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血流とは?原因・症状・対処を内科医が解説

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血流とは?原因・症状・対処を内科医が解説

「手足がいつも冷たい」「なんとなくだるい」「むくみが取れない」――これらの不調の背景に、血流の低下が関係していることがあります。血流とは全身に血液を循環させる働きのことであり、酸素や栄養の供給、老廃物の排出、体温の維持など、生命を維持するうえで欠かせない機能です。本記事では血流の基礎知識から、悪化の原因・症状・日常でできる対処・受診の目安までを、医学的根拠に基づいてわかりやすく解説します。

血流とは?まずは意味をわかりやすく整理

血液が体をめぐる仕組み

血液は心臓から大動脈を通って全身に送り出され、毛細血管で酸素や栄養を届けたのち、静脈を経由して心臓へ戻ります。さらに肺で二酸化炭素を排出し、新鮮な酸素を取り込んでから再び全身へ―この循環が「血流」です。成人の血液量は体重の約8%(体重60kgなら約4.8L)とされており、心臓は1分間に約5Lを送り出しています。

「血流が悪い」とはどんな状態か

血流が悪いとは、血液の循環量や速度が低下し、末梢の細胞に必要な酸素・栄養が十分に届かなくなる状態を指します。主に末梢血管の収縮や動脈硬化、血液粘度の上昇などが原因として挙げられます。

血流が大切な理由

酸素や栄養を全身に届ける役割

赤血球に含まれるヘモグロビンが酸素を運び、血漿中のブドウ糖やアミノ酸が細胞のエネルギー源となります。血流が滞ると、脳・筋肉・内臓など各臓器の機能低下につながります。

老廃物を運び、体温調節にも関わる働き

代謝によって生じた二酸化炭素や乳酸などの老廃物は血液によって肺や腎臓へ運ばれます。また、体内で産生された熱を皮膚表面に届けることで体温調節にも貢献しています。

血流が悪くなる主な原因

長時間の同じ姿勢や運動不足

デスクワークや長距離移動などで長時間同じ姿勢を続けると、筋肉のポンプ機能が低下し静脈血の還流が滞ります。

冷えや筋肉量の低下

低温刺激は末梢血管を収縮させ、血流を減少させます。また筋肉量が少ないと、ふくらはぎなど末梢から血液を心臓へ押し戻す力(筋ポンプ)が弱まります。

脱水や睡眠不足、ストレス

水分不足は血液の粘度を高め、流れにくくします。睡眠不足や過度なストレスは自律神経のバランスを乱し、血管の収縮・拡張をうまく調整できなくなることがあります。

動脈硬化や貧血など病気が関係することも

動脈硬化による血管内腔の狭窄、貧血による酸素運搬量の低下、心不全による心拍出量の減少なども血流障害の原因となります。生活習慣だけでなく、基礎疾患が背景にある場合もあるため注意が必要です。

血流が悪いときに出やすい症状

手足の冷え、しびれ、だるさ

末梢への血液供給が不足すると、手足の冷えやしびれ、重だるさとして現れやすくなります。

むくみ、肩こり、こわばり

静脈血やリンパ液の還流が悪くなるとむくみが生じます。筋肉への酸素不足は肩こりや関節のこわばり感にも関係します。

疲れやすさ、集中しにくさ

脳や筋肉への酸素供給が低下すると、疲労感の増大や思考のまとまりにくさとして感じることがあります。

受診を考えたい症状の例

  • 片側の手足だけ急に冷えた・しびれた
  • 歩くと足が痛くなり、休むと楽になる(間欠性跛行)
  • 胸痛・動悸・息切れを伴う
  • むくみが急激に悪化した

血流を良くするために日常でできる対処

体を温める工夫

入浴(38〜40℃のぬるめのお湯に10〜15分程度)や温かい飲み物の摂取は、末梢血管を拡張し血流を促します。

こまめに体を動かす

30〜60分に1回は立ち上がってストレッチや軽い歩行を行うことで、筋ポンプ機能を維持できます。

ふくらはぎを使う習慣をつくる

ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、収縮・弛緩することで静脈血を心臓へ送り返す役割を担います。つま先の上げ下げ(カーフレイズ)を日常的に取り入れることが効果的とされています。

水分補給と睡眠、食事の見直し

1日を通じてこまめな水分補給を行い、血液の粘度上昇を防ぎましょう。十分な睡眠の確保と、塩分・脂質を摂り過ぎない食事も血管の健康維持に役立ちます。

禁煙やストレス対策も大切

喫煙は血管内皮を傷つけ、動脈硬化を促進します。禁煙は血流改善において重要な生活習慣の見直しの一つです。ストレスの管理には深呼吸や適度な運動、趣味の時間の確保なども有効です。腹式呼吸については腹式呼吸とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】もあわせてご参照ください。

