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プロテイン飲み過ぎとは?原因・症状・対処を内科医が解説

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内科・消化器コラム

プロテイン飲み過ぎとは?原因・症状・対処を内科医が解説

プロテインの飲み過ぎとは、1日のたんぱく質必要量を大幅に超えてプロテイン製品を摂取し続ける状態を指します。消化器症状(腹痛・下痢・胃もたれなど)や体重増加、腎臓・肝臓への負担が生じる可能性があり、適切な摂取量の把握と食事全体のバランスが重要です。本記事では、消化器・一般内科の専門医の監修のもと、原因・症状・対処法をわかりやすく解説します。

プロテイン飲み過ぎとは?まず知っておきたい基本

「飲み過ぎ」の目安はどのくらい?

日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、成人が1日に必要なたんぱく質の推定平均必要量は体重1kgあたり約0.66g、推奨量は約0.8〜0.9gとされています。一般的な成人(体重60kg)であれば1日50〜60g程度が目安です。筋トレや運動習慣のある方でも、上限の目安として体重1kgあたり2g前後(1日120g程度)が参考値として用いられることが多く、それを大きく超えた摂取が継続する場合を「飲み過ぎ」と考えることができます。

たんぱく質とプロテインの違い

「たんぱく質」は三大栄養素のひとつであり、肉・魚・卵・乳製品・大豆食品など通常の食事からも摂取されます。「プロテイン(製品)」は、ホエイやソイなどを原料としてたんぱく質を凝縮したサプリメントです。食事からのたんぱく質と合算して考えることが重要で、プロテイン製品だけで摂取量を管理しようとすると過剰になりやすい点に注意が必要です。

プロテインを飲み過ぎる原因

食事量に加えてプロテインを足しすぎる

食事でたんぱく質を十分に摂れている状態で、さらにプロテインを追加すると、合計摂取量が必要量を超えやすくなります。

筋トレ目的で摂取量が増えやすい

筋肉量を増やしたいという目的から、1日に複数回プロテインを摂取するケースが見受けられます。運動量が摂取量に見合っていない場合は特に注意が必要です。

「多いほどよい」と誤解しやすい

筋肉合成にはたんぱく質が必要ですが、1回の食事で体が利用できるたんぱく質の量には上限があるとされており(諸説あります)、過剰分は体に蓄積されるわけではなく、エネルギーや脂肪として代謝されます。「たくさん飲めば飲むほど効果が増す」という考え方は科学的に支持されていません。

製品のたんぱく質量を見落としている

プロテイン製品1杯あたりのたんぱく質量は製品によって異なり、15〜30g程度と幅があります。ラベルを確認せずに使用量を決めていると、意図せず大量摂取につながることがあります。

プロテイン飲み過ぎで起こりやすい症状

お腹の張り・ガス・腹痛

たんぱく質の消化・分解過程でガスが発生しやすくなり、腸内環境が変化することで腹部膨満感やガスが増えることがあります。

下痢・便秘などの消化器症状

特にホエイプロテインに含まれる乳糖(ラクトース)が、乳糖不耐症の方では下痢の原因となることがあります。また、食物繊維の摂取が相対的に減ることで便秘になるケースも報告されています。

吐き気・胃もたれ

一度に大量のたんぱく質を摂取すると、消化に時間がかかり、胃もたれや吐き気を感じることがあります。空腹時に一気飲みすると症状が出やすい傾向があります。

口渇感や水分不足を感じることがある

たんぱく質の代謝産物(窒素化合物)を尿として排出するためには水分が必要です。プロテインを多く摂取する際は水分補給が不足しがちになることがあります。

プロテインの飲み過ぎで考えられる体への影響

カロリー過多による体重増加

プロテイン製品にもカロリーがあります。食事に加えてプロテインを頻繁に摂取するとカロリー過多となり、体重増加につながることがあります。

たんぱく質の偏りによる栄養バランスの乱れ

プロテインばかりに頼ることで、炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラル・食物繊維の摂取が不足し、栄養バランスが乱れる可能性があります。

腎臓や肝臓への負担が気になるケース

たんぱく質は肝臓で代謝され、老廃物は腎臓から排出されます。健常な方では通常の範囲内の摂取であれば大きな問題は生じにくいとされていますが、長期的な過剰摂取が臓器に与える影響については引き続き研究が行われています。腎機能や肝機能に問題がある方は特に注意が必要です。

なお、プロテイン製品による肝障害の報告も国内外で見られます。原因成分はたんぱく質そのものではなく、製品に含まれる添加物や特定の植物由来成分が関与している可能性が指摘されています。

もともと持病がある人で注意したい点

慢性腎臓病・肝硬変・痛風(高尿酸血症)・糖尿病などの持病がある場合、たんぱく質の摂取量は主治医の指示に従うことが重要です。自己判断での増量は避けてください。

こんなときはプロテインを見直そう

  • 飲み始めてからお腹の不調が続いている
  • 食事が少ないのにプロテインだけ増えている
  • 1日の合計摂取量が把握できていない
  • 複数のサプリや食品でたんぱく質が重なっている

