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お腹の上が痛いとは?原因・症状・対処を内科医が解説

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消化器・内科監修記事

お腹の上が痛いとは?原因・症状・対処を内科医が解説

「お腹の上が痛い」という症状は、胃・十二指腸・胆のう・膵臓・肝臓など複数の臓器が原因となりうるため、痛みの場所・性質・タイミングを把握することが適切な対処への第一歩です。多くは消化器疾患ですが、心臓や肺など胸の病気が上腹部痛として現れる場合もあります。本記事では、症状の特徴から受診の目安・自宅での対処まで、医学的根拠に基づいてわかりやすく解説します。

本記事は情報提供を目的としており、個々の症状に対する診断・治療を保証するものではありません。症状が気になる場合は必ず医師の診察を受けてください。

お腹の上が痛いとは?痛む場所と症状の特徴

みぞおち・右上腹部・左上腹部の違い

上腹部は大きく「みぞおち(心窩部)」「右上腹部」「左上腹部」の3つのエリアに分けて考えると原因が絞りやすくなります。

部位 関連しやすい臓器の例
みぞおち 胃・十二指腸・食道・膵臓
右上腹部 胆のう・胆管・肝臓・右腎臓
左上腹部 膵尾部・脾臓・左腎臓・胃噴門部

痛む場所はあくまで目安であり、臓器の位置には個人差があります。また、一か所だけでなく上腹部全体が痛む場合もあります。

痛み方(キリキリ・締めつけ・差し込む・鈍い痛み)の見分け方

  • キリキリ・ズキズキ:胃・十二指腸潰瘍でよくみられます
  • 締めつけられるような痛み:胃けいれん、胆石発作、狭心症など
  • 差し込むような激痛(疝痛):胆石・尿路結石の発作
  • 鈍い重い痛み(鈍痛):慢性胃炎・慢性膵炎・肝臓疾患

食後に痛む、空腹時に痛む、動くと痛む場合の違い

  • 食後に悪化:胃炎・逆流性食道炎・胆石・慢性膵炎
  • 空腹時に悪化し食事で改善:十二指腸潰瘍に比較的多いパターン
  • 動くと悪化・安静で楽:腹膜刺激症状(緊急性が高い場合もある)
  • 体位によって変化:逆流性食道炎や食道裂孔ヘルニアでみられることがあります

お腹の上が痛いときに考えられる主な原因

胃・十二指腸の病気が関係する場合

急性・慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、機能性ディスペプシアなどが代表的です。ヘリコバクター・ピロリ菌感染が潰瘍の主要因の一つとして知られています(日本ヘリコバクター学会ガイドライン参照)。

胆のう・胆管の病気が関係する場合

胆石症・胆のう炎・胆管炎などでは、右上腹部から背中にかけての痛みが特徴的です。脂肪分の多い食事後に症状が出やすい傾向があります。

膵臓の病気が関係する場合

急性膵炎・慢性膵炎・膵臓がんなどがあります。みぞおちから背中に抜けるような痛みは膵臓疾患の特徴の一つです。急性膵炎はアルコールや胆石が主な誘因とされています。

肝臓の病気が関係する場合

肝炎・脂肪肝・肝硬変・肝臓がんなどでは、右上腹部の鈍痛や重だるさが生じることがあります。肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、症状が出にくい場合もあるため、定期的な検診が重要です。