血流改善に役立つセルフケアの注意点

無理なマッサージや温めすぎに注意

炎症が生じている部位や静脈瘤がある場合、強いマッサージや過度の加熱は症状を悪化させる可能性があります。

持病がある人は自己判断を避ける

糖尿病・高血圧・心疾患などの持病がある方は、血流への対処法が通常と異なる場合があります。かかりつけ医に相談してから実践することが大切です。

サプリメントや健康法を使う前の確認点

血液をサラサラにすると謳うサプリメントの中には、抗凝固薬などと相互作用するものもあります。服薬中の方は医師または薬剤師へご相談ください。

血流の不調が疑われるときの受診目安

生活改善でも改善しない場合

2〜4週間のセルフケアを継続しても症状が変わらない場合は、医療機関への相談を検討してください。

片側だけの強い症状や急な悪化

片側の手足のみに強い冷感・しびれ・色調の変化が現れた場合は、末梢動脈疾患や血栓症が疑われることがあります。早めの受診が望まれます。

胸痛、息切れ、強いしびれなどがある場合

胸痛・呼吸困難・突然の強いしびれや麻痺は、心疾患や脳血管疾患を示す可能性があります。速やかに救急受診してください。

何科を受診すべきか

まずは内科・循環器内科への受診が適しています。症状が多岐にわたる場合や、どの科を受診すべきか迷う場合は、かかりつけの内科・総合内科に相談するとよいでしょう。受診の際はこちらからご予約いただけます→ご予約・お問い合わせ

医療機関ではどのように調べるのか

問診で確認すること

症状の出現時期・部位・誘因・持続時間、既往歴、服用薬、生活習慣(喫煙・飲酒・運動量)などを確認します。

必要に応じて行う検査

検査 主な目的
血液検査 貧血・脂質・血糖・炎症反応の確認
ABI(足関節上腕血圧比) 末梢動脈疾患のスクリーニング
超音波検査 血管の狭窄・血栓の有無の確認
心電図・心エコー 心機能の評価

原因に応じた治療方針

原因疾患が判明した場合は、生活習慣の指導に加え、薬物療法(抗血小板薬・抗凝固薬・血管拡張薬など)や、必要に応じてカテーテル治療・手術が検討されます。

血流が関係しやすい代表的な病気

動脈硬化

血管壁にコレステロールが蓄積してプラークを形成し、血管内腔が狭くなる状態。高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙が主なリスク因子です。

末梢動脈疾患(PAD)

四肢の動脈が閉塞・狭窄し、歩行時の下肢痛(間欠性跛行)が代表的症状です。重症化すると潰瘍・壊疽に至ることもあります。

深部静脈血栓症(DVT)

深部の静脈に血栓が形成される病態。長時間の安静・手術後・脱水などが誘因となり、肺塞栓症を合併すると生命を脅かす場合があります。「エコノミークラス症候群」として広く知られています。

貧血や心不全など

貧血では血液の酸素運搬能力が低下し、心不全では心臓の拍出量が落ちることで全身の血流量が減少します。いずれも症状が重なりやすく、鑑別が重要です。喉の違和感など消化管症状を伴う場合は喉の違和感とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】もご参照ください。

血流に関する誤解と正しい考え方

「冷え=血流だけが原因」ではない

手足の冷えは血流低下だけでなく、甲状腺機能低下症・自律神経失調・貧血・低血圧など複数の原因が絡み合うことがあります。「冷えは血流を改善すれば解決する」と単純に捉えず、原因を見極めることが大切です。

血流改善グッズだけに頼らない

市販の温熱グッズや着圧ソックスはセルフケアの補助として活用できますが、基礎疾患が原因の場合は根本的な治療が必要です。症状が続く場合は医療機関を受診してください。

まとめ|血流の不調は原因を見極めて対処を

日常ケアと受診の両方が大切

血流の低下は、姿勢・運動不足・冷え・脱水などの生活習慣から、動脈硬化・貧血・心不全といった基礎疾患まで、幅広い原因によって起こります。日常的なセルフケア(体を動かす・温める・水分補給・禁煙)は有用ですが、症状が続く場合や急に悪化した場合は医療機関での原因精査が必要です。不調のサインを見逃さず、適切なタイミングで受診することが健康維持の基本です。

よくある質問(FAQ)

血流が悪いときにすぐできることはありますか?

立ち上がって数分間歩く、ふくらはぎのつま先上げ下げ運動(カーフレイズ)、温かい飲み物を飲む、手足を軽く温めるなどが手軽に取り組めます。ただし症状が強い場合や急に悪化した場合は、セルフケアより先に受診をご検討ください。

血流を良くするには歩くのがよいですか?

はい、有酸素運動(ウォーキングなど)は血管の柔軟性を保ち、筋ポンプ機能を高めるため、継続的に行うことが望まれます。厚生労働省の「健康日本21」でも、身体活動量の確保が生活習慣病予防に有効であると示されています。無理のないペースから始めることが大切です。

マッサージで血流は改善しますか?

適度なマッサージは筋肉のほぐれや局所の循環促進に一定の効果が期待できます。ただし、炎症がある部位・静脈瘤がある部位・深部静脈血栓症が疑われる場合は禁忌となることがあります。持病のある方は医師への相談を優先してください。

冷え性と血流の悪さは同じですか?

必ずしも同じではありません。冷え性には血流低下以外に、自律神経の調節異常・甲状腺機能の低下・貧血・低血圧なども関係します。冷えが続く場合は血流だけに着目せず、総合的な原因の評価が必要です。

どの症状があれば早めに受診したほうがよいですか?

以下の症状がある場合は早めの受診を検討してください。

  • 片側の手足だけが急に冷えた・しびれた・色が変わった
  • 歩くたびに足が痛くなる
  • 胸痛・動悸・息切れ・急なめまいを伴う
  • むくみが短期間で急激に悪化した

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:
厚生労働省『地域連携クリティカルパスモデルの開発』班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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