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体に良い油とは?原因・症状・対処を内科医が解説

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体に良い油とは?原因・症状・対処を内科医が解説

「体に良い油」を意識することは、日々の食事の質を整えるうえで重要なポイントです。油はすべて控えるべきと思われがちですが、種類と量を適切に選ぶことが、健康的な食生活の基本と考えられています。本記事では、消化器・内科の観点から、油の種類・選び方・摂り方のコツをわかりやすく解説します。

本記事は医学的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。症状や数値が気になる場合は、必ず医師にご相談ください。


体に良い油とは?まず押さえたい基本

油は「悪者」ではない?体に必要な理由

油(脂質)は三大栄養素のひとつであり、細胞膜の構成成分・ホルモンの原料・脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収補助など、身体の多くの機能を支えています。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」でも、脂質の摂取目標量は総エネルギーの20〜30%と定められており、「脂質ゼロ」が推奨されているわけではありません。

「体に良い油」と「控えたい油」の考え方

油を大きく分けると、不飽和脂肪酸(魚油・植物油など)と飽和脂肪酸(動物性脂肪・ヤシ油など)、そしてトランス脂肪酸(マーガリン・ショートニングなど)に分類されます。一般的に、不飽和脂肪酸のなかでもオメガ3系・オメガ9系は「積極的に摂りたい油」として位置づけられ、飽和脂肪酸・トランス脂肪酸は「摂りすぎに注意したい油」とされています。


体に良い油の代表例

不飽和脂肪酸とは

不飽和脂肪酸は、分子構造に二重結合をもつ脂肪酸の総称です。常温で液体のものが多く、オメガ3・オメガ6・オメガ9系に分類されます。

オメガ3脂肪酸を含む油

EPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)を含む青魚の脂や、αリノレン酸を含む亜麻仁油・えごま油・チアシードオイルなどが代表例です。オメガ3脂肪酸は体内で合成できない必須脂肪酸であるため、食事からの摂取が必要です。日本動脈硬化学会のガイドラインでも、魚介類の摂取を増やすことが推奨されています。

オリーブオイルなどの一価不飽和脂肪酸

オレイン酸(オメガ9系)を豊富に含むエクストラバージンオリーブオイルは、地中海式食事法でも多用される油です。酸化しにくい特性があり、加熱調理にも比較的適しています。菜種油(キャノーラ油)もオレイン酸を多く含みます。

MCTオイルはどんな人に向く?

MCTオイル(中鎖脂肪酸油)は、消化・吸収が速く、すぐにエネルギーに変換されやすい特徴があります。ただし、消化器系に負担がかかりやすい方や、膵疾患・肝疾患のある方には向かない場合があります。使用する際は医師に相談することをお勧めします。


体に良い油の選び方

加工の少なさで選ぶ

精製度が低い「エクストラバージン」や「コールドプレス(低温圧搾)」の表示がある油は、栄養成分が保たれやすいとされています。

加熱調理に向く油・向かない油

亜麻仁油・えごま油は熱に弱く、加熱すると酸化が進みやすいため、ドレッシングや仕上げに使うのが適しています。オリーブオイルや米油は比較的加熱に強く、炒め物・焼き物にも使いやすい油です。

酸化しにくさで選ぶ

油は光・熱・空気で酸化します。遮光瓶入りの製品を選び、開封後は冷暗所に保管し、なるべく早めに使い切ることが大切です。

使う量と全体の食事バランスを意識する

油の種類を選ぶことと同様に、使う量の管理も重要です。どの油も1gあたり約9kcalと高エネルギーであるため、バランスよく摂取することが基本です。


控えたい油の特徴

飽和脂肪酸を摂りすぎない工夫

肉の脂身・バター・生クリーム・ヤシ油などに多く含まれる飽和脂肪酸は、摂りすぎると血中LDLコレステロール値を上昇させる可能性があるとされています。完全に避ける必要はありませんが、日本人の食事摂取基準では飽和脂肪酸の目標量は総エネルギーの7%以下とされています。

トランス脂肪酸に注意したい食品

マーガリン・ショートニングを使用したパン・菓子類・ファストフードなどに含まれるトランス脂肪酸は、LDLコレステロールを上げ、HDLコレステロールを下げる可能性が指摘されています。WHO(世界保健機関)は、トランス脂肪酸の摂取を総エネルギーの1%未満に抑えることを推奨しています。

揚げ物・菓子類との付き合い方

完全に避けるのではなく、頻度と量を意識することが現実的なアプローチです。揚げ物を食べる際は、野菜・魚を中心とした食事と組み合わせるなど、全体のバランスを整えることが大切です。


体に良い油をとることで期待できる食生活上のメリット

脂質の質を整える考え方

食事の中で飽和脂肪酸・トランス脂肪酸を不飽和脂肪酸に置き換えることは、脂質の質を整えるうえで有効と考えられています。

健康診断の数値が気になる人の食事の基本

脂質異常症が気になる方は、油の種類だけでなく、食物繊維・野菜・魚の摂取量を増やすことも重要です。食事全体のバランスを整えることが、健康維持の基本です。

なお、脂質異常症や生活習慣病については、食道裂孔ヘルニアとは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】の記事でも、消化器と食生活の関係について解説しています。あわせてご参照ください。

ただし「油だけ」で改善を目指さない

油の種類を変えることは食生活改善の一歩ですが、それだけで検査値や症状が改善されるわけではありません。運動・禁煙・節酒・ストレス管理など、生活習慣全体を見直すことが大切です。


