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認知症にならない4つの食べ物|食事で意識したいポイントを医師が解説

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認知症にならない4つの食べ物|食事で意識したいポイントを医師が解説

「認知症にならないための食べ物を知りたい」――そのような思いでこのページをご覧になっている方は多いのではないでしょうか。インターネット上には「○○を食べれば認知症を防げる」という情報があふれていますが、現時点の医学的見解として、特定の食品だけで認知症の発症を確実に防ぐことはできません。

本記事では、厚生労働省や健康長寿ネットなどの公的情報・学会ガイドラインをもとに、食事が認知症予防においてどのような位置づけにあるのかを整理したうえで、日常に取り入れやすい食品の代表例として「魚・野菜・大豆製品・ナッツ類」の4つをご紹介します。なお、具体的な食事指導や治療が必要な場合は、必ず医師にご相談ください。


認知症と食事の関係をまず理解する

認知症はアルツハイマー型・脳血管性・レビー小体型などいくつかの種類があり、その原因や背景は一つではありません。加齢、遺伝的要因、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病、運動不足、喫煙、社会的孤立など、多くの要因が複合的に関与すると考えられています(厚生労働省「認知症施策推進大綱」より)。

こうした背景から、食事は認知症予防における「多くの要因のうちの一つ」と位置づけられます。食事だけで認知症を防ぐことはできませんが、生活習慣全体を整える一環として、食事の質を見直すことは意義があると考えられています。

運動・十分な睡眠・血圧や血糖の管理・社会参加なども同様に重要であり、食事はそれらと組み合わせて実践するものとご理解ください。


認知症予防を意識した食事の基本

「何か特別なものを食べる」より先に大切なのが、食事全体のバランスを整えることです。健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)でも、塩分・飽和脂肪酸・糖質の過剰摂取を避け、食物繊維や良質なたんぱく質を確保することの重要性が示されています。

特に注目されているのが「地中海食」のパターンです。魚・野菜・果物・豆類・ナッツ・オリーブオイルを中心とした食事スタイルで、複数の研究で認知機能との関連が検討されています。また、日本の伝統的な和食も、魚・大豆製品・野菜・発酵食品を多く含む点で類似した特徴を持っています。

ただし「地中海食を食べれば認知症にならない」と断言できるエビデンスがあるわけではなく、あくまで参考にすべき食事パターンの一つです。無理なく、長く続けられることが最も重要です。

食物繊維の役割については「食物繊維」も参考にご覧ください。


認知症予防で意識したい4つの食べ物

以下の4つは、発症を防ぐことを保証するものではなく、日常的に取り入れやすく、かつ食事全体のバランスを整えるうえで役立つ食品群の代表例としてご紹介します。

1. 魚

青魚(サバ・イワシ・サンマ・アジなど)に豊富に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)は、オメガ3系脂肪酸の一種です。脳の神経細胞の構成成分として知られており、認知機能との関連を検討した研究が多数あります。

週に2〜3回程度、焼き魚・煮魚・缶詰(サバ缶・イワシ缶など)を活用するだけでも摂取しやすくなります。ただし水銀含有量の多い大型魚(マグロのメバチなど)は妊婦や小児は摂取量に注意が必要な場合もあるため、心配な方はかかりつけ医へご確認ください。

2. 野菜

緑黄色野菜(ほうれん草・ブロッコリー・にんじん・かぼちゃなど)を中心に、多種類の野菜をとることが勧められます。ビタミンC・ビタミンE・葉酸・β-カロテンなどの抗酸化物質、そして食物繊維を補いやすい点が特徴です。

腸内環境と脳の関係(腸脳相関)についての研究も進んでおり、食物繊維を通じた腸内細菌叢の整備が全身の健康に影響する可能性が注目されています。毎食1品以上を目安に、汁物・サラダ・炒め物など調理法を変えながら続けやすいかたちで取り入れましょう。

3. 大豆製品

豆腐・納豆・味噌・豆乳・おからなど、日本の食卓に馴染み深い大豆製品は、良質な植物性たんぱく質の補給源です。たんぱく質は筋肉だけでなく脳の神経伝達物質の原料としても重要であり、加齢に伴うたんぱく質不足(フレイル予防)の観点からも積極的に取り入れることが推奨されています。

また、大豆イソフラボンと認知機能の関連を検討した研究も行われています(現時点では予防効果を断定できるレベルには至っていません)。納豆や豆腐は手軽に摂れる食品であるため、和食の献立に自然に組み込みやすいでしょう。

4. ナッツ類

アーモンド・クルミ・カシューナッツなどのナッツ類には、ビタミンE・オメガ3系脂肪酸・食物繊維・ポリフェノールが含まれています。小袋1つを菓子類の代わりに間食として取り入れるだけで、日々の食事のバランスを整えやすくなります。

一方、カロリーが高いため食べすぎはエネルギー過多になる点に注意が必要です。目安としては1日に一握り程度(約20〜30g)が参考になります。塩や油で加工されていない、無塩・素焼きのものが望ましいとされています。


4つの食べ物を食べれば認知症にならないのか

これらの食品を取り入れることは食事全体の質を高めるうえで有益と考えられますが、「食べれば認知症にならない」と断言することは現時点の医学的根拠に基づいてもできません

