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パクチーの栄養とは?含まれる成分・効果的な食べ方・注意点を医師が解説

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パクチーの栄養とは?含まれる成分・効果的な食べ方・注意点を医師が解説

パクチーは、エスニック料理や東南アジア料理でおなじみの香味野菜です。独特の香りが話題になることが多い一方で、「実際にどんな栄養が含まれているのか」「健康にどのように関係するのか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、消化器外科専門医の立場から、パクチーに含まれる栄養成分の特徴や、日常の食事への取り入れ方、注意点などを医学的な根拠に基づいて解説します。食事に関するご不安や気になる症状がある場合は、必ず医師にご相談ください。

パクチーの栄養とは?まず知っておきたい基本

パクチーは、セリ科コリアンダー(Coriandrum sativum)の葉・茎の部分を指す呼び名です。タイ語に由来する「パクチー」のほか、英語圏では「コリアンダー(Coriander)」「シラントロ(Cilantro)」とも呼ばれます。葉・茎・根・種子のすべてが食用になりますが、日本で「パクチー」と言う場合は主に葉と茎を指すことが一般的です。

特徴的な香りは、リナロールやデカナールなどの揮発性成分によるものです。好き嫌いが分かれる香りですが、料理の薬味や付け合わせとして少量使われることが多く、一度に大量を食べるというよりはハーブ的な感覚で取り入れるのが一般的です。

パクチーに含まれる主な栄養成分

100gあたりの栄養成分の目安

文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によると、パクチー(コリアンダー)の可食部100gあたりには以下のような栄養素が含まれています(概算値)。

栄養素 含有量(目安)
エネルギー 約23kcal
たんぱく質 約2.2g
脂質 約0.5g
炭水化物 約3.8g
食物繊維 約2.8g
ビタミンA(β-カロテン当量) 約6750μg
ビタミンK 約270μg
葉酸 約120μg
カリウム 約540mg
カルシウム 約67mg

ただし、パクチーは一度の食事で100g摂取するというよりも、数グラム〜10g程度を薬味として使うことがほとんどです。上記は成分の「濃度」として参考にするデータです。

少量でも取り入れやすい理由

パクチーは生のままサラダのトッピングにしたり、麺類やスープの仕上げに散らしたりと、少量でも香りや彩りが出るため、日常の料理に無理なく加えやすいという特徴があります。大量に食べる必要がなく、食事全体の栄養バランスを整える一要素として活用できるのが利点です。

パクチーで期待される主な働き

以下では、パクチーに含まれる栄養素の「一般的なはたらき」をご紹介します。なお、これらはパクチー単独で特定の疾患を予防・治療するものではなく、バランスのとれた食事全体の中での役割として捉えてください。

ビタミン類のはたらき

  • ビタミンA(β-カロテン):体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。ビタミンAは皮膚や粘膜の維持に関わる栄養素として知られています。
  • ビタミンK:血液凝固や骨の代謝に関わるとされています。葉物野菜全般に多く含まれる成分です。
  • 葉酸:細胞分裂やDNA合成に関与するビタミンB群の一つです。特に妊娠初期の重要性が広く知られており、厚生労働省も妊娠前後の葉酸摂取を推奨しています。

ミネラルのはたらき

  • カリウム:体内の水分バランスや正常な血圧の維持に関わるミネラルです。日本人の食事摂取基準(2020年版)では、多くの成人で不足しがちな栄養素として示されています。
  • カルシウム:骨や歯の形成に必要なミネラルです。パクチーのカルシウム含量は葉物野菜の中でも比較的高い方ですが、一度に摂る量が少ない点は念頭に置いてください。

食物繊維と香り成分

パクチーには食物繊維も含まれています。食物繊維は腸内環境の維持に関わる栄養素として、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」でも目標量が設定されています。パクチーを食事に加えることで、食物繊維を補う一つのきっかけになります。

香り成分(リナロールなど)は料理の風味づけや食欲増進に関わるとされていますが、これらについての効果はまだ研究途上の部分もあり、現時点では過度な期待は禁物です。

パクチーの栄養を効率よくとる食べ方

生で食べる場合のポイント

生食することで、熱に弱いビタミン類(ビタミンCなど)を損ないにくくなります。食べる前に流水でよく洗い、特に根元や茎の間に土が残りやすい点に注意しましょう。葉が鮮やかな緑色でしおれていないものが新鮮な目安です。食べる直前に切ると香りが活きやすくなります。

加熱調理で使う場合のポイント

スープや炒め物に加える際は、加熱しすぎると香りが飛びやすくなります。料理の仕上げ直前に加えることで、風味を残しやすくなります。また、長時間の加熱でビタミンCなどの水溶性ビタミンは失われやすいため、さっと加える使い方がおすすめです。