体に良い油の摂り方のコツ

1日の中で置き換えを意識する

バターをオリーブオイルに置き換える、ドレッシングを亜麻仁油ベースにするなど、現在使っている油を少しずつ置き換える方法が継続しやすい工夫です。

サラダ・魚・ナッツ・種実類を上手に取り入れる

青魚(サバ・イワシ・サーモンなど)を週2〜3回食べる、くるみ・アーモンドなどのナッツ類を間食にする、といった方法でも良質な油を摂取できます。

外食・コンビニでの選び方

外食では揚げ物の頻度を減らし、焼き魚・和食・サラダを積極的に選ぶことが一つの目安です。コンビニでは、サラダ・ゆで卵・魚介惣菜などをうまく活用しましょう。


摂り方で注意したいこと

摂りすぎるとエネルギー過多になりやすい

「体に良い油」であっても、摂取量が多ければエネルギー過多になります。1日の使用量を小さじ1〜2杯程度を目安とし、全体の食事量とのバランスを意識することが重要です。

体質や持病によって向き不向きがある

膵炎・胆嚢疾患・肝疾患・脂質代謝異常などがある方は、油の種類や量に制限が必要な場合があります。持病がある方は必ず主治医にご相談ください。また、胃食道逆流症(GERD)や喉の違和感などの消化器症状がある方も、脂肪分の多い食事が症状に影響することがあります。

サプリメントや健康食品に頼りすぎない

魚油サプリ(EPA・DHA)などは補助的な選択肢ですが、食事全体のバランスに勝るものではありません。サプリメントの使用は医師・管理栄養士に相談のうえ判断することをお勧めします。


こんな症状・状況があるときは受診を

健康診断で脂質異常を指摘された

LDLコレステロール・中性脂肪・HDLコレステロールの異常を指摘された場合は、食事指導・生活習慣の見直し・必要に応じた薬物療法の検討が必要です。自己判断のみで対処することなく、内科を受診することをお勧めします。

胸の痛み、強い腹痛、急な体重変化がある

これらの症状は心疾患・消化器疾患など、早期対応が必要な状態のサインである可能性があります。速やかに医療機関を受診してください。

食事を見直しても改善しないとき

食生活を改善しても健診の数値が改善しない場合や、体調の変化が続く場合は、医師による評価・検査が必要なことがあります。ご予約・お問い合わせからお気軽にご相談ください。


内科で相談できること

食事内容の見直し

内科では、管理栄養士と連携した食事指導を受けられる場合があります。日々の食事の具体的な改善方法を医師・医療スタッフに相談できます。

脂質異常症や生活習慣病の確認

血液検査によって脂質・血糖・肝機能などを確認し、生活習慣病のリスクを評価することができます。

必要に応じた検査や治療

食事改善だけでは対処が難しい場合、薬物療法や詳細な検査を検討することになります。PPIなどの薬剤についてはPPIとは?の記事でも解説していますので、消化器症状が気になる方はあわせてご覧ください。


まとめ:体に良い油は「種類」と「摂り方」で考える

体に良い油を選ぶポイントは、①オメガ3系・オメガ9系など不飽和脂肪酸を意識する、②加工・加熱・酸化に配慮する、③量と食事全体のバランスを整える、の3点です。飽和脂肪酸・トランス脂肪酸を減らし、青魚・良質な植物油・ナッツ類を日常的に取り入れることが、食生活の質を高める第一歩になります。ただし、油の種類だけで健康が決まるわけではなく、食事全体・生活習慣の見直しが大切です。気になる症状や検査値がある場合は、自己判断せず医師にご相談ください。


よくある質問(FAQ)

体に良い油は毎日摂ったほうがいいですか?

オメガ3脂肪酸など必須脂肪酸は体内で合成できないため、毎日の食事で意識的に摂取することが望ましいと考えられています。青魚・亜麻仁油・えごま油などを日常的に取り入れる工夫が参考になります。ただし過剰摂取は避け、食事全体のバランスを優先してください。

オリーブオイルは加熱しても大丈夫ですか?

エクストラバージンオリーブオイルは、亜麻仁油やえごま油と比べると熱に比較的安定しており、炒め物や焼き物に使用できます。ただし、高温での長時間加熱は酸化を促進するため、できるだけ適切な温度と時間での調理が望まれます。

ココナッツオイルは体に良い油ですか?

ココナッツオイルは飽和脂肪酸の含有量が非常に高いため、摂りすぎるとLDLコレステロールを上昇させる可能性があります。「トレンドの健康食品」として注目されることがありますが、科学的根拠はまだ十分ではなく、過剰摂取には注意が必要です。

MCTオイルは誰でも使えますか?

MCTオイルは消化・吸収が速い反面、一度に大量に摂取すると下痢・腹痛などの消化器症状を起こすことがあります。膵疾患・肝疾患・胆嚢疾患がある方には適さない場合があるため、使用前に医師にご相談ください。

油を控えればコレステロールは下がりますか?

コレステロール値は食事中のコレステロール量よりも、飽和脂肪酸・トランス脂肪酸の摂取量に大きく影響されると考えられています。油を単純に控えるだけでなく、油の「種類」を見直すことが重要です。健診で脂質異常を指摘された場合は、医師の診察を受けることをお勧めします。


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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)/医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴:1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。


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