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肝機能数値とは?原因・症状・対処を内科医が解説

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肝機能数値とは?原因・症状・対処を内科医が解説

健康診断の結果票に「AST」「ALT」「γ-GTP」などの数値が並んでいて、「基準値より高い」と指摘されたことがある方は少なくありません。肝機能数値は、肝臓の状態を把握するうえで重要な指標です。数値の異常が見つかっても自覚症状がないケースが多いため、放置されがちですが、早めに原因を確認することが肝臓の健康を守るうえで大切です。本記事では、各検査項目の意味・基準値・原因・対処法について、内科医の視点からわかりやすく解説します。

肝機能数値とは?まず知っておきたい基本

肝機能数値でわかること

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、栄養の代謝・解毒・胆汁の分泌など多岐にわたる働きを担っています。肝機能数値とは、血液検査によって肝臓の細胞が傷ついていないか、胆汁の流れに問題がないかなどを確認するための指標です。肝臓に炎症や障害が起きると、細胞内の酵素が血液中に漏れ出し、数値として検出されます。

健康診断でよく見る検査項目の位置づけ

健康診断では通常、AST・ALT・γ-GTPの3項目が測定され、医療機関ではALP・ビリルビン・アルブミン・PT(プロトロンビン時間)なども追加されることがあります。これらは肝臓の「炎症」「胆道の流れ」「合成能力」をそれぞれ反映しており、組み合わせて見ることで病態を推定できます。

肝機能数値でよく見る項目と基準値の考え方

AST(GOT)とは

ASTは肝細胞のほか、心筋・骨格筋・赤血球にも含まれる酵素です。基準値は概ね30 U/L以下とされています。肝臓だけでなく筋肉の損傷でも上昇するため、ALTと合わせて評価します。

ALT(GPT)とは

ALTは肝細胞に特異性が高い酵素で、肝炎や脂肪肝のスクリーニングに適しています。基準値は概ね30 U/L以下(一部学会では男性40、女性30 U/Lを目安とする場合も)。ALTが高い場合は、肝臓由来の問題を重点的に考えます。詳しくはaltとは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】もあわせてご覧ください。

γ-GTPとは

γ-GTPは胆管・肝細胞に多く存在し、アルコールや薬剤の影響を受けやすい酵素です。基準値は概ね50 U/L以下。飲酒習慣がある方で単独上昇することがあります。詳しくはγ-gtpとは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】をご参照ください。

ALPとは

ALPは胆管・骨・腸などに分布し、胆汁うっ滞(胆道の詰まり)で上昇しやすい酵素です。基準値は検査機関によって異なりますが、概ね115 U/L以下が目安となります。

ビリルビンとは

ビリルビンは赤血球が分解されて生じる色素で、肝臓で処理されて胆汁に排泄されます。基準値は総ビリルビンで概ね0.3〜1.2 mg/dL。上昇すると黄疸(皮膚・白目が黄色くなる)として現れることがあります。

数値は「1つだけ」ではなく組み合わせで見る

たとえばASTとALTが両方高く、ALT優位であれば脂肪肝や慢性肝炎、AST優位であればアルコール性肝障害や心筋障害の可能性が考えられます。単一の数値だけで原因を特定するのは難しく、複数の項目を組み合わせた解釈が重要です。

肝機能数値が高いときに考えられる原因

脂肪肝

生活習慣の乱れや肥満・糖尿病などにより肝臓に脂肪が蓄積した状態です。AST・ALTが軽度〜中等度に上昇することが多く、健康診断での異常指摘で初めて気づくケースが大半です。詳細は脂肪肝とは?原因・症状・治し方まで内科医が解説【たまプラーザ】をご覧ください。

アルコールの影響

習慣的な飲酒はγ-GTPを中心に、AST・ALTも上昇させます。ASTがALTの2倍以上になる場合はアルコール性肝障害が疑われます。

ウイルス性肝炎

B型・C型肝炎ウイルスによる慢性肝炎では、AST・ALTが持続的に上昇します。感染していても長年症状が出ないことがあるため、未検査の方は一度確認することをお勧めします。

薬剤やサプリメントの影響

市販薬・漢方薬・健康食品・プロテインなども薬物性肝障害の原因となります。「自然由来だから安全」とは限らないため、服用中のものは医師に伝えることが大切です。

胆道系の異常やその他の病気

胆石・胆管炎・原発性胆汁性胆管炎などではALP・γ-GTPが優位に上昇します。自己免疫性肝炎や甲状腺疾患、心不全なども肝機能数値に影響を与えることがあります。

肝機能数値が高くても症状がないことがある

自覚症状が出にくい理由

肝臓は予備能力が高く、機能がかなり低下しても症状が現れにくいという特性があります。そのため、血液検査での異常が唯一の手がかりになることが多いのです。

進行するとみられる症状

倦怠感・食欲不振・右上腹部の違和感・黄疸・体重減少・腹部膨満(腹水)・出血しやすいなどの症状は、肝障害が進行しているサインである可能性があります。

早めの確認が大切なケース

家族に肝炎患者がいる方、大量飲酒歴がある方、肥満・糖尿病がある方、健診で繰り返し異常を指摘されている方は、早めの医療機関受診をご検討ください。

健康診断で「再検査」「要受診」と言われたときの考え方

どの数値なら受診を検討するべきか

一般的に、AST・ALTが基準値の2〜3倍を超えている場合や、複数の項目が同時に異常を示している場合は、医療機関での精査が推奨されます。

一時的な上昇と継続的な異常の違い

激しい運動・飲酒・一時的な食べ過ぎなどによる一過性の上昇もあります。ただし、2〜3か月後に再検査しても異常が続く場合は、継続的な問題として評価する必要があります。