このような場合は、いったん摂取量を見直すことをおすすめします。

プロテイン飲み過ぎたときの対処法

いったん摂取量を減らす

症状が出ている場合は、まずプロテインの量を通常の半量程度に減らし、体調の変化を観察しましょう。

水分をしっかりとる

たんぱく質代謝を助けるために、1日1.5〜2L程度の水分摂取を心がけましょう。

食事全体のたんぱく質量を確認する

食事日記やアプリを活用して、食事からのたんぱく質量とプロテイン製品からの摂取量を合算して確認することが有効です。

体調不良があれば無理に続けない

症状が続く場合は、プロテインの摂取を一時中断し、状態を確認することを優先してください。

プロテインを適量で上手にとるコツ

1日のたんぱく質は食事を基本に考える

通常の食事(肉・魚・卵・大豆製品など)で必要量の大半をまかない、不足分をプロテインで補う考え方が基本です。

製品ラベルで1回量のたんぱく質を確認する

使用前に製品ラベルの「1回分のたんぱく質量(g)」を必ず確認し、1日の食事と合算して管理しましょう。

運動量や体格に合わせて調整する

体重・年齢・運動強度によって必要量は変わります。スポーツ栄養士や医師に相談しながら調整することが望ましいです。

体質に合う種類を選ぶ

乳糖不耐症の方はホエイよりソイプロテインやピープロテインが消化器症状を起こしにくい場合があります。体質や目的に応じた選択を検討してください。

受診を考えたほうがよい症状・ケース

下痢や腹痛が続く

プロテインを減量・中断しても症状が改善しない場合は、他の疾患が隠れている可能性があります。

強いだるさ、食欲低下、むくみがある

肝機能・腎機能の異常を示すサインである可能性があり、血液検査による確認が必要な場合があります。

腎臓・肝臓の病気がある、または指摘されたことがある

たんぱく質摂取量は主治医と相談のうえ決定し、自己判断での増量は避けてください。

持病や服薬があり、摂取量に不安がある

薬との相互作用が生じる成分を含む製品もあるため、かかりつけ医や薬剤師にご相談ください。

気になる症状がある場合は、AIプラスクリニックたまプラーザのご予約・お問い合わせからお気軽にご相談ください。

医師が解説する「プロテイン飲み過ぎ」と病気の見分け方

一時的な胃腸症状と注意が必要な症状

プロテインの摂取量を増やした直後に起こる一時的な腹部膨満・軟便は、消化器への一時的な負荷によるものと考えられます。一方、発熱・血便・黄疸・急激な体重変化・尿量の著しい変化を伴う場合は、プロテインとは別の原因を検討する必要があります。

他の原因が隠れていることもある

過敏性腸症候群(IBS)・炎症性腸疾患・肝臓・腎臓疾患など、別の疾患がプロテイン摂取によって症状が顕在化するケースもあります。胃食道逆流症(GERD)との関連については食道裂孔ヘルニアとは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】もご参照ください。

検査が必要になる場合

血液検査(肝機能・腎機能・尿酸値)、尿検査、必要に応じて腹部超音波検査などによって、臓器への影響を客観的に評価することができます。

プロテイン飲み過ぎに関するよくある誤解

プロテインは飲めば飲むほど筋肉が増える?

筋肉合成には適切な運動刺激と必要量のたんぱく質の両方が必要です。過剰なたんぱく質摂取は筋肉増加に直結せず、余剰分はカロリーとして消費・貯蔵されます。

たんぱく質をとれば食事は少なくてよい?

たんぱく質だけでは健康の維持に必要なビタミン・ミネラル・食物繊維・脂質・炭水化物を補えません。食事の多様性を確保することが基本です。

プロテインは誰でも安全にたくさん飲める?

腎臓・肝臓・代謝系の疾患がある方、妊娠中・授乳中の方、小児などは、一般的な推奨量が当てはまらない場合があります。持病がある場合は必ず医師に相談してください。また、プロテイン製品に含まれる特定成分による肝障害の報告もあることから、製品選びは慎重に行ってください。

よくある質問(FAQ)

プロテインを飲み過ぎると下痢になりますか?

ホエイプロテインに含まれる乳糖が原因で、乳糖不耐症の方では下痢が起こることがあります。また、大量のたんぱく質が消化しきれずに腸内で発酵し、軟便・下痢につながることもあります。症状が続く場合は摂取量の見直しや医師への相談をおすすめします。

1日にどれくらい飲むと「飲み過ぎ」になりますか?

食事由来のたんぱく質との合計が体重1kgあたり2gを大幅に超える摂取が継続する場合、過剰摂取とみなされることが多いです。体重60kgの成人であれば1日120g超が長期間続く場合は注意が必要です。個人差があるため、具体的な上限は医師や専門家にご相談ください。

プロテインで肝臓や腎臓に悪影響はありますか?

健康な方が適切な量を摂取する場合、直ちに臓器に障害が生じるとは言えませんが、長期的な過剰摂取については研究が続いています。また、製品に含まれる添加物等による肝障害の報告もあります。腎臓・肝臓に持病がある方は、自己判断での摂取量増加は避け、必ず主治医にご相談ください。

毎日飲んでも大丈夫ですか?

食事と合わせて1日の摂取量が適切な範囲内であれば、毎日の摂取は一般に問題が少ないと考えられます。ただし、体調の変化を観察しながら摂取することが大切です。消化器症状が続く場合は摂取量の見直しや医師への相談をご検討ください。

ソイプロテインやホエイプロテインで違いはありますか?

ホエイプロテインは牛乳由来で吸収が速く、乳糖を含むため乳糖不耐症の方には消化器症状が出やすい場合があります。ソイプロテインは大豆由来で乳糖を含まず、乳製品が苦手な方や植物性食品を重視する方に選ばれることがあります。アレルギーや体質に応じて製品を選ぶことをおすすめします。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:
厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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