相性のよい食材

パクチーは豚肉・鶏肉・魚介類・豆腐・豆類との相性が良く、カツオの栄養を活かした料理のアクセントにも活用できます。また、ビタミンAのような脂溶性ビタミンはオリーブオイルやごま油などの油脂と一緒に摂ることで、吸収が高まりやすいとされています。柑橘類(ライム・レモン)との組み合わせもエスニック料理では定番です。

パクチーを食べるときの注意点

食べ過ぎに注意したい人

パクチーは香り成分が強く、胃腸が敏感な方や刺激物に弱い方では、大量摂取により胃腸に不快感を覚えることがあります。少量から様子をみながら取り入れるようにしましょう。

アレルギーや体調不良がある場合

パクチーはセリ科の植物です。セリ科植物(セロリ・人参・フェンネルなど)にアレルギーのある方は、交差反応が生じる可能性があります。食べた後に口や喉のかゆみ・腫れ、発疹、腹痛、下痢などの症状が現れた場合は、すぐに摂取をやめ、医療機関にご相談ください。

妊娠中・授乳中・服薬中の人

食品として通常の食事の範囲で少量使う分には、一般的に過度な心配は不要と考えられています。ただし、ワーファリン(ワルファリン)などの抗凝固薬を服用中の方は、ビタミンKを多く含む食品の摂取量の変動が薬の効果に影響する可能性があります。服薬中の方は主治医・薬剤師にご確認ください。妊娠中・授乳中で気になることがある場合も、担当医にご相談いただくことをおすすめします。

パクチーの栄養を活かした簡単な取り入れ方

いつもの料理に少し加える

  • 麺類:フォーや冷やし麺の仕上げに葉をのせる
  • スープ:トムヤムクンや鶏がらスープに少量加える
  • サラダ:葉物野菜に混ぜてドレッシングで和える
  • 肉料理の仕上げ:蒸し鶏や焼き豚のトッピングとして添える

いずれも5〜10g程度の少量でも十分に香りと彩りが楽しめます。

ほかの野菜と組み合わせる

パクチーだけを大量に食べることよりも、さまざまな野菜と組み合わせてバランスよく食事を整えることが大切です。例えば、ヨーグルトを使ったソースと組み合わせたり、干し芋など食物繊維を含む食品と合わせて食事全体の栄養バランスを意識するとよいでしょう。

パクチーの栄養に関するよくある質問

パクチーは毎日食べてもよい?

通常の食事の薬味・トッピング程度の量であれば、毎日食べることは問題ないと考えられます。ただし、体質や体調によって合う・合わないがありますので、自分の体の変化に注意しながら無理のない範囲で取り入れてください。服薬中の方は前述の通り、医師・薬剤師への確認をおすすめします。

パクチーとコリアンダーの違いは?

同じ植物(Coriandrum sativum)の異なる部位・異なる呼び名です。「パクチー」は主に葉・茎の呼び名(タイ語由来)、「コリアンダー」は葉・種子・植物全体の英語名です。種子を乾燥させたものはスパイス「コリアンダーシード」として利用され、葉とは異なる香りと使い方になります。

冷凍や保存で栄養は変わる?

冷凍保存すると葉の細胞が壊れて食感や香りは変化しやすくなります。栄養素の一部は調理・保存の条件(光・熱・酸化など)によって変化しうることが知られていますが、冷凍することで一定期間保存しやすくなるメリットもあります。できる限り新鮮なうちに使うことが、風味・栄養の面でも望ましいと言えます。

パクチーが苦手でも栄養は他の食材で補える?

問題ありません。パクチーに含まれるビタミンA・K・葉酸・カリウムなどは、ほうれん草・小松菜・ブロッコリーなど他の野菜・ハーブからも摂取できます。パクチーにこだわらず、さまざまな食品を組み合わせて食事全体のバランスを整えることが重要です。

受診の目安

パクチーを食べた後に以下のような症状が現れた場合は、早めに医療機関にご相談ください。自己判断での対処は遅延につながることがあります。

  • 食後の強い腹痛・嘔吐・下痢が続く
  • 口・喉・皮膚のかゆみや腫れ、じんましん
  • 息苦しさ・胸の締め付け感
  • めまいや意識の変容

アナフィラキシーが疑われる場合は、速やかに救急医療機関を受診してください。

まとめ

パクチーは、ビタミンA・K・葉酸・カリウムなどを含む香味野菜であり、少量でも料理に彩りと香りを加えやすいという特徴があります。ただし、一度に多量を食べる食材ではないため、含まれる栄養は「食事全体の中の一要素」として捉えることが大切です。アレルギーや服薬中の方は事前に医師・薬剤師に確認し、体調に合わせた無理のない取り入れ方を心がけてください。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 理事長
専門: 消化器外科

福島県立医科大学大学院 外科学修了。NTT東日本関東病院や国立病院機構横浜医療センター等で外科医長・救命救急センター副部長を歴任。厚生労働省の地域連携クリティカルパスモデル開発の班研究員、神奈川県がん診療連携協議会相談役などを務める。

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