再検査で確認すること

医療機関では、追加の血液検査・腹部超音波検査・必要に応じた肝炎ウイルスマーカーの測定などが行われます。

肝機能数値が気になるときの対処法

食事で意識したいこと

高脂肪・高カロリーな食事を控え、野菜・食物繊維・良質なたんぱく質を適切に摂ることが基本です。過度な糖質・果糖の摂取も脂肪肝のリスクを高めます。

飲酒の見直し

肝臓の回復を促すためには、休肝日を設けることが有効とされています。アルコール性肝障害が疑われる場合は、禁酒または節酒を医師と相談しましょう。

運動と体重管理

有酸素運動(ウォーキング・水泳など)を週に複数回行い、適正体重を維持することが脂肪肝の改善に有効とされています。

服薬中の薬やサプリの確認

市販薬・サプリメント・漢方薬は肝臓で代謝されるものが多く、肝機能に影響することがあります。受診時には必ずお薬手帳や服用中のサプリを申告してください。

医療機関ではどんな検査・診察をするのか

問診で確認する内容

飲酒量・服薬歴・既往歴・家族歴・症状の有無・生活習慣などを確認します。

血液検査で追加する項目

肝炎ウイルスマーカー(HBs抗原・HCV抗体)・血算・凝固検査・アルブミン・コリンエステラーゼ・空腹時血糖・脂質検査などが追加されることがあります。

必要に応じて行う画像検査

腹部超音波検査(エコー)は脂肪肝・胆石・腫瘤の有無を確認するうえで有用です。より詳細な評価が必要な場合はCT・MRIが用いられることもあります。

受診の目安

早めに内科を受診したい症状

  • 倦怠感・体のだるさが続く
  • 食欲不振・吐き気がある
  • 右上腹部に違和感や痛みがある
  • 健診で複数の肝機能項目に異常がある

すぐに相談したいケース

  • 皮膚や白目が黄色くなっている(黄疸)
  • 尿が濃い茶色になっている
  • 腹部の強い痛みや高熱が続く

健康診断の数値だけでも受診したほうがよい場合

症状がなくても、「要受診」「要精密検査」と判定された場合は、放置せずに内科を受診されることをお勧めします。

肝機能数値を放置しないために知っておきたいこと

放置すると何が問題になるか

脂肪肝・慢性肝炎などを放置すると、肝線維化→肝硬変→肝細胞がんへと進展するリスクがあると報告されています(日本肝臓学会ガイドライン参照)。進行してからの治療は負担が大きくなるため、早期の段階での対応が重要です。

定期的な経過観察の重要性

異常が軽度であっても、定期的な血液検査・超音波検査で経過を追うことが、重篤な肝疾患の予防につながります。

よくある質問(FAQ)

肝機能数値が高いと言われたら、まず何をすればいいですか?

まず、飲酒・サプリ・市販薬など肝臓に影響する可能性のある習慣を確認し、健診結果を持参して内科を受診されることをお勧めします。原因を特定することが改善への第一歩です。

ASTとALTはどちらが重要ですか?

どちらも重要ですが、ALTは肝臓への特異性が高いため、肝疾患の評価には特に参考になります。ASTは筋肉由来の上昇もあるため、ALTと比較して解釈します。

γ-GTPだけ高いのは何が原因ですか?

飲酒習慣や薬剤の影響が代表的な原因です。ただし、胆道系の問題や脂肪肝でも上昇することがあります。基準値と照らし合わせた詳細な情報はγ-gtp基準値とは?原因・症状・対処を内科医が解説【たまプラーザ】をご参照ください。

症状がなくても受診したほうがいいですか?

はい。肝臓は症状が出にくい臓器です。「要受診」と指摘されている場合は、症状の有無にかかわらず医療機関への相談をお勧めします。

肝機能数値は食事や飲酒を見直せば下がりますか?

脂肪肝やアルコール性肝障害が原因の場合、生活習慣の改善で数値が改善することがあります。ただし、ウイルス性肝炎や薬剤性など他の原因の場合は、医師による治療が必要です。自己判断での改善を待つよりも、まず原因の確認が優先されます。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/AIプラスクリニックたまプラーザ 監修医
専門:消化器・内科(消化器外科/内視鏡/一般内科)

略歴: 1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割: 厚生労働省『地域連携クリティカルパスモデルの開発』班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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