認知症の発症には個人差があり、食事は生活習慣全体の一部にすぎません。あくまで、日常のなかでバランスのよい食事を継続することの積み重ねが大切であるとお考えください。

認知症予防のための食事全体についてより詳しく知りたい方は「認知症予防 食べ物」もご参照ください。


逆に控えたい食習慣

食事を整える観点では、「何をとるか」と同じくらい「何を減らすか」も重要です。

  • 塩分の過剰摂取:高血圧につながり、脳血管性認知症のリスク因子となります。1日の目標量(成人男性7.5g未満・女性6.5g未満:厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」)を意識しましょう。
  • 飽和脂肪酸・トランス脂肪酸の過剰摂取:動物性脂肪や加工食品に多く含まれ、脂質異常症・動脈硬化のリスクと関連します。
  • 糖分・精製炭水化物の過剰摂取:血糖値の急激な上昇を招きやすく、糖尿病リスクとの関連が指摘されています。糖尿病は認知症リスクを高める要因の一つとされています。
  • 欠食・偏食:特定の栄養素が慢性的に不足すると、脳機能を支える栄養素が足りなくなります。
  • 過度な飲酒:大量飲酒は脳への直接的なダメージになり得ます。節度ある飲酒(純アルコールで1日20g程度を目安)が推奨されています。

食事以外で認知症予防として大切なこと

食事以外にも、日常生活で意識できる要素は多くあります。

  • 有酸素運動:ウォーキングや軽いジョギングなどを週に150分以上行うことが推奨されています(WHO身体活動ガイドライン)。
  • 十分な睡眠:睡眠不足はアミロイドβの蓄積を促進する可能性が研究で示されており、7〜8時間程度の質のよい睡眠が望ましいとされています。
  • 社会参加・知的活動:趣味・交流・学習などを通じた脳の刺激が認知機能の維持に関連するとされています。
  • 口腔ケア:歯周病と認知症リスクの関連を示す研究が増えています。定期的な歯科受診も重要です。
  • 持病の管理:高血圧・糖尿病・脂質異常症のコントロールは認知症リスク管理に欠かせません。
  • 聴力の確認:難聴が認知症の修正可能なリスク因子として「Lancet」誌の認知症委員会でも挙げられています(2020年)。

年代別・生活スタイル別の取り入れ方

忙しい方・一人暮らしの方:缶詰(サバ缶・イワシ缶)や納豆、カット野菜の冷凍食品、小袋ナッツなど、手間なく取り入れられる食品から始めましょう。

高齢の方:食欲が落ちやすい場合は、無理に量を増やすより「何を食べるか」の質を意識することが大切です。たんぱく質(魚・大豆製品)と野菜を一品ずつ意識するだけでも変化を感じやすいでしょう。

持病がある方:腎臓病・肝臓病・血液をさらさらにする薬(ワルファリンなど)を服用中の方はナッツや魚の脂肪酸について制限が必要な場合があります。食事の変更は必ずかかりつけ医や管理栄養士にご相談ください。


よくある質問

Q. サプリメントだけで認知症予防はできますか

サプリメントは食事の補助として用いるものであり、食事全体の代わりにはなりません。また、DHA・EPA・ビタミンEなどのサプリメントで認知症を予防できると断定できるエビデンスは現時点では確立していません。サプリメントの必要性や安全性は医師・薬剤師にご相談ください。

Q. 4つの食べ物は毎日食べたほうがよいですか

毎日が理想ですが、無理に義務化する必要はありません。体調・持病・薬との相互作用によっては摂取量の調整が必要な場合もあります。「週全体でバランスをとる」という感覚で継続することが大切です。

Q. 何歳から意識すべきですか

認知症の病理的変化は発症の20〜30年前から始まるとも言われています。高齢になってから始めることにも意義はありますが、40〜50代からの生活習慣の積み重ねが重要です。年齢を問わず、今からできることから始めることをお勧めします。

認知症にならない4つの食べ物は」もあわせてご参照ください。


受診の目安

以下のような変化に気づいた場合は、自己判断せずに医療機関への受診をご検討ください。

  • 同じことを何度も聞く・話すが目立つようになった
  • 日常生活(料理・金銭管理・服薬など)に支障が出てきた
  • 家族や周囲から「最近おかしい」と指摘された
  • 比較的急に(数週間〜数か月で)症状が出てきた

なお、もの忘れのような症状には、甲状腺機能低下症・うつ病・薬の副作用・睡眠時無呼吸症候群など、認知症以外の原因が隠れている場合もあります。医療機関を受診して適切な検査を受けることが、早期対応への第一歩です。


まとめ

「認知症にならない4つの食べ物」として本記事では魚・野菜・大豆製品・ナッツ類をご紹介しました。これらは食事全体のバランスを整えるうえで取り入れやすい食品ですが、これらを食べることで認知症を確実に予防できると断言することはできません。

大切なのは、特定の食品に頼るのではなく、食事・運動・睡眠・持病管理・社会参加という生活習慣全体を整えることです。気になる症状や不安がある場合は、ぜひ医療機関にご相談ください。


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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 理事長
専門:消化器外科

福島県立医科大学大学院 外科学修了。NTT東日本関東病院や国立病院機構横浜医療センター等で外科医長・救命救急センター副部長を歴任。厚生労働省の地域連携クリティカルパスモデル開発の班研究員、神奈川県がん診療連携協議会相談役などを務める。


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