胸の病気や筋肉痛など、お腹以外が原因のこともある

狭心症・心筋梗塞・肺炎・気胸なども上腹部痛として現れることがあります。また、肋間神経痛や腹筋の筋肉痛が上腹部の痛みに感じられることもあります。

受診を急いだほうがよい症状

強い痛みが続く、どんどん悪化する

我慢できないほどの強い痛み、または短時間でどんどん悪化する痛みは、緊急性のある疾患のサインである可能性があります。

発熱、吐き気・嘔吐、冷や汗を伴う

これらが重なる場合、胆のう炎・急性膵炎・消化管穿孔などが疑われます。

黒い便、血便、吐血がある

タール便(黒くドロッとした便)や吐血は上部消化管出血のサインです。速やかな受診が必要です。

黄疸、息苦しさ、胸痛を伴う

白目や皮膚が黄色くなる黄疸は肝臓・胆道系疾患のサイン、息苦しさや胸痛を伴う場合は心臓・肺疾患の可能性があります。

妊娠中、高齢者、持病がある方で症状が強い場合

症状の現れ方が典型的でない場合があるため、早めに医療機関にご相談ください。

すぐに救急受診を考えるべきケース

急に激しい痛みが出た

突然の激痛(「バットで殴られたような」と表現されることもある)は、消化管穿孔・大動脈解離など生命に関わる疾患を示すことがあります。

お腹が硬い、触ると強く痛む

腹膜炎の徴候の可能性があります。

意識がぼんやりする、ぐったりする

ショック状態が疑われます。ためらわずに救急車を呼んでください。

受診の目安と何科に行くべきか

内科・消化器内科を受診する目安

  • 2〜3日以上続く上腹部痛
  • 食事のたびに痛みが出る
  • 体重が知らないうちに減っている

夜間や休日に受診を検討する目安

強い痛み・発熱・吐血・意識の変化がある場合は、夜間・休日であっても受診を検討してください。

受診時に医師へ伝えるとよいポイント

  • 痛む場所・痛み方・いつから
  • 食事との関係(食後/空腹時)
  • 発熱・吐き気・便の色などの有無
  • 服用中の薬・持病・飲酒量・喫煙歴

医療機関で行う主な検査

問診・触診で確認すること

痛みの部位・性状・経過を詳しく聞き、お腹の硬さや圧痛点を確認します。

血液検査・尿検査

肝機能・膵酵素(アミラーゼ・リパーゼ)・炎症反応(CRP)・胆道系酵素などを確認します。

超音波検査、CT、内視鏡検査など

腹部超音波は胆のう・肝臓・膵臓を評価するのに有用です。内視鏡検査(胃カメラ)は胃・十二指腸・食道の粘膜を直接観察できます。必要に応じてCT・MRIなどの画像検査も行います。

自宅でできる一時的な対処

安静にして症状の変化をみる

症状が出始めた当日は、まず横になって休み、痛みの変化を観察しましょう。

刺激物・脂っこい食事・アルコールを控える

胃や胆のうへの刺激を減らすことが大切です。

水分補給と食事のとり方に注意する

吐き気がなければ、少量ずつこまめに水分を補給してください。消化の良い食事を少量から始めることが勧められます。

市販薬を使う前に気をつけたいこと

PPI(プロトンポンプ阻害薬)を含む市販の胃薬は、一時的な症状緩和に用いられることがありますが、使用前に症状が市販薬の適応かどうかを確認することが大切です。原因を特定せずに薬を使い続けると、症状の悪化に気づきにくくなることがあります。

お腹の上が痛いときにやってはいけないこと

痛みを我慢して放置する

軽微に見えても、潰瘍や腫瘍が背景にある場合があります。数日以上続く場合は受診を検討してください。

自己判断で薬を飲み続ける

症状が一時的に和らいでも、根本原因が解決していない場合があります。

痛み止めの使い方で注意したいこと

NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は胃粘膜を傷めるリスクがあり、胃痛がある状態での使用には注意が必要です。使用する際は医師・薬剤師にご相談ください。

お腹の上の痛みの予防に役立つ生活習慣

食べすぎ・早食い・暴飲暴食を避ける

1日3食、よく噛んでゆっくり食べることが胃腸への負担軽減につながります。

ストレスや睡眠不足への対策

機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群はストレスと関連が深いとされています。十分な睡眠とリラックスの時間を確保することが大切です。腹式呼吸はリラクゼーションの一つとして取り入れやすい方法です。

症状が出やすい食事内容を把握する

脂っこい食事・アルコール・刺激物・炭酸飲料などが症状を誘発しやすい方は、食事日記などで自分のパターンを把握しておくと対策しやすくなります。

たまプラーザ周辺で受診を考えている方へ

当院でご相談いただける症状

  • みぞおちの痛み・胃の不快感
  • 食後の膨満感・吐き気
  • 右上腹部・左上腹部の違和感や痛み
  • 便の色や性状の変化

診療の流れ

問診・身体診察のうえ、必要に応じて血液検査・腹部超音波・内視鏡検査などをご案内します。症状について疑問や不安がある方は、お気軽にご予約・お問い合わせからご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. お腹の上が痛いのは胃痛ですか?

上腹部の痛みの多くは胃・十二指腸が原因であることが多いですが、胆のう・膵臓・肝臓・心臓など他の臓器が原因になることもあります。痛みの場所・性質・タイミングなどを医師に伝えて、適切な検査を受けることが大切です。

Q. 右上腹部が痛いときは何が考えられますか?

胆石症・胆のう炎・胆管炎・肝炎・肝臓がんなどが考えられます。脂肪分の多い食事後に痛む場合は胆道系疾患が疑われます。発熱や黄疸を伴う場合は早めの受診をお勧めします。

Q. 食後だけ痛い場合は様子をみてもよいですか?

軽度で短時間で治まり、他に症状がない場合は一時的な過食・刺激物の影響の可能性もあります。ただし、食後のたびに痛む、または痛みが続くようであれば、胃炎・逆流性食道炎・胆石などが背景にある可能性がありますので、医療機関を受診することをお勧めします。

Q. 痛みが数日続くときは受診したほうがよいですか?

2〜3日以上痛みが続く場合は、自然に回復を待つよりも医療機関を受診して原因を確認することをお勧めします。早期に原因を特定することで、適切な治療につながります。

Q. 市販の胃薬で様子をみても大丈夫ですか?

一時的な症状緩和に市販薬が役立つ場合もありますが、症状の原因によっては適切でないこともあります。数日使用しても改善がみられない場合や、強い痛み・発熱・血便などを伴う場合は、自己判断を続けずに医療機関を受診してください。また、喉の違和感を同時に感じる場合は逆流性食道炎との関連も考えられます。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割
厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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