見る

毎年の健診結果を記録・保管し、値の推移を確認しておくことが重要です。1回だけの異常か、継続して変化しているかで判断の重みが変わります。

たまプラーザで内科を受診する目安

01
健診異常の相談

健診で総蛋白の異常(低値・高値)を指摘された場合は、たまプラーザの内科にお気軽にご相談ください。問診・診察・追加検査で原因を丁寧に確認します。

02
体調不良を伴う場合

むくみ・倦怠感・食欲不振・体重変化など、体調の変化を伴う場合は早めにご受診ください。

03
他の検査値異常もある場合

肝機能・腎機能・血糖・コレステロールなど複数の検査値に異常がある場合は、総合的に評価することが大切です。内科医が一括して確認します。

喉の違和感や消化器症状など、血液検査以外のご不安がある方は喉の違和感とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】もご参照ください。

ご予約・お問い合わせはこちらからお気軽にどうぞ。

よくある質問(FAQ)

総蛋白が低いと必ず病気ですか?
必ずしも病気とは限りません。一時的な食事量の減少・疲労・検査前の絶食状況などで軽度に低下することがあります。ただし、継続して低値が続く場合や症状を伴う場合は、医療機関での確認をお勧めします。
総蛋白が少し高いだけなら様子見でよいですか?
脱水が原因であれば水分補給で改善することがあります。しかし、慢性的に高値が続く場合や他の検査値にも異常がある場合は、多発性骨髄腫などの疾患を除外するために医師の診察を受けることが望ましいです。
食事で総蛋白は改善しますか?
低栄養が原因であれば、蛋白質を中心としたバランスのよい食事で改善が期待できます。ただし、肝疾患・腎疾患・消化管からの蛋白喪失が原因の場合は、食事改善だけでは不十分なことが多く、原因疾患の治療が必要です。
アルブミンが正常でも総蛋白異常はありますか?
あります。アルブミンが正常でもグロブリン分画が増加すれば総蛋白は高くなり、グロブリン分画が低下すれば総蛋白は下がります。蛋白分画(電気泳動)検査で内訳を確認することが重要です。
健康診断で総蛋白異常を指摘されたら何科を受診すればよいですか?
まずは内科(一般内科・消化器内科)を受診することをお勧めします。問診・診察・追加検査によって原因を絞り込み、必要に応じて専門科(肝臓内科・腎臓内科・血液内科など)へ紹介します。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)

医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:

1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:

厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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